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2024-08-06 06:53

heldio #17. 形容詞と副詞の no は別語源!


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おはようございます。英語の歴史を研究しています、慶応義塾大学の堀田隆一です。
このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしてきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。
今回取り上げる話題は、形容詞と副詞の no は別語源だったという驚きのトピックです。
yes, no の no ですが、この no には、形容詞の使い方と副詞の使い方というのがありますね。
まず、yes, no という場合の no これは副詞としての使い方ということです。
Have you ever been to Kyoto? No, I haven't. という時の no ですよね。単体で用いられることもありますが、no の意味ですね。
これが副詞としての用法です。
他にも、副詞としての用法は、実はいろいろありまして、例えばですね。
You are no longer young. You are no longer young. なんていう時の no というのは longer というですね。
これ自体も副詞ですが、副詞を修飾しているもう1個の副詞という働きですので、これ副詞の no なわけですよね。
他には、例えば I am no good at tennis. この I am no good at tennis という時の no。
これは、I am not good at tennis よりもさらに強い指定ということです。
ノットと同じ役割ですね。さらに強いだけでですね。
なので、これも副詞ということになります。
このように副詞の no というのはあるんですが、ただ一般的によく使われるのはですね、形容詞のことも多いわけですよね。
次に名詞が来て、それを修飾する。それがないことを言いたい時にですね、no money のように言うわけです。
I have no money on me とか、He is no fool なんてのもありますね。
それから no objection なんてのもあります。
このように no 名詞という形で使われる場合、これが形容詞ということですね。
いずれも、結局は否定ということですので、これは形としても、発音としても同じですし、動言に違いないと思われるかもしれませんが、実は違うんですね。
この形容詞の no の方から行きたいと思います。
形容詞の no はですね、実はねという、この ne とかつて書いた、否定の語ですね。
否定の競争字というべきですかね。
これに、あーんという単語が付いたものです。つまり、ねプラスあーんというものが起源なんですね。
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このあーんというのは何かというと、実は 1 です。1 っていう数詞です。
そして、このあーんというのが少し短くなって、あんとなったのが、現在の不定漢詞の、次に母音が来る時の不定漢詞、あんですね。
さらに次に子音が来る時は、この n が落ちて、あとなってしまいました。
つまり、わん、あん、あというのは、すべて同じ元々の古いあーんという数詞、1 を表す数詞に遡るということです。
数詞っていうのは、次に名詞が来て、あなぽの通りですね、わんなぽの通り、一つのという意味を表すわけですよね。
これを否定のね、頭に持ってきたねで否定するということで、ね、あーんの部分がどんどん短くなって、実は no になってしまったということなんですね。
つまり、一つのを否定しているわけなので、ゼロということになります。
この場合、形容詞としての no なわけですけれども、ある意味、no の反対は yes ではなく、no の反対は 1 なんだということになります。
ゼロか1かという発想ですね。これはこれでわかりやすいんじゃないかと思います。
形容詞の no は改めて述べますと、ね、だす、あーん、つまり not, one のような形が起源だということなんですね。
さて、では否定の副詞ですね。否定の副詞としての no ですね。
副詞の no の方はどういう語源かと言いますと、最初の頭の部分は変わらないんです。
やはり否定を意味する ne があったということは間違いないんですが、その次に来るものが one に相当する単語ではなくて、また全く別の副詞、あーというものなんです。
つまり、ね、だす、あー、これが集まって no 副詞の no になったということなんですね。
ではこの副詞のあーという部分は何なのかというと、
これは現在では残っていませんが、意味的には ever とか always、いつも、永遠にって意味なんです。
つまりですね、副詞の no はね、だす、このあーですから、意味的には not, ever、つまりまあ never ですよね。
これとほとんど同じ作りなわけです。no というのは結局 never の意味ということになります。
さあこのようにですね、現代としては形も発音も同じ、そして辞書にも一つの no で載っています。
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その中に形容詞とか副詞というふうに分かれて記載されていますが、実際のところ語源が別だということです。
頭の部分のねこそ否定の意味で一致していますが、その後の母音の部分ですね。
母音で表される母音の部分の語源が、実は形容詞の場合には one に想像するやつで、
副詞ではですね、あーという今は無き、ever、always を意味する副詞に由来するということです。
ですから厳密に言うと、この2つの形容詞と副詞の no はですね、別語源だったということになります。
それではまた。
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