スタートアップの意思決定について
BOOTUP RADIO ポッドキャスターの伊藤です。
この番組は、ペライチ創業者でエンジェル投資家の橋田一秀さんと、
スタートアップを立ち上げる上での疑問や企業に関するトピックを取り上げ、
SEED 企業家や企業界部群の方に役立つ情報をお届けします。
橋田さん、おはようございます。
おはようございます。
9月になりましたが、暑いですね。
というか、日本は暑いんですけど、そちらはどうですか?
こちらもですね、暑いです。
というのも、今東海岸にいて、
すごく暑いです。日本みたいな感じなので暑いです。
ニューヨークにいるんですよね、今ね。
ようやく夏を感じ。
ニューヨークじゃなくて、プロビデンスっていう。
ほう、ほう、あれ?
なんか、ニューヨークからちょっとまた離れた場所に、またニューヨークには戻るんですけど、
ところにいます。
はい。
プロビデンスってどこだろう?あ、あった。ロードアイランド州。
あ、そうなんですね。てっきりニューヨークにいるもんだと思ってました。
はい。
あと、3日ぐらいにまたニューヨークに戻ります。
なるほど。
なんか、ここにはどういう目的で行ってるんですか?
ここは、ここにプロビデンスっていう街に、ブラウン大学っていう大学があって、
ブラウン大学の方とお会いする予定が明日あるので、ちょっと短期で滞在してるみたいな感じです。
そうなんですね。へえ。ありがとうございます。
ということで、今日のテーマなんですけど、前回に引き続きですね、
生田さんスライドツリーその2ということで、
やはり俺のスタートアップの意思決定は間違っているについてちょっとしゃべりたいと思います。
はい。
今日のテーマを考えたときにね、ちょうど先週の配信で、生田さんのスライドからちょっといろいろ取り上げたので、
他にどういうテーマをしゃべろうかっていうところで、これがいいんじゃないかっていうところで、
伊藤さんリコメンドありまして、ちょっと簡単に解説しようという、その一部をちょっと拾ってしゃべろうかなと思ってるんですけど、
要約すると、スタートアップの意思決定ってすごいよく間違うよねっていう話ですと。
なんで間違うのかっていうと、そもそもスタートアップが反直感的であるからだと。
具体的には3つ要因があって、問題や状況を適切に認識できてない、正しく情報収集できてない、バイアスに騙される、この3つが主にあるんで、
これを回避しようと考えましょうっていうのがこのスライドの趣旨ですと。
特にこの中で、どれだっけ、3つ目か。意思決定のバイアスを避けるのところかな。
意思決定のバイアス回避
合ってる?
そうですね。はい。
違う、情報収集するの中で、情報、間違えた、意思決定のバイアスを避けるの中で、
結構直感に笑わされないみたいな話、感情に笑わされないみたいな話が伊藤さんに刺さったって言ってたんで、
ちょっとそこを取り上げようかなと思ってます。
どういうふうに感情に惑わされるかみたいな話で言うと、大きく9つポイントがあって、
読み上げると、感情に惑わされない、損失回避、リスク追求、楽観バイアスと自信過剰、
それから直感に惑わされないところが、代表性、利用可能性、アンカリング、
最後、理性に惑わされないところが、拡張バイアス、ランダムさ、専門家の予測の脆さ。
で、9つありまして、結構ツボだなっていう。
2人で今ちょっと事前に話しててツボだなって思ったところが2つあって、
この1個目の損失回避っていうところと、3つ目の楽観バイアスと自信過剰っていうところがありました。
ちょっとその辺取り上げていこうと思う。
1個目損失回避なんですけど、ちょっと読みます。
人は状態より参照点からの変化に敏感で、変化の中でも特にリットークよりも損失について敏感であり、過度に損失を避けた傾向にある。
例えば、参加コストが処理できない。
多くの投資家は損金を避けて、より大きな損失につながりがちである。
2つ目、保有効果。
何かを得た場合、持っているものを高く評価しがちになる。
例えば、マグカップを与えられた人は、それを7.12ドルで売ると言い、与えられなかった買い手は2.87ドルで買うとした。
その評価の差は、評価額の差は2倍である。
なるほど。
何かこういう経験ってあるんですか、伊藤さん。
何か、なかなかやめれないみたいな。
僕はやめれないももちろんあったんですけど、
というよりかは、常日頃に自分に対して情報が降ってくるチャンスであったりとか、
追求できるような可能性みたいなものが日頃何かしらあるかなと思っていて、
それはイベントに何か参加できるかもしれないとか、
何かのコミュニティに参加できるかもしれないみたいな、いろいろあると思うんですけど、
そういうのが日々あるかなと思っていて、
ただ、それらを全部全て参加できなかったりとかいかなかったら損失だなと思って、
毎回毎回追求していると時間がすごいなくなってしまって、
全然選択集中ができていないのかなというふうに思っていて、
すごい刺さりました。
なるほど。何か伊藤さんだとそうですね、
まだ起業家としてというよりかは、今起業準備中っていうところなんで、
そういった人との出会いとか、今って結局そういった自分の事業領域をこれからどうしようかなっていうのを
考える段階だと思うので、
もっといろんな人に会って情報収集したいとか、
まさにUSに行っているのってそういう理由だと思うんですけど。
はい。
僕自身も経験があって、
最近スタートアップとしてTVで喋ったんですけど、
起業家としての失敗みたいな話をしてくれってことだったんで、
本気で言うとあれかもしれない。
お客さん、すごいそのとき喋ったのはざっくり言うと、
法人チームの話だと思うんですけど、
なかなか会社のリソースが足りない中で、
ターゲットをスモールビジネスだけに絞らずに、
他のお客さんに対してもサービスを提供してました。
特に法人ユーザーの方にも提供してたんですけど、
法人ユーザーの人たちって同じプロダクトを使ってもらってたんですけど、
フィードバック使い方が違うので、フィードバックも違うと。
その中で開発チームからなかなかリソースが限られてたんで、
法人ユーザーさんからのフィードバックとかはなかなか反映できなくて、
なかなか法人チームもしんどい状況になってきててっていうところで、
なかなかそれもそういう意味では損切りできなかったかなって、
振り返ればそう思うとこですね。
なので、そういうことってあるよね。
あとよくあるのが、大企業でも新規事業どこまで続けるかとか、
そういうのはよくあったりしますよね、テーマとして。
投資家の話もそうですよね。
投資をし続けちゃってるから引けないみたいな。
これはあるあるかもしれないですね。
ちなみに対策は書いてあるんですけど、
自分の公認者やトレーダーならどうするか考えたり、
シーニアドバイスをするならどうするかを考える。
また損失ということを費用と置き換えてみる。
そうですね。
なかなか冷静になれないんですよね。
一人でって言うとあれですけど、
こういうのはアドバイスを求めるといいかもしれないですね。
なんか僕もそういえば、最近したアドバイスで言うと、
投資先のある会社に対してチームがうまくいってなくて、
ある人がすごくワークしてないみたいな話をして、
楽観バイアスと自信過剰
企業家曰くこの人はエンジニアだったんですけど、
コードはそこそこ書けるんですけどねみたいな。
なんか払ってるコストの割に、
あんまりいいバリを出せてる気がしないんですよねみたいな。
でも悪くないんですよねみたいな話してて。
それはすぐリフレーズした方がいいんじゃないみたいな話をしたんですよ。
でもこういう意思決定ってやっぱり、
まだその会社はシード機の会社だったんですけど、
やっぱ難しいんですよね人によっては。
やっぱり今までやってくれてたし、
この人いなくなると開発のパワーが落ちるし、
だから何かいてもらってもいいかなみたいな。
でも心の底ではチームへの悪影響あるしなみたいな、
思っちゃってるみたいなのがあって意思決定できないみたいな。
こういうの結構あるかもしれないです。
なんでアドバイス。
すぐやめさせておいてよって僕アドバイスしたんですけど。
これやっぱ外から言って客観的に見るとアドバイスできちゃうっていうか、
これはありますねやっぱり。
なんで対策としては外の人に冷静にアドバイスを求めてみるとかはいいかもしれないですね。
そうですね。
これなんか次のスライド。
親友にアドバイスするならって書いてますね。
自分がそういう意味では損失回避してるかもって気づいたときに、
自分自身にどう問いかけるかっていう。
アドバイスを求めるもちろんいいんですけど、
自分で考え直すときにこういうふうに考え直すといいよっていう話で、
遠くから自分の状況を眺めてみるっていうのがいいですよね。
自分の親友ならこの状況にある自分の親友を想像してみて、
その親友にアドバイスするのはどうするかっていう問いの立て方はいいかもしれないですね。
はい、確かに。
確かにそうですね。
次のテーマが3番目。
楽観バイアスと自信過剰。
ちょっと読みますね。
判断に必要な情報にかけていても一貫性のある説明ができれば、
失敗の恐れや疑問を持たず主観的な自信が形成される。
例えば、あなた運転が平均以上に上手ですか。
常規のとおりに90%以上のドライバーがイエスと答える。
平均の定義からしてこれはおかしい。
我々はまずまず上手くできることについては過度に楽観的になりやすい。
なるほど。
予定通りにプロジェクトを進められた人は、
ダイエットや宿題、書き初めで意思表明をすべて達成した人は皆無一回だろう。
だが計画した当時は皆できると楽観的に思っていた。
いやー、その通りですね。
これはね、もうそうですねとしか言いようがなくて。
あのー、これ僕一番刺さってるんですけど、
伊藤さんどうですか?これについては。
いや、ものすごく僕も刺さって。
何か経験あります?
そうですね、経験で言うと、
僕の場合、資金調達だと全然違うんですけど、
2024年のアメリカ万学費はパトロンから調達というか支援していただくんですけど、
元々は自分で頑張ってお金を稼いで貯めていこうという風にしてたんですけど、
それでこういう計画でうまくいくだろうと思ってやっていたものがなかなかうまくいかないが、
アプライの時期はどっちか出てくるみたいな感じで、
全然計画通りにうまくいかないみたいな感じがあって、
結局そのやり方を変えて、その後すぐにうまくいったんですけど、
そうですね、当初から早い段階で気づけたらよかったなというのはあります。
そうですね、これも最近投資先へのアドバイスみたいなのがめっちゃあるなと思ってて、
やっぱり、僕も経験あるんですけど、やっぱり楽観バイアス。
よくあるのが、スタートアップであるあるなのが、思ったより資金調達したけど思ったよりランウェイが短くなっちゃったみたいなのが、
一言で言うとこれなんですよね。
マジでそうだなって思ってて、僕自身もそういう経験があって、思ったよりキャッシュバーンしちゃって、
スタートアップの意思決定のリスク
思ったより早く資金調達しなきゃいけなくて、思ったよりもバリュレーションがつかないかもみたいな状況ってやっぱりあったんですけど、
これは今も昔も変わらなくて、そういう状況に陥る投資先の会社もあるし、
別にそういう状況に陥ってないけど、計画の見積もりがそもそも甘いっていう会社もある。
こういう事業計画で5年後に、よくあるある事業計画で言うと、5年後に上場しますと。
来年シリーズAで何億円、その次がシリーズBで何億円、その次がシリーズCで何億円、次がプレイIPOで何億円みたいなバリュレーションとかって書くじゃないですか。
別にいいと思うんだけど、やっぱりこれって、僕もそうですし、もっとVCの人とかから見たら、
いやなんかこれ今の思経で、これいける、今の思経って言うとあれですけど、いけるんでしたっけとか、そもそも資本政策って事業計画に紐づいてるものと思うんで、
この事業計画の達成可能性どれぐらいあんだっけ、達成度合いがどれぐらいあんだっけっていうのと、達成したときにこのバリエーション本当につくんだっけなみたいな。
っていうのは、やっぱりこれも経験値の話なんで、見積もりが甘いのはしょうがないと思ってて、それは外部の人に突っ込んでもらうのが一番いいんですけど、そっちはしょうがないとして、でも実際にその計画に合わせて事業やっていくんだけど、
当然、シードキルあればあるほどその計画なんて本当に当てないようなものでずれていくし、でもずれていったときに手当てが遅くなって、3ヶ月で資金調達できると思いますとか言ってやってたら全然できなくて、
死にかけるみたいな。普通にあるんですよね。僕の立場からするとそういうところにどんどんネスを入れるというか、プランBCDを考えましょうとか、とりあえず他の調達手段も含めてランウェアを逃さないといけないよねとか、
っていうアドバイスをすることがめちゃくちゃ多いですね。
これみんな経験あるんじゃないかなと思います。企業家であれば、エクイティとか含めて数年以上事業経験のある企業家であれば絶対あると思うし、一方で僕も投資家やってても自分でも経験あるからそういうアドバイスをするってことはすごい多いですね。
事前検視を行う
次のスライドにめちゃくちゃいいこと書いてあって、対策として事前検死を行うっていう対策があって、これ何かっていうと、プロジェクトを始めると決める前にプロジェクトが大失敗したときの検死を事前に行うものであると。
具体的には仮にプロジェクトを進めて、1年後にプロジェクトが大失敗したときにどんなふうに失敗したのかを5から10分程度でまとめてみる。そしてその失敗の原因を順次つぶしていくという方法論である。こうすることで決定の方向性がはっきりしてくるし、事情をよく知っている人の想像力を引き出せる。
反対意見も呼び出しやすくなるので、組織的な自信過剰を防ぐこともできる。これむちゃくちゃいいですね。1年後にどうしたら死んでるかっていう。死ぬシナリオを逆に考えるっていうね。
うまくいくバイアスが絶対にかかる。自分はうまくいくだろうと思うバイアスが100%かかるんで。だから僕がよくプランB、Cを作れみたいなのを言ってるのは、このプランCとかっていうのはこういうのに近いかもしれないですね。
売上がもっといかなかったときどうするのとか、事業進捗が3ヶ月遅れたらどうなるのとか、そういう問いをちゃんと立てれるようになるといいし、特にこの1年後に死ぬとしたらどうなってたら死んでるのみたいな。一言で言うとこれめっちゃいい問いですね。
これはいい問いですね。これちょっと全員にやってほしいな。1年後に自分たちが死ぬとしたら何が起きたら死んでるのみたいな。それを洗い出すと、それがリスクだよねってなって、一個ずつ潰す動きをすると。
初期のスタートアップにおいては別にリスクなんてそんなないんですよ。今言ったパターンぐらいしかなくて、要は開発が遅れてリリースが終わりました、そのまま計画がズルズル後ろに倒れますみたいなパターンすごい多いし、あとはちょっと進んだヘーズで言うと、やっぱり売上とかユーザーが思ったよりついてこなくて、もうちょっと粘らないといけないよねとか。
その後のヘーズだと、シンプルに売上の立ち方がちょっと弱いなとか、思ってたように単価が上がってこないよねとか、もうそういう感じなので、結構シンプルなんですよ。こういうふうにもっとリスクを洗い出しましょうみたいな話。
例えば一発死するリスクみたいなのは定期的に洗い出しておくべきで、これは検視とちょっと違うんですけど、例えばテライチのときやってたのってシリーズBぐらいからやってたんですけど、経営会議のアジェンダに定期的にこのリスクを確認するみたいなのが入ってて、半年に1回ぐらいかな。
フェーズによっていろんなあると思うんですけど、半年に1回ぐらいアジェンダリストの中にこのリスクを見直すみたいなテーマが入っていて、そのスプレッドシートとか、僕が一回最初ガーッと洗い出したやつとかを書いてあって、そこにそれ見直して今どういう状況だっけとか、これってそろそろ手当てしないといけないよねとか、新たにリスクがあるかみたいなのを追加していくっていうのを入れちゃうみたいな。
フローに入れてしまうんですよね。そうすると見直す機会ができる。やっぱり冒頭今お伝えしたように上手くいくっていうバイアスがかかってる。しかも授業が上手くいってるときってやっぱり見落としやすいんですよね。だから仕組み化して半年に1回このリストを見るみたいな、このリスクリストを見るみたいなアクションを追加しておくだけで、
これあるよねとか、このリスクって別にもう考えなくていいよねとか、新たにこういうのはあるよねとか、最近授業やっててこれ気になってるんですけど、みたいな議論ができるようになる。これはすごくいいんですよ。なので、シード機においてはパターン決まってるけど、たまに1年に1回でもいいから、そういうふうにちょっとやってみるといいと思いました。
ありがとうございます。
そんな感じかな。なかなか今日は深いテーマだった気がします。
やっぱりこの事前検視みんなやったほうがいいな。
やっぱね、本当にリスクを考えるってなかなかしないんですよね。
そうですね。あとはなんか橋田さんの投資先の方、企業家の方々のお話で事前検視に近い形で話してて面白かったなと思ったのは、企業家同士でお話されてたんですけど、もしあなたが自分の競合なら、自分の会社どうやって潰しに行きますかみたいな。
それは面白かったですね、すごい。
これいいですよね。どうやって潰すかを考えてもらうとかいいかもしれないですね。
はい、面白かったです。
結構いろんな方法が出てくるんですけど、これ競合する特許を取りに行きますねとかね、結構ね。特許とか商標ね。
あれ、商標取ってなかったみたいな。
商標の話は少しツイッターで最近燃えてましたけど、そういうのはね、やっぱディスカッションしてブレストして全然他の人から突っ込んでもらうと意外と出てきたりするんで面白いですね。
そうですね。
ふきんぐり。そんなとこですかね。
Boot Up Radioでは番組に対する質問や取り扱ってほしいテーマを募集しています。番組概要欄にあるGoogleフォームからぜひ送信してください。
よろしくお願いします。
ということで、本日の収録を終了します。ありがとうございました。
ありがとうございました。