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2024-04-04 13:50

読書ラジオ『あとかた』千早茜

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⭐︎本紹介
あとかた (新潮文庫) https://amzn.asia/d/6mCYTiC
(配信の冒頭部分は本の説明文・あらすじを読み上げています。)

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00:05
こんばんは、ゆうこです。このチャンネルでは、私の読書ログや日々の学びを音声配信しています。
今日は千早茜さんの『あとかた』という小説について話してみようと思います。
実体がないような男との縁起めいた快楽 結婚を控え変化を恐れる私に男が残したもの
ホムラ 傷だらけの女友達が僕の家に住み着いた
僕は他の男とは違う 彼女とは絶対に体の関係は持たない
ウロコ 死んだ男を近くに感じる
彼はどれほどの孤独に蝕まれていたのだろう そして私は
ネイロ 暗い影の欠片が温かな光を放つ
島瀬恋愛文学賞受賞の恋愛連作短編集
何回恋愛って言っただろ これは千早茜さんを好きな人なら
すでに読んでるんじゃないかと思いますけど 読んでなかったら実体読んでほしい本ですね
平成25年に書かれたものなので結構前ですね あらすじにもあるように快楽
について書かれた本です 6編の短編なんですけど連作なんですよね
後方という この小説のタイトルですね
ひらがなで後方と書いてあるんですね 6つの短編のタイトルも全部ひらがななんです
それがねまたすごくいいですよね で全部3文字
センスが素晴らしいですよね 私はあのひらがなが大好きなので
小説の最初のページに書いてる木字
この 字の並びを見てもうこれは絶対私が好きに間違いないと思いましたね
最初の短編はホムラ 続いて手形
そして指輪 火傷
鱗 音色
最初のホムラと最後の音色は形がないものですね 真ん中の4つは形があるもの
なんかそれもちょっと意味があるんだろうなぁというふうに思います 私が一番好きなのはやっぱり一番最初のホムラでしたね
これはですね ホムラの短編の一番最後に出てくる
主人公の女性がねあの心の中で 男を思いながら語る言葉がもう素晴らしくてですね
03:06
文庫で言うと40ページですね ここ読んだだけでももうこの小説
すごい価値があると思います
ネタバレはしないと思うのでちょっと読んでみますね
目をつぶれば消えない痣が見える 暗闇の中痣は脈打ち炎のように揺らぐ
そしてそれは焦ることはない むしろほすえばほするほどに鮮やかさを増す
この思いを何と呼べばいいのかわからない わからなくていいと思う
誰にも伝えることはないのだから 間違っていようが正しかろうがどちらでもいい
ただあの頃の私たちには互いが必要だった どこかから音楽が聞こえてくる時がある
音色はどこか懐かしい 初めて男に会った時その声に潜んでいた響きに似ているような気がする
消えない炎を男はくれた それは渦に火となって残り私の中を満たしている
いいですね
快楽とか恋愛とか 私はそれが何なのかっていまいちこう説明できないんですけれども
説明できないものが そうなんじゃないかと思うんですよね
だから
人によって快楽という言葉の意味や想像することはきっと違うだろうし 恋愛についてもそうだろうと思うんですよね
形容しがたい言葉にできない名前のつけられない思いだとか そういったものを
恋愛とか快楽 という風に名付けているんだと思うんですけれども
その何と呼べばいいのかわからないこの思いだったり二人の関係 それが書かれている
連作短編だと思います
で 短編なのでタイトルつけないといけないということで
くにくの作でひらがな三文字のタイトルをついている
でそれが その短編に出てくる人や
二人の関係だとか 象徴的な意味を指しているようでもあり
そうでもないような気がするみたいな そのギリギリの
ところを千早かねさんのセンスで このひらがな三文字のタイトルが与えられているような気がして
やっぱりそういうところがね 千早かねさんにも
06:02
沼る千早かねさんの魅力の 一つだなぁと思いますね
さっき読み上げた一文はですね 炎も出てきたし音色も出てきたし
あざ 手形も出てきたしこの後に展開される短編の
を全部こうつなげていくような予告のような最後の一文だなと思うんですよね
この後続く手形 指輪
火傷 鱗
この4つはですね あのまあどれも物の名前がタイトルになってますね
形のない 言葉にできない2人の関係だったり思いをあえて形のあるものに当てはめてみる
象徴的なものを一つ 浮かび上がらせてみるみたいなことでなんとなく
こういうことが言いたいのかなぁとか やっぱり人は形があるものにこうすがりたくなるのかな
そんな風になんか思いますね
この短編に出てくる主人公ですね 自分の痛みをうまく感じ取れない人たちのような気がするんですよね
この小説の裏テーマは痛みでもあると思うんです 自分の痛みにはすごくこう
敏感で だからこそ痛みを感じないように逃げてしまう主人公や
自分の痛みにはすごく鈍感で だからどんなに痛い思いをしても
痛いと思えない だとか
心の痛みを麻痺させるかのように 体に痛みを与えることで
その心の痛みを逃れようとするみたいな 簡単に言うと不器用というか
うまくその自分の痛みを受け止めきれない人たちが主人公なんですよね
そういう感覚はですね 読んでいくうちに私にもこういうところあるなっていう
近い部分がやっぱりあるんですよね だからこれこの短編に出てくる主人公ほどの痛みを
感じたことはないんだけど もしかしたら自分もこうなってしまうのかもしれないという
すごくこう ギリギリのね
ところにいる もしくは対岸にいる主人公だったりするのかなというふうに思ったりしました
09:07
で最後の音色はですね ホムラ最初のホムラと最後の音色は人の死
が出てくるんですよね まあ生と死ですよね
生きることを選ぶ死ぬことを選ぶ でも最後はですねはい生きていくことを選ぶ
そのために 自分の痛みをちゃんと痛みとして
認識する そしてそれを痛い
ということで
その痛みを分かち合える人と 抱きしめ合えるというか
その痛みをこう分け合える そういうことにつながるんだっていうのが最後の短編でね
短編に出てくる 本当にこうちょっと不思議なね
男性若い男性が話すんですよね それでこう最後主人公が救われていくっていう
でこの主人公が救われていくことでそれまでこう連なっていた短編の人たちも なんとなくこうみんな救われていくような
浄化されていくような思いがして やっぱり最後にこの音色っていう短編があることで
この本読んでよかったなぁと すごいヒリヒリして
ここに出てくる主人公以上になんか痛みを感じながら読んでしまうんですけれども 最後救われるなぁという思いでこの本を閉じることができましたね
私自身も書いてあるように快楽 快楽に溺れるということでまあその痛みをね
無視するというか逃れる女性も出てきたりするんですよね 私はそれもあんまり悪いことではないよなって思ったりするんですよね
そういう効果がある ということは否定できないと思う
ただそれが なんというか
だからそこにこう 名前が付けられない関係の辛さがあるなぁと思うんですけれども
誰でもいいわけじゃないんだけど 絶対この人がいいってわけでもないのが快楽なような気がするんですよね
なんか変なこと言ってるかもしれないんですけどそれによって救われることもあったりするので 人間の体って本当に不思議だな
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特に 女性の体なんですかね
体と心のメカニズムっていうのは本当に 不思議だし面白いなぁと思ったしそれを
誰よりもよく知っているのが千早茜さんっていう作家さんなんだろうなぁと思いましたね だからね千早茜さん好きな人はね読んでなかったら絶対読んでほしいです
ザ千早茜っていう漢字の本でしたね これ最初にも言ったような気がしますが
それが最初に出てくる本村の一文なんでしょうね 渦巫美のように体に残るものがある
それで満たされるっていうね 女性っていうのはそういうことなんでしょうね
ちょっと抽象的な感想なので何言ってるかわからなかったかもしれないですが
とにかく読んでみてほしいですね みんなどんなふうに感じるのかな
それこそ本当に人それぞれだしなかなか言葉に出しづらい本なのかもしれないなと思いました
ということで今日は千早茜さんの渦巫という本について話してみました この配信が気に入っていただけたらいいねやコメントフォローお願いします
励みになります 今日も最後まで聞いていただいてありがとうございました
ではでは
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