00:05
スピーカー 2
どうも、SCP話のあぜくらです。 今日は、JPの方を読んでいきます。
スピーカー 1
SCP-2040-JP オブジェクトクラスは政府が修正され決定になっております。
特別収容プロトコル SCP-2040-JPの周囲1kmを封鎖し、一般人を侵入させないでください。
研究員は、SCP-2040-JPの横に併設したサイト-黒塗修正に常駐し、
SCP-2040-JP-A群を記録装置で監視してください。 Eクラス職員が監視を行う場合、
スピーカー 2
事前に配布したICカードを使用してサイト内の監視室に入室させてください。 外周からの目視に関しては、その限りではありません。
スピーカー 1
現在、収容プロトコルの改訂を会議中です。 そのため、事案A発生前の収容プロトコルを記載していますが、不明な点がある方は実行する前に
都田管理官に連絡してください。 今後、同様の異常が起きた際の対応並びに研究次第では、他オブジェクトの収容に利用可能な特異性であることを考慮し、
この報告書の閲覧はセキュリティクリアランスを必要としません。 説明
SCP-2040-JPは、黒塗修正、県立黒塗修正中学校を中心に発生した時空間以上です。
SCP-2040-JPは、半径500メートルの球状の発生源不明の力場に覆われており、 SCP-2040-JP内部への侵入はいかなる方法であってもできません。
SCP-2040-JP内には18名の教職員、75名の生徒、1名の委託業者の合計94名が取り残されていますが、現在までに救出はできていません。
以降は、SCP-2040-JPのA軍と表記。 SCP-2040-JPのA軍の詳細な情報は別紙参照。
SCP-2040-JP内部は時間が遅延しており、 SCP-2040-JPA軍はそれぞれの様子から異常に気づいていないと推察されています。
スピーカー 2
SCP-2040-JP内と外の時間の流れの差は大きく、 SCP-2040-JPの境界へ向かって歩いている SCP-2040-JPA-26が今の速度を維持すれば、境界に接触するまでに200年以上かかる計算です。
03:13
スピーカー 1
1987年3月17日に SCP-2040-JPが発生しました。
スピーカー 2
卒業式後の下校時間、下校時刻であり、目撃者が多数いたことと特異性が広範囲であったため、全員への記憶処理が困難であることから、 SCP-2040-JPA軍の家族や関係者をEクラス職員として雇用しました。
スピーカー 1
Eクラス職員として雇用し、SCP-2040-JPの監視を行わせました。
Eクラス以外の市民に関してはカバーストーリー、地盤侵下による崩壊を留守しました。
雇用したEクラス職員はいずれも協力的であり、就業直後は時間の停止と思われていた特異性が時間の遅延であることに最初に気づいたのもEクラス職員でした。
事案A 2018年3月14日
一般人がSCP-2040-JPの様子を撮影し、それを動画共有サイトに投稿した事案が発生しました。
侵入した一般人は日頃から廃墟や立ち入り禁止区域に無断で立ち入る旨の動画を投稿していたようです。
該当の動画は拡散直前に動画共有サイト運営内の財団エージェントによって発見され、侵入者の記憶処理のみで大きな混乱は起きませんでした。
これによりサイト黒塗り修正への立ち入り調査が行われ、SCP-2040-JPのずさんな収容が判明し、サイト管理者及び担当博士が降格となりました。
事案B 戸田博士が公認の管理者として決定し、サイト黒塗り修正へ着任の挨拶へ向かった際に事案Bが発見されました。
以下は戸田博士が作動させていた映像記録装置による記録です。 SCP-2040-JPまでの道案内としてEクラス職員、
他のEクラス職員と区別するため以降の記録は佐々木氏と記載が同行。 日付、2018年3月15日。
戸田博士 佐々木さんはいつもこんな坂を登っているのですか?
佐々木氏 いつもじゃありません。私も学校まで足を運ぶのは5年ぶりです。
戸田博士 そうなのですか?
佐々木氏 仕事が忙しくなりまして、それに報告用の確認は吉田の婆様が日課の散歩がてらしていましたが、
06:02
スピーカー 1
去年の春頃に腰をやって寝たきりになってしまいまして、 固定カメラでの記録は今も継続していますし、
前任の博士はそれでもいいとのことでしたが、 定期報告の頻度を増やしますか?
戸田博士 ああ、どうでしょう?
一応自分で現状を確認してから判断しましょうか。
佐々木氏 そうですか。
スピーカー 2
戸田博士 何か不満でも?
スピーカー 1
佐々木氏 ああ、いえ、そうではありません。
ただ今まで担当になった人たちも似たようなことを言っていたもので、
それで報告の頻度を増やしてもすぐに減らすように指示があり、
その担当者は長くて3年で他の研究所に移動していってしまいましたから。
戸田博士 それはなぜです?
佐々木氏 無駄だからですよ。
戸田博士 無駄?
佐々木氏 あの空間には変化がないんです。
戸田博士 いや、全人の残した資料では時間の遅延であると書いてありました。
スピーカー 2
対象たちは動いているのでしょう?
スピーカー 1
佐々木氏 1年で数センチの移動を変化と言えるんですかね?
スピーカー 2
戸田博士 それは変化ですよ。
スピーカー 1
佐々木氏 前の博士が言っていました。
あなたたちの組織じゃ、もっと危険で刺激的なものをたくさん管理しているんでしょう?
スピーカー 2
戸田博士 その質問にはお答えできません。
スピーカー 1
佐々木氏 詳しく知りたいとか思ってるわけじゃありません。
ただ、それらに比べれば時間がゆっくり進むようになった学校なんてつまらないものでしょう?
その程度の不思議なことにかまっている暇があるなら、もっと危険なものを対処できるように研究したいはずです。
私ならそうします。
戸田博士 我々が他のオブジェクトの研究を優先したから、だから一般人に侵入されたと?
佐々木氏 別にそこまでは言ってませんし、責めてるつもりもありません。
ただ、僕は夢を見ていたんです。
科学は人を幸せにするのだと。
ですが、実際には世界は常に危険にさらされ、いつ滅んでもおかしくない状況で、今を維持するのに精一杯なのだと、未来を夢見ることも難しいのだと知ってしまったんです。
戸田博士 そうならないためにも我々が活動しているんです。
それこそ時間の遅延を研究することで、危険な物品の振興を抑えることができるようになるかもしれません。
佐々木氏 その研究ができないんですよ。教会の中には入れない。変化はないから観察も無駄。
09:06
スピーカー 1
おそらく変化があるであろう教会と中の学生の接触だって200年は先なんです。
そもそも変化があるってのも予想でしかない。
教会と接触することで教会は消滅するのか、教会の範囲が広がるのか、もしかしたら世界は滅んでて教会がタイムカプセルになるかもしれない。
スピーカー 2
少なくとも今この瞬間にできることなんて何もないんです。
スピーカー 1
来年年号が変わるじゃないですか。時間が止まったのが1987年でギリギリ昭和です。
スピーカー 2
中の人たちはね、平成を知らないんですよ。みんなが時間に取り残された30年の間に何が起こったのかを知らないんです。
スピーカー 1
生徒会長の妹さんは今度孫が生まれるそうですよ。 戸田博士
え? 佐々木氏
三組の藤田さんはお一個が海外で古典を開くようなカメラマンになりましたし、新婚だった古文の水嶋先生の旦那さんは再婚して幸せな家庭を築きました。
スピーカー 2
出入り業者の宮永さんは津波で実家を亡くしています。 校長先生の奥さんは最後まで校長先生が出てくることを願っていました。
それをみんな知らないんです。 知らずに昭和のあの日の真っ只中にいるんです。
スピーカー 1
それをみんなが知るのはさらに年号がいくつも変わった後の数百年先なんです。 僕らにできることなんて何もなくて、ただ楽しそうにしているみんなを外から見てるしかないんです。
スピーカー 2
みんなそれが辛くて町を離れていきました。 吉田の婆様も寝たきりですし、今も活動してる人なんてほとんどいませんよ。
スピーカー 1
戸田博士 では
なぜあなたはこの町に残っているんです? 佐々木氏
え? 戸田博士
資料に記載されていました。 あなたは他の現地協力者と違い、家族が巻き込まれたわけではない。
クラスメイトが巻き込まれただけだ。 ならば、なぜあなたはこの町に留まっているのですか?
佐々木氏 すごいですね。どれだけ昔の資料まで読み込んでいるんですか?
スピーカー 2
戸田博士 私は必要だと思ったからそうしたまでです。
スピーカー 1
今回の事案は我々と現地協力員であるあなたたちとの情報共有が密ではなかったために起こったと考えています。
スピーカー 2
今後の収容プロトコル、いえ、彼らを保護するためにも、あなたたちの声を聞きたいのです。
スピーカー 1
佐々木氏 あなたはきっと笑います。
12:02
スピーカー 2
戸田博士 笑いません。
佐々木氏 ラブレターを
戸田博士 はい?
スピーカー 1
佐々木氏 ラブレターを出したんです。同じクラスの委員長に。
戸田博士 ラブレター?
佐々木氏 今みたいな携帯端末も当時はありませんでしたから、文房具屋で買ったレターセットに中学生の拙い文章で一生懸命書きました。
春からは別の高校に通う予定だったので、思いだけでも伝えておこうと。
それを読んだ委員長が出てくるのを拘問で待っていたら、教会が出現したんです。
委員長は今も下駄箱で私の書いたラブレターを読んでいるんですよ。30年もかけてね。
別に委員長に告白の答えを求めているわけじゃない。ただ一目見たいんです。願わくば出てきた彼女を助けたい。
40を過ぎたおっさんが中学生の女の子を思って、科学者になる夢を諦めて、やりたくもない仕事をしながらこの錆びれた街で老いて死んでいく。
気持ち悪いでしょう? 戸田博士
そんなことはありません。貴重なご意見です。 佐々木氏
そろそろ見えてきますよ。外に出ている二人が橋本さんと平手さんで、他の人は校舎の中に。
スピーカー 2
戸田博士 3人いませんか?
スピーカー 1
佐々木氏 そんな…
どうして? 戸田博士
報告では校舎外にいるのは2名だけのはずです。 あとの一人は誰ですか?
佐々木氏 委員長です。さっき話した。
まだ下駄箱にいるはずなのに。 戸田博士
スピーカー 2
あれは手に何か持って… 手紙?
スピーカー 1
佐々木氏 読み終えたのか?いや、それにしてもなんで外に出てるのか?
スピーカー 2
戸田博士 走ってるんですよ。
スピーカー 1
佐々木氏 え?
戸田博士 あの体の傾け方、手の角度、間違いありません。
教会の中の時間は一定です。 ならば他の人より早く動いているとしか考えられません。
佐々木氏 ですが2人を追い越すにしても時間が…
たった5年で? 吉田の婆様は何も…
戸田博士 5年もかかったんです。
毎日見ていたからこそ少しずつの変化に気づかなかったのでは?
佐々木氏 だとしても急に走り出した理由なんて…
スピーカー 2
戸田博士 顔を見ればわかります。
スピーカー 1
佐々木氏 顔?
戸田博士 あなたに伝えたいことがあるんですよ。
15:03
スピーカー 1
手紙の返事を伝えたくて思わず走り出してしまった。
30年前のあなたの手紙が彼女を走らせ、教会への接触を早めた。
スピーカー 2
あなたは結果的に教会内のすべての人の時間を進めたんです。
スピーカー 1
佐々木氏 そんな…
今さら30年だぞ。私は今まで何を…
あの笑顔に…
答えられるものか。彼女は生きている。それなのに…
時間を止めていたのは…
スピーカー 2
俺の方じゃないか。
スピーカー 1
以上のことから、SCP-2040-JP-A軍が教会に接触するまでの時間が大幅に短縮されたことが判明しました。
接触により、SCP-2040-JPの得意性がどのような変化を起こすのか不明なため、
オブジェクトクラスを政府からケテルへと変更し、収容プロトコルも改定することになりました。
収容プロトコルの改定に伴い、人員不足が懸念されましたが、
佐々木氏が元Eクラス職員の再雇用を提案し、これを実行しました。
結果、およそ8割の再雇用を実現し、懸念は解消されました。
SCP-2040-JPの教会へ向かって走っているSCP-2040-JP-A-14が、
スピーカー 2
今の速度を維持すれば、20年以内に教会に接触する計算です。
スピーカー 1
というSCPでした。最後の最後で噛んじゃった。時空間、時間ですね。
ケテルになっているのは、これ今回実害が出ているわけではなく、何が起こるかわからないからということですね。
最大限の警戒をしておけという、準備段階のケテルへのオブジェクトクラス変更ということですね。
なんだろう、学校時間停止ってなると、冷たい校舎の時は止まるを思い出しますが、
あれは学校内の時間が止まるだけなんだっけな、どっちだったっけ。
スピーカー 2
学校外が止まるんだっけな。
スピーカー 1
学校っていう結構広めの閉鎖空間かつ、日常とは少し違う空間で、
他の世界とは漂流教室とかもそうですけど、異常な状況に巻き込まれるっていうシチュエーション自体は結構ありがちといったようなんですけど、
スピーカー 2
王道っちゃ王道ですよね。
漫画とかでよくある、学校の中にいたら異常空間になって何が起こってるんだ、の外側というような感じですね。
外側から認知するとこんな感じになっていることもあるよと。
18:03
スピーカー 1
時間停止ではない。
スピーカー 2
半径500メートルの球状の発生源不明の力場に覆われており、侵入はできません。
94名が中にいる。
時間が遅延しており、どれぐらいの遅延具合なんだろうな。
スピーカー 1
200年以上かかる、教会へ向かって歩いているのが200年以上かかるのが走ったら20年になったと計算上。
スピーカー 2
10分の1になる。
スピーカー 1
歩いてから走ってで10倍のスピード出るかな?
スピーカー 2
出るか?出るか?
スピーカー 1
Eクラス職員はこのSCPに対する家族だったり関係者。
スピーカー 2
Dクラスではないと。
スピーカー 1
目撃者が多数いたことと特異性が…。
ああ、はいはいはい。
もともとは記憶処理を行って一般人に戻そうとしたけど、あまりにも範囲が広すぎたりってことで、
渋々事情を話して職員になってもらったというお話ですね、佐々木さん。
かわいそうですね。
スピーカー 2
事案Aが2018年3月14日。
スピーカー 1
ああ、もうすぐ変わったんだ。
変わってさっきのインタビューというか映像記録が出たんだな。
2018年3月14日に一般人が立ち入って、
後始末として当時の担当者が外されて、
スピーカー 2
戸田博士が次の日に公認として着任し、佐々木さんと一緒に行ったってことですね。
スピーカー 1
佐々木さんは5年ぶりに行ったのかな?
報告用の確認を吉田の婆様が日課の散歩が照らしていましたが、
去年の春頃に腰をやり寝た気になってしまいまして、固定カメラでの記録は今も継続しています。
あ、そうですね。一番最初に言ってますね。
スピーカー 2
私も学校まで足を運ぶのは5年ぶりですと。
スピーカー 1
固定カメラでの記録は今も継続しているなら、なぜわからなかった?
21:04
スピーカー 1
もう毎日毎日見てたせいで慣れてたのかな?
固定カメラの映像を見てた人は。
委員長が動き出していたのに気づかなかったという感じですかね。
スピーカー 2
原因が本当にわからない系ですね。
スピーカー 1
SCP-2040-JPでございました。
はい。それじゃあまた5日後にお会いしましょう。
お疲れ様です。さようなら。