300万再生の記念
真夜中の読書会おしゃべりな図書室へようこそ。
今晩は第197夜を迎えました。
途中で数え間違えてしまったのか、今何回かわかんなくなってしまってたんですけれども、
数え直したところ、今日が197回目の配信でした。
200回まであと少しですが、まだでした。
そしてこの真夜読がなんと累計300万再生を突破いたしました。
ありがとうございます。
2020年の春にスタートしまして、まもなく6年目に入ろうとする、丸5年やってきたわけなんですね。
すごいですね。自分でびっくりします。こんなに続けられると思ってなかったから。
スポーティファイとかアップルとかボイシーとか、いろんなチャンネルで配信をしているので、
正確にはわからないんですけれども、フォローしてくださっている方が今だいたい2万5千人くらいかなという感じなんですね。
人数の感覚を私すぐライブ会場で考えちゃうんですけど、
横浜アリーナ、メインアリーナが2万人くらいの収容人数ですかね。
横浜のKアリーナがもうちょっと大きいのが2万人強。
前だね、ののががやってましたかね。
横浜アリーナ埋まるぐらいの方が真夜中の読書会を聞いてくださっていると考えたら、すごいことですよね。
そう、横浜スタジアムが3万5千人くらいなので、次は横浜スタジアムを目指したいと思います。
2万人の読書会、いつかやりたいですね。
というわけで、今日はちょっとキリ版記念。
キリ版って今言わないですかね。知ってますかキリ版って。
サイトがホームページと呼ばれていた時代にアクセスカウンターっていうのをつけていてね。
私がホームページを作ってたんですけど、自分でhtmlを書いて、その時にアクセスカウンターっていうのをつけてて、
キリの良い数字になることをキリ版って、キリ版ゲットって言いますね。
そんな300万のキリ版記念に、ちょっと今日は過去の配信を振り返って、
第111話の振り返り
思い出深い回の勝手に貸し出した本を振り返っていきたいと思います。
この200回近い配信の中で一番聞かれた数が多かった回は何でしょうか。
一番再生されたのはですね、第111話。
弱いまま強くなる選択をしてみるという回でした。
この回はですね、真夜中の読書会最終回とお知らせした回だから一番聞かれたんだと思います。
今俺編集部から人事部に移動になったことを機に、この番組を終了しますとね、
花々しくマイクを置いて卒業宣言をした回だったわけです。
なのに数ヶ月後にやっぱりまたやりますって戻ってきちゃって、ちょっと恥ずかしい。
照れくさいですね。
この回聞き直すのが、なんかちょっと私なりに気持ちが高ぶったというか、
込み上げるものがあった回だったので、聞き直すのは照れくさかったんですけど。
この回はたくさんお便りを紹介して、いつもは一通ですけど、なるべく紹介して終わりたいなと思って、
紹介できてなかったお便りをご紹介しまして、本も貸し出しカードも何個かご紹介したので、よかったら聞いてみてください。
そしてこのタイトルにも歌っている、弱いまま強くなる選択をしてみるというフレーズは、
根本修子さんの今できる精一杯っていう本から取っています。
どういうリクエストに応えた、どういう本だったかお話ししたいと思います。
相談者のリクエストとその後
この回はですね、毎週楽しみにして聞いてましたって言ってくださった18歳の女性、女の子からのリクエストでした。
私は人と話すとき知らず知らずのうちに何かスイッチが入ったように愛想よく元気よく聞き上手になります。
意識しているわけでもなくなぜかそうなってしまうのです。話し始めは楽しいのですが、時が経つにつれて合図値を打つことに疲れ、
リアクションに疲れて早くこの話終わらないかなと思い終わった後はどっと疲れが襲ってきます。
人と気軽に話せるようになるような自分のペースをつかむことができるような本があれば教えていただきたいですっていただいたんですね。
というリクエストでした。今読んでもいいお便りだなぁいい文章を書く人だなぁと思って。
そしてああわかるっていう気持ちとねえらいねっていう気持ちでした。
さてこの時貸し出しカードでご紹介した今できる精一杯っていうのはどんな小説かというと、
元周子さんは劇作家としても活躍をされていますが、こちらは小説になってまして、
スーパーママズキッチンっていうスーパーで働いている人たちの群蔵劇なんですね。
バックヤードで、主にバックヤードで繰り広げられる会話劇をメインにしていて、そこがまさに舞台っぽい感じになっています。
実際に舞台としても上演されていますね。
スーパーっていうそんないろんな人の人生の縮図みたいなところの中で、いろんな人のいろんな一面が見えるから、
必ずしもうなずいてあいづちが良くてあいそのいい一面だけを他の人は見ているわけじゃないんじゃないかっていうようなお話をしました。
だからこのお便りを下さった方の頑張っているところはきっと誰かが見ているし気づいていて、
そしてでもきっと頑張らなくても済む人にも出会えるんじゃないかなっていう意味を込めてこの本をご紹介しました。
そして紹介した紙フレーズもちょっともう一度読んでみたいと思います。
自分の意見を持たないことは簡単で楽なことです。
でも私は私の正しいと思った人を守ろうと思います。
他人から見たらものすごく小さなことでも私にとってはすごくすごく大きなことで、この一歩を踏み出すことが本当に怖くて、
でも自分が正しいと思っている人を守ろうとしている今の私はものすごく充実しています。
という文章があって、またこれも読み返してもいい文章だな。
今できる精一杯という小説のかなり終盤に書かれているセリフなんですけど、ここに続くところがねまたすごくいいんですよ。
誰かがまた一つ弱いまま強くなることを選択した声が聞こえた気がしたと続きます。
誰かがまた一つ弱いまま強くなることを選択したっていいですよね。
すごくいいなと思ってこの回のタイトルにしたんでした。
このご相談者さんもほとんどの人に対しては愛想よくうなずいてあわせていても、
限られた人には本音を喋ってもいいだろうって思える人には心を開いて、心を砕いたらいいんじゃないかなっていう。
そしてこの人を守るという、守るっていうのもまた強い言葉ですけど、この人のためなら強くあろうって思える人だけのために時々強く出るっていうか、
自分を強く出す瞬間があってもいいんじゃないかなという話をしたりしました。
そして私はこの時から2年半とか経ってるんですけど、今も弱いまま強くなる。
それが正しいと思う誰かのために強く出るっていうのは自分の中の軸になっているというか、ずっとそうありたいなって思っています。
なぜちょっとこの話をピックアップしたかというと、つい今週もメンタルが弱い人はどうかみたいな話があって、
メンタルが弱い人を下げ進むような発言があって、私珍しく頭に来てしまって、文字通り頭に血が昇る的な。
自分自身はあんまりメンタルが強い方ではないと認識していて、
それは逆に言えば弱いからこういう仕事ができているっていうのもあるでしょうし、
心が入れやすいという感受性があるからこそ、こんな風に作品を読んで感動したとか、
言葉にできる配信をできているかなと思ったりするところもあるんですよね。
だからもし同じような方がいたとしたら、この相談者さんもそうなのかもしれないんですけど、
悪い方に触れると人のことを疑心暗鬼というか勝手に想像してこう思ってるんじゃないかなって先回りして、
いろいろこの良い方に振る舞わなくちゃってプレッシャーに勝手に感じて、
それで後で疲れちゃうみたいになっちゃうけど、
良い方にその能力というかメンタルの弱さ、感受性の強さが出れば、
感受性の強さってある種の運動神経とか反射神経みたいなタレンティッドなものだと思うので、
それによって誰かの何かに気づいたり、守ったり、良い方に導いてあげたりすることもできるかもしれないし、
最悪な状態に誰かがなる前に気づいてあげることもあるかもしれないなと思ったりするんですよね。
だからちょっと仕事上のタフネス思考とかマッチョ思考に出会うと、すごい反発を覚えてしまうことがあったりします。
まあそういうふうに、ちょっと人が言ったことにえ?って思ったら、今こんな風に話す場があって良かったなと思いますけど、
結構引きずっちゃう自分もいて、そこも含めて良いところっていうか、タレントな部分だと思いたいなと思ってます。
似たような人がいたらそういう風に受け止めて欲しいなと思いました。
あとね、この子を相談してくれた方がそこから2年以上経っているので、18歳だったわけなんで、もう20歳になって成人されてるのかなって思うと感慨深いなって思って、
あんまり気を張らずに元気に振る舞わなくてもいれる人に出会えてるかなって思いながら読み返していました。
こういう配信を長く続けていると、一緒に歳を重ねるし、いろんなステージが変わったりする瞬間もご一緒している。
一緒に水曜日を迎えている感じがして、ご縁ですね。面白いですね。
というわけで、今日はちょっと思い出深い回を振り返ってみました。
また引き続きゆるゆると続けていきたいと思いますので、これからもぜひリクエストお送りください。
さて、そろそろお時間になってしまいました。
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お届けしたのは講談社のバタヤンこと川端理恵でした。
また来週水曜日の夜にお会いしましょう。
おやすみなさい。おやすみ。