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米国ポッドキャスト代理店のTrue Native Mediaが、ポッドキャスト広告におけるフリークエンシーキャップについてのコラムを発表しました。
今日はこのニュースを紹介したいと思います。
まず、広告業界でよく出てくる今回のテーマ、フリークエンシーキャップですが、
知らない人のために解説しておくと、1人のユーザーに対して広告を配信する回数の上限設定のことです。
広告主がフリークエンシーキャップを設定して広告配信を行うことで、ユニークユーザーあたりの接触頻度を制御できるというわけです。
これをフリークエンシーコントロールなどと呼びます。
例えば、1人に同じ広告を10回配信するのと、10人に1回だけ広告を配信するのでは、広告配信回数自体は10回で同じですが、かなり違う結果になるわけです。
今回はポッドキャスト広告におけるフリークエンシーキャップはどうあるべきかという話です。
1930年代より広告業界で言われている法則、セブンヒッツ理論という考え方があります。
消費者が購入決定に至るまでに7回の広告接触が必要というものです。
この理論が正しければ、フリークエンシーキャップを7回にしておけば、無駄な配信が減ると考えることができます。
一方、2023年第2四半期のSpotify Ad Analyticsベンチマークレポートによれば、フリークエンシーが2回に設定された場合が最も広告主のコンバージョンが高かったという結果も出ています。
特定のキャンペーンについては5回というデータもあります。
では、ポッドキャスト広告における理想的なフリークエンシーキャップは何回なのでしょうか?
この問題は実は複雑で、広告主の広告効果最大化の視点だけでは足りません。
リスナーがあまりにも何度も同じ広告を聞くことで、広告を無視したり、場合によっては広告主にマイナスなイメージを持ってしまうこともあります。
もちろん広告クリエイティブの内容や長さによってもその印象は異なることは言うまでもありません。
さらに、全てのリスナーが同じようにポッドキャスト番組を聞くわけではありません。
エピソードが公開されると同時に番組を聞くリスナーもいますし、数日間かけてポッドキャスト全体を一気に聞くリスナーもいます。
例えば、ポッドキャストを月に1回か2回しか聞かないグループと、ポッドキャストを何度も聞くグループでは、フリークエンシーの影響も変わってしまいます。
同じ広告を複数回聞く場合でも、毎日聞くのか、月に1回聞くのかで、広告効果が大きく変わってしまうというわけです。
また、ポッドキャスト番組によって異なるエピソード更新頻度も大きな影響を及ぼします。
毎日エピソードを公開する番組と、月に1回しかエピソードを公開しない番組では、フリークエンシーキャップをかけた配信でも結果が違ってくるのは容易に想像がつきます。
今回のTrue Native Mediaのコラムでは、「フリークエンシーキャップを考慮した、最適な配信数の予測や見積もりを考えるとき、シンプルであるわけはなく、複雑なものにならざるを得ません。
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フリークエンシーキャップ自体は有効だと信じていますが、それをフル活用できる技術はまだ存在していません。」と結論づけています。
フリークエンシーキャップについては今後もいろいろ調べてわかったことは共有していければと思っています。
ではまた。