建設コンサルタント業界の生産性
建コンのあれこれの建コンのアレです。 こんにちは。
このポッドキャスト番組は、建設コンサルタントという、分かりにくく、つかみにくい業界について、あれこれお話ししていく番組です。
今日はですね、建コンのお金についてお話しするシリーズ、第3弾で、生産性の話をしようと思います。
今日は外から撮っております。このシリーズはですね、ちょっとやっぱり原稿を書かないと話しにくいところがありましてね。
準備をしているとですね、なかなかアップが遅れるんですけど、そこからまた録音するチャンスというとね、たまにはこういう外になっちゃうこともあります。
生産性の話をするんですけども、振り返りますと2つ前に給与の話をしました。
建コンの年収について試算をしました。
初任給から計算するとこれぐらいになりそうですよとか、課長クラスになったらこれぐらいになりそうですよ、年収が800万ぐらい。
そういう計算をしまして、その計算をするツール、スプレッドシートのツールを公開しましたので、
それで自分の行きたい会社の数字を入力したりして試算することができるような、そういうものを公開して、それが給与編。
第2弾が利益。利益ってどういうものか、どんなふうに生まれるのか、そういうことを話しまして、今回が生産性です。
だんだんマニアックになっていきますので、きっと再生数もだんだん少なくなると思いますが、でも結構大事な話だし面白い話だと思ってるんですけども、
生産性っていうのはですね、どんなビジネスにおいても重要な指標なんですね。
まあそうですね、結構日本は日本の経済は生産性が低いとかですね、労働生産性が低いって言ったりしますよね。
政府が特に安倍政権の時によく、やはりあの時成長っていう言葉が強く前面に出た時代だったなと私は感じてるんですけど、
その成長をするために生産性を高めようということが言われて、
その政府の生産性のって話とどれくらい直接リンクしてるかっていうことはわからないけど、
アイコンストラクションっていうね、建設業界にもDX、デジタルの力をもっと導入して効率よくしましょう。
効率よくするってことが生産性を高めるってことになりますんで、
それでアイコンストラクションっていう概念というかコンセプトが立ち上がってそこに取り組んでいったりとか、
アイコンストラクションは生産性向上策であると間違いなく言えると思います。
この生産性って言葉は非常にわかりにくいんですね。
一言で言っちゃうと生産性っていうのはインプット分のアウトプットなんですよ。
アウトプット割るインプットとも言っても同じです。
インプット分のアウトプットで生産性がわかりにくい理由はこのアウトプットっていうものとインプットっていうものにどんな数字を一応入れても生産性と呼べるんですね。
だから生産性の計算式って一つではなくて、生産性って概念なんですよね。
例えばなんですけど、わかりやすい簡単な例で言うと、
例えばお弁当か何か作ってる工場があるとしますね。
そこに働いてる工場労働者の人がいるとしたときに1日の生産個数、これをアウトプットとみなすことができます。
インプットを労働者数、働いてる人の人数っていうふうにインプットをみなすことができます。
こうすると個数割る人数、お弁当を1日で作った個数割る働いてる人数で割り算すると、
1人当たり1日何個作ったかっていうことが計算できますね。
これを高めるようなことができれば生産性が上がっていくよと。
そういう指標としてみなしっていうか使うことができるんですけど、
生産性が複雑なのはアウトプットが個数とは限らないっていうか、
いろんなビジネスに当てはめていろんな計算の仕方ができるんですね。
インプットも労働者数のみとは限ります。
例えばその工場が1年間の機械にかかった経費も含めた生産性を計算したいなと思った場合には、
1年間の機械の経費、新しい機械導入したりとか、本当は計算式いろいろあると思うんですけどね。
あとメンテナンスにかかった費用とか、プラス人件費。
これ前回の利益の時に出てきましたね、人件費。
人件費プラス機械のお金、金額になりますよね。
これをインプットとすることもできます。
年間の生産個数をアウトプットにした場合に、
1年間で1個の弁当を作るのにいくらかかったかっていう計算ができるわけですね。
0.0000何円とかになると思いますけど多分。
嘘か、ごめんなさい。
何個分の1個、1円で何個作れたかっていう数字になるわけですね。
失礼しました。
アウトプットを個数にしてインプットを機械のお金プラス人件費にした場合は、
年間の1円に対していくら作れたかみたいな。
要はお弁当1個の単価が出るって感じかな。
そういう計算にも使えるってことですね、生産性。
ここから健康の話に移っていきますと、健康の場合は工場とかないんで、
基本的にインプットは人件費です。
アウトプットが利益ってことになりますね。
ちょっとこの後詳しく説明するんですけども、
私が勤めてる会社ではこのアウトプットを利益プラス人件費で計算します。
なんで分母が人件費で分子が利益プラス人件費。
なんで人件費が下と上と両方に出てくんだよと思うかもしれませんが、
そういう計算式を使ってます。
この計算式を使う使い方として、
会社の経営全体にこの計算をすることもできます。
年間の生産性、うちの会社全体の生産性はどうだったかなって見ることもできるんですけども、
私たちというか多くの技術者とか現場って言い方あるかな。
技術をやってる私たちの平社員の身にとってより身近な計算としては、
一個一個のプロジェクトでどのくらいの生産性が出てるかなっていうのを見るということが大事な視点になりまして、
業務Bの生産性比較
これ学生の方が聞いていれば、健康じゃなくても、多分どんなビジネスに行っても、
その一つ一つのプロジェクトでどれくらいの生産性が出ているかっていうことは、
生産性が十分目標値確保できているかとかね、
そういうのを気にするような仕事の中でそういうことを気にする場面っていうのはあると思います。
私たちもやっています。
なんでこの個々のプロジェクトの生産性を高めたり、あるいは低くなるっていうのはどういうことなのかなっていうのを、
ちょっとここからお話ししていきたいんですけど、
ここからですね、いろんな数字をいろんな数字で割り算するっていうことが出てくるんですよ。
それがですね、ちょっと口だけで説明するの難しいんで、今回は説明資料を用意しました。
概要欄にリンクを貼りますんで、そこで開いて見てみてください。
全部で4ページある説明資料になります。
これはね、すいません、私がちょっと以前に作ったものをあまり変えずに載っけますんで、
ところどころ表現がですね、今回のポッドキャストで使った言葉と一致しないところもあるんですけど、
まあ大体イメージは伝わると思います。
で、1枚目のページをご覧いただきますと、ちょっと開く時間を待った方がいいですかね。
まあ止めていただいたりして、ちょっと開けたら再開していただくということで続けようと思いますけど、
設計業務における生産性とはっていう資料になってますが、これ設計じゃなくて計画業務でも一緒です。
この資料は全体を通して業務が3つ出てきます。
業務A、業務B、業務Cと3つ出てきます。
1ページ目は業務Aの説明をしています。
業務Aの説明の左の図で契約額とありますね。
これが発注者さんと契約をした金額になります。
この契約の金額は大きく2つに分けれますっていうのは前回の利益の話でしました。
コストと利益に分かれますよということです。
このコストの中身が人件費とそれから外部費とその他の経費っていう3つに分かれます。
この業務Aはその図の下に10、25、30、35という数字書いてますけど、これが割合です。
だからこの契約額の中で35%が利益、30%が人件費、25%が外部費、外注費って書いてますけど同じです。
それから10%がその他の経費という割合の業務が業務Aです。
これの利益率っていうのを計算しようとすると、それは契約額分の利益、これ右上の図になります。
これは利益が35%の業務なんで、0.35、35%ということですね。
私がさっき言った計算式で生産性を計算してみます。
それが右下です。1ページ目の右下。
これでさっき言ったように人件費分の人件費プラス利益で計算した結果が2.16という計算結果になります。
だからこの業務は2.16の生産性がありますねということが言えるということですね。
なんで上と下に人件費出てくるかなんですけど、さっき言ったように下がインプットで上がアウトプット。
人件費にはインプットとアウトプットの二面性があるっていうことなんですかね。
ちょっと会社によって違う計算をしているところもあるかもしれないんで、これが絶対正しい計算方法と言えないかもしれません。
ただ言い合いとして理解していただければと思いますけど、もう1回左の図を見ていただいたときに、
利益と人件費っていうのは社内に残るお金なんですよね。社内に残るお金。
外注費とその他費っていうのは外部に出るお金なんですよね。会社の外に支払うお金。
っていうその外と中って分けたときに、その中に残るお金をアウトプットとみなして計算をした場合には、
この1ページ目の右下のように下と上に人件費が出てくる計算式になるよと。
解釈によってはその人件費というものに二面性があるよと、費やすお金とみなすこともできるけど、社員に払っているわけなんで、
内部に生んだお金っていうふうにも言えるよねみたいな、そういうことなんじゃないかと思います。
2.16っていう生産性が出てきますね。
大事なことは、この左の割合10、25、30、35っていう割合は、
前回の利益の話でもしましたけど、実行予算とか執行予算っていうのを組むとき、業務をスタートするときに1回設定します。予定として。
もっと言うと、2回目前回にも言ったんですけども、受注をする前に見通しを立てる方がなお良いと思いますが、
この割合の通りに本当に執行できるかっていうと、そんなぴったりと合うことばかりではないです。
予定よりも外部費が増えたりとか、この25%が増えることもあるかもしれないし、
人件費、そのプロジェクトに費やす人件費が増えるかもしれないし、逆にそれぞれ減る場合もあります。
そういうのに影響されて、最終的にこの35%というふうに見通した利益が多めに確保できたりとか、予定よりも少なくなっちゃったりとか、
そういうふうなことが起こるというのが業務のことです。
大事なことは、スタートするときに先に予定を立てて、全部終わった後にチェックをするということですね。
もっと言うと、進めながらチェックするということですね。
今大丈夫かな、予定通りお金かかってないかな、まさに今私がやっている仕事、
2025年1月時点でこの予定を大きく反して利益が予定よりだいぶ少なくなっている業務が実はありますけれども、
そんなこともやっていると起こるということですね。
ちょっと誤解してはいけないのは、予定の利益率を確保できないから赤字業務かというと、赤字っていう意味じゃないんですよね。
マイナスではないからね。予定利益を出せないよというだけのことなんですけどね。
2ページ目の業務Bに行ってみたいと思います。
業務Bに行くと、これは外部費、外注費が増えた場合、多い場合の業務を計算しています。
だから割合が左から順番に10、40、15、35となっていて、業務Aのコストが外注費25%だったのが40%に増えています。
そして人件費は30%だったのが半分の15%に減っています。
でも利益は一緒です。なのでこの業務Bと業務Aは利益率は一緒です。
利益率は一緒です。でも生産性が違います。ここ大事なポイントです。
利益率が同じでも生産性は変わるんです。コストの内訳によって変わるんです。
生産性計算してみると、さっきの計算式でいくと、3.33という生産性になります。業務Bは3.33になります。
やった!生産性が増えた!嬉しいなぁ!褒められるなぁ!というだけの話じゃないんですね。
なんで生産性を増やすといいことがあるかっていうのをここでこの2ページ目で理解するのが大事なポイントです。
人件費削減の影響
人件費が15%に減りました。この契約額が同じ金額だとしましょう。
業務Aも業務Bも1000万円の仕事だと仮にしたときに、人件費が半分になったとき何が嬉しいかっていうと、
これねちょっと難しい話と聞こえるかな?組織における人件費って月々固定なんですよ。
10人の組織が翌月5人になったりとか、その次の月に20人になったりとか、
その1つの組織に存在している人の人数ってそんなにコロコロ変わらないんですよ。
大体1年を通して何人か増えたり減ったりするにしても大体そんな大きく変わらないんです。
この業務は人件費が半分になってますよね。15%で。
契約額が同じ金額だったとしたら半分の人件費で1個こなせてることになりますよね。
そうすると何がいいかっていうと、この2ページ目の右下の図のようにもう1件業務Bできるんです。
業務B並みのコスト構造の業務をもう1件できるんです。
生産性を高めましょう、人件費を減らしましょうっていう言葉の裏側には、
減らしてもう1件やってねっていうそういう話が含まれてるわけです。
それをすることによって2件足した時の利益額が高いじゃんっていう、それが生産性の良さなんですね。
人件費を減らしたり生産性を高めるっていうことは、
そのことによって多めの件数をこなして、それでたくさん利益出しましょう。
これは会社が儲かって嬉しいよねとか個人が評価されていいでしょうって話もあるし、
もう1つの側面は、そうやって生産性を高めて業務をやることによって1年間でより多くの社会に貢献できるっていうか、
貢献度も高めることができますよね。
1人の技術者、1つの会社がより生産性を高めるっていうことは、
社会に対する貢献度もその分上がるっていう言い方もできるんで、
せっかく工夫したのにもっと働かなきゃいけないのかよって、
そういう使い方、そういう数字とか言葉の使い方してる会社もあるかもしれないけど、
それだけではない。
業務Bと外注費の考察
それだけではないです。
がめつく稼ごうと、金儲けしようというだけの話じゃないです、生産性っていうのは。
社会貢献とかにもつながる、もうちょっと幅広い概念だと私は思ってます。
で、業務C行ってみましょう。
業務Cも同じです。
これはその多比が多い場合。
その多比が多い場合は一緒です。
一緒です。
ただ業務CのCダッシュっていうか4ページ目が大事なんだけど、
まず3ページ目の話をすると、業務Cは外注費が少ないんだけど、
その分その多比を増やした場合には、2ページ目の業務Bとコストの構造は結局的には一緒になります。
なんだけど、業務Cの4ページ目を見ていただきたいんですけど、
この時に、これ同じ業務Cとした時に、外注費5%は同じですよね。
これ3ページ目の業務Cも4ページ目の業務Cも同じ業務という想定なんですけど、
コストの内部構造を変えます。
それから設定利益率も変えます。
ちょっと別の予算組みをした場合のパターンを書いているのが4ページ目なんですね。
何してるかというと、必要な外注費5%っていうのが分かってます。
その5%の外注費に対してどんな予算組みをするかっていう時に、
例えば、その他費用があえて多い場合はしょうがないんだけども、
例えば4ページ目のようなコスト計算をすると、生産性は3になるわけなんですよね。
これは何を言いたいかっていうと、人件費30が3ページ目と4ページ目で同じなんです。
ごめんなさい。3ページ目の2件やる場合。
3ページ目は業務Cを2件やって、ようやく人がその人件費でこなす量が決まってる場合なんですけど、
4ページ目は1件で、1件プロジェクト1個で3の生産性と、それからその90の利益が出せてるよねっていうことなんですよね。
これ何を言おうと思ったかって言うと、これ私の会社だけなのかな?
ちょっと内部的な話になっちゃうんだけど、よりもっと柔軟な予算立てをした方が会社的にいいんじゃないかみたいな話をしてるときにこの資料を作ったんですよ。
目標の利益率っていうのがプロジェクトごとに設定されてて、
その目標の利益率よりも高い利益で予算を組むっていうことがちょっと忌避されるっていうか、あんまりやられない傾向があったんですけど、
生産性を確保する結果として利益率が高くなることって別に良くないですかみたいな議論をするときに4ページ目の資料を作ったんですよね。
だから目標の利益率は35%なんだけど、60%の利益率の業務っていう予算を組むっておかしくないじゃん。
なぜならば生産性を確保するために結果的に利益が高くなるんですよみたいな、そんな話なんですけど、ちょっと4ページ目の話は分かりにくかったかな。
ちょっとコミックな話なんでそんな感じです。
一応ちょっとそこに書いてある注釈も読んでみましょう。
外注費もその他費も少ない業務の時に利益率を高めに設定して、かつ生産性を守るように組むと、この一件で利益をしっかり出すんですよという予算になりますということですね。
こういう業務に対してちょっと数字をいじって3ページ目のような予算を組むと、じゃああんたもう一件やんなさいよみたいな話になって、なんかわけわかんないことになるんですよね。
そうじゃなくて利益率ドーンって高い数字にして、生産性を確保してますっていう予算組みしたらいいんじゃないのかっていう、そんな話なんですけど。
私の思想はいいとして、生産性っていうのがどういうもので、これに紐づいて利益率とか利益って何なのかっていうのもちょっと垣間見えたかと思いますので、生産性ってそういうものです。
健康業態の生産性
これを高めるためにいろんなシステムを導入したいとか工夫したいとか、みんなするっていう、そういうことなわけですね。
健康も、こないだ日本工営さんの東京会場ホールディングスの買収の話もしましたけれども、健康の業態、今まで通り公共の設計業務ばっかりやってるわけではないかもしれない中で、いろんなビジネスに広がっていく可能性があるなと思っていて、
それを考えるときにも、じゃあ普通の設計業務の生産性ってどんなもので、それとは全然違う民間のビジネスだったら、それはもちろんプロジェクトごとにだいぶ違うけど、だいたいこれぐらいの生産性が期待できるとか、日本工営さんの例で言えば保険っていう業界とのシナジーを発揮することによって生産性がどういうふうに向上するのかとか、
そういうふうに普通の設計業務、計画業務以外のビジネスに健康が手を広げたり幅を広げていく、特にこの生産性っていう概念を正しく理解して議論できている方が楽しみが増えるって言いますかね、いろんなことが見えてくるようになるんで、そういうきっかけの一つとして聞いていただければいいなというふうに思いました。
ということで最後まで聞いていただきありがとうございました。質問フォームっていうのがありますんで、よかったらお願いします。ありがとうございました。