1. パリで学んだ「ブレない自分の作り方」
  2. Vol.273「岡田小夜里さんイン..
2021-07-01 36:31

Vol.273「岡田小夜里さんインタビュー①パリで30年、虜になっている演劇の魅力」

日仏女性劇団セラフ主宰、岡田小夜里さんのインタビュー1回目です。
パリで劇団を立ち上げるまでの経緯や、どのような作品に取り組んできたのか、観劇に来るフランス人の印象などをお伺いしました。

オープニングでは、フランスの中学の卒業試験や、中学生から感じる日仏の違いについてお話ししています。

【ノート術講師養成講座に関する詳細はこちら。】
https://bit.ly/3wOFIOb
【7月スタートの「稼ぐノート術」に関する詳細はこちら。】
https://bit.ly/3bwwTjy


00:14
こんにちは、あきです。今日もパリで学んだ「ブレない自分の作り方」の時間がやってまいりました。
今日もさやみさんどうぞよろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
はい、年度末に入ってきました。
はい。
忙しい?
めちゃくちゃ忙しいですよね。
毎日やらなきゃいけないことが指の間からこぼれ落ちるみたいな。
どうやって保ってるんですか?
一応ね、忘れないようにいろいろ書いてるんですよ。
でも書いておいても変更とかがあって、それを訂正できないのが流れてる。
それを自分のスマホに入れとこうかなって思って忘れちゃったりとか。
見直さなかったりするからね。書いても見直すの忘れちゃうとか。
それを例えば冷蔵庫に貼ってるカレンダーとかね。
共有して。
みんなが見れるように書いてるんですけど、それに書き忘れて忘れちゃったとか。
あるあるですね。
毎年この時期あります。
ありますよね。
かつ私も今年、ずっとロックダウンがあったからっていうのもあるんですけど、
6月に急にお誕生日会やるとか、おいおいおいみたいな。
急に盛り上がってきて、いつも通りに戻ってきてるから、誕生日会が結構また増えたりとか。
ちょっと盛り上がってきてるなと思ってたんですけど、
ちょうどね、私の息子とさゆみさんのところのお嬢さんが中3なんですよね。
日本でいう中3で、この6月で中学が終わるというところにね、タイミングで。
で、実は高校受験という形よりも、中学卒業試験があるっていうことをね、
日本の方はちょっとピンとこないのかなと思ったので、お話ししたいなと思ったんですけど、
いわゆる期末テストの試験とはちょっと違うってことですよね。
中学生の勉強レベルを終了しましたっていうのを確認するための試験ですね。
だから全国でやるし、基本的にはどの中学生も全員受けなきゃいけないテストで、
学校が行う期末試験とは全然違う位置づけのバカロレアの中学版みたいな感じですよね。
で、ちょっと細かいこと聞くの忘れちゃったんですけども、
テストの時間がめっちゃ長いですよね。聞いてます?
聞いてない。
あのね、ブロンって言って模擬試験があるじゃないですか。
その模擬試験の時間が、例えばフランス語だけで2時間、3時間とか、
バカロレア並みで数学も2時間で何問解くとか、
あと、模擬試験の時は、科学・物理系と地学系で一緒に1時間半なんだけど、
テストの点差それぞれちゃんと出るとか、
03:02
結構ね、大学生並みかみたいな感じの試験なんですよ。時間的にはね。
で、それをフルで、今年2回、2日に分けてやる。
プラス、高等試験がね、あるという。
ありました。
ちょっとね、さゆみさんとあれは模試試験だったのか、本番だったのかって、
1回ちょっと揉めたことがあったんですけど、揉めてはいまいないんですけど、
6月にね、1回、うちの中学校では模擬試験があったんですよ。
で、1週間後ぐらいでしたっけ、さゆみさんのところが。
2週間後ぐらいにうちの子は本番があるよっていう。
あれ5月でしたよね。
で、あ、それは模擬試験でしょって私が聞いて、いや本番だよって言われて、
え、うちの子があれば本番だったの?みたいなのがあったんですけど、
うちの場合は5月に模擬試験があって、6月に実際の試験があったって。
だから中学によって違うんですかね、あれね。
たぶんそうです。
だってもうその結果について、学校から先生が話したい。
あ、来たんだ。
あっちゃって感じ。
あ、じゃあこれから話すんだ。
でもごめんね、私行かないって言って、あなたが言ってね。
なるほどね。
そっか、そうなんですよね。
あ、じゃあ学校の方でもう成績出てるんですね。
もう出てるはず。
あ、そうなんだ。あ、5月でやってるからね。
うちはこないだだったので、6月だったので、まだ結果は全然出てないし、
高等試験ってプレゼンするんですよね。
そうそう。
で、一応テーマがあるんだけど、選べるんですよね。
選ぶみたいですね。
この中から選んでくださいみたいな感じで選ぶんだけど、
自分でテーマをその中から選んでプレゼンをするっていう、
うちは5分経ったんですけども、5分ちょっとでプレゼンして、
パワーポイントまで作って、でプレゼンするみたいな感じだったので、
結構中学生にしては本格的な試験だなと思う。
ですよね、だってうちの子はパワーポイントとか使ってないですね。
でも使わない子もいっぱいいたって言ってました。
どういうことをしたのかもいまいちわかんない。
あ、わかんないよね。その辺はね、思春期の子供だからね。
うちの主人にだけ相談して、
フランス語だしね。
うちはもう家族全員巻き込まれて、一人一人プレゼンを聞かされて、
すごいですね。
練習のためにね。
でも今回の模擬試験から本番に向けて、
同じテーマでいくっていうのは新しく作るのやだからって言って、
その時には全然練習はやらないで、
ただ模擬試験の時にちょっと変な突っ込まれ方をしたらしくて、
プレゼンよりも質疑応答にちゃんと答えられた方がいいよねっていう。
なんかね、ただのそのテーマじゃなくて、
その歴史的背景を聞かれちゃったなって。
へー。
で、ちょっとそれは突っ込まれちゃったなっていうのがあったから、
一応その質疑応答に答えられる、
なんかやってたかな?わかんないんですけどね。
夫は1回ぐらい聞いてたと思うんですけど、
本人はUSBのあれに入れてデータを持って行ってたから、
06:04
やっぱり今の子供たちはガジェット世代?
そうですね、それを感じる。
USBに入れて持っていくっていうのはね。
ありますもんね。
だから私パワーポイント教えてないですよ、1個も。
で、夫も教えたつもりもないんですね、多分。
学校でやってない?
学校でもやってないですよ、自分でやってる。
すごいですね。
だからね、今の子供たちのレベルって違うと思った。
どっかから写真を集めてきて貼り付けて、
ちょっとアニメーションまで作ってとかっていうのを
ナチュラルにもやっちゃう世代なんだなと思った、中学生で。
すごいですね。
でもね、うちの長女はできないですね、全然。
アナログのほうかもね、もしかしたら。
でも、次女はすごい。
もう自分で動画編集もするし、
パワーポイントは今のところ使わないですけど、
アップル系の製品をスペシャリスト。
キーノートとかね、ああいうのを使ったり。
スペシャリストです。
学校でタブレット1人1台、iPad与えられてて、
全部学校のテクノロジーの先生がこういうふうにするっていうのを。
アップルでやってるんだ。
全員その時間があるので、アップル製品は完璧。
すごいですよ。
私に教えてくれるんだもん。
先生がもうじゃあまずアップルを使いこなしてるって前提だよね。
学校が全部アップルと提携してる。
してるでしょうね。
そうじゃなかったらだって、そんな全員分頑張ったりしないもんね。
すごいですね、今の中学生たち。
だから、私たちの感覚の中学校の卒業試験とは多分全然違うと思うし、
フランスって日本とやっぱ違うなとは、そういうところでも感じる。
プレゼンさせられたり、あとペンで試験を受ける。
鉛筆じゃないですね。
鉛筆じゃないっていうのを、だって万年筆買ってくれって言われるからね。
そう、ペンなんだっていう感じが、またちょっと日本の感覚と違うのかなと。
そうですね、あと万年筆とかを消せる、消しゴムじゃないけど、
ホワイトっぽい感じのね、ありますよね。
それを常に必要ですもんね。
だけど、鉛筆には絶対しないですよね。
そう、鉛筆文化じゃないね。
鉛筆文化じゃない、ペン文化です。だって幼稚園の時からペンですもん。
唯一鉛筆使うのが、日本語補修校。
そう、日本語なんですよ、やっぱり。
あそこは、鉛筆と消しゴムと、だから必ず鉛筆削りで、鉛筆を削ってからっていう感じでしたけど、
でも日本語だからですよね。フランス語は絶対ないですよね。
すごい、この辺りの文化の違いも。
面白いですよね。
そう、だから彼らには鉛筆って馴染みがないっていうか、
本当日本語やる時しか馴染みがないものっていう。
本は入ってますよ、でも一応。
あ、そうなんだ。
だけど、あんまり使ってる気配はない。
09:00
ないですよね。
うちも完全に筆箱分けちゃってるから、
日本語の方にしか鉛筆は入ってないし、
メインのフランス語の方には何にも入ってないと思いますね。
これは成績が云々関係なく高校には上がれるんでね。
卒業試験というかね、お勉強ちゃんとしましたよっていう。
はい、修了書みたいな感じで、
でもその成績はちゃんと高校には行っちゃうというね、
その厳しいところはあるって感じですかね。
それでは本編スタートです。
はい、本編です。
今回もインタビューをお届けします。
今回はですね、日普通女性劇団セラフを主催していらっしゃる岡田さよりさんです。
劇団をずっとやってらっしゃるということで、
どういう成り行きでフランスで劇団を立ち上げたのかということですとか、
あとは作品、途中から日本の作品も扱うようになっていったので、
その辺のお話であるとか、
あと感激に来るフランス人の印象だったり、日本との違いだったり、
そういうところを前半ではお聞きしています。
ぜひ聞いてください。
はい、こんにちは。
今日も素敵なゲストの方に来ていただいています。
日普通女性劇団セラフを主催していらっしゃる岡田さよりさんです。
さよりさんよろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
日普通女性劇団を主催していらっしゃるということですか?
はい。
ちなみにどういう劇団、どういうことをやっていらっしゃるのかお伺いしていいですか?
私たちの劇団は1991年に日普通ということで、
日本人女性とフランス人女性が集まって、
女性についての作品あるいは日普通の文化、
こういうもとに設立された劇団です。
30年前ですね。
30周年じゃないですか?
30年前ですね。
おめでとうございます。
実際にアソシエーションとして登録されたのは、
翌年の1992年なんですけど、
それはパリで立ち上げられたんですか?
パリで立ち上げました。
なるほど。
基本、女性のみで構成されているんですか?
そうですね。
一昨年、三島由紀夫の近代の音楽賞をしたんですけれども、
それまでは女性のみでした。
三島の作品を…
からきっかけにどうしても男性の役が必要だったので、
そこから男性の俳優さんに参加していただいて。
なるほど。
日普通ってこう…
もちろん変わるとは思うんですけど、
日本人とフランス人、どれくらいの割合って…
初めは半々くらいだったのでしょうかね。
12:01
今は震災の演劇をしてから日本人が多くなって、
日本は日本人がほぼ中心になって、
フランス人に日本の文化を紹介するというのをここ数年やってます。
なるほど。
劇団の人たちもみんなこちらに住んでらっしゃる日本の方?
中には日本から来てくださる方とか、
一回こちらで演劇を始めてアメリカに行ってしまったけど、
この旅に帰ってくる方もいます。
一回演劇好きになるとみんな辞められないので、
ドーパミが出てしまってやりたくなるみたいで。
じゃあその辺のドーパミの話も後で聞きたいんですが、
もともとさよりさんは演劇をずっとやってらっしゃったんですか?
高校でお友達と学祭の時に一回始めて、
それで大学で大学の演劇研究会みたいなクラブがあって、
そこでちょっとかじってフランスに来て始めました。
本格的に。
その演劇との出会いっていうのはどういう感じだったんですか、さよりさんにとって。
演劇との出会い。
そうですね。もともと美大で絵を描いていて、
自分で作品を作っていると、どうしても自分を掘り下げていくだけで、
人との社会性が全くなくなって、
美大なんでもともと社会性はないんですけども、
これはまずいなと。
やっぱり人と関わりを取っていかないと、
人間として成長しないんじゃないかなと、ある時思いまして。
それは大学生の時に思ったってことなんですか。
大学卒業してからですから、
こっちに来て作品を作りたいと。
作るというのが私たちにとっては楽しみなので、喜びでもあるので。
作る内容がオブジェなのか、絵なのか、
はたまた総合芸術である演劇なのか、
どれか方法として選べなきゃいけなかった時に、
人と関わって自分が成長していくためには、
この社会性のない私はダメだなと、
何とかしなきゃいけないなと思い、演劇を選びました。
なるほど。
じゃあ、日本で大学生でこっちに来るタイミングは、
もう演劇をやろうと決めてたわけではないんですね。
ないですね。違いますね。
なるほど。
じゃあ、フランスに来た時も、
芸術的なことはしたいみたいな位置づけで。
作品は作りたいと思ってました。
だけど、最終的には迷わず演劇の方に行っちゃったんですか。
方法として演劇を選びました。
今までって言い方変ですけど、
部活動的な感じでやってたわけで、
あんまり本格的だったわけではないですよね。
大学、高校って。
そうですね。
勉強的にも。
今はあんまり変わらないかも。
今はもう部活的なノリが。
こちらでアマチュアって言うじゃないですか。
でも綺麗な言葉で言うと、
アマって好きということだから、
好きだからやってる。
演劇が大好きだからやってます。
プロでも好きなんですよね。
はい。好きです。
なるほど。
じゃあ、その情熱は全然変わってないんだ。
楽しんで。
やっぱり稽古させていただくと、
この頃コロナになってすくすく思いますね。
幸せだなって。
なるほどね。
稽古させていただけて、
15:00
舞台作らせていただけて、
ありがたいなって。
やっぱり楽しいです。
でもじゃあ、
アソシエーションとして立ち上げて、
その時からもう日仏でやろうって思ってたわけですよね。
はい。
その時に演劇のスタイルとか、
その方向性は何かもう決まってたんですか。
それはですね、もちろん初めは、
私も大学の先輩がやってた演劇とか、
自分が知っているアングラの演劇とかを、
適当に自分の頭の中で作ってたんですけども、
2年目から1992年に一人フランス人の女性が入ってきてくれて、
彼女も非常に日本文化、中国文化を愛している方で、
彼女とのディスカッションの中で、
いわゆる実験的な演劇とかもしてきました。
結構革新的な感じとか、
モダンな感じとかいろいろやったり。
やってきましたね。
日本の伝統的芸術の根本的なコンセプトみたいな、
スタイライズされたものをどうやってフランス語にするかとか、
体の動き、どういう肉体表面を作っていこうかとか、
感情がどのように自分のエネルギー体なり、
魂なり、あるいは内臓肉体なり、どう関わっていくとか、
そういうことをすごいディスカッションをしながら、
その旅ごとにいろいろ実験的なこともしてきました。
この数年、日本文化召喚にあたっては、
普通のいわゆる新劇的なことをしてますけど、
中にはお客様に喜んでいただけるように、
踊りとか、面とか、歌とか混ぜて、
スペクタクル的な要素を取り入れてしてます。
なるほど。
じゃあ、演劇の実験的にいろいろやっていく中での、
一番の魅力って、
その時の鞘師さんはどの部分を持っていたんですか、演劇の。
ドーパミンが出るとか、ディスカッションとか、何が一番?
作っていて発見があるところでしょうかね。
なるほど。
例えば。
例えば、これ時間の問題になるんですけど、
演劇っていうのは、普通人生、80年、100年のところを、
クッと締めて、1時間か2時間で作ってしまうぐらい、
凝縮されてるんですね。
でも、その物語っていうのは、過去があって、今があって、
未来があるんですけど、この時間軸の中で、
初め見て練習するときに、こんな感じだなと思って結構始めるじゃないですか。
でも、本当の実際と同じで、今この瞬間をどう演じるかということは、
前後関係なく作っていくんですよ。
なるほど。
例えば、言葉一つセンテーションとっても、
例えば、私はあなたを殺したいという言葉があったとするじゃないですか。
文字通り通れば殺したいだけど、
私はあなたを殺したいって言ったら、大好きってことでしょ。
なるほど。
だから、同じ文章でも、言い方変わると物語が変わってしまう。
確かに。
そういうふうに稽古していくとですね、
ある瞬間、一回作り上げていても、
今のセリフの言い方をこの時点で変えると、
前後にインパクトがあるんですよ。
変えなきゃいけないの。
なるほど。
それってすごい面白いことだなと思って、
人生にも言えることじゃないですか。
なので、その作り上げていって、
ある瞬間、物語の始め、読んでこうだなと思ったものでないものが現れてきて、
18:02
そこにクリエーションが出る。
あるいは、その登場人物が作られていく瞬間があって、
役者さんが演技をしていく中で、
ある時、その登場人物がそこに存在する瞬間があるんですよね。
エネルギー体としてポンと。
その生まれた時の喜び、
それは本番の前、練習中に。
本番の前、練習中に。
あとはもう本番。
演劇というのは、この舞台に乗っている側のクリエーションと、
見る方たちの感性。
これが一つになった時に一個の作品ができるので、
その瞬間を感じちゃうと、
もうドーパーの出っ放し。
だから、多分やめられない。
やめられない。
やめられない。
その時の変化。
蝶のようにさなぎがポッと広がるように。
稽古ってこういう感じじゃないですか。
段階があって、ずっと低迷している瞬間、上手くなる。
またこうしたって、なかなか上手くいかないと、また上手くなる。
階段方式みたいな感じで。
階段方式の学習。
普通の学習方式と同じなんだけども、
舞台に出た瞬間、みんな蝶のように変わっていくんですよね。
何なんですか、その。
多分お客様の力。
へー。
自分一人の力で変わろう、変わろうとしていたものが、
周りの方のエネルギーをもらった瞬間に、
もう別のものが生まれてきて、
あれ感じるとやめられないんじゃないかなって。
舞台はやめられない人たちの気持ちは、
そこじゃないかもしれないけど、
私が見てて、役者さんを見てて思うのは、
それぐらい変わる。
だからその練習も、その本番があるって分かっているから、
この階段方式でも、
階段でも、
辛い状態でも、いけるっていう。
でも、全ての学習はそうだと思います。
言葉を学ぶにしても、何かを学ぶにしても、
なかなか成長しない時があって、
でも頑張って頑張って頑張っていると、
ある瞬間、ふと分かった瞬間が来たりとか、
あるじゃないですか。
それは時間がかかる。
ただ、舞台に上がった時だけは、
何かマジックが起きるので、
あれきっとみんなやめられないんじゃないかな。
私はその稽古の時にもそういった、
何かが生まれていく瞬間っていうのが、
頑張れば頑張るほど、
本当にご飯も食べない、風呂も入らない、
息子に怒られますけど、
服も変えない、毎日同じ服着て、
息子さんに怒られるんですか?
今は同じ服着てたよって言われたり、
お風呂入りなさいって怒られたり、
それぐらい集中して、もう風呂状態。
そこにグラーって入り込んでいくので、
肉量を蝕むような風呂が続くのが。
そう、そう、なっちゃうの。
期限があるのでね、期限限定で。
風呂状態になってて、やっぱり生まれた瞬間というのは、
出ますね、ドーパミンが。
だから楽しくてしょうがない。
やめられない。
楽しいです。
それが終わった後、どうなんですか?
マタネティブルみたいな危機が来る方もいますよ。
日常に戻るときちょっと大変な方もいらっしゃいますよね。
中にはいますね。
やっぱりその後に問題が起きることもありました。
さゆりさんはどうだったんですか?
その辺の切り替えは。
次の作品考えるかな。
切り替えて、意図的に。
次。
あるいはせっかく作ったものを、
どうやったらより良くできるかなって考えるとか。
はい。
もうそこに浸ってるんじゃなくて、
終わったら次。
次のこと考える。
21:00
さゆりさんはもちろん劇団を主催していて、
脚本も書き、
脚本は脚色ですね。
脚色。
あるものを脚色し、演出もし、
ご自身も舞台に立たれる。
何でもします。
掃除もするし、アイロン掛けもするし。
何でもする。
さゆりさん的には何が一番好き?
どの部分が好きなんですか?
作るときですか。
作っていくとき。
やはり一緒に作り上げていくとき、
そこにその、
なかった存在が生まれていくとき、
あるいは物語が語られるとき、
っていうのはやはり、
結局お客様には、
自分ではない感情を擬似体験していただくわけじゃない。
何かを一緒に共有する。
全くそこには存在しない架空の誰かの人生を、
一緒に共有していくっていうのは、
やっぱりすごいエキサイティングなことだと思います。
で、例えば脚色してたりとか、
じゃあこの作品次作ろうって思ったときには、
さゆりさんはそのイメージが舞台のときの、
その本番までできてるのかも、
逆に作り上げていくから、
その場その場で新しく作っていこうって感じなのか、
どういう態度?
それがね、ちょっと噛みがかってて、
演劇っていうのはもともとオカグラっていって、
神様が降りてきて、
イタコ状態になって、
皆様に見せるっていうのが、
私もちょっとイタコなとこがあって、
ありますね。
私の場合はね、
作品をしましょうよと決めたとき、
まず夢に見るのが一つと、
夢に見るんですか?
まず夢に見るのが一つと、
あとね、場面が見える瞬間があるんです。
パッパッパッパって。
ああ。
作るべき場面が。
へー。
その、この作り始めると、
例えばシナリオを読み始める、
シナリオを書き始める、
行動に移した瞬間に何かこう、
場面が見えてくる。
その場面をあとは繋げる作業を地道にする感じ。
だから誰か助けてくれてる。
作り終わると、
あ、これ私作ったんじゃないかと思うときはある。
誰か助けてくれてるような気がする感じがある。
あ、ちょっと自分で作ったとは思えないときがあるんだ。
誰が作ったのかなと思うときがたまにある。
でも隣では必死ですよ。
必死ですよね。
必死作ってるけど、
でも何か助けてくれてるような気がする。
それは毎作品そんな感じ?
ある。
見えるときがある。
その画面がパッパッパッと、
お助けが入ってるなーって、
ありがたいなって思います。
へー。
でね、さっき息子さんの話が出ましたけど、
お子さんを産むときとか活動はどうされてたんですか?
ずっと稽古してました。
お腹大きかったから、
役者さんと、
あれ?なんでこんな近いの?
おじさんお腹かかってるかもしれない。
自分では分かんない。
もう不動に入っちゃって。
お腹の存在忘れちゃってね。
私しかいない状態になって稽古してて、
ふと気がついて、
ここに子供いるから、
あ、距離感が違いましたみたいな。
妊婦であることを忘れてるんだね。
忘れてましたね。
でも、ある方が言えば、
お腹に赤ちゃんがいたとき、演技してたとき、
エネルギーはすごかったって言われました。
あ、だからね。
お腹にダブルのエネルギーで演技をしてたみたいで、
すごい強かったとは言われました。
本人は自覚ないですけどね。
じゃあ、もう何?
24:00
育休とかそういうの全く?
なかったですね。
産んだらすぐ次の作品とかは、
そういう感じ?
産んで28日後には舞台立てました。
え?立ってたの?
うん。
え、じゃあ稽古中に産んで、
そんな感じね。
で、もう1ヶ月後に復帰。
復帰してましたね。
舞台は毎日のことではなかったので、
その時は本当に1日の公演でしたから、あれでしたけど。
その魅力って、もうやるっきゃないって感じだった。
ねえ。
やるっきゃないっていう感じなんでしょうね。
もともとは美術とか洋画とかされてて、
演劇は高校からどっちかっていうと趣味からスタートして、
社会生活をなんとか営もうと思ってそっちに行き、
もうすっかりのめり込んじゃってる感じじゃないですか。
そうですね。
なんか自分の人生にそれ以外ないくらいの。
今そういうことですよね。
ずっとやってた。
もう20何個作って、
20の作品と3つの朗読と2つの美容書を作って、
あと2つネスコで女性デーの企画もやってきたので、
ずっと作ってる感じ。
だから1年に1回はやってますよね。
作品作ったり公演もやってるっていう感じで。
そのパワーは何なんですかね。
パワーと思ってないよね。
好き?
好きなんだ。楽しい。
もうやめられないって感じなんだ本当に。
これが普通の状態になってるのかもしれません。
きっと人ってそれぞれお得意ものがあるでしょ。
でもきっとそのお得意ものって、
その人が地球にいる神様からのプレゼント。
それを活かしていけば、
活かされてるかどうか自分は分かんないけど、
でも活かさせてくださるように、
神様がその場所を与えてくださったのかなって。
あんまり自分が情熱持ってるかどうかも分かんないし、
でも楽しいからやってる感じはあるかもしれない。
例えばご自身の、
よくねこういうアーティスティックな分野って、
自分の才能との葛藤があったりとか、
そういうの全然ないよね。
才能の葛藤、
それは自分で才能あると思ってやってないところがあるから、
やっぱり稽古。
そして何回も何回も作って、
毎回良くするように、
お客様に喜んでいただくように、
努力努力努力ですかね。
完成はないのね、アーティスティックは。
きりない世界ですね。
人生と同じ。
人生にゴールなんてないでしょ。
終わったらまた死んでまた来るわけだから、
永遠に経験をどんどん積んで積んで積んでいくわけ。
そういう風に考えると演劇も人生なわけですね。
思いっきり人生ですね。
お仕事とか子育てとか同じだと思います。
たまたま私の場合は演劇だったというだけで。
でもそれが途切れることなく、
ずっと30年以上来てるっていうことだから。
皆さんのおかげです。
一緒にやってくださる方がいるから、
一人ではできないので。
なるほど。
本当に良い仲間に恵まれました。
メンバーはそうやって海外出ちゃった人もいたり、
日本から来てくださるというけど、
結構フォアメンバーあんま変わってないんですか?
もう30年やってるんで、
27:01
初めからすると変わってますけど、
でも嬉しかったのが三島はやった時に、
一番初めの公演で演じてくれた方が見に来てくださっていて、
その1990年?
はい、91年に公演した時の女優さん2人が、
2019年にやった時の公演に見に来てくださって、
すごい嬉しかったです。
皆さんね、それぞれご家庭変えられたり。
今はもともとプロでやってる方たちが多いですかね。
もともと日本で演劇プロでやってる方が、
フランスに来てそういう機会がない場合に、
やっぱり好きだから一緒にやってくださるって方もいます。
自然的に集まってきちゃうんですか、先生さんの前に。
そうですね、ありがたいことに。
怖い方は確かにいます。
もともと演劇をやってた方たちで、
やはり理解をしてくださる方がいるので、
その方たちが助けてくださってます。
基本フランスで公演される、
日本かフランスですかね。
フランスの中でもパリが中心なんですか。
そうですね、やっぱりどうしても。
例えば、さっき日本の作品を、
震災ぐらいのタイミングからっておっしゃったんですけど、
その震災が影響を与えたってことがあったんですか。
影響というか、ただ単に、
震災の時は日本でコラッサンっていう、
シャネル元社長さんが、
日本で起きたことをフランスに伝えたいという思いで、
震災についての本当に、
実際にあったことを取り入れながら小説を書かれたんです。
それを舞台化させていただいたんですけど、
やっぱり日本人じゃなきゃダメだと思ったんですよ、
舞台に立つ人間は。
確かにね。
なのでその時に日本人が集まってきて、
どうしてもそれで人数が、
日本人が増えてしまって。
それがきっかけ、作品の特色というか。
その後はやはり、
ちょっと悲しい内容だったので、
少しでも明るい内容をしようと思って、
谷崎のささみ行きをやったので、
やっぱりどうしても日本人じゃなきゃ。
そこから今度は周りに、
谷崎やったら三島でしょって言われて、
三島やったら川田でしょって言われて、
トントントンと日本の文学作品になっちゃった。
例えば日本人じゃないとやっぱり、
言葉と感情と文化というのは密接につながっているので、
特に川田先生の世界は、
日本語じゃないと感情を表しきれないなと思いました。
フランス語に訳すことはできるけれども、
感情表現を日本語に、
特に言わないセリフも多いので。
例えば、そういう日本の作品、
純文学の世界をフランス人に伝えるときに、
気をつけてらっしゃる。
感情表現のものもあるし、
でも日本語だからっていうだけじゃなくて、
例えば今までの作品と比べて、
意識されていることとかあります?
この日本文学と。
三島まではなかったんです。
変わらなかったってこと?
三島由紀夫先生の文章はとても美しくて、
ちょっと西洋的な感情があったし、
30:01
谷崎も、ささめきについては、
チコフ的なところもあったので、
心理的なところというか、
あんまり感じなかったんですけど、
今回、川田先生をやったときには、
はじめは普通に作ってたんですけど、
もう一回今年また公演を11月にするにあたって、
やっぱりその行間、つまり言わない部分とか、
あるいは言葉の繰り返しがいっぱい出てくるんです。
同じ言葉を。
フランス人だったら、相手に伝えるときに、
言葉巧みにいろんな用語を使うじゃないですか。
伝えなきゃいけないから。
じゃなくて、同じ言葉が、
時間をとっているにもかかわらず出てくるの。
それをどう変えていくか、
あるいは言わない言葉を、
どう相手に伝えるか、
というところが本当に日本的なので、
それをどうフランス人に感覚的に、
その違いを知ってもらうかは、
悩んでいるところです。
すごい深い世界ね。
そうね。
それが日本人の文化であり、言葉であり、
感情表現。
人間は基礎は同じでしょうけれども、
やっぱり表現方法が違うから、
それが文化の違いであり、豊かさであり、
人間の経験の違いであり、
世の中の豊かさにつながっていると思うので、
その豊かさを、
今コロナで旅行にも行けないから、
演劇を見ながら、
この狭い空間で、
日本の雰囲気、日本の香りを感じていただくために、
工夫をしなければいけないなと思っているところです。
そういう作品に来てくださる、
フランス人の方たちって、
例えばどういうふうに見ていらっしゃるんですかね。
難しい作品もいっぱいあるし、
日本文化を基本的に知っている人が多いのか、
知らなくても、
体感的に味わってくださる方が。
2タイプあると思います。
日本が好きで、本を読みました。
だから見に来たいという方もいらっしゃるし、
谷崎純一郎とか読んでるんですか。
読んでます。
あるいは、日本は知らないけども、
興味があるから見てみたいという方もいます。
今回は日本文学を紹介するために、
私たちもやっているので、
読んでいただければいいと思って。
つまり、演出されているものは凝縮されているし、
ある一手の方向性というのを脚色で与えてしまっているので、
本を読むとは違うわけじゃないですか。
確かに。
なので、見て本を実際に読んで、
比べてくださる方もいます。
ここをこんな風に演出していたんだなとか、
こんな風に書いていたんだなと言って、
楽しんでくださる方もいるし、
日本文学をどこまでフランス人が理解できるかというのは、
個人差があるから何とも言えないけれど、
チャレンジングですよね、そういう風に考えると。
交流のチャレンジですね。
相手を受け入れることから、
受け入れと同じ、人生全てだけども、
まず受け入れてもらうことのために、
紹介しているんだと思います。
受け入れられれば、分からなくても豊かさが足されていくでしょう。
多分、分かれと言っているわけではない。
33:00
分からなくてもいい。
何かを感じて、分からないを感じてくればそれはそれでいい。
異質だと思ったらそれはそれでいい。
何か違うんだな、それがある種、
精神的な豊かさであり、旅行であり、
彼らに体験してもらいたいところなので、
2タイプですね、お客様は。
全く知らない方もいます。
知らないで、知ってみたいみたいな感じで来る人も多いってことですよね。
はい、宣伝したりすると、見てみたいっていうフランスの方は多かったです。
この数年、ずっとやってきた中で、
日本に対する関心とか、日本文化に対する関心ってどう見えてます?
フランス人の反応とか。
私がここに来た時に、日本の二の字もなかったですからね。
30年前ね。
だって日本人がルイ・ビトンを買い始めて、
日本人はお金持ちからちょっと嫉妬くらったみたいな時代があったから。
ちょっと評判的にね。
全然日本人の礼儀正しいでしょ。
今は他の国の方たちと比べられて、
日本人の礼儀正しさとか素晴らしさを認められるようになったので、
フランスに行って、日本人はみなさん愛してくださる方が多いんですけども、
昔はそんな日本がどこにあるかも知らない方が多かったです。
学校の教育でも受けないから。
アジアのあの辺みたいなね。
それを思うとやはり不思議なことに、
第一ジャポニスムが印象派の時代に出たんですよね。
それももちろん日本の明治維新の後とか、
いろんな古美術が世界に流れたというのをきっかけではあったけれども、
それを愛好してくださったのは何かやっぱりフランスだった。
今回も第二ジャポニスムじゃないけれど、
調人文化である漫画が、
どこよりもなぜかパリが一番ブレイクしている。
フランスがね。
日本の次に一番その漫画文化がね。
こんなに遠くて離れて、遠くてこんなに違うのにも、
なぜか分からないけど、文化の部分では、
フランスは日本を好きなんですよね。
なんか感性に何かあるんですか?
感性に何かがあるのかもしれません。
不思議と。
なのでここで日普通の講師たちが、
文学とかを紹介させていただくのが、
良い土壌があったのかもしれないですね。他よりも。
でもそれを培ってきて、さらにそれを感じるってことでしょ。
そうですね。30年前と全然変わりましたね。
旅行に帰る方も多いし、
これもフランスに今まで暮らした日本人の先輩方たちが、
一人一人が日本人としてできたらしく、きちんと暮らしてくださったから、
そのオッケーを私たちは受けていると思います。
いやー面白いですね。
この番組は毎週日本時間の木曜日の夜に配信されています。
配信場所はiTunesのポッドキャスト、Googleポッドキャスト、
Amazonミュージック、Spotifyなどから聞くことができます。
YouTubeも時間差はありますがアップされています。
iTunesのポッドキャストは登録ボタンを押していただくと、
自動的に新しい回が配信されます。
また週2回、FacebookとInstagramでライブを行っています。
36:03
ポッドキャストとはまた違う視点でマインドについて、
願望を叶えることについてお伝えしていますので、
ぜひよかったらこちらも参加してください。
アーカイブは期間限定で見れますので、
詳しくはパリプロジェクトのホームページをご覧ください。
パリプロジェクトで検索していただければすぐに見つかります。
また次回お会いしましょう。
36:31

コメント

スクロール