1. 100円で買い取った怪談話
  2. #25 夢枕に立つ
2021-08-08 08:05

#25 夢枕に立つ

今回はオンラインで買い取ったお話をお送りします。お盆にぴったりなお話をお楽しみください。
オンラインであなたからの怪談を買取ります。 詳細のリンクからご応募ください。
応募はこちらから

番組のスポンサー See Privacy Policy at https://art19.com/privacy and California Privacy Notice at https://art19.com/privacy#do-not-sell-my-info.
00:01
ポッドキャストプロダクション、PitPaからのお知らせです。
現在、PitPaでは、ポッドキャストに関するアンケートを、期間限定で実施中。
回答していただいた方の中から抽選で、30名にAmazonギフト券1000円分をプレゼント。
応募には、メールアドレスが必要になります。
詳細は、番組概要欄のアンケートはこちらをご覧ください。
この番組では、私が行っている怪談売買所で買い取った、世にも奇妙な体験をされた方のお話をお届けします。
今回は、Yさんという女性からオンラインでお聞きしたお盆にぴったりな体験談をお送りします。
私が体験したのが、ちょうど高校3年生の1学期の中間テストが終わるぐらいのタイミングだったんですけど、
ちょうどその頃に、ちょっと早めの台風だったと思うんですね。
早めの台風か何かで、風がすごく強く吹いていた日があって、
私の祖母が、私が高校2年生の時に亡くなっていて、夏の時期だったので、高校3年生の夏が初盆だったんですね。
なんとなく意識の端で、おばあちゃん大丈夫かなっていうのを考えていたんですね、風が強かったので。
そしたらその日の晩、夢の中で、どっからともなく私の名前を呼ぶ声が聞こえてくるんですね。
ずっと、ユカちゃんユカちゃんって呼んでるんですけど、姿が全然見当たらないんですよ。
なんだろうな、どこにいるのかなって、家の中をずっと探し回って目が覚めたっていうような状態だったんですね。
目が覚めてからも何か気になって、ちょうどテスト期間中だったので、学校が早く終わるので、ちょっと気になるから見に行こうって思ったんですね。
お墓を。私の実家の近くに、私出身が大阪なんですけど、大阪の中でもすごく大きな霊園があって、祖母のお墓もそこにあったんですね。
03:11
高校からの帰り道、バスがあるんですけど、バスがちょうど霊園を通るバスだったので、霊園で降りて、いつもは自宅の最寄りまで乗るんですけど、霊園で降りてお墓を見に行ったんですよ。
そしたらちょうど祖母が入っているお墓の星っていうんですかね、お墓の横にある平たい石の板がパーンって倒れてて、これもしかしておばあちゃんが呼んでたのってこれだったのかな、これを知らせたかったのかなっていうのを感じたんですよ。
それで起こして、ちゃんとセッティングをして、前日の風とかで葉っぱとかがたくさん入ってたので、お墓の中とかにもちょっときれいに掃除をして、手を合わせて帰ったんですね。
母にこんなことがあったよっていう話をしたら、あ、それあんたやから呼んだんやわって言って、お母さんやったら絶対起こされへんもん、そんなんって言われて、そうそうそうそう、あ、そっか、だから呼んでたのかって思った覚えがあります。
日本語には、「夢枕に立つ」という美しい表現があります。
夢の中に個人が現れて何かを告げるという意味です。
このような言い方があるということは、いつの時代にも一定数以上の人がそのような体験をしているということです。
また、この言葉がとても美しいのは、体験した人がみなそれを恐ろしいものでもなければ、いむべきものでもないと感じていることを物語っています。
さて、ワイさんが体験したのも、この夢枕に立つという類のものでしょう。
亡くなったおばあちゃんが夢の中で彼女の名を呼び、何かを訴えようとします。
そこからワイさんはおばあちゃんのお墓に異変があることに気づき、霊園まで足を運びます。
この体験談で興味深く、また重要なのは、おばあちゃんが夢枕に立ったという現象そのものではありません。
ワイさんを取り巻く人たちの関係性だと思います。
まずその日は、台風の影響で強風が吹いていました。
その様子を見て、ワイさんは前年に亡くなったおばあちゃんのお墓が気になったというのです。
06:02
亡くなった家族に対する思いを強く持っていたということを、彼女は暗黙のうちに語っています。
次におばあちゃんです。夢の中でワイさんはおばあちゃんの姿を見たわけではありません。
ただおばあちゃんの自分を呼ぶ声を聞いただけです。
夢の中なのですから、本来であればワイさんの前に姿を現して、お墓を見に来てほしいと言えばいいようなものです。
しかしおばあちゃんはそれをしませんでした。
姿を見せずとも名前を呼ぶだけでワイさんは理解してくれるだろうと、そう考えていたような節があります。
実際にワイさんは翌日、状況確認のためにお墓まで行っています。
そしてワイさんのお母さん。
普通であれば一生に不死で終わりそうなものなのですが、一連の出来事を聞いたお母さんは、それをすんなりと受け入れたばかりか、
なぜワイさんの元におばあちゃんが現れたのか、その理由を推測します。
そしてそれを聞いたワイさんは納得するのです。
この体験談は会議を中心に据えつつ、ワイさん、おばあちゃん、お母さんの3人がお互いを深く理解し合っている様子を物語っています。
とてもさりげないやりとりなのですが、さりげないからこそ、3人の関係性がより明瞭になった印象です。
これが血のつながり、家族の絆というものなのかもしれません。
絆は生と死の壁を軽々と越えるのです。
この番組ではワイさんのようにあなたが体験した会談をオンラインで買取りしています。
詳細は概要欄のリンクよりお待ちしています。
それではまた次回お会いしましょう。
08:05

コメント

スクロール