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EP2-16岩魚坊主(Iwanabouzu = Rock fish monk)
2025-05-17 12:01

EP2-16岩魚坊主(Iwanabouzu = Rock fish monk)

妖怪古伝 第二シーズン 2-16回目の放送 今日の妖怪は「岩魚坊主」 今回のオリジナルストーリーは、魚捕りがぜんぜん取れない、それなら毒を流して一網打尽に...そこにお坊様が現れて....ぜひお聞きください。 また番組へのご感想やご意見は Twitter @youkaikoden かメール youkaikoden@gmail.com でお待ちしております。またnote 妖怪古伝では過去のシナリオを公開していますぜひご覧ください。*この番組の効果音には「Oto Logic」「Mus Mus」「効果音ラボ」様の音源を 使用させていただいています。

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00:05
お前さんひょっとして、妖怪古伝を探しておるのか?
それならば、わしが入口まで案内してやろう。
妖怪古伝
このポッドキャストは、毎回、この館の主人が、
勝手に作った妖怪の、誰も聞いたことのないオリジナルストーリーが聞ける番組じゃ。
さあ、着いたぞ。この扉の向こうじゃ。気をつけてな。
岩魚坊主
岩魚坊主は、大きな岩魚が化けた日本の妖怪である。
江戸時代の岐阜県に伝承の記述があるほか、
福島県や東京都など、日本各地の伝承に登場する。
釣人が、川で釣りをしている最中に、一人の坊主が現れて、長話に生じる。
この近くは寺の土地なので、釣りはあまりしないようにと、釣人に注意をするが、
釣人は持っていた、ご飯を振る舞ったので、気をよくして坊主は帰っていった。
その後、とても大きな岩穴がかかり、持って帰って捌いてみると、
腹から坊主に振る舞ったご飯が出てきた。
ここは、水野のとある山裾の村。
この村の少年安家は、仲間たちと山の渓流の滝のところに遊びに来ていた。
山の方は、雷が来るのか、入道雲が出ていた。
今年はいつもの夏より暑いな。こんな時は川に飛び込むのが一番気持ちいいよな。
安家、そんなこと言ってないで、その大岩から飛び込んでみろよ。
びびりのお前はできねえだろう。
そんなことないよ。か、簡単さ。見てろ。
安家は少し足が震えていたが、目をつぶって大岩から飛び込んだ。
どうだ、おいらにはどうってことないよ。
悪かったよ、安家。でも、雷が来そうだから早く上がってこいよ。
そんなやりとりをしていると、雷が鳴り、強い雨が降ってきた。
さらに山から下ってきた雨水が、滝から安家の上に降り注いだ。
03:08
え、とても泳ぎきれない。た、助けて。
安家は滝壺の中に沈んでいった。
仲間たちは慌てて、走って村の大人たちを呼びに戻っていった。
安家は水の勢いに何もできず、下に下に沈んでいった。
安家がもうだめだと思ったとき、川底の方から黒い影が上ってきて、
その大きな背中に安家を乗せると、水面のあたりまで一気に運んでいった。
仲間と村の大人たちが川にたどり着いたとき、
安家は滝の横の岸の草に巻かれて、気を失っていた。
安家の着物の襟のあたりには、大きな虹色の鱗がついていた。
それから十年が過ぎた。
青年になった安家は仲間二人と川に来ていた。
だめだ。きょうも全然魚が網にかからねえな。
安家、どうだ。少しは魚とれたか。
だめだ。俺のほうも一匹もかからねえ。
なあ、俺のおっ母が作ってくれたきびだんご持ってきたんだ。
ひと休みしようぜ。
きびだんごか。ありがてえ。いただくよ。ちょっと作戦会議だ。
安家、三人は川の近くの岩の上に座り、だんごを食べながら、
毒もみをするかと話し合った。
毒もみとは、山椒の川の汁などを川に流し魚をとる方法である。
俺は反対だ。毒もみなら簡単にたくさんの魚がとれるかもしれない。
でも、それではこの川に住む生き物ほとんどを殺してしまうじゃないか。
そんなこと言ったって、俺たちだって手ぶらじゃ帰れねえ。
腹をすかした家族に、魚たくさんとって帰るからなって言って出てきたんだ。
安家は反対したが、仲間二人はどうしても毒もみをすると言って聞かない。
そんなところに、どこからともなく、けさをつけた大きな坊主が現れた。
すまない。今、そなたたちの話を聞いてしまった。
06:00
このあたりは私の寺からも近い場所。
摂生はやめてもらえまいか。この通りじゃ。
お坊さま、まあ座ってくださいよ。よかったらこのきびだんごを食べください。
いや、俺たち魚がなかなかとれないんで、イライラして心にもないことを言ってしまったんです。
大丈夫です。毒もみなんてしませんから。
おお、そうかそうか。約束じゃぞ。
ありがとう。ありがとう。
それにしても、このきびだんごは本当においしいな。
そう言うと坊主は、笑顔でその場から去って行った。
坊主は見えなくなるまで、途中振り返り、何度も何度もお辞儀をしていた。
やっといなくなったか。それじゃ、毒もみの準備するか。安家も手伝ってくれよ。
何だって?さっき坊さまに、毒もみはしないって言ったじゃないか。
ああ、でも言わなきゃあの坊さま、ずっと居座ってただろ。
背に腹はかえられねえ。さあ、やるぞ。
やめてくれよ。この川の生き物みんな死んでしまう。やめてくれ。
安家が必死に止めるのを振り払い、仲間二人は渓流の上から毒もみの汁を川に流した。
安家は川の淵に座り込んだ。
しばらくすると川の水面に様々な魚が浮いてきた。
そして水面は浮いてきた魚でいっぱいになった。
その中にこの川の主であろうか大きなイワナが入っていた。
おお、こりゃ大量だ。それにあのイワナのでかさったらねえな。
間違いねえ。ここいらの主にちがいねえな。
おい、安家もいつまでもくよくよめそめそしてないで手伝ってくれよ。
俺たち二人じゃ引っ張り上げられねえよ。
安家もこうなっては仕方がないと二人を手伝い大きなイワナを淵の上に引っ張り上げた。
そしてこのまま運ぶのは大変だからとイワナを解体しようと腹に刃物を突き刺した時、
三人は驚きのあまり後ろにひっくり返った。
09:02
なんとそのイワナの腹の中からさっきの坊主にあげた安家のきび団子が出てきたのだった。
仲間二人は顔を真っ青にして手を合わせ何やら念仏のようなことを唱えて震えていた。
安家は立ち上がるとそのイワナの方に歩いて行き切った腹を撫でながら涙を流して謝った。
申し訳ねえイワナ様。仲間を守るためにお坊様に化けて俺たちを止めに来てくれたのに。
だましてしまって申し訳ねえ。
とめどなく涙が流れる目でイワナをまじまじと見つめた。
そして突然安家はあることに気付き首から下げていたお守りを取り出しお守りの中身を手のひらに出した。
そうだったんですね。あなたが幼い頃の俺を救ってくれた命の恩人だったんですね。
日の光を浴びたイワナは安家の手のひらの鱗と同じ虹色に光っていた。
おかえり。どうじゃった?今回の妖怪話は。
もし気に入ってくれたならまたここに聞きに来ておくれ。
そしてフォローしてくれると嬉しいの。
それと妖怪古伝へのご意見ご感想はこの番組の概要欄を見ておくれ。
また新しい話は毎週土曜日の午後5時に公開されるらしいから楽しみに待っていておくれ。
そうそう妖怪古伝の話はノートでも読めるようになっているらしいぞ。
よかったらそちらも覗いてみてくれ。
それではまた来週の黄昏時、大間が時にまた会おうぞ。
12:01

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