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こんにちは。今回はですね、レオナルド・ダ・ウインチの最後の晩餐について、いただいた資料をもとに深く見ていきたいと思います。
誰もが知っている映画ですけれども、資料を拝見すると結構、こんな見方があったんだ、みたいな驚きもありました。
そうですね。この作品本当に奥が深いですよね。単に美しいだけじゃなくて、
ダ・ウインチが使った技法とか、人物の心理描写とか、そのあたりご注目されている点を中心に掘り下げていけたらと思います。
はい、お願いします。まず、この映画を捉えているその瞬間ですよね。
イエスがあなた方の一の一人が私を裏切ろうとしているって言った、まさにその直後。
ええ、そうですそうです。その一言で、食卓の空気が一変する、その劇的な瞬間。
資料にもありましたけど、この、なんというか、ドラマ性がすごいんですよね。
ですよね。中央にイエスがいて、弟子たちがワーッと動揺している感じ。
まさに、それぞれの人物の配置とか、視線、手の動き一つ一つに、ダ・ウインチの意図が感じられますよね。
静かなイエスとざわめく弟子たちの対比が非常に印象的です。
不思議と、こう、中央のイエスに視線が吸い寄せられる感じがするんですけど、これも計算されているんですよね。
あの、資料にあった一点透視図法でしたっけ?
ああ、はい。まさにそれです。イエスのこめかみのあたりを消失点にして、部屋全体の奥行きを描いているんです。
だから、干渉者の視線がこう、自然と中央のイエスに向かうようにできている。
なるほど。
大きな閉化ですけど、視点が散漫にならない、すごい工夫ですよね。
確かに。あと、人物の輪郭が、なんだかこう、ふんわりして見えるというか、柔らかい感じがするのも気になりました。これも何か技法が?
ええ、それがスフマートですね。輪郭線を、あえて、こう、くっきり描かずにぼかすんですよ。
へえ。
そうすることで、人物が背景から自然に浮き上がって、より生き生きとして見える。
なるほど。自然に見せるためのぼかしなんですね。
そうなんです。それに加えて、遠くのものを少し青っぽく描く空気遠近法、これも使われていて、
こういった技法と、あとは、ダ・ヴィンチの得意な解剖学に基づいたリアルな人体描写、これが合わさって、あの、驚くほどのリアリティを生み出しているわけです。
人物についても、ちょっと注目したいんですが、やはりイエスの隣にいる、ちょっと女性っぽくも見えるヨハネン。これは資料にもありましたけど、ダ・ヴィンチコードですごく話題になりましたよね。
なりましたね。それから、やはり裏切り者のユダ。銀貨の袋をぎゅっと握りしめている、彼の存在感もまた際立っています。
ユダに関していただいた資料の中で、服の色についての記述がすごく興味深かったんですが。
ああ、色の話ですね。
はい。当時、その鮮やかな青を出すラピスラズリーっていう香料は、金と同じくらい高価だったとか。
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え、非常に高価でした。
でもユダの青い服にだけは、もっと安いアズライトが使われている可能性があるって書いてあって。
そうなんですよ。これ面白いですよね。
へえ。それはコスト的な理由なのか、それとも何か意図があるのか。
うーん。ダ・ヴィンチが意図的に裏切り者であるユダを他の弟子たちと区別したかったのか、あるいは単に香料の都合だったのか、ちょっと想像が膨らみますよね。
そうですね。
伝統的にユダは黄色とか緑とか、そういう裏切りを象徴する色の服を着せられることが多いんですが、ここでの青というのもまた意味深調かもしれません。
本当に弟子たち一人一人の表情が、もうすごいリアルですよね。衰いてたり疑ってたり戸惑ってたり、感情がそのまま出てる感じで。
へえ。ダ・ヴィンチは単に聖書の場面を再現するんじゃなくて、その瞬間の人間の感情、そのものを描きたかったんでしょうね。
なるほど。
これは、個人の理性とか感性をすごく大事にしたルネサンスの精神の現れとも言えると思います。
冷静に運命を受け入れようとしているイエスと、それに対してもうすごく人間的に動揺している弟子たち。この対比の中に普遍的な人間ドラマがあるように感じます。
そしてこの傑作が、今もミラノの教会の食堂の壁にそのまま残ってるんですよね。
はい。サンタマリア・デルレ・グラツエ教会ですね。完全予約制ですけど、現地で見ることができます。
資料にも保存状態とか感傷方法について書かれてましたね。
ええ。ただ、ダ・ヴィンチがちょっと実験的な技法、油彩とテンペラを壁に直接描くという方法を試したので、残念ながら劣化が進みやすいという問題もあって、何度も修復を重ねて大切に守られているという状況です。
そうなんですね。
美術的な価値はもちろんですが、宗教的にも哲学的にも非常に重要な作品で、後世の芸術にもものすごく大きな影響を与え続けています。
いや、今回はいただいた資料をもとに、最後の晩餐の構図、技法、人物描写、そしてそこに込められた意味合いまで、いろいろと深く知ることができました。
技術的な新しさもさることながら、やっぱり人間に対する洞察の鋭さ、これが本当に見事に結びついた作品だなと改めて感じましたね。
まさにそうですね。この絵は、単なる宗教画という枠を超えて、現代を生きる私たち自身の感情、驚きとか疑い、悲しみ、そして受け入れること、そういった普遍的なテーマを映し出しているように思います。
最後に、あなた自身に問いかけてみてほしいんですが、もしこの絵の前に立ったとしたら、裏切りの物語というのを一旦置いて、弟子たちの様々な表情の中に、あなたはどんな自分の感情や問いを見つけるでしょうか。
うーん、深い問いかけですね。ありがとうございます。
あなたもぜひ、この名画について改めて思いをめぐらせてみていかがでしょうか。
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今回は本当にありがとうございました。