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サマリー
介護施設でのレクリエーションの常識を覆し、高齢者が格闘ゲーム「鉄拳」に熱狂する「ケアeスポーツ協会」の取り組みが紹介されました。将棋やオセロで生じる固定化されたヒエラルキーの問題を解決するため、プロゲーマーである広報担当者の存在と、視覚的な分かりやすさ、不確実性を持つ格闘ゲームが導入されました。職員が楽しむ姿を見せることで心理的なハードルを下げ、アーケードコントローラーで身体的な負担を軽減。その結果、高齢者たちは「勝ちたい」という根源的な感情を再燃させ、応援される喜びを通じて生きがいを取り戻しています。将来的には、独居高齢者の安否確認やフレイル予防、障害を持つ子どもたちや不登校児の社会交流ツールとしての可能性も示唆され、テクノロジーが年齢や立場を超えた新たな社会インフラを築く可能性を提示しています。
eスポーツが高齢者ケアの常識を覆す
リスナーの皆さんは,介護施設でのレクリエーションって聞いて,まず何を思い浮かべますか?
まあ普通は静かな部屋で商業したりとか,
あとはみんなでテーブルを囲んで折り紙を折ったりっていう,そういう穏やかな風景を想像しますよね。
そうですよね。まさにそういうすごくゆったりとした時間が流れている,いわゆるケアする空間っていうイメージが強いと思うんですよ。
でもですね,今その常識を完全に覆すような光景が広がっているんです。
常識を覆すですか?
ええ,ちょっと想像してみてほしいんですけど,車椅子に座ったおじいちゃんやおばあちゃんたちが,
プレイステーション5につながれたゲームセンターにあるような大きなレバーとボタンのコントローラーをですね,力強く握りしめているんです。
おお,アーケードコントローラーですね?
そうです,画面の中ではもうド派手なエフェクトが飛び交う格闘ゲームで,文字通り熱狂的なバトルが繰り広げられているんですよ。
へえ,初めてその映像とか話に触れた人は,なんか豪勢か何かを疑うかもしれませんね。
マジでそうなんですよ,それくらい私たちが持っている高齢者像とはかけ離れたエネルギーに満ちた光景でして.
確かにかなりインパクトがありますね。
ですよね,で,今回のディープダイブだは,一般社団法人ケアイスポーツ協会の方法担当である浜新平さんのインタビュー音声をソースとして掘り下げていきます。
この資料を読み解いていくと,これは単におじいちゃんおばあちゃんが最新ゲームをしていて微笑ましいねっていうそういう表面的なニュースではないことがよくわかるんですよ。
へえ.
彼らがなぜ格闘ゲームにこれほど熱狂するのか,その背景には高齢者ケアの構造的な問題とかあと人間の生きがいの本質をつくようなすごく深い真理が隠されているんです。
なるほど,この取り組みが示唆しているのは,私たちがローに対して無意識に引いている境界線をテクノロジーがいかに軽々と飛び越えていくかという事実ですよね。非常に示唆に太ったテーマだと思います。
定番ボードゲームから格闘ゲームへの転換
本当にそうですね。じゃあちょっと待って,ここを整理しましょう。そもそも彼らも最初から,よし高齢者に格闘ゲームをやらせようってさみいたわけじゃないんですよね。
はい,そうですね。資料によると,境界の活動自体は2019年にスタートしていて,今もう7年目に入っていると。
あ,もう結構習いんですね。
最初はやっぱりオセロとか将棋といったまさに定番のボードゲームから始まったそうなんです。
まあ導入としては一番自然な流れですよね。
ですよね。ただ,そこで彼らは閉鎖されたコミュニティならではの大きな壁にぶつかったんです。
壁ですか?
将棋やオセロのような純粋な頭脳戦,しかも経験値がものを言うゲームって,施設内に一人すごく強い人がいると,その人が永遠に勝ち続けちゃうんですよ。
ああ,そっか,団員を持ってるおじいちゃんとかがいると,もうずっと俺のタラン状態になっちゃうわけですね。
まさにそれです。他の人は何度やっても勝てない。すると,勝っている人は気分がいいかもしれませんが,負け続ける側は,どうせ勝てないからって途端にモチレーションを失ってしまうんです。
なるほどなあ,介護施設っていう限られた人間関係の中で,勝敗のヒエラルキーが完全に固定化されちゃうんですね。
そうなんですよ。全員が楽しめるレクリエーションとしては致命的な構造的欠陥があったわけです。
そこで,2025年の第11回大会から,なんと格闘ゲームの鉄拳へと方向性を大きく転換したと。
これ,将棋から格闘ゲームへのシフトって,例えるなら,公園の静かな散歩からいきなりジェットコースターに乗せられるようなものですよね。
確かに極端な飛躍に見えますよね。
リスナーの皆さんも驚いていると思います。一見すると,高齢者には一番向いていないジャンルに思えますけど,なぜそんな極端な飛躍が起きたんでしょうか?
格闘ゲーム導入の二つの理由
ここで非常に興味深いのは,2つの明確な理由があったという点です。
1つは,偶然の繋がりですね。
偶然の繋がり?
ええ,今回ソースとなっている広報の浜さんご自身が,実はプロの鉄筋ゲーマーなんですよ。
えっと,広報の方がプロゲーマーなんですか?
そうなんです。そして,彼が所属するプロチームのスポンサーが,このケアイスポーツ協会だったんです。そこから,試しに鉄拳をやってみないかっていうアイディアが生まれました。
なるほど,内部に専門家がいたっていう強みですね。
でも,もう一つの理由は何ですか?
もう一つは,格闘ゲームが持つ視覚的な分かりやすさと,不確実性です。
不確実性ですか?
はい,将棋のような長時間の静かなゲームと違って,格闘ゲームって,1ラウンドが数十秒でサクッと終わるじゃないですか。
ええ,テンポが早いですよね。
しかも,適当にガチャガチャとボタンを押しているだけでも,画面上でキャラクターがド派手な技を繰り出して,まぐれで勝つことも十分にあり得るんですよ。
ああ,なるほど,初心者でもワンチャンあるっていう。
そうですそうです,つまり,経験値によるヒエラルキーを一度完全にリセットして,誰もが同じスタートラインに立てる競技だったんです。
それは面白い視点ですね,メーカーであるバンダイナムコのバックアップも得て,1,2名でテストしてみたら,運営側の創造を何十倍も超えて高齢者の方々が楽しんでくれたそうですね。
心理的ハードルの突破:職員が楽しむ姿を見せる
ええ,専門家の視点から見ても,固定関連にとらわれずに,とりあえずやってみるっていうアプローチがどれほど重要かよくわかる事例です。
本当ですね,ただですね,頭では格闘ゲームが向いているってわかっても,それを実際にプレイしてもらうのって全く別の問題じゃないですか。
おっしゃる通りです,これまで最新のゲーム機なんて触ったこともない高齢者に,どうやってコントローラーを握らせたんでしょうか?
資料にも最初はやっぱり私なんてとか,俺じゃなみたいに敬遠されたってありますよね。
未知のテクノロジーに対する拒絶反応ですよね,特に高齢になると,失敗して恥をかきたくないっていう心理的なハードルが非常に高くなりますから.
ですよね,無理やりさあやってくださいって勧めても絶対逆効果ですし,これどうやってその心理的な壁を突破したんでしょうか?
何か工夫があったはずですよね?
ええ,普通に考えると,何か彼らが自分からやりたくなるような仕掛け,例えば荒れて他人が楽しんでいるのを見せるとか,そういう心理的な誘導をしたのかなって推測するんですが.
あ,その仮説は非常に鋭いです,まさにそれを実践したんですよ。
おっ,やっぱり。
彼らが最初に取った行動は,高齢者にゲームを教えることではなくて,介護施設の職員が勤務時間内に思いっきりゲームを楽しむ時間を作ることだったんです。
えっと,勤務時間内にですか?
そうなんです,職員同士で大会を開いて,ド派手な画面の前で大笑いしながらワイワイ楽しんだんですよ。
ああ,なるほど,美味しいレストランに行列ができていると,つい自分も並びたくなるのと同じですね?やらされるんじゃなくて,楽しそうな輪に毅然に入りたくなる状況を作ったわけだ。
ええ,その職員たちの楽しそうな声に惹けて,気づけば20人ほどの入居者の方がギャラリーとして集まってきました。
へえ,すごい!
他人が先に失敗して笑っている姿を見ることで,高齢者の中で,これなら自分が失敗しても恥ずかしくないかもしれないっていう安心感が生まれたんですね。
物理的・技術的障壁の克服:アーケードコントローラーとIT支援
教えるんじゃなくて,見せて巻き込むっていうアプローチが見事に機能したわけですね。
高齢者試練において,これは本当に優れたアプローチだと思います。
心理的なハードルの下げ方としては完璧ですね。ただ,そこをクリアしても,まだ物理的なハードルが残るじゃないですか。
通常のPS5のコントローラーって,私たちでもたまにどのボタンか迷うくらい複雑ですよね。
そうですね,ボタンがいっぱいありますし。
あの小さなスティックを親指で細かく操作するのって,関節が動たしづらい高齢者には物理的にかなり厳しいと思うんですけど。
そこで重要になるのが,アーケードコントローラーの導入だったんです。
ああ,先ほど最初の方でチラッと言っていたゲームセンターにあるやつですね。
ええ,これには明確な人間工学的な理由があります。
通常のコントローラーって,指先だけで精密な操作を行う,いわゆる微細運動を要求するんですよ。
微細運動?
はい,ファインモータースキルとも呼ばれますが,これは年齢とともにどうしても衰えやすいんです。
なるほど,細かい動きが難しくなるんですね。
一方で,アーケードコントローラーは,手のひら全体で大きなボタンを叩いたり,手首から腕全体を使ってレバーをガチャガチャと動かしたりする,素大運動を使うんです。
グロスモータースキルですね。
その通りです。これなら,流待ちなどで指先がうまく動かせない方でも,直感的にかつ物理的な負担を少なくプレイできるんです。
そうか,この赤いボタンをバンバン叩いてみて,って言うだけで済むわけですね。
そうなんです。身体的な衰えを,コントローラーの物理的なデザインでカバーしているんですよね。
それに加えて,Wi-Fiの設定とか,機材の準備といった,施設側にとってのITインフラのハードルも,協会側が全て引き受けて負担をゼロにしていると,アミーゴクラブっていう施設の事例でもそうだったみたいですね。
内面的な変化と「エールの逆流」:生きがいの再発見
ええ,技術的,物理的,そして心理的,全ての障壁を取り除く設計が素晴らしいですね。
そうして,全ての壁を取り除いた先に待っていた結果が,本当に驚きなんですよ。ここからが本当に面白いところなんですが,
実際にプレイし始めた高齢者たちに,ものすごく劇的な内面的な変化が起きたんですよね。
そうなんです。教会のキーワードとなっている言葉が,その変化を最も端的に表していますよね。
あ,あれですね。いくつになってもやっぱり勝ちたい。
まさにそれです。
第1回の小さな大会で,勝って大泣きして喜び,負けて悔し泣きする高齢者の姿があったっていうエピソードには,本当にハッとさせられました。
なかなか普段の生活で,悔し泣きするほど感情が揺さぶられることって少ないですからね。
ええ,普段無口だった入居者の方が,面会に来たご家族に対して,私今日こんだけ勝ったんだよって,信じられないくらい前向きに話すようになったそうですね。
ここが本当に重要なポイントなんですけど。
ちょっと待ってくださいね。私たちが普段抱いている高齢者のイメージって,もっと穏やかで勝ち負けにはこだわらないっていうものじゃないですか。
はい,社会全体がそういう期待を押し付けている部分がありますね。
ええ,でもこのソースは,人間の根本的な闘争心とか,競争の喜びには年齢なんて全く関係ないってことを証明していますよね。
本当にそうですね。
そしてこれをより広い視点と結びつけると,さらに深い社会的な意義が見えてきます。
資料の中で,エールの逆流という非常に印象的な言葉が使われているのにお気づきですか。
エールの逆流,これすごくいい言葉ですよね。通常なら応援されるのって,これから成長していく子供とか若い世代じゃないですか。
ええ,高齢者は通常を見守る側か,あるいは心配される側,ケアされる側ですよね。
はい,気をつけてねとか,無理しないでねとか,そういう言葉ばかりかけられがちです。
しかし,eスポーツの大会では全く逆の現象が起きるんです。
必死にレバーを操作して,コンボを決めようとする高齢者の姿を見て,周りの職員や子供,孫世代の大人たちが,行け,やれ,そこでガード,って本気でエールを送るんですよ。
それは熱い空間ですね。ローアリの言葉じゃなくて,勝てっていう熱のこもった期待の言葉を浴びるわけだ。
そうなんです。大人や高齢者になっても,誰かから本気で応援される,頑張れって言われる体験って,途方もない生き甲斐やエネルギーを生み出すんです。
ただ,ケアされる側だったお年寄りが,主役として挑戦して,応援される存在になる,これは本当に尊いことですね。
リスナーの皆さんも,ご自身の親御さんとか,将来の自分の姿に置き換えてみると,その価値がすごくリエルに感じられるんじゃないでしょうか。
単なる暇つぶしのレクリエーションではなく,鈍減の回復というレベルの話なんですよね。
社会インフラとしてのeスポーツ:安否確認から多世代交流へ
いや,東海です。ただ安全に守られているだけの存在から,熱狂の中心にいる主役への劇的なシフトですよ。で,これってどういうことなんでしょう。
どういうことと言いますと。
つまり,この素晴らしい取り組みは,介護施設の中だけで終わるものじゃないってことですよね。
仮想化や孤独感が進む今の社会において,もっと真っ黒な社会インフラとして機能していくポテンシャルがあるんじゃないかと。
おっしゃる通りです。すでに協会側も次のフェーズを見据えて動いているんですよ。
次のフェーズ。
ええ。彼らが目標にしているのは,独居,つまり一人暮らしの高齢者の安否確認や,ゲームを通じた社会交流ツールとしての活用なんです。
安否確認ですか。どうやってゲームがそれに結びつくんですか。
例えば,毎朝決まった時間にオンラインのゲームサーバーにログインして,コミュニティの仲間と一線交迷を重ねることを日課にするとしますよね。
はいはい。
もし,ある日ログインしてこなければ,今日はどうしたんだろう,体調が悪いのかって仲間がすぐに気づくことができるんです。
なるほど。監視カメラやセンサーみたいな無機質な見守りじゃなくて,楽しみながら自然に生存確認ができるネットワークが作れるわけですね。
そうなんです。監視されているという窮屈さを感じさせず,今日もあいつと対戦しなきゃというポジティブな動機が,毎日の生活のリズムを作るわけです。
それは素晴らしいですね。リスナーの皆さんの地元でも,こういう動きがもう始まっているかもしれませんね。
実際に,自治体を巻き込んだ動きも始まっています。
愛知県の湖南市では,自治体と連携して,eスポーツを使ったフレイル予防,つまり拒絶予防の教室が開催されているんです。
湖南市で,フレイル予防というと,どういうゲームをやるんですか?鉄拳ですか?
いえ,そこでは,スイカゲームなどのパズルゲームや,軽いスポーツゲームを通じて行われています。
スイカゲーム,流行りましたよね。
そういったゲームを通じて,初対面の高齢者同士が会話をはばせて,交流を深めることに,大きな手応えを得ているそうです。
ゲームを返すことで,年齢とか地位とか関係なく,フルファットにコミュニケーションが取れるんですね。
そして,資料の最後には,将来的な対象が,高齢者だけに留まらないという可能性も示唆されています。
はい,障害を持つ子どもたちや,不登校になってしまった子どもたちへと,対象を広く広げていく構想ですね。
ということは,オンラインの空間なら,地理的な制約も,身体的なハンディキャップも,超えられるってことですよね?
まさにその通りです。オンラインのゲーム空間は,純粋な実力と情熱だけが問われる世界ですから,
現実世界での年齢や立場といった制約を,テクノロジーの力が完全に無効化してくれるんです。
つまり,格闘ゲームのオンラインマッチで,90歳のおばあちゃんと10歳の不登校の男の子が,
お互いの背景も知らないまま本気でバトルして,終わった後にナイスファイトって称え合う,
そんな世界がもう目の前に来ているってことですよね?
ええ,本当にワクワクする未来ですよね。
固定観念を捨て、熱狂する未来の老後
さて,あっという間にお時間となってしまいました。今回のディープダイブの総括に行きましょう。
はい。
今回のソースから見えてきたのは,単なるおじいちゃんおばあちゃんがゲームをしているという微笑ましい話ではなくて,
何かに挑戦し,悔しがり,喜ぶという人間の根源的なエネルギーを,
eスポーツが呼び覚ましているという事実でした。
テクノロジーの進化もさることなら,それをどう社会に実装していくか,
人間の心理に寄り添ったアプローチがいかに重要かという,素晴らしいケーススタディーでもありましたね。
本当にそうですね。このディープダイブを聞いているあなたも,実家に帰った時や,
自分自身が年を重ねた時の遊びとか生きがいについて,全く新しい視点を持てたはずです。
固定観念をしてて,とりあえずやってみる。そこから始まる熱狂が,人生をどれほど豊かにするか,彼らが教えてくれました。
ええ。最後に,リスナーのあなたに,ちょっとした挑発的な問いを投げたけてお別れしたいと思います。
おお,何でしょうか。
もし,90歳になってから,格闘ゲームのコンボを決めて熱狂する自分がいるとしたら,
私たちが将来迎える老後って,今まで考えられていたよりもずっとエキサイティングで騒がしいものになるかもしれませんね。
確かに,静かな老後とは無縁ですね。
あなたが将来オンライン空間で熱狂し,誰かと本気で競い合いたい分野は何ですか?
数十年後,オンラインの戦場でお会いできるのを楽しみにしています。
今回のディープダイブはここまでです。また次回お会いしましょう。
16:43
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