WEBVTT

00:00:08.110 --> 00:00:10.170
どうも、しぶちょーです。

00:00:10.410 --> 00:00:16.790
ものづくりのラジオは、産業機械の現役エンジニアである私、しぶちょーが、ものづくりに関するトピックをザックバランに語るポッドキャストです。

00:00:17.550 --> 00:00:25.310
この番組は、株式会社フレアオリジナル、グラフテスター・デザイン株式会社の提供でお送りします。

00:00:25.790 --> 00:00:29.770
本日は、科学系ポッドキャストの日という企画に参加しております。

00:00:30.090 --> 00:00:35.210
この企画は、科学系のポッドキャスターが集まって、毎月10日あたりに共通のテーマについて、

00:00:35.210 --> 00:00:39.030
それぞれの専門分野の視点で語るという取り組みでございます。

00:00:39.550 --> 00:00:42.910
毎月ですね、テーマを決めるホスト番組があるんですけども、

00:00:43.210 --> 00:00:49.470
今月のホストは、メカラウロコのメカラジオ、略してメカラジさんですね。

00:00:50.450 --> 00:00:57.310
メカラジは、科学の話題が好きな人が集まるオンラインコミュニティ、理系トークラボのメンバーが、

00:00:57.310 --> 00:01:02.530
身近な科学元素の話や、科学系の辞書ネタを扱ったり、

00:01:02.630 --> 00:01:06.930
歴史上の出来事を科学で読み解いたりしていくという番組でございます。

00:01:07.430 --> 00:01:11.250
そのメカラジさんが出した今月のテーマがこちらですね。

00:01:12.930 --> 00:01:14.110
水となります。

00:01:14.850 --> 00:01:19.470
農業にも工業にも水は必要。水がなければ宇宙進出もできない。

00:01:19.870 --> 00:01:22.090
お茶も温泉も水が基本。

00:01:22.090 --> 00:01:28.270
そんな大事な水のことを改めて考えてみませんか?というテーマでございますけども、

00:01:28.730 --> 00:01:33.410
ということで今日はね、ものづくりと水の話をしていきたいと思います。

00:01:34.090 --> 00:01:40.150
水ってまあね、機械にも使われたりしますし、水中で動く機械っていうのもね、もちろんありますよね。

00:01:40.750 --> 00:01:45.430
ただ今日はもっとこう、なんだろう、ものづくりの歴史に入り込んでいって、

00:01:46.370 --> 00:01:50.190
動力としての水の話をしていきたいと思います。

00:01:50.190 --> 00:01:52.310
これを深掘りしていきたいんですよ。

00:01:52.330 --> 00:01:56.770
今でこそ機械ってね、電気で動いたりとか石油燃料で動いたりしますけども、

00:01:56.830 --> 00:02:02.010
はるか昔はね、水の力で機械を動かすということをやっていたんですね。

00:02:02.510 --> 00:02:05.390
それによってあらゆるものが作られていたんです。

00:02:05.550 --> 00:02:12.910
つまりは、水の力を機械のエネルギーに変換して、それでものづくりをしていた。

00:02:13.070 --> 00:02:17.910
だから水がものを作っていたと言っても過言ではない、そんな時代があったんですね。

00:02:18.490 --> 00:02:22.290
そんな水の力を機械のエネルギーに変化する機械といえば、

00:02:23.050 --> 00:02:25.550
そうですね、水車でございます。

00:02:26.250 --> 00:02:30.730
かつてはね、あらゆる場所に水車があって、それでこうものづくりをしていたんですね。

00:02:30.890 --> 00:02:36.910
だから本当にこの水っていうのは、いろんな生命の元となる大事なものですけども、

00:02:37.590 --> 00:02:43.030
ある意味でもものづくりの源でもあるかもしれないというお話でございます。

00:02:43.030 --> 00:02:45.010
というわけで、今日のテーマはこちら。

00:02:46.030 --> 00:02:51.190
コンビジの数だけ水車があった動力としての水の話。

00:02:56.390 --> 00:03:01.410
さてさて、水車って皆さん言われてパッと何を思い浮かびます?

00:03:01.650 --> 00:03:08.290
おそらくそば屋さんの前とか温泉街の入り口でコトコトコトコト回っている木の輪っか、

00:03:08.570 --> 00:03:10.450
それをイメージするんじゃないかなと思います。

00:03:10.630 --> 00:03:14.270
水しぶきがちょっとあったりとか、ちょっと苔むしたりしててね。

00:03:14.690 --> 00:03:20.030
なんかこう、のどかというか、いい感じでついつい写真撮りたくなるよ、みたいなね。

00:03:20.130 --> 00:03:23.570
そんな絵ですよね。田舎の絵みたいな、ザ田舎の風景と。

00:03:24.670 --> 00:03:26.770
非常に風情がある感じではあるんですけど、

00:03:28.410 --> 00:03:32.010
昔はね、今でこそなんかすごい歴史を感じるなーっていう感じ。

00:03:32.170 --> 00:03:34.970
風車を見る、水車を見るとね、そういう感じがすると思うんだけど、

00:03:35.490 --> 00:03:38.510
昔は全然そんなことじゃなくて、めちゃくちゃインフラだったんですね。

00:03:39.090 --> 00:03:43.030
明治30年、西暦でいうと1897年の統計だとですね、

00:03:43.030 --> 00:03:49.430
水車って全国に約6万台あったらしいんですよ。6万台ですよ。

00:03:50.030 --> 00:03:54.210
これ例えば、今、日本のコンビニ全部で、

00:03:54.550 --> 00:03:58.790
日本のコンビニ全部ギューっと数えると、5万6千点ぐらいあるらしいんですよ。

00:03:59.310 --> 00:04:04.490
だから、かつてこの国はですね、コンビニと、今のコンビニと同じぐらいの密度で、

00:04:04.910 --> 00:04:08.030
水車が回ってたんですよね。相当な数ですよね、これ。

00:04:08.450 --> 00:04:13.010
だから、その水車って、ああ、のぞかな、ふぜたなというどころか、もうそこら中にあったと。

00:04:13.650 --> 00:04:19.850
電気もエンジンもない時代に、米をついたとか、粉をひいてとかね、油を絞ると。

00:04:20.270 --> 00:04:26.190
そういう仕事をしていたのは、まさに水車で、日本中の動力のインフラだったんですね。

00:04:27.530 --> 00:04:32.070
そもそも、水車って何なのか、ということなんですけど、

00:04:32.710 --> 00:04:36.010
水車っていうのはまあ、そのままですよね。水を汲みますよ。

00:04:36.010 --> 00:04:42.830
流れる水のエネルギーを、回転の力に変えると。そういう機械なんですね。

00:04:43.650 --> 00:04:47.570
まあ、こういう機械を専門用語でね、原動機と呼びますと。

00:04:47.990 --> 00:04:51.930
まあ、今で言えばね、原動機って言ったら、エンジンとか、モーターですね。

00:04:52.290 --> 00:04:56.130
まあ、そういうふうなイメージをするんですけど、水車もね、ちゃんと原動機なんですね。

00:04:56.670 --> 00:04:59.710
そういうパワーを生み出す存在にあたります。

00:05:00.470 --> 00:05:04.230
水車はね、実は人類最古の原動機なんですよ。

00:05:05.030 --> 00:05:09.810
じゃあ、そんな水車のパワーですね。水でぐるぐるあの輪っかを回してるだけなのに、

00:05:10.070 --> 00:05:14.590
どのくらいのパワー出んねん、という話なんですけど、結構な力出るんですよ。

00:05:14.930 --> 00:05:17.450
ここで物差しになるのが、馬力っていう単位ですね。

00:05:17.650 --> 00:05:19.850
まあ、最近、車ではあまり使わなくなっちゃいましたけど、

00:05:20.610 --> 00:05:23.810
馬力、ざっくり言うと、馬1頭に引っ張り続けられる、

00:05:24.130 --> 00:05:27.830
馬1頭が引っ張り続けられる力、これが1馬力です。

00:05:27.970 --> 00:05:32.090
1匹の馬がいるよね、みたいな。1匹1頭の馬がいるよね、って感じなんだけど。

00:05:33.070 --> 00:05:36.610
人間が出し続けられる、そういう力ってどのくらいかというと、

00:05:36.710 --> 00:05:38.370
だいたい0.1馬力と言われてます。

00:05:39.950 --> 00:05:45.030
だから、人間が10人いたら、やっと馬1頭分くらいのパワーがあるよね、っていう感じですね。

00:05:45.550 --> 00:05:47.430
これをまず頭に置いて聞いてほしいんだけど、

00:05:48.130 --> 00:05:50.150
まず、ちっちゃい風車です。

00:05:50.530 --> 00:05:53.410
風車、すぐ風車って言ってたね。ちっちゃい水車ですね。

00:05:54.170 --> 00:05:58.350
村の粉引小屋みたいなね、ぐるぐるうすを回すような、

00:05:58.350 --> 00:06:02.390
そういうちっちゃい水車でどのくらいの力が出るかと。

00:06:03.330 --> 00:06:08.950
直径、だいたい数メートルくらいですね。1、2メートルくらいの輪っかで、

00:06:09.370 --> 00:06:13.730
だいたい1台でざっくり2馬力、2馬力出ると言われてます。

00:06:14.530 --> 00:06:19.490
2馬力って聞くと、車とかと比較すると大したことないなって感じがするんですけど、

00:06:19.910 --> 00:06:22.370
それでも人間カーサーって20人分のパワーですからね。

00:06:22.910 --> 00:06:28.330
村人20人の労働力が飯も食わさず、寝もせず、休みなく回り続ける、

00:06:28.330 --> 00:06:32.250
って考えるとかなり水車ってパワーあるなと思いませんか?

00:06:33.610 --> 00:06:35.930
じゃあ、でかい水車ってどうなのって話なんですけど、

00:06:36.610 --> 00:06:41.970
歴史上最大級と言われる水車がイギリスとアイルランドの間に浮かんでるマントーっていうね、

00:06:42.030 --> 00:06:45.650
マントーTTとかってバイクのレースとか有名ですけど、

00:06:46.970 --> 00:06:54.010
そこにある19世紀に作られたラクシー水車というものがあるらしいんですけど、

00:06:54.390 --> 00:06:57.850
それが直径22メートルらしいんですよ。

00:06:57.850 --> 00:07:03.350
ビルで言うと7階建てくらいのめちゃくちゃでかい輪っかがぐるぐるぐるぐる回ってるらしいんですけど、

00:07:03.570 --> 00:07:08.750
そのぐらいの大きさでだいたい推定およそ200馬力出ます。

00:07:09.410 --> 00:07:11.410
人間2000人分ですよ。

00:07:12.270 --> 00:07:13.550
結構ちゃんと出るんですね。

00:07:13.750 --> 00:07:16.930
ただ水を入れてぐるぐるぐるぐる回ってるだけの輪っかなんですけど、

00:07:17.550 --> 00:07:19.890
ちゃんと出力出るんですよ、水車って。

00:07:20.950 --> 00:07:23.970
じゃあその水車のパワーって何で決まるのかと、

00:07:24.450 --> 00:07:27.010
どういう計算で決まるのかというと意外とシンプルというか、

00:07:27.010 --> 00:07:30.390
まあまあ思っているようなシンプルさですよね。

00:07:30.610 --> 00:07:34.310
どれだけの水の量がどれだけの高さから落ちるかと。

00:07:34.650 --> 00:07:38.190
それだけです。水の1エネルギーを使っているというだけの話なんですよ。

00:07:38.790 --> 00:07:41.650
だから単純に流量ですね。

00:07:42.690 --> 00:07:47.370
水の流量と落差の掛け算で水車のパワーってのは決まってきます。

00:07:48.750 --> 00:07:51.450
だから逆に言ったら指標ってそれだけなんで、

00:07:51.610 --> 00:07:54.110
輪っかの大きさとか別に計算に入ってこないですよね。

00:07:54.110 --> 00:08:00.410
どれだけの重さの量の液体がどれだけの高さから落ちたかと、

00:08:00.530 --> 00:08:02.950
その水車を回す過程でそれだけなんですよね。

00:08:03.050 --> 00:08:05.970
パワーをその水から得るっていうのは。

00:08:06.690 --> 00:08:09.730
だからそこにこの水車の直径とか入ってこないんですけど計算上は。

00:08:10.730 --> 00:08:14.790
でも当然ですね高さを稼ごうと水が落ちる楽さを稼ごうとすると、

00:08:14.910 --> 00:08:18.610
必然的に水車っていうのは大きくなるんですけど非常にシンプルですね。

00:08:18.730 --> 00:08:22.750
どれだけの水から1エネルギーを取ってきたかというものが、

00:08:22.750 --> 00:08:24.870
水車の基本的な原理となります。

00:08:25.590 --> 00:08:29.450
次ですね水車いつ誰が開発したんですか。

00:08:29.730 --> 00:08:33.310
水車を開発した人の名前わかるんですかと言うんですけど、

00:08:33.710 --> 00:08:36.150
実はですね水車って誕生日ないですよ。

00:08:36.930 --> 00:08:41.850
残念ながら発明者も発明都市も確定しないと。

00:08:42.370 --> 00:08:48.010
わかってるのは紀元前1世紀には地中海の世界で、

00:08:48.750 --> 00:08:52.310
もう水車回ってたっていうことらしいんですよ。

00:08:52.310 --> 00:08:58.530
気がついたらもうなんかそこら辺の中海近辺で水車使われてるなというのを、

00:08:58.630 --> 00:09:01.770
後から見て発見したみたいなそんな感じなんですよね。

00:09:01.910 --> 00:09:03.490
気がついたらそこにあったっていう機会です。

00:09:03.630 --> 00:09:06.350
いつ生まれたのか誰が考えたのかっていうのが、

00:09:06.470 --> 00:09:08.450
書物として残ってないんですよ。

00:09:09.470 --> 00:09:11.550
しっかり記録が残っている。

00:09:11.810 --> 00:09:16.050
ここで水車使われましたよねって記録が残っている歴史的な例は、

00:09:16.690 --> 00:09:17.990
粉引きなんですよね。

00:09:18.650 --> 00:09:21.030
穀物を引いて粉にすると。

00:09:21.450 --> 00:09:24.430
こういう重労働を昔の人って知ってたんですけど、

00:09:25.010 --> 00:09:31.270
紀元前1世紀頃に古代ギリシャにアンティパトロスという詩人がいたらしいんですけど、

00:09:31.810 --> 00:09:36.590
この詩人がギリシャの詩集みたいな、

00:09:36.590 --> 00:09:40.350
詩を集めたものを、古今和歌集みたいなやつだよね。

00:09:40.410 --> 00:09:41.070
日本で言うと。

00:09:41.470 --> 00:09:43.410
ああいうのを出しているんですけど、

00:09:43.950 --> 00:09:46.750
その本の中に残っているらしいですよね。

00:09:47.250 --> 00:09:48.770
水車にまつわる詩が。

00:09:48.770 --> 00:09:50.470
それがこうです。

00:09:51.330 --> 00:09:52.610
日本語訳してるんだけど、

00:09:53.010 --> 00:09:54.950
粉引きはもう水車がやってくれると。

00:09:55.390 --> 00:09:57.850
粉引きの女性たちを朝寝坊していい。

00:09:57.970 --> 00:09:58.330
みたいなね。

00:09:58.610 --> 00:10:02.670
そういう詩がその詩集の中で歌われているらしいんですよ。

00:10:04.230 --> 00:10:07.610
これは機械化の喜びが記録された、

00:10:07.990 --> 00:10:11.490
現存する最も古い詩だと言われてるらしいですね。

00:10:11.810 --> 00:10:14.570
そのカテゴリーがあるんだって思ったんですけど、

00:10:15.190 --> 00:10:18.670
機械によって自動化されたみたいなことが記録されている、

00:10:18.750 --> 00:10:22.990
一番古いのが水車を使って粉引きが自動になって、

00:10:23.330 --> 00:10:26.730
粉引きを仕事している女性たちが朝寝坊していいんだよ、

00:10:26.850 --> 00:10:28.410
という風に歌われたと。

00:10:28.490 --> 00:10:29.910
そういう詩が残っていると。

00:10:30.370 --> 00:10:32.130
これいい詩ですよね、この内容ね。

00:10:32.910 --> 00:10:33.870
何がいいかというとさ、

00:10:35.990 --> 00:10:38.870
水車によって粉引きという作業が自動化されましたと。

00:10:39.310 --> 00:10:40.030
それによって、

00:10:40.310 --> 00:10:43.690
おい、人間楽できるぞっていう素直な喜びが、

00:10:43.690 --> 00:10:45.970
その詩に歌われているというところが、

00:10:46.230 --> 00:10:47.250
すげえいいなって思いました。

00:10:47.770 --> 00:10:49.390
だってね、これ現在だったら、

00:10:50.230 --> 00:10:51.750
自動化されましたって言ってもさ、

00:10:51.950 --> 00:10:53.050
仕事楽にならないんですよ。

00:10:53.190 --> 00:10:55.090
自動化された分もっと働けるぞ、

00:10:55.410 --> 00:10:57.370
という風に話になっちゃいますから。

00:10:57.990 --> 00:11:00.470
だから自動化したからこそ忙しくなった、

00:11:00.550 --> 00:11:01.870
みたいなそういう矛盾って、

00:11:02.610 --> 00:11:04.230
やっぱ今の、今のというかね、

00:11:04.270 --> 00:11:05.970
製造業ずっとはらんでいるんだけど、

00:11:06.070 --> 00:11:07.190
別に矛盾かどうかわかんないけど、

00:11:07.770 --> 00:11:11.190
昔の方がこの自動化純粋に喜んでていいよね。

00:11:11.550 --> 00:11:13.570
よし!機械やってくれる!寝れる!

00:11:13.710 --> 00:11:17.050
みたいなそういう喜びの世界を生きたいなって、

00:11:17.190 --> 00:11:18.870
この詩を見て思いましたね。

00:11:19.130 --> 00:11:21.030
ちょっとそれはよしとして、

00:11:22.870 --> 00:11:24.810
この紀元前1世紀頃に、

00:11:24.850 --> 00:11:26.350
詩に書かれていたようにですね、

00:11:26.430 --> 00:11:27.770
水車も既に使われていたと。

00:11:28.230 --> 00:11:29.230
粉引きですね、

00:11:29.330 --> 00:11:32.110
いろんな穀物を引く部分の自動化に使われていたんですけど、

00:11:32.790 --> 00:11:34.830
その先が結構さらにすごいんですね。

00:11:35.250 --> 00:11:36.610
2世紀ぐらいになると、

00:11:36.710 --> 00:11:39.490
南フランスにバルベガルという、

00:11:39.490 --> 00:11:41.290
遺跡があるらしいんですけど、

00:11:41.830 --> 00:11:42.230
ここがね、

00:11:42.710 --> 00:11:47.770
斜面に水車が2列で8機ずつですね。

00:11:48.230 --> 00:11:50.890
合計16機並んでいるみたいな、

00:11:50.910 --> 00:11:54.530
そういう作りをした水車の仕組みがあるんですよ。

00:11:55.050 --> 00:11:58.370
斜面にしかも段差みたいにこうなっていて、

00:11:59.130 --> 00:12:02.870
そこで1回水車を回した、

00:12:03.410 --> 00:12:05.470
これ手を近づけるとそっちにピントが合っちゃうね。

00:12:05.850 --> 00:12:07.510
1回水車を回した水が、

00:12:07.510 --> 00:12:09.570
また次の水車の水を回すというですね、

00:12:09.670 --> 00:12:10.710
2段階ぐらいな、

00:12:11.030 --> 00:12:14.710
そういう段々の水の流れになっていて、

00:12:15.070 --> 00:12:17.230
1回仕事をしたものをもう1回使うと、

00:12:17.550 --> 00:12:22.150
同じ経路で2回使うという設計がされているという水車が、

00:12:22.190 --> 00:12:23.870
もう2世紀に既に生まれていると。

00:12:24.630 --> 00:12:27.270
ある研究の推計ではですね、

00:12:28.130 --> 00:12:33.090
能力にして1日に25トン規模の小麦を粉にできたんじゃないかと、

00:12:33.330 --> 00:12:33.810
言われています。

00:12:33.930 --> 00:12:34.830
2世紀にしてですよ。

00:12:35.350 --> 00:12:39.230
かなりシステマティックにその時点で水車を使って、

00:12:39.550 --> 00:12:41.630
水の回路を作っているんですよ。

00:12:42.550 --> 00:12:44.490
さらにですね、この年が進むと、

00:12:44.930 --> 00:12:49.530
中世ヨーロッパでは水車というのは完全に社会のインフラになっていきます。

00:12:50.210 --> 00:12:55.290
1086年にイングランドで作られた土地の台帳に記録されている水車の数ですね。

00:12:55.810 --> 00:12:57.150
これが5000丁です。

00:12:57.970 --> 00:12:59.610
この時代面白いのはですね、

00:13:00.370 --> 00:13:03.490
インフラの所有ではなくてですね、

00:13:03.990 --> 00:13:06.930
シェアという文化が生まれたんですね。

00:13:08.250 --> 00:13:10.350
だから一家に1台水車みたいな、

00:13:10.350 --> 00:13:12.250
そういう文化ではなくて、

00:13:12.470 --> 00:13:14.510
水車を持っている人がいますと、

00:13:14.890 --> 00:13:16.690
その水車を持っている人は、

00:13:17.190 --> 00:13:19.490
穀物を村人に持ち込んでもらって、

00:13:19.950 --> 00:13:22.970
粉にして、粉にした台をもらうとかね、

00:13:23.090 --> 00:13:25.190
その機器を使った台金をもらうとか、

00:13:25.850 --> 00:13:26.590
レンタルして、

00:13:27.250 --> 00:13:28.210
シェアした分、

00:13:28.950 --> 00:13:31.070
その時間がしかどうかわからないけど、

00:13:31.070 --> 00:13:33.790
使わせることによって料金を取るみたいなね。

00:13:34.150 --> 00:13:37.590
そういうビジネスも結構成り立ってたみたいですね。

00:13:38.430 --> 00:13:39.530
だから本当にインフラの所有じゃなくて、

00:13:39.650 --> 00:13:40.210
シェアをして、

00:13:40.410 --> 00:13:44.170
そこで色々マネタイズしようみたいな文化が生まれていたと。

00:13:44.690 --> 00:13:46.030
さらにこの石とかね、

00:13:46.210 --> 00:13:48.050
水路を維持する人とか、

00:13:48.530 --> 00:13:51.230
その周りのインフラ整備みたいなところにも、

00:13:51.330 --> 00:13:53.530
やっぱこのビジネス的なものが生まれていて、

00:13:54.050 --> 00:13:56.930
水車を基本としてですね、

00:13:57.290 --> 00:13:58.690
水を使う権利とか、

00:13:59.010 --> 00:14:00.090
誰がどう分けてとか、

00:14:00.090 --> 00:14:01.210
料金をいくら取って、

00:14:01.630 --> 00:14:02.370
いくら使えて、

00:14:02.430 --> 00:14:03.590
誰がメンテナンスしてみたいな、

00:14:03.650 --> 00:14:06.610
社会の仕組みごと運用されていくということが、

00:14:06.710 --> 00:14:07.830
行われてたらしいんですよ。

00:14:08.730 --> 00:14:09.390
ちなみに、

00:14:10.070 --> 00:14:12.450
ドイツで一番多い苗字って、

00:14:12.570 --> 00:14:14.410
ミュラーさんらしいんですけど、

00:14:15.570 --> 00:14:17.890
日本で言ったら鈴木さんとか佐藤さんのポジションなんですけど、

00:14:18.490 --> 00:14:20.130
このミュラーっていう名前って、

00:14:20.790 --> 00:14:22.830
粉屋さんっていう意味らしいんですよ。

00:14:23.030 --> 00:14:24.130
だから粉屋さんっていうのは、

00:14:24.470 --> 00:14:26.090
穀物持ってったら粉にしてくれるよねって、

00:14:27.510 --> 00:14:28.510
水車を持って、

00:14:29.270 --> 00:14:31.030
穀物を引いてくれる人ですね。

00:14:31.710 --> 00:14:33.330
引いてくれる人というか、

00:14:33.570 --> 00:14:35.630
引いてくれるお店をミュラーって言うらしいんですけど、

00:14:36.450 --> 00:14:38.550
そういうミュラーの人が非常にいて、

00:14:38.670 --> 00:14:39.890
それがそのまま苗字になって、

00:14:39.970 --> 00:14:42.770
ミュラーさんめっちゃ多かったという話があるらしいんですよね。

00:14:43.490 --> 00:14:44.550
苗字になるぐらい、

00:14:45.030 --> 00:14:47.050
基盤のインフラが水車、

00:14:47.250 --> 00:14:49.950
水としての動力だったということなんですね。

00:14:50.630 --> 00:14:51.450
だから水車って、

00:14:51.630 --> 00:14:55.650
のどかな風景にあるだけじゃなくて、

00:14:56.290 --> 00:14:58.490
ある意味で社会を回してた機械なんですよ。

00:14:59.350 --> 00:15:03.030
ただ輪っかがぐるぐる回って不全だなという感じじゃなくて、

00:15:03.510 --> 00:15:05.690
すごく意味のあるエネルギーを取り出してた。

00:15:06.230 --> 00:15:07.770
ただもちろん、

00:15:07.810 --> 00:15:10.130
輪っかがぐるぐる回っているだけじゃ、

00:15:10.670 --> 00:15:12.990
粉は引けても物は作れないですよね。

00:15:14.070 --> 00:15:16.610
だけどこの水車のパワー、

00:15:16.810 --> 00:15:19.430
回転したパワーをどうやって、

00:15:19.950 --> 00:15:21.310
機械まで届けて、

00:15:21.990 --> 00:15:23.290
どうやってこの引くとか、

00:15:23.690 --> 00:15:25.450
いろんな作業、また削るとかね、

00:15:25.650 --> 00:15:27.370
そういうものを仕事に変えるのかと。

00:15:27.370 --> 00:15:31.150
ここが機械的に肝で非常に面白い部分なんですね。

00:15:32.750 --> 00:15:34.790
ロボティクスが未来を切り開く。

00:15:35.210 --> 00:15:36.870
株式会社フレアオリジナル。

00:15:37.310 --> 00:15:38.250
ここからお知らせです。

00:15:38.530 --> 00:15:39.050
今日はですね、

00:15:39.170 --> 00:15:41.750
モノづくりのラジオのスポンサーである、

00:15:41.930 --> 00:15:43.310
フレアオリジナルさんから、

00:15:43.610 --> 00:15:46.750
モノづくり界隈にかなり熱いプロダクトのお知らせです。

00:15:47.070 --> 00:15:49.150
その名もゴシハンドですね。

00:15:49.650 --> 00:15:50.450
ゴシハンド。

00:15:50.990 --> 00:15:52.530
読んで字のごとく、

00:15:52.750 --> 00:15:56.870
人間の手と同じ5本の指を持ったロボットハンドのことなんですけど、

00:15:57.450 --> 00:16:00.010
これまで、産業用ロボットの手といえば、

00:16:00.750 --> 00:16:03.390
2本の爪で挟むグリッパーとか、

00:16:03.690 --> 00:16:05.710
吸着パッドが定番だったんですよ。

00:16:06.190 --> 00:16:07.470
決まった形のワークとか、

00:16:07.610 --> 00:16:09.550
決まった位置で掴むんだったら、

00:16:09.610 --> 00:16:11.350
全然それで十分だったわけです。

00:16:11.690 --> 00:16:12.530
でも今はですね、

00:16:12.830 --> 00:16:13.730
ロボットの世界では、

00:16:14.010 --> 00:16:17.010
人間の作業を人間の環境のままやらせたいという、

00:16:17.130 --> 00:16:18.030
大きな流れが来てます。

00:16:18.390 --> 00:16:18.670
そうね。

00:16:18.790 --> 00:16:19.550
ヒューマノイドとか、

00:16:19.710 --> 00:16:21.390
フィジカルAIの文脈ですね。

00:16:22.370 --> 00:16:23.250
考えてみると、

00:16:23.430 --> 00:16:26.250
工場の軸も工具も身の回りのものって全部、

00:16:26.250 --> 00:16:27.530
人間が使う、

00:16:27.690 --> 00:16:29.730
人間の手で使う前提で、

00:16:29.790 --> 00:16:30.990
作られているじゃないですか。

00:16:31.530 --> 00:16:32.110
だからこそ、

00:16:32.610 --> 00:16:36.110
人間と同じ5本の指が動くハンドっていうのが、

00:16:36.190 --> 00:16:36.650
結構ね、

00:16:36.730 --> 00:16:38.370
ものづくりにおいて効いてくるんですよ。

00:16:39.130 --> 00:16:40.830
多関節の指で、

00:16:41.030 --> 00:16:41.330
掴む、

00:16:41.510 --> 00:16:41.870
つまむ、

00:16:42.090 --> 00:16:43.690
握り込むといった動作、

00:16:43.750 --> 00:16:44.870
これを再現できて、

00:16:45.230 --> 00:16:46.110
専用のグローブで、

00:16:46.310 --> 00:16:48.710
自分の手の動きをそのままデータに、

00:16:49.030 --> 00:16:51.770
AIで学習させるなんて使い方も最近は広がっていて、

00:16:52.250 --> 00:16:52.690
まさにこう、

00:16:52.750 --> 00:16:55.430
フィジカルAI開発のキーパーツ、

00:16:55.430 --> 00:16:56.010
これがね、

00:16:56.150 --> 00:16:57.670
ゴジハンドというものです。

00:16:58.070 --> 00:16:58.550
そしてこの、

00:16:58.730 --> 00:17:00.210
フレアオリジナルでは、

00:17:00.690 --> 00:17:04.690
このゴジハンドの取り扱いを本格的にスタートいたしました。

00:17:05.470 --> 00:17:06.890
DHロボティクス、

00:17:07.330 --> 00:17:08.110
リンカーボット、

00:17:08.350 --> 00:17:09.090
ウージー、

00:17:09.370 --> 00:17:10.890
サイノバといったですね、

00:17:11.690 --> 00:17:15.010
複数のメーカーの製品を扱っていて、

00:17:15.390 --> 00:17:18.110
用途に合わせて最適な一台を提案してくれます。

00:17:18.470 --> 00:17:22.530
実際に大手メーカーさんを中心に相談も増えてきているそうです。

00:17:22.790 --> 00:17:24.110
そしてここからすごいのはですね、

00:17:24.110 --> 00:17:25.670
ハンド単体だけじゃなくて、

00:17:26.210 --> 00:17:27.210
ロボット本体とか、

00:17:27.630 --> 00:17:29.430
GPU搭載のPCとかね、

00:17:29.510 --> 00:17:30.550
カメラまで組み合わせた、

00:17:30.850 --> 00:17:34.070
フィジカルAI開発環境の一式を提案、

00:17:34.470 --> 00:17:35.850
構築してくれますと。

00:17:36.330 --> 00:17:37.950
もちろん売って終わりじゃなくて、

00:17:38.130 --> 00:17:39.670
導入支援からシステムの構成、

00:17:39.810 --> 00:17:42.770
技術サポートまでワンストップで対応してくれますよと。

00:17:43.130 --> 00:17:44.510
ゴジハンドとかね、

00:17:44.550 --> 00:17:45.570
一回触ってみたいなとか、

00:17:45.910 --> 00:17:47.130
フィジカルAIの開発、

00:17:47.270 --> 00:17:48.690
うちもなんかちょっと手を付けたいなと。

00:17:49.310 --> 00:17:50.650
そう考えている方はですね、

00:17:50.710 --> 00:17:51.850
概要欄のリンクから是非とも、

00:17:52.070 --> 00:17:53.650
フレアオリジナルさんまで、

00:17:53.650 --> 00:17:55.690
是非とも気軽に連絡してみてください。

00:18:05.820 --> 00:18:07.940
さてここから水車の話に戻りますけど、

00:18:08.500 --> 00:18:11.740
どういう風に水車が機械と関わっていくかと。

00:18:12.120 --> 00:18:13.380
水車自体も機械なんだけどね。

00:18:13.960 --> 00:18:15.920
その機械を動かす水車というものが、

00:18:15.980 --> 00:18:16.620
どういうものかです。

00:18:16.800 --> 00:18:18.160
まずイメージして欲しいのは、

00:18:18.780 --> 00:18:20.440
産業革命頃の工場です。

00:18:20.660 --> 00:18:21.760
と言ってもイメージしろって言ったら、

00:18:21.780 --> 00:18:23.760
情報がねえよっていう話かもしれないですけど、

00:18:23.840 --> 00:18:24.580
なんとなくこう、

00:18:25.020 --> 00:18:27.280
科学館とか博物館行った時とかに、

00:18:27.360 --> 00:18:28.660
歴史の教科書とかでもいいんですけど、

00:18:29.020 --> 00:18:30.400
昔の工場ってなんか、

00:18:30.400 --> 00:18:32.540
ちらっとは見たことあると思うんですよ。

00:18:32.800 --> 00:18:34.500
建物の中に防静器とかね、

00:18:34.840 --> 00:18:35.840
あとは旋盤とか、

00:18:35.980 --> 00:18:37.400
物を作る機械がこうずらっと、

00:18:37.620 --> 00:18:38.380
何の機械かわかんないけど、

00:18:38.460 --> 00:18:39.500
ずらっと並んでると。

00:18:40.120 --> 00:18:41.180
なんかその木のね、

00:18:41.320 --> 00:18:43.300
木でできた家屋みたいなところにこう、

00:18:43.900 --> 00:18:44.720
並んでるみたいな。

00:18:44.800 --> 00:18:46.000
そういう工場、

00:18:46.200 --> 00:18:47.460
昔の工場見たことあると思うんですよね。

00:18:47.500 --> 00:18:48.020
なんか絵で。

00:18:48.700 --> 00:18:51.100
そういう工場っての機械たちって、

00:18:51.680 --> 00:18:54.380
一体何で動いてたと思いますかと。

00:18:55.080 --> 00:18:56.280
電気がまだ来てないですね。

00:18:57.080 --> 00:18:58.420
まあでも産業革命とかだから、

00:18:58.980 --> 00:19:01.780
蒸気機関じゃないですかと思うかもしれないんですけど、

00:19:02.560 --> 00:19:05.500
蒸気機関が工場でまともに使えるようになったのって、

00:19:05.960 --> 00:19:08.680
結構産業革命の中でも後の話なんですよ。

00:19:09.420 --> 00:19:10.120
実はですね、

00:19:10.880 --> 00:19:13.000
その時代の初期の工場を動かしていたのは、

00:19:13.500 --> 00:19:14.320
水車なんですよ。

00:19:15.280 --> 00:19:17.320
どういう構造かまず説明すると、

00:19:18.220 --> 00:19:19.820
工場の壁の外に、

00:19:19.940 --> 00:19:21.300
でっかい水車がまずあるんですね。

00:19:21.720 --> 00:19:23.560
工場の外にまず水車がありますと。

00:19:23.960 --> 00:19:25.480
それがゆっくり回ってるんだよ。

00:19:26.140 --> 00:19:28.060
で、その回転の力を、

00:19:28.560 --> 00:19:31.200
軸で建物の中にまず引き込んで、

00:19:31.520 --> 00:19:32.660
ゆっくり回ってるから、

00:19:32.840 --> 00:19:35.460
歯車で回転数を頑張って上げていって、

00:19:35.940 --> 00:19:39.200
かつ、そんなでっかい軸が工場の真ん中にあると邪魔だから、

00:19:39.400 --> 00:19:42.540
天井側に持っていくわけね、動力を。

00:19:43.060 --> 00:19:44.540
で、天井に一個ですね、

00:19:44.620 --> 00:19:45.820
ラインシャフトって言うんだけど、

00:19:46.320 --> 00:19:49.500
天井の軸に軸をピュッと通すと。

00:19:50.800 --> 00:19:52.160
で、見上げるとですね、

00:19:52.320 --> 00:19:55.960
ぐるぐるずい回ってる軸が天井の上にあるという感じなんですよ。

00:19:55.960 --> 00:19:59.260
で、このラインシャフトから機械の数だけ、

00:19:59.640 --> 00:20:02.760
革ベルトっていうのが垂れ下がってるわけね。

00:20:03.020 --> 00:20:05.860
で、旋盤もボール盤も防静器も、

00:20:06.100 --> 00:20:09.740
天井からこの動力を取って回すと。

00:20:09.940 --> 00:20:13.620
天井から水車の力を繋いで、

00:20:13.920 --> 00:20:16.840
そこから取るというのが昔の工場だったんですよね。

00:20:17.320 --> 00:20:19.060
機械を一台増やしたければ、

00:20:19.140 --> 00:20:23.720
天井のベルト、天井のラインシャフトにベルトを一本かけるだけで済むと。

00:20:24.220 --> 00:20:26.980
つまり工場全体が水車を心臓にした、

00:20:27.220 --> 00:20:30.100
一台のでかい機械みたいな感じになってたんですよね。

00:20:30.520 --> 00:20:36.800
実際、1771年にイギリスのアークライトという人が建てた初期の防静工場っていうのは、

00:20:37.320 --> 00:20:41.780
水車で建物中の防静器を回していたらしいんですよ。

00:20:43.360 --> 00:20:47.920
この一台、一個の動力から複数の機械に動力を配るという、

00:20:48.180 --> 00:20:50.840
そういう発想って別にヨーロッパだけのものじゃなくて、

00:20:50.840 --> 00:20:54.080
これは当然、我が国、日本でも使われていました。

00:20:54.760 --> 00:20:59.760
江戸時代の日本の水車小屋って全く同じ形なんですよね。

00:21:00.220 --> 00:21:04.140
例えば、今でもありますけど、東京の三鷹に保存されている、

00:21:05.200 --> 00:21:09.700
1808年頃にできた水車小屋、新車というものがあります。

00:21:09.880 --> 00:21:12.160
今は見学できる水車なんですよ。

00:21:12.860 --> 00:21:18.740
ここは水車1機から木の歯車で動力を分配して、

00:21:19.580 --> 00:21:22.400
米をついたり、粉をひく、

00:21:23.180 --> 00:21:26.880
あとは粉をふるいにかける装置まで、

00:21:26.960 --> 00:21:32.180
全部一個の機械の中で作業をするみたいな、

00:21:32.260 --> 00:21:38.080
数十個の工程を同時に動かしていたみたいなことをやっていたんですね。

00:21:38.220 --> 00:21:41.000
単に水車の仕組みだけじゃなくて、

00:21:41.420 --> 00:21:45.420
三鷹の水車の水路も面白かったらしくて、

00:21:46.160 --> 00:21:47.780
川に石を作って止めて、

00:21:49.100 --> 00:21:52.060
上下に水を動かさないといけないから水位差を稼ぎ、

00:21:53.520 --> 00:21:55.360
水路に水を運んで、

00:21:55.740 --> 00:22:00.880
水門の開け閉めで軌道停止、出力調整を器用にしていたらしいんですよね。

00:22:01.160 --> 00:22:02.300
電流みたいなもんだよね。

00:22:03.160 --> 00:22:08.660
使い終わったら逃し、リークさせて川に流しちゃうみたいな。

00:22:08.660 --> 00:22:15.360
石の設計を電気回路みたいにワンセットで行っていた。

00:22:15.920 --> 00:22:19.720
機械というか、ある種プラントに近いような設計ですよね。

00:22:20.240 --> 00:22:22.640
今その水路が見れるかわからないんだけど、

00:22:23.580 --> 00:22:25.620
私も今せっかく東京にいますから、

00:22:25.860 --> 00:22:28.380
三鷹の水車は見に行きたいなと思っています。

00:22:28.840 --> 00:22:33.960
これは日本機械学会が認定している機械遺産に認定されていますからね。

00:22:33.960 --> 00:22:36.360
三鷹の水車というのは非常に有名な水車が、

00:22:37.060 --> 00:22:42.300
観光地、有名人気観光地かどうかは定かではないんですけど、

00:22:42.440 --> 00:22:45.620
観光地としてありますから、もし気になるよという方は、

00:22:45.620 --> 00:22:47.520
ぜひ三鷹の水車を見に行ってください。

00:22:51.020 --> 00:22:52.120
回っているのはわかりました。

00:22:52.380 --> 00:22:54.740
回っているのをうまいことガチャガチャやって、

00:22:55.380 --> 00:22:56.680
いろんな動きにしているんですよね。

00:22:57.780 --> 00:23:00.580
実際どういう風に動きにしているのかと。

00:23:01.380 --> 00:23:04.500
具体的なメカの機構の話ですね。

00:23:04.820 --> 00:23:08.120
ここで出てくるのがカムというものです。

00:23:09.000 --> 00:23:10.980
水車の回転軸に、

00:23:12.580 --> 00:23:16.420
何かを吊り潰そうと思った水車の回転軸には、

00:23:16.640 --> 00:23:18.540
なで棒という突起状がついているんですね。

00:23:19.360 --> 00:23:22.860
それは回転軸が回ると、

00:23:23.060 --> 00:23:28.440
なで棒が動かしたいもののお尻みたいなものを持ち上げて、

00:23:29.080 --> 00:23:31.220
ある角度でスコッと外れると、

00:23:31.500 --> 00:23:37.960
水車だとスコンと落ちるみたいな。

00:23:38.040 --> 00:23:41.260
これをグルグル持ち上げてスコンと落ちるみたいな。

00:23:41.600 --> 00:23:43.040
ビデオを見ていない人はわからないと思うし、

00:23:43.080 --> 00:23:44.400
ビデオを見ていてもわからないと思う。

00:23:44.480 --> 00:23:48.760
私も手だけじゃ難しいなって今思ったんだけど、

00:23:48.940 --> 00:23:51.000
とにかくそうやって何か引っかかりがあって、

00:23:51.520 --> 00:23:52.660
スコンと外れてまた落ちる。

00:23:52.920 --> 00:23:55.160
また回ってきたら持ち上げるみたいな。

00:23:55.160 --> 00:23:58.340
そういう機構がついています。

00:23:58.660 --> 00:24:01.020
これ何をやっているかというと、

00:24:01.140 --> 00:24:03.840
キネをグッと持ち上げて、

00:24:04.020 --> 00:24:06.800
ある高さになると持ち上げたものが外れて、

00:24:07.040 --> 00:24:08.660
キネが自重で落ちると。

00:24:08.920 --> 00:24:12.740
それを繰り返してコメをつくってことをやってたわけですね。

00:24:13.220 --> 00:24:16.780
これはさっき言った身高にある新車のキネなんですけど、

00:24:17.520 --> 00:24:21.500
1個キネの重さが44キロあるということなんですよ。

00:24:22.120 --> 00:24:27.100
44キロのキネを自重で落として打ち続けるみたいな。

00:24:27.340 --> 00:24:28.960
持ち上げるのは水車の力で、

00:24:29.580 --> 00:24:32.480
回りながら持ち上げて落とすという工程までやれると。

00:24:32.780 --> 00:24:33.840
すごくシンプルなんですけど、

00:24:34.080 --> 00:24:36.780
これはいわゆるカム機構というものですね。

00:24:37.220 --> 00:24:39.080
単純だから非常に強力ですよね。

00:24:39.620 --> 00:24:42.400
シンプルゆえに壊れにくいし直しやすいし、

00:24:43.200 --> 00:24:44.800
44キロのものが上からドーンと落ちてるけど、

00:24:44.900 --> 00:24:46.400
それなりの力がありますからね。

00:24:47.600 --> 00:24:53.200
こういう単純な機構とかで水車というのは、

00:24:53.400 --> 00:24:55.680
いろんな仕事を生み出しているわけですね。

00:24:56.240 --> 00:25:00.340
そしてこの回転を上下運動に変えるカムというのは、

00:25:00.820 --> 00:25:03.680
今水車の例で言ったのはすごくシンプルなんですけど、

00:25:04.520 --> 00:25:06.520
我々の身近なところにあるものとすると、

00:25:07.200 --> 00:25:10.400
エンジンの中とかに、車のエンジンの中とかにある、

00:25:11.260 --> 00:25:14.960
吸気と排気のバルブの開け閉めをしているカムというものがあるんですけど、

00:25:14.960 --> 00:25:16.400
それと同じ原理ですよね。

00:25:16.800 --> 00:25:19.820
と言われても知りませんという方がいるかもしれないですけど、

00:25:20.340 --> 00:25:23.520
その方はぜひカムでカムシャフトとか、

00:25:23.940 --> 00:25:26.320
車のエンジンを検索してみるといいと思います。

00:25:26.460 --> 00:25:28.680
シンプルですよ。おにぎりみたいな形をしていて、

00:25:29.120 --> 00:25:32.700
それがぐるっと回るとおにぎりの突起の部分で押すみたいな、

00:25:32.940 --> 00:25:35.060
それを毎回毎回回転するために繰り返していると。

00:25:35.340 --> 00:25:37.260
それでバルブが開け閉めしているみたいな、

00:25:37.260 --> 00:25:39.020
そういう単純な機構ですからね。

00:25:39.380 --> 00:25:41.320
こういうものをカムと言いますと。

00:25:42.300 --> 00:25:47.820
あとはもうちょっと往復運動にしっかり変えたいなと、

00:25:48.080 --> 00:25:50.200
回転運動を往復運動に変えたいなという時は、

00:25:50.500 --> 00:25:52.660
クランク軸と連携させて、

00:25:53.100 --> 00:25:55.440
このクランクを使うという感じもありますよね。

00:25:55.600 --> 00:25:59.800
まさにエンジンの中で使われているクランクシャフトというものなんですけど、

00:25:59.960 --> 00:26:04.280
これは回転を完全に上下する往復運動に変えるというものです。

00:26:04.820 --> 00:26:05.840
こういう点もありますね。

00:26:06.240 --> 00:26:09.240
だからこの回転する円盤には棒をつないで、

00:26:09.560 --> 00:26:11.620
押し引きさせるみたいな、そんな感じですよね。

00:26:12.620 --> 00:26:16.520
このカムもクランクも別に全然近代の発明ではないんです。

00:26:17.240 --> 00:26:19.140
で、水車小屋というのは、

00:26:19.680 --> 00:26:21.380
水車小屋というか水車自体はですね、

00:26:21.520 --> 00:26:24.360
そういういわゆるね、こういうものを気工学と言うんですけど、

00:26:24.960 --> 00:26:27.680
気工学の生きた教材なんですよ。

00:26:28.100 --> 00:26:30.280
だからもっとわかりやすい言葉で言うと、からくりだよね。

00:26:31.940 --> 00:26:38.120
機械の形、物の形で動きを作り出すというからくりの最たる例が、

00:26:38.120 --> 00:26:40.820
水車というものなんですよ。

00:26:40.840 --> 00:26:45.120
やっぱりメカ設計者としては非常に心をくすぐられるわけですけども、

00:26:45.760 --> 00:26:52.500
残念なことに最近はですね、こういう機械的な動きを作るために、

00:26:52.840 --> 00:26:56.140
機械とか気工を使うというですね、気工学というものは、

00:26:56.440 --> 00:27:00.660
学問的には絶滅危惧種だなんていうふうに言われたりもしてます。

00:27:01.660 --> 00:27:05.940
物の動きを物の形で生み出そうという試みですよね。

00:27:06.600 --> 00:27:10.880
そうするとどうしても部品の数が増えて複雑になるんですよ。

00:27:11.580 --> 00:27:13.680
そうすると故障もしやすくなります。

00:27:14.360 --> 00:27:18.200
今はそういう複雑さ、物の形の複雑さっていうのは、

00:27:18.980 --> 00:27:21.280
なるべく出さずにシンプルにして、

00:27:21.880 --> 00:27:25.640
そういう複雑な動きっていうのはデジタルの世界に入れてしまって、

00:27:25.780 --> 00:27:28.820
機械側はあくまでもシンプルに作ろうぜっていうのが、

00:27:29.080 --> 00:27:31.640
今のものづくりの基本的な考え方であります。

00:27:32.340 --> 00:27:37.800
だからね、例えば私もね、今はちょっと機械設計は仕事でやってないけど、

00:27:38.280 --> 00:27:40.120
現役の機械設計者であったとしても、

00:27:40.380 --> 00:27:43.620
例えばさっき言ったカムとかクランクとかの組み合わせで、

00:27:43.760 --> 00:27:46.780
任意の動きを作り出すような機械を、

00:27:46.880 --> 00:27:50.360
1から設計できる人って意外と少ないんですよね。

00:27:50.460 --> 00:27:52.180
カム曲線をかけるかみたいな。

00:27:52.440 --> 00:27:56.100
そういう人ってね、たぶんほとんど今ね、レアだと思いますね。

00:27:56.680 --> 00:27:59.460
そういう意味では、昔の技術者の方が、

00:27:59.460 --> 00:28:02.160
機構局においてはかなり上手だったと思いますよ。

00:28:02.880 --> 00:28:04.960
水車の、さっき言ったラインシャフトね、

00:28:05.000 --> 00:28:07.600
工場の上のシンプルなシャフトの回転から、

00:28:08.100 --> 00:28:11.200
いかに複雑な動きを生み出せるかっていうところで、

00:28:11.480 --> 00:28:13.880
機械を複雑にしながら勝負をしてたわけですね。

00:28:14.300 --> 00:28:15.700
今はね、モーターとかあるから、

00:28:16.140 --> 00:28:19.620
別にそんな複雑にしなくても、このモーターこのタイミングで回せばいいよねっていう、

00:28:19.960 --> 00:28:22.000
そういう信号として複雑さを持ってると。

00:28:22.240 --> 00:28:25.440
それはデジタルの世界にそういうものを持っていってしまったよという、

00:28:25.440 --> 00:28:27.420
今の、別に悪いわけじゃないですけどね、

00:28:27.460 --> 00:28:28.680
それは合理的ではあるんですけど、

00:28:29.240 --> 00:28:33.060
メカ屋さんからするとですね、ちょっと寂しいなと思うこともあるんですね。

00:28:33.780 --> 00:28:37.280
個人的にはね、この機構学好きだから、

00:28:38.180 --> 00:28:43.780
あのね、機構学は、でも再燃する?また流行る可能性があるなと思ってて、

00:28:44.420 --> 00:28:45.440
それが何かって言ったら、

00:28:45.500 --> 00:28:47.340
ちょっと話数射から逸れちゃうんだけど、

00:28:48.060 --> 00:28:51.240
3Dプリンターと機構学の掛け合わせなんだよね。

00:28:51.620 --> 00:28:52.960
これかなり厚いと思ってます。

00:28:53.600 --> 00:28:57.740
そのカムとかね、その機構の複雑な部品の形って、

00:28:58.360 --> 00:29:00.720
作るのがそもそも金属で難しかったんだけど、

00:29:00.900 --> 00:29:03.500
3Dプリンターだったらそういう形、簡単に生み出せるんですよね。

00:29:04.060 --> 00:29:06.020
じゃあその、この部品とこの部品を掛け合わせて、

00:29:06.160 --> 00:29:07.880
こういう動きを作ろうみたいなことって、

00:29:08.020 --> 00:29:09.760
3Dプリンターで非常にやりやすいと。

00:29:10.260 --> 00:29:12.760
ただ機構学の知識とか、どういう風に考えればいいか、

00:29:12.820 --> 00:29:15.500
なかなか分かりづらいっていうものがありますから、

00:29:15.960 --> 00:29:17.920
なんかそこがうまくこうカチッとはまったら、

00:29:18.360 --> 00:29:23.380
結構ね、厚いコンテンツになるんじゃないかなと思っていて、

00:29:23.920 --> 00:29:26.620
その辺りの話ね、今ちょっと私が可能性を

00:29:26.620 --> 00:29:29.380
こういう風に感じてるんですよって話はまた後日にしますけど、

00:29:30.020 --> 00:29:32.040
今ですね、実はね、本書いてるんですよ。

00:29:32.920 --> 00:29:34.340
3Dプリンターの本書いてるんだけど、

00:29:35.060 --> 00:29:40.540
その2冊目の、もともと最初1冊目はねじの本を書きました。

00:29:40.680 --> 00:29:43.220
集まり設計1日初めての締結設計というですね、

00:29:43.580 --> 00:29:45.000
本を書いたんですけど、

00:29:47.400 --> 00:29:49.060
せっかくだから持ってきましたけどね。

00:29:49.200 --> 00:29:51.880
一応手元に今あるんだけどさ、

00:29:52.100 --> 00:29:55.320
1冊目これ書いたんだけど、ちょっと出版社は変わるんですけど、

00:29:55.540 --> 00:29:57.100
2冊目の本を今書いてましたね。

00:29:57.520 --> 00:29:59.200
それから3Dプリンターと、

00:29:59.920 --> 00:30:03.340
あと物の形を使って物の動きを作るような

00:30:03.340 --> 00:30:05.280
機構学の入門みたいな、

00:30:05.560 --> 00:30:10.820
そういうテーマで誰でも形を動きに変えれるよねみたいな本を

00:30:10.820 --> 00:30:13.080
解説として出せればなと、

00:30:13.420 --> 00:30:15.200
3Dプリンターを使って動きを作るみたいなね。

00:30:15.200 --> 00:30:19.840
3Dプリンターを使って機構を作って動きを作るみたいなところの

00:30:19.840 --> 00:30:23.620
入門書みたいなやつを出せればいいんじゃないかなと思って

00:30:23.620 --> 00:30:26.260
今書いてますというところですね。

00:30:26.900 --> 00:30:28.620
楽しみにしておいてくださいと。

00:30:28.920 --> 00:30:30.160
ちょっと話は戻します。

00:30:30.460 --> 00:30:32.720
頑張って書いてますよと。

00:30:32.980 --> 00:30:37.080
それが順調に進んでいるかどうかは皆さんの想像にお任せしますけども、

00:30:37.120 --> 00:30:39.000
私の顔を見て判断してください。

00:30:40.640 --> 00:30:41.660
話は戻しますけど、

00:30:41.860 --> 00:30:44.460
今日一番言いたいところなんですけど、

00:30:45.040 --> 00:30:47.920
水車って別に粉ひくとか布作るとかね、

00:30:48.060 --> 00:30:49.460
そういう仕事ばかりではなくて、

00:30:50.420 --> 00:30:53.260
実はですね、工作機械ですね。

00:30:53.500 --> 00:30:54.180
皆さん大好き。

00:30:54.480 --> 00:30:55.440
私だけかもしれないけど。

00:30:55.820 --> 00:30:58.520
工作機械ですね。金属を削って部品を作る機械ですよ。

00:30:59.080 --> 00:31:02.540
それの動力でもあったんですね、水車っていうのは。

00:31:03.400 --> 00:31:06.560
金属を加工するパワーとしても実は使われてたんです。

00:31:06.960 --> 00:31:13.500
1774年のイギリスのウィルキンソンという鉄工所の親方がですね、

00:31:14.400 --> 00:31:21.300
異物の塊、異物っていうのは熱を与えて金属をどろどろに溶かして、

00:31:21.660 --> 00:31:23.400
型に入れて形を作るっていう。

00:31:23.580 --> 00:31:25.000
それを異物と言いますけど、

00:31:25.420 --> 00:31:28.900
その異物の塊から大砲の砲台ですね。

00:31:29.160 --> 00:31:33.360
砲身の中心、だから弾の入る部分ですね。

00:31:33.860 --> 00:31:36.860
ここを精度よくくり抜く中くり板というものがあります。

00:31:37.300 --> 00:31:40.000
今でいうところボーリングマシンなんですけど、

00:31:40.120 --> 00:31:41.420
これを開発したんですね。

00:31:41.620 --> 00:31:42.480
イギリスのウィルキンソン。

00:31:42.480 --> 00:31:45.600
ウィルキンソンの中くり板というのはすごく有名な工作機械なんですけど、

00:31:46.720 --> 00:31:50.860
この中くり板の動力がですね、実は水車なんですよ。

00:31:51.720 --> 00:31:56.620
さらにこの中くり板が何を削ったかというとですね、

00:31:56.740 --> 00:32:00.320
さっき言ったように大砲の砲身も削ったんですけど、

00:32:00.660 --> 00:32:04.360
一番この機械の歴史の功績として名高いのはですね、

00:32:04.860 --> 00:32:09.140
ワットの蒸気機関のシリンダーを削ったんですね。

00:32:10.200 --> 00:32:16.380
当時ワットは深淵に近く削れたシリンダー。

00:32:16.420 --> 00:32:18.080
だからシリンダーというのは筒ですね。

00:32:18.540 --> 00:32:21.820
そこにピストンが入って往復運動をさせたいんです。

00:32:21.860 --> 00:32:23.360
蒸気機関なんですけど、

00:32:24.200 --> 00:32:30.020
この結構大きな機械の大きなシリンダーの深淵、

00:32:30.360 --> 00:32:31.780
だから円、どれだけ円かっていう、

00:32:32.180 --> 00:32:35.160
どれだけ丸くなってるかっていうのは結構ちゃんと出なくて、

00:32:35.820 --> 00:32:37.600
丸くなってないと何が起こるかというと、

00:32:38.460 --> 00:32:42.640
相手側のピストンの形と合わないから蒸気が漏れてしまうんですよね。

00:32:43.240 --> 00:32:46.400
なるべく圧縮したりとか圧力を逃がしたくないのに、

00:32:46.580 --> 00:32:49.200
隙間が変にできちゃうからそこから蒸気が漏れて、

00:32:49.660 --> 00:32:50.860
なかなかうまく動かないと。

00:32:51.480 --> 00:32:54.180
安定して加工できなかったり生産できないということで、

00:32:54.400 --> 00:32:57.040
実用化にかなり実は蒸気機関って苦しんだんですよ。

00:32:57.780 --> 00:33:01.460
それを解決したのがこのウィルキンソンの中栗版で、

00:33:02.300 --> 00:33:04.960
この中栗版は水車で動いてですね。

00:33:05.180 --> 00:33:07.300
水車の力を使ってぐるぐる動いて、

00:33:07.300 --> 00:33:09.100
すごく精度良くですね。

00:33:09.300 --> 00:33:14.040
ワットの蒸気機関のシリンダーの内径を加工したんですよ。

00:33:14.580 --> 00:33:19.600
これによって蒸気機関っていうのは非常に安定して生産できるようになったりとか、

00:33:19.780 --> 00:33:21.860
安定した力を出せるようになってですね。

00:33:22.020 --> 00:33:24.460
産業革命っていうのがどんどん起こっていくわけなんですけど、

00:33:25.240 --> 00:33:29.380
だからですね、これすごく掘っていくと、

00:33:29.900 --> 00:33:34.320
産業革命のきっかけを作ったのは蒸気機関なんですけど、

00:33:34.320 --> 00:33:41.640
その蒸気機関を成り立たせたのは水車、つまりは水の力なんですよ。

00:33:41.720 --> 00:33:43.680
もっと言っちゃえば工作機械なわけなんですけど、

00:33:43.880 --> 00:33:48.160
工作機械がなければ何も生み出せないという母なる機械なわけなんですけど、

00:33:48.280 --> 00:33:50.860
その工作機械を動かしている動力は水なんですね。

00:33:51.600 --> 00:33:56.020
水が産業革命を起こしたと言ってもこれは過言ではないわけですよ。

00:33:57.340 --> 00:33:59.780
同じような構図のことが実は日本でも起きてまして、

00:34:00.820 --> 00:34:01.780
爆発ですね。

00:34:02.200 --> 00:34:07.820
大砲を作っていた薩摩藩の追似反射炉っていうものがあるんですけど、

00:34:07.880 --> 00:34:13.680
反射炉っていうのは、さっき言ったように芋の金属を溶かすための炉の一種なんですけど、

00:34:14.380 --> 00:34:17.740
あとは世界遺産になったにらやま反射炉っていうのもあるんですけど、

00:34:18.100 --> 00:34:20.740
ここで溶かして固めた金属ですね。

00:34:21.580 --> 00:34:27.040
鋳造の技術で使われたもの、大砲の方針を削るっていうところの、

00:34:27.040 --> 00:34:29.220
中をくり抜く工作機械。

00:34:29.380 --> 00:34:31.140
これの動力はやっぱり水車だったんです。

00:34:31.200 --> 00:34:35.480
日本でも水車で削っていたということなんですね。

00:34:35.920 --> 00:34:37.900
わざわざこのにらやまなんてね、

00:34:38.180 --> 00:34:44.500
その加工のためだけにわざわざ川から水を引いてきて水車を回して大砲を加工していたという歴史もあるんです。

00:34:44.580 --> 00:34:48.880
だから日本の工作機械の前身にも結構水車って関わってくるんですよ。

00:34:50.100 --> 00:34:52.380
明治に入ってもこの構図っていうのは続いて、

00:34:52.380 --> 00:34:54.680
糸を紡ぐがら棒っていうね、

00:34:56.700 --> 00:35:01.880
綿みたいなとか板をコロコロコロって作って棒がコロコロコロって回るような、

00:35:02.440 --> 00:35:03.140
何言ってるかわかんないでしょう?

00:35:03.660 --> 00:35:04.500
一回見てほしいんだけど。

00:35:05.200 --> 00:35:07.720
そういう機械があるんだけど、

00:35:07.900 --> 00:35:09.840
これもねやっぱり水車で回すのが定番で、

00:35:10.380 --> 00:35:11.980
愛知県の三河にはですね、

00:35:12.540 --> 00:35:14.260
船に水車と、

00:35:15.120 --> 00:35:18.240
そういうがら棒のいっぱい機械を積んだですね、

00:35:19.240 --> 00:35:23.680
そういう水上工場みたいなのが浮かんでいたみたいです。

00:35:23.940 --> 00:35:28.000
水車を動力としていた時代の機械ですね、

00:35:28.440 --> 00:35:29.800
補正機械みたいなやつは、

00:35:30.020 --> 00:35:34.660
実はこの名古屋城の近くにあるトヨタ産業記念館の中でいっぱい見れます。

00:35:35.360 --> 00:35:37.440
しかもこれ動体保存なんで、

00:35:37.620 --> 00:35:39.120
動く状態で見れるんですよ。

00:35:39.660 --> 00:35:42.100
ここねお盆休みも休まず営業してます。

00:35:42.580 --> 00:35:44.420
ただ月曜日、確か定期日だから、

00:35:44.620 --> 00:35:46.380
ちょっとね日付は見ていってほしいんですけど、

00:35:46.860 --> 00:35:48.580
お盆休み時間ある人はね、

00:35:48.720 --> 00:35:50.880
トヨタ産業記念館ぜひとも行ってほしいですよ。

00:35:51.100 --> 00:35:54.340
今私が話したような水車で動く機械みたいなものが、

00:35:54.800 --> 00:35:58.240
今も動くような形で展示されてますからね。

00:35:58.580 --> 00:36:01.500
どれだけシンプルな動力を複雑な動きにしてるかっていうのが、

00:36:01.580 --> 00:36:02.800
一目で分かるんでそこ行くと。

00:36:03.220 --> 00:36:04.460
マジでおすすめです。

00:36:04.820 --> 00:36:06.660
しかも名古屋駅からすぐ行けるんで、

00:36:06.900 --> 00:36:10.260
名古屋駅というか名古屋駅を1駅超えた、

00:36:10.980 --> 00:36:12.700
佐藤から行くのが一番近いんだけど、

00:36:13.160 --> 00:36:15.720
名古屋駅からでも別に歩いて行ける距離にありますから、

00:36:15.720 --> 00:36:18.760
ぜひともご家族で名古屋行くっていう方はですね、

00:36:19.560 --> 00:36:21.920
トヨタ産業記念館行くといいんじゃないかなと思います。

00:36:22.820 --> 00:36:24.320
ちょっといろいろ話しちゃいましたけど、

00:36:24.420 --> 00:36:25.040
余計なことまで。

00:36:25.160 --> 00:36:26.880
とにかくですね、水車っていうのは、

00:36:27.840 --> 00:36:29.740
燃料を運ばなくていい機械なんですよ。

00:36:30.660 --> 00:36:32.720
それどころか水が流れている限り、

00:36:33.440 --> 00:36:35.580
ずっと働き続けてくれると、

00:36:35.740 --> 00:36:37.400
ずっと動き続けてくれる機械なんですね。

00:36:38.140 --> 00:36:40.120
おまけにエネルギーが、

00:36:41.060 --> 00:36:46.040
水から輪、輪から軸、軸から歯車、

00:36:46.520 --> 00:36:48.220
そして機械って伝わっていく様子を、

00:36:48.660 --> 00:36:50.480
やっぱり全部目で追えると。

00:36:51.100 --> 00:36:56.560
さらに川、水路、水車、電動して作業機、

00:36:57.000 --> 00:36:59.940
っていうのが全部繋がっているんですよね。

00:37:00.060 --> 00:37:02.920
だから自然と一体になっているから、

00:37:03.860 --> 00:37:05.500
急に動力が流れるんだけど、

00:37:05.640 --> 00:37:09.540
川が流れて、山に雨が降り、川が流れて、

00:37:09.540 --> 00:37:12.840
それが水車を回し、その水車が軸を回しみたいな、

00:37:12.900 --> 00:37:17.360
自然と一体化したものづくりみたいな感じなんですよね。

00:37:17.660 --> 00:37:19.380
これなかなかエモーショナルで、

00:37:19.440 --> 00:37:20.600
すごく美しいなと思います。

00:37:21.480 --> 00:37:23.360
でもですね、この美しさが、

00:37:24.000 --> 00:37:26.220
まあまあ当然ですけど、そのまま弱点にもなるんですね。

00:37:26.960 --> 00:37:28.160
工場をもっと大きくしたいとか、

00:37:28.440 --> 00:37:29.920
いやもっと生産性を上げたいよと、

00:37:30.320 --> 00:37:31.560
あとは場所を変えたいなと、

00:37:31.900 --> 00:37:34.200
決まった時刻にだけ必ず動かしたいみたいな、

00:37:34.440 --> 00:37:36.900
どんどんやっぱり人は効率を突き詰めていくんですけど、

00:37:37.020 --> 00:37:37.960
そうなった瞬間にですね、

00:37:37.960 --> 00:37:40.880
機械は、水車は非常に困ったことになるわけです。

00:37:41.440 --> 00:37:42.320
なので次はですね、

00:37:42.540 --> 00:37:46.120
水車が動力の主役から降りてしまった理由を

00:37:46.120 --> 00:37:47.340
解説していけると思います。

00:37:56.700 --> 00:37:58.000
さて、さっきはね、

00:37:58.000 --> 00:38:00.060
日本はかつコンビニぐらい水車あったんだぞね、

00:38:00.080 --> 00:38:00.980
って話したんですけど、

00:38:01.180 --> 00:38:02.660
今はね、当然ほとんど残ってないです。

00:38:03.400 --> 00:38:04.140
なんでだと思いますか。

00:38:05.460 --> 00:38:06.760
まあ多分多くの人はですね、

00:38:07.220 --> 00:38:09.380
蒸気機関とかモーターとかエンジンとかね、

00:38:09.380 --> 00:38:11.280
そういう動力の方が高精度だったから、

00:38:11.420 --> 00:38:12.420
だんだん置き換えられたんでしょうと、

00:38:12.900 --> 00:38:13.640
思うと思うんですけど、

00:38:14.300 --> 00:38:15.920
あのね、まあそうなんですけど、

00:38:16.940 --> 00:38:19.000
でも負け方がちょっと微妙に違って、

00:38:19.800 --> 00:38:21.840
効率で負けたんじゃないんですよ。

00:38:22.500 --> 00:38:24.040
効率で負けたんでしょっていうのも、

00:38:24.100 --> 00:38:25.420
まあまあ半分正解なんですけど、

00:38:25.580 --> 00:38:26.700
実はそれだけじゃないんですね。

00:38:27.320 --> 00:38:28.780
スペックだけじゃなくて、

00:38:29.120 --> 00:38:30.780
もっと違う部分に水車っていうのは

00:38:30.780 --> 00:38:31.940
大きな問題を抱えてました。

00:38:32.980 --> 00:38:34.280
まずですね、押さえたいのは、

00:38:34.640 --> 00:38:37.160
水車の生産計画っていうのはですね、

00:38:37.520 --> 00:38:39.700
水車を使った設備の生産計画っていうのは、

00:38:40.000 --> 00:38:41.160
もう川が握ってるんですよ。

00:38:41.860 --> 00:38:42.940
だから滑水ですね。

00:38:43.560 --> 00:38:44.840
川の水がなくなれば、

00:38:44.900 --> 00:38:47.180
出力が落ちたりとか止まっちゃうし、

00:38:47.660 --> 00:38:48.880
逆に洪水になったら、

00:38:48.940 --> 00:38:50.500
フィーバータイムかって言われたらそうじゃなくて、

00:38:50.800 --> 00:38:52.700
水車壊れるから止めるしかないですね。

00:38:53.300 --> 00:38:54.280
冬になったらどうなるかと、

00:38:54.360 --> 00:38:56.160
水が凍ってしまったらもう動かないし、

00:38:56.440 --> 00:38:58.880
秋は落ち葉で詰まると。

00:38:59.300 --> 00:39:00.600
物理的に詰まっちゃうと水路がね。

00:39:01.920 --> 00:39:03.020
だからあとはね、

00:39:03.220 --> 00:39:05.340
常に落ち葉じゃなくても流木もあるし、

00:39:05.380 --> 00:39:06.020
土砂も来ると。

00:39:06.360 --> 00:39:09.380
つまり理想上の最大出力。

00:39:09.800 --> 00:39:11.700
1年間水車がこうやって動いていれば、

00:39:11.820 --> 00:39:15.160
こんだけの生産性が出るんですよっていうものと、

00:39:15.760 --> 00:39:18.380
やっぱり実際の稼働は別物なんですよね。

00:39:18.800 --> 00:39:20.860
これいわゆる稼働率というものなんですけども、

00:39:21.120 --> 00:39:21.800
この稼働率、

00:39:22.300 --> 00:39:25.220
理想的な状態でどのくらい生産できるかっていうのと、

00:39:25.380 --> 00:39:27.880
実際このくらい稼働しましたよねっていうものが

00:39:27.880 --> 00:39:28.640
非常に乖離していて、

00:39:28.720 --> 00:39:30.560
稼働率がめちゃくちゃ低いんですよ。

00:39:31.060 --> 00:39:32.780
燃料代は水が流れている限り

00:39:32.780 --> 00:39:34.040
ほぼタダみたいなもんなんだけど、

00:39:34.640 --> 00:39:36.080
この停止時間と、

00:39:36.620 --> 00:39:37.600
あとは保全ですね。

00:39:37.740 --> 00:39:39.900
これに非常に手間がかかるんですね。

00:39:40.680 --> 00:39:41.240
もっと、

00:39:41.640 --> 00:39:44.220
そういう水車の独特のですね、

00:39:45.420 --> 00:39:46.880
デメリットを抱えているわけなんですけど、

00:39:47.400 --> 00:39:48.620
もっと効いてくるのが、

00:39:49.920 --> 00:39:51.020
増設の問題です。

00:39:51.860 --> 00:39:53.520
じゃあ儲かりますさ、儲かります。

00:39:54.280 --> 00:39:55.400
すごく儲かってきましたと。

00:39:55.820 --> 00:39:58.400
どんどんどんどん工場を増やしたいですよとなっても、

00:39:58.580 --> 00:40:01.300
工場の生産能力を2倍にしたいよと、

00:40:01.520 --> 00:40:02.160
機会を増やしたい。

00:40:02.820 --> 00:40:05.000
でもじゃあ川が増えるかというと川が増えないですね。

00:40:05.540 --> 00:40:07.980
川の流量は一定なんで、

00:40:08.080 --> 00:40:09.540
そこのさっき言ったようにですね、

00:40:09.760 --> 00:40:12.560
あくまでもどんだけの水をどんだけ落としたか、

00:40:12.720 --> 00:40:14.180
ということが水車の出力ですから、

00:40:14.700 --> 00:40:16.340
それ以上の出力は出ないんですよね。

00:40:16.720 --> 00:40:18.360
川の水量以上の出力は出ないから、

00:40:18.440 --> 00:40:19.940
そこは絶対ボトルネックになると。

00:40:21.040 --> 00:40:21.340
かつ、

00:40:21.840 --> 00:40:25.460
しかも水車の周りの作業機を止めて、

00:40:26.740 --> 00:40:27.600
止めてというか、

00:40:28.080 --> 00:40:28.700
集めてね。

00:40:28.700 --> 00:40:32.460
水車の周りに作業機を集めて、

00:40:33.540 --> 00:40:34.460
軸とベルト、

00:40:35.680 --> 00:40:38.620
軸とベルトで動力を配るしかないから、

00:40:39.620 --> 00:40:45.240
機械が軸の出力を出している部分で、

00:40:45.260 --> 00:40:47.560
水車から遠ければ遠いほどですね、

00:40:48.260 --> 00:40:49.260
損失が大きくなってくるよね。

00:40:49.420 --> 00:40:50.820
摩擦が多かったりとか、

00:40:51.040 --> 00:40:52.020
ねじれも増えていくと。

00:40:53.020 --> 00:40:56.600
かつ工場の規模が川の能力を超えてしまったら、

00:40:56.660 --> 00:40:57.280
もう詰みです。

00:40:57.280 --> 00:40:58.160
そこで止まりますと。

00:40:58.320 --> 00:40:59.000
工場全体がね。

00:41:00.060 --> 00:41:02.220
もう本当にブレーカーが落ちるみたいに、

00:41:02.680 --> 00:41:03.680
キャパシティを超えたら、

00:41:03.920 --> 00:41:06.220
全部の機械が止まっちゃうという風になるので、

00:41:06.380 --> 00:41:08.340
非常にそういう意味では危険だと。

00:41:08.660 --> 00:41:09.120
危険というか、

00:41:09.220 --> 00:41:11.020
生産性が上がらないということですね。

00:41:12.220 --> 00:41:12.540
なので、

00:41:12.900 --> 00:41:15.400
設備投資ではどうにもならない上限というのが、

00:41:15.560 --> 00:41:18.620
自然側の制約としてあるというのが水車の特徴なんですよ。

00:41:19.580 --> 00:41:20.000
実際、

00:41:20.180 --> 00:41:23.060
効率はどうかという話なんですけど、

00:41:24.000 --> 00:41:24.760
効率というのは、

00:41:24.760 --> 00:41:25.940
得たエネルギーに対して、

00:41:26.060 --> 00:41:28.320
どれだけの仕事に変換できるかということなんだけど、

00:41:29.180 --> 00:41:29.540
これはね、

00:41:29.740 --> 00:41:30.680
そんなに悪くないですよ。

00:41:31.220 --> 00:41:33.680
近代的に最適化された水車、

00:41:34.040 --> 00:41:36.280
上掛けの水車の最大効率というのは、

00:41:36.560 --> 00:41:37.480
研究例でいうと、

00:41:37.560 --> 00:41:40.400
約85%ぐらいの効率らしいんですね。

00:41:41.160 --> 00:41:45.560
現代の水力タービンというものの効率が90%前後なんで、

00:41:46.240 --> 00:41:50.600
機械単体の水車という仕組み自体の、

00:41:51.140 --> 00:41:54.180
エネルギー効率みたいなやつは結構いいんですよ。

00:41:54.540 --> 00:41:57.980
原理としては全然劣っていたわけではないんですね。

00:41:58.740 --> 00:41:59.780
でもやっぱり、

00:41:59.900 --> 00:42:01.140
いろんな問題があって、

00:42:01.400 --> 00:42:03.060
蒸気機関が選ばれたんです。

00:42:03.780 --> 00:42:06.840
蒸気機関は最初から万能じゃなくて、

00:42:07.540 --> 00:42:09.960
蒸気機関の方が優秀かと思いきやですね、

00:42:10.480 --> 00:42:11.620
水車にはないもの、

00:42:11.920 --> 00:42:13.480
水車には必要ないものがいっぱいいるわけ。

00:42:14.060 --> 00:42:15.200
石炭が必要だったりとか、

00:42:15.640 --> 00:42:16.360
ボイラーがいるとか、

00:42:17.160 --> 00:42:17.260
あと、

00:42:18.840 --> 00:42:20.960
蒸気機関は水がいりますからね。

00:42:22.020 --> 00:42:23.280
いろいろ手間がかかるんですよ、実は。

00:42:23.280 --> 00:42:24.900
同じくらい手間がかかるんだけど、

00:42:25.640 --> 00:42:28.000
でも、じゃあ蒸気機関は何が良かったかって言ったら、

00:42:28.640 --> 00:42:29.880
燃料さえ運べば、

00:42:30.280 --> 00:42:33.000
どこでも置けるということがあったんですね。

00:42:33.740 --> 00:42:34.860
鉱山にも置けるし、

00:42:34.960 --> 00:42:35.880
港にも置けるし、

00:42:36.160 --> 00:42:37.260
都市のど真ん中になって、

00:42:37.340 --> 00:42:40.020
別にボイラーを持っていけば置けるんですよ。

00:42:40.760 --> 00:42:41.060
だから、

00:42:41.540 --> 00:42:43.660
必要な時に必要だけ増設できて、

00:42:43.780 --> 00:42:46.760
生産計画に合わせて運転もできると。

00:42:47.420 --> 00:42:49.020
そこがやっぱりね、

00:42:49.720 --> 00:42:54.160
水車と蒸気機関の大きな違いです。

00:42:54.440 --> 00:42:56.180
逆にそこ以外は、

00:42:56.340 --> 00:42:59.100
そんなに大きな違いはなかったんですね。

00:42:59.980 --> 00:43:00.160
だから、

00:43:00.320 --> 00:43:02.020
意外と戦えてたんですけど、

00:43:02.540 --> 00:43:05.320
やっぱり自然の力を使っているというところが、

00:43:05.400 --> 00:43:07.780
かなりボトルネックになったらしいですよ。

00:43:08.240 --> 00:43:08.880
全然、

00:43:09.360 --> 00:43:11.340
水車と蒸気機関を比べたら、

00:43:11.380 --> 00:43:13.040
全然話にならないんだろう、みたいなね。

00:43:13.460 --> 00:43:16.160
全然勝ち目がないだろうって思うかもしれないですけど、

00:43:16.260 --> 00:43:17.300
意外と、

00:43:17.340 --> 00:43:18.140
そういうところでは、

00:43:18.660 --> 00:43:21.720
機械的なエネルギー効率とかでいい勝負をするんですよ。

00:43:21.800 --> 00:43:22.240
なんですけど、

00:43:22.400 --> 00:43:26.740
やっぱりインフラとしての不確実性みたいなものは、

00:43:26.780 --> 00:43:28.200
自然に頼っている部分があるので、

00:43:28.520 --> 00:43:30.140
そこでやっぱり、

00:43:30.840 --> 00:43:34.240
蒸気機関が選ばれたという歴史がありますね。

00:43:35.580 --> 00:43:36.140
結局、

00:43:37.960 --> 00:43:40.700
2024年に発表されたイギリスの研究があるんですけど、

00:43:41.040 --> 00:43:42.980
当時イギリス全体で、

00:43:43.760 --> 00:43:46.720
水力はまだ余裕があったらしいですよね。

00:43:46.720 --> 00:43:51.500
水力の水車を設置できる部分が、

00:43:52.000 --> 00:43:53.740
産業革命の時はまだあって、

00:43:54.100 --> 00:43:57.920
別に水車をどんどん増やしていけば、

00:43:58.000 --> 00:44:00.420
どんどん生産性が上がるよねっていう予知はあったんだけど、

00:44:01.040 --> 00:44:04.620
それでも地域によってだいぶ経路は違っていて、

00:44:05.100 --> 00:44:08.320
マンチェスターみたいな工場密集地域みたいなところだと、

00:44:08.400 --> 00:44:10.020
水力が足りなくなっちゃうと。

00:44:10.740 --> 00:44:11.060
なので、

00:44:11.660 --> 00:44:15.020
なくなく蒸気機関を導入したと。

00:44:16.040 --> 00:44:18.920
蒸気機関を導入したけど、結構メリットあるんじゃない?みたいな。

00:44:19.440 --> 00:44:21.920
初期で準備しなきゃいけないものが多かったから、

00:44:22.800 --> 00:44:24.080
ハードルは高かったんですけど、

00:44:24.180 --> 00:44:25.340
そこで良さに気づいて、

00:44:25.860 --> 00:44:31.140
だんだん蒸気機関に水車から切り替わっていくという感じらしいですね。

00:44:31.500 --> 00:44:32.240
とは言っても、

00:44:33.600 --> 00:44:35.180
産業革命中も、

00:44:35.320 --> 00:44:39.100
基本的には水車と蒸気機関の2車卓一というよりは、

00:44:39.360 --> 00:44:42.320
ハイブリッドで運用するという時代がすごく長かったみたいです。

00:44:44.080 --> 00:44:46.640
完全に水車というのがパンと置き換えられて、

00:44:46.740 --> 00:44:47.740
水の動力じゃなくて、

00:44:47.940 --> 00:44:49.300
蒸気機関に切り替わったかというと、

00:44:49.360 --> 00:44:51.240
別にそういう感じではないみたいですね。

00:44:51.620 --> 00:44:52.920
今イギリスの話をしましたけど、

00:44:53.040 --> 00:44:55.300
日本で水車ってどう消えたかというと、

00:44:55.420 --> 00:44:56.620
これ2段階あるんですよ。

00:44:57.160 --> 00:44:58.980
都市部では大正の頃に、

00:44:59.340 --> 00:45:05.040
電気の精米機みたいなものが出てきたという影響で、

00:45:05.220 --> 00:45:06.420
水車というのは消えていきました。

00:45:06.540 --> 00:45:07.800
こっちの方が便利じゃんみたいなね。

00:45:08.140 --> 00:45:10.780
ただ、農村部はもっと粘っていて、

00:45:10.780 --> 00:45:13.200
ずっと水車を使っていたらしいんですけど、

00:45:15.460 --> 00:45:17.360
農地の改革で、

00:45:18.060 --> 00:45:21.580
いろいろと電動化しようと、電気化しようという運動が起こり、

00:45:21.680 --> 00:45:22.520
それが普及し、

00:45:23.120 --> 00:45:25.980
どんどん水車が他の動力に置き換わっていったと。

00:45:26.900 --> 00:45:31.340
さっき紹介した三鷹の水車小屋というのが東京にあるんですけど、

00:45:31.440 --> 00:45:32.380
シングルマってところね。

00:45:33.140 --> 00:45:34.480
あれがいつ止まったかというと、

00:45:34.560 --> 00:45:36.700
実は1968年らしいんですよ。

00:45:37.640 --> 00:45:39.220
ここが止まった理由は、

00:45:39.860 --> 00:45:42.880
電動機に置き換えられたではなくて、

00:45:43.460 --> 00:45:47.800
川の改修工事で水が引き込めなくなったらしいんですね。

00:45:47.920 --> 00:45:48.460
その水車に。

00:45:49.220 --> 00:45:51.680
160年ぐらいその水車が回ってたらしいんですけど、

00:45:52.180 --> 00:45:55.560
結局水路の近代化みたいなもので止まってしまったと。

00:45:56.120 --> 00:45:57.440
自然の力というのは、

00:45:57.700 --> 00:46:03.440
都市開発とか生活インフラの改修の影響を特に受けるんだよね。

00:46:03.980 --> 00:46:07.180
川の水路とかってずっとそこに引いているわけじゃなくて、

00:46:07.180 --> 00:46:09.740
街づくりの過程で変えたくなったりすると、

00:46:10.040 --> 00:46:12.260
そこに水が引けないよねみたいな形になってしまうと。

00:46:12.420 --> 00:46:17.180
じゃあそうすると安定して水が流れてこないとか止めざるを得ないと。

00:46:17.320 --> 00:46:20.800
そういう事情で日本の水車っていうのはどんどん消えていきます。

00:46:21.480 --> 00:46:23.500
だからちょっと話をまとめると、

00:46:24.120 --> 00:46:30.180
水車は単体の変換効率とかエネルギー効率で負けたんじゃなくて、

00:46:30.720 --> 00:46:34.400
立地の自由みたいなものとか稼働の安定性ですね。

00:46:34.400 --> 00:46:36.580
あと増設のしやすさ、制限のしやすさと。

00:46:37.300 --> 00:46:46.320
工場システムとしての自由度で主役を譲ったという感じなんですね。

00:46:47.020 --> 00:46:50.800
人がさらに豊かさとか生産効率を求めた結果、

00:46:51.540 --> 00:46:56.300
徐々に切り替わっていってだんだんなくなっていったのが水車なんですよ。

00:46:57.320 --> 00:47:01.300
ただポイントは水車自体は別に動力として踊っているわけじゃないと。

00:47:01.300 --> 00:47:03.600
何回も言いましたけど、そういうところなんで。

00:47:03.680 --> 00:47:09.400
例えばすでに水路があって配管があって水が決まった場所に必ず流れていると。

00:47:09.620 --> 00:47:14.460
そういう条件だったら最大の弱点だった立地の制約っていうのは消えるんで、

00:47:15.000 --> 00:47:18.460
そういう条件下であれば実はまだまだ使えるということですね。

00:47:18.980 --> 00:47:22.520
なのでこれからは現代の水車の話をちょっとしていきたいと思います。

00:47:29.930 --> 00:47:37.310
福岡県の浅倉市に日本最古級の原液で動く水車群っていうのがあるらしいんですよ。

00:47:37.310 --> 00:47:40.270
それは観光地として水車を使っているわけじゃなくて、

00:47:40.330 --> 00:47:44.410
今まさに水車として働いている水車があるらしいんですよね。

00:47:44.930 --> 00:47:49.130
毎年6月17日に山田関という関ですね。

00:47:49.410 --> 00:47:51.610
だから関止めている門みたいなやつがあるんですけど、

00:47:51.970 --> 00:47:58.490
それの水門が開くと約2キロの用水路を15分ほどかけて水が流れていくんですね。

00:47:59.410 --> 00:48:09.870
そこに3連水車が1組と2連水車が2組あって合わせて7機の水車があるんですけど、

00:48:10.110 --> 00:48:14.050
そこに水が6月17日以降流り込み始めます。

00:48:14.790 --> 00:48:19.390
水の流れで水車を回しながら何をしているかというと、

00:48:19.990 --> 00:48:23.870
水をすくって高いところの田んぼに注ぎ込むという、

00:48:24.370 --> 00:48:30.970
水車自身がポンプとして働くという用水用の水車が動いているんですよ。

00:48:31.010 --> 00:48:36.410
今も約230年前に設置されて、

00:48:36.550 --> 00:48:44.230
今も夏の間は川面より高い田んぼに水を汲み上げるという仕事を水車がしているということで、

00:48:44.370 --> 00:48:46.290
原液で水車を使っていると。

00:48:46.290 --> 00:48:54.350
これは水を一切使わずに水を低いところから高いところに汲み上げるという仕事をずっとしているんですね。

00:48:54.870 --> 00:48:56.070
用水ポンプとして動いていると。

00:48:57.130 --> 00:48:59.970
約35ヘクタールの田んぼを潤しているらしいです。

00:49:00.370 --> 00:49:02.750
稼働は9月下旬までずっと動いていて、

00:49:03.330 --> 00:49:08.990
水車は現在5年ごとに地元の水車大工さんという人たちがいるらしいんですけど、

00:49:09.390 --> 00:49:13.730
その人たちがいろいろと作り変えて運用していると。

00:49:14.950 --> 00:49:18.550
計画保全みたいなものが文化としてずっと続いているんですよね。

00:49:18.890 --> 00:49:20.410
これなかなかエモーショナルですよね。

00:49:21.270 --> 00:49:27.590
地元の人たちも流木とか土砂を掻き出しながらずっと運用しているらしいんですけど、

00:49:28.150 --> 00:49:34.690
2017年に豪雨があって被災した時は地元の人たちがみんなでメンテナンスしたと。

00:49:34.770 --> 00:49:40.450
だから地元にもすごく愛されているそういう水車群みたいなものが福岡県にあるらしいですね。

00:49:40.450 --> 00:49:44.910
しかも飾りではなくてちゃんと仕事をしているということなんですよ。

00:49:45.090 --> 00:49:49.090
それだけやっぱ水車っていうのが普通に便利というか、

00:49:49.450 --> 00:49:55.090
ちゃんとあった条件であればずっと使い続けることができるという仕組みだということですね。

00:49:55.910 --> 00:50:01.190
あとは水車の動きが品質で選ばれているという例もあるらしいんですよ。

00:50:01.710 --> 00:50:06.850
茨城県の石岡市の小間村生命堂さんですね。

00:50:06.850 --> 00:50:12.550
水車で杉の葉をついて汚染粉を作っている。

00:50:12.650 --> 00:50:15.630
そういう明治創業の工房らしいんですけど、

00:50:16.210 --> 00:50:26.390
ここは水車の回転を歯車と絹でそのまま使って粉砕の仕事に使っているらしいんですよね。

00:50:26.890 --> 00:50:28.530
直接駆動なんですよ。

00:50:28.530 --> 00:50:38.590
直接水車の回転を使ってそのままずっと杉の木、杉の葉をついているということをやっている。

00:50:38.810 --> 00:50:42.590
水車がついているというところである種ブランディングしているんですけど、

00:50:43.270 --> 00:50:50.070
水車を使っている理由は低速でじっくりつくことによって杉の香りを守っているというところで、

00:50:50.210 --> 00:50:55.290
やっぱ水車ならではの出力がこの匂いを作ってるんだよみたいな。

00:50:55.290 --> 00:50:58.970
そういう部分でも水車というものが使われてますね。

00:50:59.210 --> 00:50:59.730
なんかいいですよね。

00:51:00.330 --> 00:51:04.450
職人が手作りで作りましたというものを愛しを感じるというか、

00:51:05.170 --> 00:51:06.810
これは職人が手で作ったんだと思うじゃない。

00:51:07.130 --> 00:51:14.590
だけどこの匂いって水車、水の力で使われたものが匂いになっている汚染粉になっているんだっていうのも、

00:51:14.790 --> 00:51:17.990
またブランド価値として非常に面白いなと思います。

00:51:18.170 --> 00:51:21.130
こういう使われ方を現在でもされていたりすると。

00:51:21.770 --> 00:51:26.250
ここは定性的な価値っぽいですけど、

00:51:26.610 --> 00:51:30.470
定量的な価値でも水車というのはちゃんと価値を発揮している部分があって、

00:51:30.890 --> 00:51:32.390
それが何かといったら発電ですね。

00:51:33.410 --> 00:51:39.290
水車の子孫、もうちょっと今日あれなんだよね。

00:51:40.010 --> 00:51:44.530
皆さんもお気づきかもしれないですけど、あんまり口が回らなくて。

00:51:44.730 --> 00:51:45.930
時々そういうことがあるんですよ。

00:51:47.210 --> 00:51:49.010
何でそういうふうになるかというと、

00:51:49.130 --> 00:51:54.350
往々にして寝不足の時は結構滑舌が悪かったりとか噛みやすかったりするんですけど、

00:51:54.710 --> 00:51:56.110
今日はその日でございます。

00:51:56.550 --> 00:52:01.170
話は戻しますけど、水車の子孫たちも現役なんですね。

00:52:02.010 --> 00:52:08.110
岐阜県の具城市というところの石戸城というところがあるんですけど、

00:52:08.270 --> 00:52:09.910
その山合いの集落にですね、

00:52:10.530 --> 00:52:16.750
伊都城阪西流発電所という小さい水力発電所があるらしいです。

00:52:17.270 --> 00:52:20.450
2016年運転開始ということで結構最近できた、

00:52:20.790 --> 00:52:24.130
ちょうど10年目ぐらいの小型の水力発電所ですかね。

00:52:24.370 --> 00:52:26.810
約100mのラクサーを利用して、

00:52:27.190 --> 00:52:29.890
それを圧力管で受けてペルトン水車というね、

00:52:30.210 --> 00:52:32.990
金属製のタービンを回して発電していると。

00:52:33.730 --> 00:52:37.790
ペルトンというのは19世紀にアメリカで、

00:52:37.790 --> 00:52:40.750
このタービンを開発した人の名前なんですけど、

00:52:41.270 --> 00:52:45.090
これ面白いのが、水車ってね、

00:52:45.310 --> 00:52:48.450
木の輪っか、皆さんがイメージするザ・水車ね。

00:52:49.010 --> 00:52:50.330
輪っかから進化して、

00:52:51.030 --> 00:52:54.310
今は小型の高速のタービンみたいなものになっているんですけど、

00:52:54.890 --> 00:52:58.790
日本の機械工学では正式に水車って呼ぶんですよね。

00:52:59.270 --> 00:53:01.570
タービン、タービンジャンみたいなやつも、

00:53:01.950 --> 00:53:04.710
今でもペルトン水車と呼んだりします。

00:53:04.710 --> 00:53:07.450
だからあくまでも水車なんだよねとか、

00:53:07.690 --> 00:53:10.530
水車の歴史をついているんだよねっていう、

00:53:11.050 --> 00:53:13.270
そういう言葉がまだ残っているんですね。

00:53:13.690 --> 00:53:17.910
だからこの水力発電所で使われているのも水車なんですよ。

00:53:18.570 --> 00:53:20.850
その水車の子孫が名前ごと受け継がれて、

00:53:21.290 --> 00:53:26.230
今、日本の山の中で現役で発電機として回っているんですよ。

00:53:28.030 --> 00:53:30.110
2019年の市の資料だと、

00:53:30.570 --> 00:53:33.790
この発電所で発電された電気は、

00:53:33.790 --> 00:53:35.230
全部売電していて、

00:53:35.750 --> 00:53:40.730
その収益は国物の加工とか除雪とか、

00:53:40.890 --> 00:53:43.230
市の事業に還元されているらしいです。

00:53:43.350 --> 00:53:47.390
だから電気がそのまま廃で配られて、

00:53:47.550 --> 00:53:48.670
その街で使われているんじゃなくて、

00:53:48.730 --> 00:53:51.610
売電されたお金を市の事業として使っている、

00:53:51.790 --> 00:53:53.630
そういう発電所があるらしいですね。

00:53:54.870 --> 00:53:57.770
さらに最近の水車、現代の水車は、

00:53:57.870 --> 00:54:01.890
そういう発電所っていうところだけじゃなくても、

00:54:01.890 --> 00:54:05.070
実は目に見えないところにも増えているらしいんですよね。

00:54:06.050 --> 00:54:10.270
山形市の松原浄水場というところでは、

00:54:11.350 --> 00:54:16.030
設備の中で減圧していた余剰圧力っていうのがあるんですね。

00:54:16.430 --> 00:54:19.930
つまりは、今までどうしてもこの工程で圧力出ちゃうけど、

00:54:20.650 --> 00:54:23.990
あとは適当に殺して、それを捨てていたみたいな、

00:54:24.070 --> 00:54:25.470
水のエネルギーがあるんですけど、

00:54:26.050 --> 00:54:29.270
そこの部分に缶の中にタービンを入れて、

00:54:29.490 --> 00:54:31.250
発電するということをやってるんですよ。

00:54:31.250 --> 00:54:34.390
これによって、本来捨ててしまったエネルギーを、

00:54:34.510 --> 00:54:36.110
電力として回収できると。

00:54:36.670 --> 00:54:41.270
2024年度には浄水所の再エネ持久率みたいなものを、

00:54:41.390 --> 00:54:45.050
82.6%まで達成したみたいなことがあるらしくて、

00:54:45.590 --> 00:54:48.450
もともと無駄に捨てていた水の力っていうのを、

00:54:48.590 --> 00:54:49.970
水車でまた回収すると。

00:54:50.110 --> 00:54:51.010
いろんな説明の中で、

00:54:51.150 --> 00:54:53.530
ということも行われているらしいですね。

00:54:54.290 --> 00:54:56.570
しかもですね、民間でも、

00:54:57.110 --> 00:55:00.550
最近ダイキンという会社初のスタートアップが立ち上がって、

00:55:01.230 --> 00:55:05.070
既存のポンプを逆回転させて水車として使う、

00:55:05.150 --> 00:55:08.170
みたいな発想の管内発電みたいなものが、

00:55:08.190 --> 00:55:09.890
最近展開されているらしいですね。

00:55:10.310 --> 00:55:11.050
どういうことかというと、

00:55:11.150 --> 00:55:13.730
簡単に言うと扇風機に風を当てて発電機にするみたいな、

00:55:14.290 --> 00:55:15.710
そういう話なんですけど、

00:55:16.110 --> 00:55:20.210
普通に本来は水を送るようなポンプをそのまま使って、

00:55:20.370 --> 00:55:24.070
それを逆回転、それを圧力の中とか流れの中に晒すことによって、

00:55:24.070 --> 00:55:29.030
発電をする、捨ててしまうエネルギーを使うんだという理由で、

00:55:29.850 --> 00:55:32.750
という文脈でそういう技術も使われているらしくて、

00:55:33.010 --> 00:55:35.910
それもある意味、抗議の意味では水車なんですよね。

00:55:36.550 --> 00:55:39.890
単純に水力発電所で頑張ってますというわけじゃなくて、

00:55:40.290 --> 00:55:43.650
いろんな水を使った機械の中の無駄なエネルギーを、

00:55:43.790 --> 00:55:45.290
電気として回収しようという部分、

00:55:45.710 --> 00:55:47.270
本当に目に見えない部分なんですけど、

00:55:47.710 --> 00:55:51.630
そういうところにも水車の力は使われているわけですね。

00:55:53.050 --> 00:55:55.710
だからこう、ザ・水車みたいなね。

00:55:56.070 --> 00:55:58.030
大きな木の輪っかの機械っていうのは、

00:55:58.130 --> 00:55:59.770
町から当然見えなくなりましたと。

00:56:00.330 --> 00:56:02.670
でも水車は死んだわけじゃないですね。

00:56:03.030 --> 00:56:07.230
今お姿を変えて、いろんなところで回っているということです。

00:56:07.750 --> 00:56:12.640
というわけで今日は水車、水をテーマに水車の話をしてきましたけども、

00:56:13.330 --> 00:56:17.970
古代ローマの16期の水車群と、あとは水道管の中のタービンと、

00:56:18.590 --> 00:56:20.850
水そのものは昔から何も変わっていなくて、

00:56:20.850 --> 00:56:24.010
ただ高いところから低いところに移っていくと。

00:56:24.090 --> 00:56:26.270
圧力も高いところから低いところに移っていくと。

00:56:26.630 --> 00:56:32.510
そういう水の移り変わりのところに水車、タービンっていうのが入ってですね。

00:56:33.090 --> 00:56:34.470
何らかのエネルギーを得ていると。

00:56:34.730 --> 00:56:40.430
そういう人間の営みも今も実は俯瞰してみると変わっていないということなんですね。

00:56:41.250 --> 00:56:42.550
水ってすごいですよね。

00:56:43.190 --> 00:56:44.590
水をテーマに話してきましたけど、

00:56:44.970 --> 00:56:49.610
実は飲んだりもできるし、いろんなことに使えるんだけど、

00:56:50.130 --> 00:56:53.250
動力としても非常に優秀であるということです。

00:56:53.670 --> 00:56:57.810
今度皆さん川とか要水路とか、夏だから水場に行くこと多いと思うんですけど、

00:56:57.990 --> 00:56:59.910
見かけたらちょっとだけ想像してみてください。

00:57:00.370 --> 00:57:03.370
この水の流れ、どのぐらいエネルギー取れるかなと。

00:57:03.670 --> 00:57:07.770
この水の高低差どれくらいとか、この流れからどういうエネルギーを生み出して、

00:57:08.130 --> 00:57:10.470
どういう仕事ができるのかなということで、

00:57:10.870 --> 00:57:14.730
水をエネルギーの視点を持っている人を見るということを試してみてください。

00:57:15.550 --> 00:57:19.350
それが見えてきたら、もうあなたも水車エンジニアになっているかもしれません。

00:57:19.350 --> 00:57:22.670
そういうエンジニアがいるかどうかは知らないんですけど。

00:57:23.890 --> 00:57:29.670
水車の実物を見たいなと思ったら、東京の三鷹の新車、

00:57:30.150 --> 00:57:35.430
またはさっき言った九州だったら、朝倉の三連水車とか、

00:57:35.750 --> 00:57:40.590
あとは名古屋のトヨタ産業技術記念館ですね。

00:57:40.990 --> 00:57:45.030
ここに行くと、かつて水車で動いていた機械が見れますから、

00:57:45.690 --> 00:57:47.690
それから現役で動いている水車も見えますからね。

00:57:48.810 --> 00:57:53.650
ぜひともこういう水車とか水車で動いていた機械たちをぜひ見に行ってください。

00:57:53.990 --> 00:57:56.490
そういう夏休みのお出かけもありだと思いますよ。

00:58:02.000 --> 00:58:04.940
というわけでここからクロージングトークです。

00:58:05.300 --> 00:58:07.100
イベントのお知らせです。

00:58:07.600 --> 00:58:10.600
サイエンスアゴラというイベントの中で、

00:58:11.660 --> 00:58:16.080
ポッドキャストシンポジウム2026というポッドキャストのイベントをやります。

00:58:16.400 --> 00:58:18.580
サイエントークのレンさんと共同主催です。

00:58:18.680 --> 00:58:21.800
私とレンさんで企画したイベントなんですけども、

00:58:21.800 --> 00:58:30.260
9月12日土曜日の10時半から12時までの90分のイベントをやります。

00:58:30.540 --> 00:58:33.400
基本的には2つの登壇セッションがあって、

00:58:34.140 --> 00:58:35.880
私と誰かのコラボと、

00:58:36.420 --> 00:58:40.560
あとはレンさんと誰かのコラボみたいな2セッションがあります。

00:58:41.000 --> 00:58:42.740
そういうイベントではあるんですけど、

00:58:43.160 --> 00:58:46.620
今回はポッドキャスター同士のコラボはあえてやめて、

00:58:47.640 --> 00:58:49.520
僕とレンさんはポッドキャスターなので、

00:58:49.520 --> 00:58:52.560
ポッドキャスターと何菓子というか、

00:58:52.680 --> 00:58:57.520
誰か他にもそういう違う活動をしている方でコラボしましょうというイベントを、

00:58:58.440 --> 00:59:00.280
逆にしようということを決めました。

00:59:00.640 --> 00:59:08.940
レンさんの方は陽道社さんという科学系の書籍を出版している出版社さんとコラボして、

00:59:09.420 --> 00:59:13.260
そこの編集者さんとレンさんが話すというコラボをやります。

00:59:13.700 --> 00:59:20.400
私の方は小木本紀さんという父親エンジニアとして、

00:59:20.740 --> 00:59:26.340
家族のためのものづくりをコンセプトにものづくりをされている方とコラボさせていただきます。

00:59:26.420 --> 00:59:27.500
小木さんの本ですね。

00:59:27.940 --> 00:59:29.800
あの子の死骸が価値になるって本があるんですけど、

00:59:29.860 --> 00:59:32.560
リンク貼っておきますけどめちゃくちゃ良くて、

00:59:32.720 --> 00:59:36.440
もう2025年、去年の2月ぐらいに出た本なんですけど、

00:59:36.840 --> 00:59:40.620
その本を読んだ瞬間からこの人といつか話したいなと思ってたんですけど、

00:59:40.620 --> 00:59:46.140
今回このイベントにカコつけて、ちょっとゲスト出てくれませんかと声をかけたら2つ返事ですね。

00:59:46.200 --> 00:59:48.080
いいですよというふうにいただきましたので、

00:59:48.520 --> 00:59:52.340
小木本紀さんと私支部長とのコラボが、

00:59:53.220 --> 00:59:57.620
サイエンスアゴラの中のポテガスシンポジウム2026で行われますので、

00:59:57.700 --> 00:59:58.700
ぜひとも楽しみにしておいてください。

00:59:59.720 --> 01:00:03.200
無料です。無料で聞けるイベントとなっていますけど、

01:00:03.720 --> 01:00:06.080
公式ホームページのところに申し込みフォームがあります。

01:00:06.300 --> 01:00:08.840
どのぐらいの人数の人が集まるか知りたいので、

01:00:08.840 --> 01:00:13.180
来れるよって方はぜひともそこから申し込みいただけると非常に嬉しいです。

01:00:13.300 --> 01:00:14.880
よろしくお願いいたします。

01:00:16.120 --> 01:00:19.540
というわけで今回はここまでとさせていただきます。

01:00:19.920 --> 01:00:22.580
私は技術ブログ支部長技術研究所も運営してますので、

01:00:22.720 --> 01:00:24.300
そちらの方もぜひチェックしてください。

01:00:25.080 --> 01:00:30.380
エックスも毎週モノドクニックに関する情報を発信してますので、よろしくお願いいたします。

01:00:30.860 --> 01:00:33.080
落ち着きAIラジオというAIに関するポテガスをやってます。

01:00:33.140 --> 01:00:35.900
毎週火曜日金曜日週2で配信中です。

01:00:36.000 --> 01:00:38.340
こちらもぜひとも聞いてください。

01:00:38.760 --> 01:00:41.640
また面白いエックスラボというリスナー向けコミュニティも運営しております。

01:00:41.940 --> 01:00:45.560
こちらはROOMというサービスを使って運営してるんですけども、

01:00:45.980 --> 01:00:46.940
無料で入ることができます。

01:00:47.380 --> 01:00:50.660
無料で入っていただくとその中にディスコードコミュニティがありますので、

01:00:50.980 --> 01:00:53.440
そこでリスナーさん同士とか私と交流しながら、

01:00:53.500 --> 01:00:56.960
いろいろモノづくり語りましょうぜっていうコミュニティをやっています。

01:00:57.140 --> 01:00:58.980
ちょっとなかなか盛り上げ切れてないんですけど、

01:00:59.620 --> 01:01:06.140
お盆中に新しいことを始めたりとか整理しようかなと思ってますので、

01:01:06.140 --> 01:01:08.880
お時間ある方はぜひとも入っていただけると嬉しいです。

01:01:09.000 --> 01:01:11.060
よろしくお願いいたします。

01:01:11.460 --> 01:01:13.080
というわけで今回はここまで、

01:01:13.420 --> 01:01:14.900
じゃなかった、大事ですよね。

01:01:15.280 --> 01:01:16.000
ここから大事ですよ。

01:01:16.160 --> 01:01:19.720
このモノづくりのラジオ、いいなと思っていただけたら、

01:01:19.840 --> 01:01:22.300
各ポッドキャストアプリでの評価、レビュー、

01:01:22.400 --> 01:01:24.340
星5評価よろしくお願いいたします。

01:01:24.420 --> 01:01:27.660
YouTubeで聞いている人はチャンネル登録といいねをしていただけると、

01:01:27.680 --> 01:01:28.880
私のテンション爆上がりします。

01:01:28.960 --> 01:01:31.280
皆様が2秒でできる私への応援となりますから、

01:01:31.960 --> 01:01:34.020
よろしくお願いいたします。

01:01:34.020 --> 01:01:36.020
というわけで今回はここまで。

01:01:36.260 --> 01:01:37.960
以上、しぶちょーでした。

01:01:38.380 --> 01:01:38.980
ではでは。
