従来のウェブ検索とAI検索の比較
フラン、お客さんを自分たちのビジネスに呼び込もうとするときって、まるでこう道路を作るような感覚がありますよね?
うーん、そうですね。
立派なハイウェイを舗装して、大きな看板を立てて、玄関まで一直線にドライブしてきてもらう、みたいな。
まさに。従来のウェブ検索は本当にそれでしたからね。看板をクリックして目的のサイトに着地するっていう。
うんうん。
とってもシンプルで直接的な動きだったんですよ。
ですよね。でもなんか最近、そのハイウェイのあちこちで急に密が途切れたりとか、突然迷路に迷い込んだりするような気がしませんか?
あー、わかります。実は今回、AHRFS EVOLVE 2026 Singaporeっていうカンファレンスの現地レポートの資料を深く掘り下げていくんですけど。
よし、これについて解いていこうってことで。
はい。
情報型に悩む皆さんに向けて、なぜ今私たちのその道案内がこんなに機能しなくなっているのか。その衝撃的な答えがデータで示されていたんですよね。
えーっと、状況がこう一変したのは、やっぱり2025年のGoogleコアアップデートとAIオーバービューの導入以降ですよね。
あー、検索結果のトップにAIの要約が直接ドーンと表現されるやつですね。
そうそう、それです。これによってサイトへの直接流入って劇的に減ったんですよ。
えー、やっぱり減ってるんですね。
例えば、チャットGPTからウェブサイトへ直接やってくる人の割合って、全体のわずか0.19%しかないっていうデータがあるんです。
0.19%。それじゃあ、AI経由で直接お客さんを呼ぶなんてもうほぼ誤差みたいなものじゃないですか。
AI検索におけるブランド認知の変化
えー、経路としては完全に閉ざされつつあると言っていいですね。ただ、ここで非常に興味深いのは見方を変える必要があるってことなんです。
見方を変える。
はい。新規のお客さんに、「どこで私たちの製品を初めて知りましたか?」ってアンケートを取ると、なんとチャットGPTが第3位に浮上しているんです。
え?第3位に。
はい。全体の10.73%を占めていて。
ちょっと待ってください。つまり、チャットGPTから直接リンクをクリックして買いに来る人はいないんだけど、チャットGPTとの会話の中で、こんな商品があるんだって知る人が、なんと5割以上いるってことですか?
その通りです。まさにその認知のシフトが起きてるんですよね。
はー、なるほど。
かつては、自社サイトが他のサイトからどれだけリンクされているかという、いわゆるドメインパワーを高めるのがSEOの王道だったじゃないですか。
はいはい。ありましたね。
でも今はYouTubeとかSNSとかウェブ上の至るところで、ブランド名がどれだけ語られているかが、AIに認識されるための鍵を握っているんです。
ということはつまり、AIは目的地への直接の道案内ではなくて、あの店いいよって教えてくれる近所の情報通になったってことだよね。
まさにそういう例えがぴったりですね。
でも、AIはどうやってそのおすすめリストを決めているんですか?
AIによるブランド序列化の実験と課題
それがですね、あるSEOの専門家が、自腹か会社の経費かはちょっと分かりませんが、なんと2000ドルも費用をかけて面白い実験をしたんです。
2000ドル、結構かけましたね。
AIの中枢にあるブランドの序列を可視化するために、ジェミニーとチャットGPTに全く同じ質問を100万回も繰り返して検証したデータがあるんですよ。
100万回、いやそれは周年ですね。で、そのAIの頭の中っていうのはどうなっていたんですか?
これが明確な記憶の序列が存在していたんです。
序列?
例えば1位はApple、それから日本のトヨタも5位に入っています。
そこは現実世界の知名度と一致していますよね。
ところがですね、現実世界で圧倒的なシェアを誇る中国のEVメーカーBYDは883位でしたし。
883位?
巨大電池メーカーのCATLに至っては、なんと6000位台だったんですよ。
BYDが883位、現実のビジネスの規模感と全く比例していないじゃないですか。
それって企業にとっては恐怖ですよね。現実でどれだけ売れていても、AIの記憶の中では存在しないもの同然ということですよね。
そういうことになりますね。
AIの学習データと情報の鮮度
例えば、ナイキみたいな超有名企業とかはどうなんですか?
ナイキに関しては、名前が出るそのブランドへの言及数自体は多いんです。
ただ、早期されるスピードが遅いと結果的に順位が下がってしまうことが判明しまして。
早期されるスピード?
はい。これはですね、AIの学習データの中で、
ナイキとランニングシューズっていう単語がどれだけ近い距離で頻繁に結びついて語られてきたかっていうそのデータの配置が影響しているんです。
ああ、なるほど。データ上での距離が遠いと、AIの脳内でそれが繋がるまでに時間がかかってしまうんですよね。
距離感ですか?ここからが本当に面白いところなんだけど、
現実の知名度とAIの脳内ランキングが違うなら、自分たちで新しい情報をどんどん提供して、この順位を操作することって可能なんでしょうか?
検索の瞬間に、AIが外部の最新情報を参照するグラウンディングっていう仕組みがあるんですけど。
グラウンディング?
はい。例えるなら、AIが答える前に最新の参考書を開いて確認するようなプロセスですね。
ここであれば、自社の発信を整理することで、ある程度正しい情報を拾わせることは可能です。
なるほど。コンテンツで改善できるんですね。
ただ、重点がありまして、AIの本質的な回答っていうのは、あくまで過去にウェブ上で語られたすべての情報の平均値でしかないんですよ。
え?過去の情報の平均ですか?
はい。
AIは7から18問の異なる情報源を参照して平均化しちゃうんで、古い語情報が混ざるリスクが常にあるんです。
あー、なるほど。
例えば、ベタワークスっていう企業があるんですが、過去に外部のメディアが誤ったカテゴリー分けで記事を書いたせいで、
AIがそれを平均値として取り込み続けてしまって、全く違う製品カテゴリーの会社として認識されてしまっていたケースがあります。
うわ、それはきついですね。じゃあ、一時的なバズを狙って変な情報を先散らすと、後でその平均値として永遠に足を引っ張られるわけだ。
まさにそうです。だからこそ、バズを狙うよりも、まずは足元の情報を測る、ただす、増やすっていう順番で整えるべきなんですよね。
AI検索の限界と人間による意思決定
なるほど。でも、じゃあ、AIの言うことには常に過去のノイズとか古い情報が混ざるってことですよね。
それに気づき始めたら、人間って結局重要な決断をAIに委ねなくなるんじゃないですか。
そこなんです。これをさらに広い視点と結びつけるとすごく面白くて、BtoBの勾配調査データにそれが顕著に出ているんですよ。
初期のリサーチとか比較検討の段階では、AIがものすごく多用されるんです。
でも、最終的な購入決定となると、AIの利用率って1割弱にまでストーンと落ち込むんです。
え、そんなに下がるんですか。
ええ。結局、最後の一押しで最も影響するのは人間からの推薦なんですよ。
つまり、これは結局どういう意味を持つのかってことですが、企業とか学習者は派手なアルゴリズム対策とかに走る前に、まずは基本情報を正確に整理してAIの誤解を防いで、最後はやっぱり人間からの信頼を築く、これこそが究極の戦略になるわけですね。
全くその通りです。最後に勝つのはやっぱり人なんですよね。
新しい概念のAI認識と今後の課題
いや、面白いですね。AIは過去の膨大な会話の平均を元に噂話をする近所の情報通でした。
そうですね。
さて、ここで一つ皆さんに考えてみてほしいことがあります。もし、AIが過去の情報の平均でしか世界を語れないのだとしたら、過去に一切データが存在しない全く新しい概念や製品を生み出したスタートアップは、一体どうやってこのAIにまだ誰も語っていない価値を認識させるべきなのでしょうか。
本当にそうですね。
存在しない道への案内をどうやってこの情報通いて頼むべきか、ぜひ皆さん自身で考えてみてください。