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太鼓腹(古典落語)
2023-11-03 13:03

太鼓腹(古典落語)

立川生志
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感想

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00:01
少子さんが厳選した今週の気になる話題から新作のミニ落語、
ニュースモール落語をお送りする
ラジオ園芸錦彩亭。本日は古典落語をお送りします。
お客様を相手する商売に法官太鼓持ちというのがございましてね。
これは、お座敷や遊びをなさる旦那とか、
そういう人たちと芸者さんとの間を取り持つというような、
大変に、今もう日本にも残り少ない10人いるのかいないのかといったような、
芸人の話でございまして、こういう法官太鼓持ちを相手取るのは
大家の我が旦那と話の方では相場が決まっておりまして、
どうも退屈だね、なんか面白いことないがね、
いろんなことにこっちゃったけどさ、もう飽きちゃったんだよね。
なんか面白いことね、ああそうだそうだ、この間うちの親父が肩こったつってね、
針さん呼んだよ、針なんか覚えたらね、いいかもしれないな、
親父に打ってやって親子育てもできるかもしれない。
よしよし、そうだ、針覚えようなんてんでね、
壁ですとか、畳、枕、座布団なんていうのに針を打ってたんですけれども、
どうも面白くないね、針を打ってもさ畳はうんともすんとも言わねえんだよな、
どうせ打つならこう、なんか生体反応のあるものに打ちたいんだけど、
なんかねえかな、にゃおん、にゃおん、おや玉ちゃん、
いいとこに来たねおい、こっちおいでこっち、はいはい、え?
どうしたの玉ちゃん、のどがゴロゴロ言ってますよ、
おん、これ善息ですねこれねえ、今先生が治してあげますからね、
だいたいねえ善息のツボはこの、あったあったあった、
痛えーなあ、ひっかいて逃げちゃったよー、針に、
良さはわかんないね猫にはねえ、うーん、どうせ打つならねえ、
人間に打ちたいけどねえ、私に針を打たせてくれる人間ってのはそうはいないんだよね、
誰かいない、あそうだ太鼓持ちの一髪ねえ、
あいつは若男のための命はいらないって普段からそう言ってるから、
よし、あたしの患者さん第1号は一発に決めた。決められた方は災難でございましてね。
おかみこんちは。あら、わが旦那。こんち昼遊びですか。あの、早巻で一発呼んできておくれ。
あら、一発あんお。あの、お部屋のほう、いつものところ。分かってる。あの、とにかく早巻で。分かりました。
ちょいと誰がいないかい。あの、一発は呼んできておくれ。あのね、鍵盤にいる友が。
どうも、太鼓持ちの一発ただいま。参上。どうしました、おみっちゃん。
03:02
え、お部屋行ってお経験をすましてきれいになっちゃった。え、お部屋行ったけどお経験をすましてないの。
え、すっぴんでべっぴんだ。これだから男はだまっちゃいない。ほんとにきれいだからね。
あ、おかみどうもこんちは。この間ね、見てたの知らないでしょ。芝居具屋で後ろから見てたんですよ。
隣にいた。え、あの旦那いい男でしたね。にがみ目知ったいい男って愛人のこと言うんですよ。
これだからおかみは隅におけない。ほんときれいだからね。
え、おや、みけ。お前けなみがいいね。猫にまでよいしょすることないんだよ、この人は。
え、あの日本橋の若旦那、2階でお待ちかね。え、日本橋の若旦那、あの人、あの人って最近ずいぶんとお世話になってんじゃないのかい。
いや、世話にはなってます。あの人ね、あの衆議をきらないんですよ。
この間もそうですよ。四五軒つれまわされて、もう勘弁しておだないといいからもう一軒つきあいって言われてね。
大きなさかずきになみなみと酒をつがれて、さあ飲めって言われて。
冗談言っちゃいけませんよ。こっちはね、体は資本ですから勘弁しておだないと言ったら、よし、じゃあお前が飲めるようにしてやろうって言って財布からね、
小粒でしたけど山吹き色、こいつをチャラチャラチャラチャラっとそのさかずきの中に入れたんですよ。
飲み干したらみんなお前にやるぞとそう言われて、これも仕事ですから、じゃあいただきます。
グッグッグッグッとこいつをあおりました。じゃあこの山吹き色ちょうだいします。
手にとってみるとこれが旅の小風だったんですよ、あなた。
いいですか。あの人は世間のみなさんが額に汗して働いてる中、
自分の部屋に閉じこもって、そんなことをせんがために旅から小風を剥ぎ取って集めてるってそういう人ですよ。
どう思います、そういう人。しょうがないだろう、もうお客さんなんだから。
あのいつもの部屋で待ってらっしゃるから仕事なんだから行っといでよ。
わかりました。行ってきますよ。いつものお部屋。はいはい、2階のね、トントントントンと。
はい、どうも。若旦那。お待ちかね。太鼓持ちの一般人ただいま、参上。
おお、来た来た来た来た。さあ、中へ入って。
え、中へ入ったら後ろをピタッと閉めるんだ。ピタッと閉めるとそう言ってんだよ。
なんでこんだけ開けてんだよ。なんか嫌な予感がするもんですからね。いつでも脱出できるように。
何が脱出だよ。いや実はね、あのこうやってお前に来てもらったのは他じゃないんだ。
相談があってね。ちょっと冗談じゃないですよ。相談なんて水臭いこと言っちゃダメですよ、若旦那。
え、こっちは若旦那のために命はいらないんですからね。
嬉しい言葉だね。いや別に命までもらおうってんじゃないんだがね。
実は私ね、針に凝ったんだよ。え、針?え、というとお裁縫かなんかを?
いやそっちの針じゃないんだよ。体に打つ針。
へえ、さすが若旦那。目のつけどころが違う。
あ、そうですか。そりゃいいですね。え、じゃこの綺麗どころをずらり並べといて。
お前たちどっか体の悪いとこないか。私ね肩こりがひどいんですよ。
私ね腰が重いんです。じゃ先生ひとつお願いします。
トントンキュートントンキュートントンキュートンと針を打って。
あら、若旦那ずいぶん楽になっちゃった。
私もそうです。ほんとに命の恩事嬉しいわ。
ペロペロペロってほっぺたのひとつも舐められようと思ってこのすけ目が。
ま、よく一人でそれだけ妄想できるねお前は。
そうじゃないよ。え、あの、その女は来ないの。
ん、綺麗どころ来ない。え、あ、そうお前と差しなんだから。
あ、嬉しいね。差しですか。
芸人妙輪につきはだいたいねご夫人がお目当てというお客様が多い中を。
06:03
え、芸人妙輪につきますよ。あ、そうですか。嬉しいな。
え、針でしょ。ねえ、いや実を言うとね、あの四重肩、右肩が上がらないの。
で、踊りが踊れないなって思ってたとこなんです。
で、若旦那どこが悪いんです。いや俺は悪いとこがないんだよ。
え、いや俺は悪いとこがないんだよ。
いやだって針の先生を呼ぶんでしょ。
いやだからさ、お前日本語わかってるのが差しだよ。
え、差しってのは何?二人っきり。
そうだろ。お前四重肩なんだろ右肩。そうですよ。
で、若旦那は悪いとこないんだよ。
え、どういうこと?いやどういうことじゃないよ。
ねえ、お前は右肩が上がらない。患者さん。何もない。私は先生ってことだ。
冗談じゃないです。勘弁してないよ。
先生、あんたね、何言ってるんですか。
針ってのはね、東洋の医学、医学、医術。ねえ、勉強しないと。
勉強したんだよ。
これはね、もう人生でこんなに勉強したかっていう。
どうやって勉強した?この本でもって勉強した。
本?ちょっとこっちに貸してくださいよ。
鈴木健次長、菊針のすすめ。これ何ですかこれ。
随分菊針らしいけどね。
いや、これ菊針と菊針って全然日本語違うでしょ、それ。
勘弁してくださいよ。もう冗談言っちゃいけませんよ。
お前、命はいらないとそう言ったろ。
いや、それ、命はいらないんですけど、実はね、あの、何ですよ、あの、
針だけはね、打っちゃいけないって親父の言い言。
ちょっと待てよ。お前親父生きてんだろ。
いや、生前造詣ってやつですか。全然意味が違うよ、それ。
打たさない、打た、打た、打たさないわけじゃないんですけど、
お前右肩が上がらないって困ってんだろ、四重肩。
え?四重肩?あら?どういうこと?
うん、奇跡が起きた。上がっちゃう、上がっちゃう。
おいおいおいおいおい。もう治った。
治っちゃったですから、もう大丈夫です。
だから嫌なんだよ、芸人はな。
いいか?お前ばかりが芸人じゃないんだ。
うん、針一本につきな。
羽織一枚と合集木と、いや、いくらも打たせる芸人、他に知ってんだよ。
いいよ、じゃあよそいって言って、ちょっと待って待って待って待って。
今何つった?
針一本につき羽織一枚と合集木、確かに我が旦那そうおっしゃった。
間違いないですか?間違いないよ。
あれ?どういうことだろう。
四重肩が再発。
おかしいな、これ。上がらなくなっちゃう。
どっかに名医はいない。
あれ?ひょっとしてそこにいるのは針の名医?
臭いやろうだね、この野郎は。
まあでもそういうの好きなんだ。いかにも名医ですよ。
一つね、針を打ってもらいたいんですよ。
あの、四重肩でね、右肩が上がらないんだよ。
あ、そうですか。それはお困りですね。
えー、じゃあ、四重肩、右肩が上がらないということは、
まず手始めに、左目から行きましょう。
勘弁してください、あんた。
左目はいけませんよ、あんた。
えー、せめてあの、左のかかと。
いや、かかとはだめだ。充実感ないから。
何その充実感てな。
じゃあ、こうしよう。目とかかとの間を取ろう。
間って言いますと、うーん、お腹。
お腹?
お腹、大事なものがいっぱい入っているんですけどね。
えー、いいよ。じゃあ、分け言ってね。
09:01
羽織を一枚と、それから五重筋、針一本につきな。
あー、よそ言って。ちょっと待ってくださいよ。
よそは行かれるじゃないの。
お腹ですか?どうしても打ちたいの?お腹に。
わかりましたよ。じゃあ、お腹は打っていいんですけど。
横になるでしょ。お腹はここ横になるでしょ。
で、いきなりね、このお腹に、こう、針を縦にブツッと刺すのはやめてください。
お腹に大事なものがいっぱい入っているんで。
まずこの、横になったらお腹の皮をつまんでください。
お腹の皮をつまんどいて、で、針は横から。
皮の方をズグッと行く感じで、皮つまみの横打ちという。
それでお願いします。
分かったよ。いいから早く脱ぎなよ、羽織。
分かりました。脱いでね。
だいたい、夕べの夢見が良くなかったんだよね。
なんかあるんじゃないかと思って。やな夢だったよな。
秋田県知事が涙流しながらジャコテン食ってたから、なんかあると思ってたんだよな。
まあいいから、横になって横になりますよ。早く言ってくださいよ。
え?お?うまいね。針がツッと入って、ツッと抜けた。
え?まだやってない。お願いしますよ、本当に。
え?じゃあ、ちょっと待って。皮つまみの横打ちって約束でしょ。
皮はつまんでますけどね。横じゃないから、それ。
皮はつまんでるけど、縦でしょ、針。
縦はダメだって言って。
動くな、馬鹿野郎。動くから見ろ。
針が折れた。針が折れた。ちょうだいって言っちゃいけない。
大丈夫、大丈夫。今ね、お迎え針というのを打ちます。
ちゃんと迎えてください、あんた。送っちゃ嫌ですよ。
そこ違うって、違うって。そこさっきのとこじゃない。お迎えできない。
痛い痛い痛い。動くなって言ったろ、馬鹿野郎。動くから見ろ。
また折れた。また折れた。あんたじゃ知らない。
ちょっと、馬鹿野郎。馬鹿野郎。
どうしたんだよ、一発の馬鹿野郎。ケッスをかいて出て。
あら、お腹真っ赤っかになっちゃってるじゃない。
どうしたの。どうしたもこうしたもありません。
お神、馬鹿野郎が針こったってからね。
針打たしたらこんなことになっちゃって、血だらけ。
血だらけじゃないよ、ほんとに。
でもね、お前さん、ここらじゃチッター鳴らした太鼓なんだから。
いくらかには鳴ったのかい。
いえ、皮が破れて鳴りませんでした。
ということでございました。
まあ、明日は、今日夜、FFGホール。
明日はJR九州ホールで生でやりますので、よかったらお越しください。
落語家の立川翔子です。
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