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2022-10-10 47:04

第96回 大人だからわかるサリンジャー「彼女の思い出/逆さまの森」J・D・サリンジャー 著

【今回の紹介本】

■『彼女の思い出/逆さまの森』J・D・サリンジャー著 金原瑞人訳 新潮社

これが最後の「9つの物語(ナイン・ストーリーズ)」!

サリンジャーを読んだことがある人も、読んだことがない人も

是非とも知って欲しい

爽やかで、切なくもある、

サリンジャーが20代で書いた初期短編集「彼女の思い出/逆さまの森」をご紹介します。

是非お聞きください!

【番組内で紹介したトピック】

■『彼女の思い出/逆さまの森』J・D・サリンジャー著 金原瑞人訳 新潮社

https://www.shinchosha.co.jp/book/591008/


【文学ラジオ空飛び猫たちを初めて聞く人向けのnote記事】

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#本 #小説 #読書 #読書会 #文学 #海外文学 #ブック

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文学ラジオ空飛び猫たち。これが最後の9ストーリー。
サリンジャーを読んだことがある人も、読んだことがない人も、ぜひとも知ってほしい、
爽やかで切なくもある、サリンジャーが20代で書いた初期短編集
彼女の思い出、逆さまの森をご紹介します。 どうも皆さんこんにちは、文学ラジオ空飛び猫たちです。
この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、
文学と猫が好きな2人がゆるーくトークするラジオ番組です。 お相手は、私小説が好きの会のダイチと、
羊を巡るカフェのミエの2人でお送りします。 文学のプロダイナー2人ですが、東京と京都をつないで、お互いに好きな作品をそれぞれの視点で紹介していく番組です。
番組概要欄に詳細情報を記載しているので、初めてお聞きになる方など、そちらを見ていただけるとありがたいです。
今回紹介するのは、J.D.サリンジャー長の彼女の思い出、逆さまの森になります。
金原瑞彦さん役で、新庁舎から2022年7月に出版された本になりまして、
サリンジャーというよく知られた作家をラジオでは初めて紹介するんですけども、実は僕、サリンジャーを読むのは今回が初めてでした。
やはり代表作のキャッチャー・イン・ザ・ライが青春の作家のイメージが強くあって、その20代の青春時代にサリンジャーを読めなかったので、
ずっと読むタイミングを逃して、今まで来たんですけども、ちょっと今回ですね、ようやく初めて読みましたという感じですね。
私はキャッチャー・イン・ザ・ライは読んでますし、あとナイン・ストーリーズは読んでますね。サリンジャーは。
これも多分20代か10代終わりか20代前半で読んでます。なんですけど、結構サリンジャーってファンが多い印象があって、
サリンジャー好きっていうのはね、結構多分前作品読んでいて、出来合いしているような印象があるので、正直今回サリンジャーやりましょうみたいな話になった時、結構ビビってましたね。
マジかって思いながら実はサリンジャーかと思って、ちょっとビビってました。で、なんかやっぱり時間も今は30代になってしまって、
自分の中の若々しさみたいな、サリンジャーが表現している若々しさからはちょっと遠ざかってしまったんじゃないかなと思っていたんですけど、今回読んでみて
めっちゃいいなぁと思って。何がいいかというと、この30代に入ってから読むサリンジャーっていうのがこんなにも刺さるものなんだっていうのはちょっと思わなかったので、
結構ですね、今回この短編集読んでだいぶいろんなところが刺さって、文体とか表現とか語られていることとかがですね、
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なんかこうフレッシュというか、なんかもうちょっと異様があるんですけど、まあ端的に言っちゃうとフレッシュで、なんかこうちょっと若返ったような気持ちに、この10代の終わりぐらいの気持ちを取り戻したような
感覚になれて、ちょっとですね、良かったなーって思ってますね、サリンジャー。 そうですね、僕、あの今回サリンジャーの作品なんで読むかなって思ったのがですね、
一つがあの翻訳、金原水人さんがやってるので、僕の中のもう勝手なイメージですけど、金原さんの翻訳ってすごい読みやすくてですね、
式が全然ないというかですね、初めて読む人にもわかりやすく書いてくれているなって、すごい親切な翻訳のイメージがあってですね、
サリンジャー、今までちょっと読めてこなかったんですけど、入門書として実はこれはすごくいいんじゃないかなと思ってですね、
そこで今回読んでみようと思いまして、本当すごいフレッシュで、すごい良かったですね、
なんか思った以上に独特さというか読みにくさみたいなものってなくてですね、すごい良い短編集読めたなーっていうのがまず第一印象でしたね。
確かにこれ名作だなと思いますね、個人的にはもうキャッチャーインザラインをもう一回読み返したくなるぐらい良かったんで、
サリンジャー、ちょっとハマっちゃいそうだなって、この年になって思ってます。
僕もそうです、ほんと他の作品がね、これで読みたくなりましたね。
じゃあそんな誰もが知っているサリンジャーなんですが、一応著者について少し話させていただきたいと思います。
えっとですね、1919年1月1日ニューヨーク市で生まれています。
これちょっと本当かなっていう1月1日っていうところなんですけど、
2019年が生誕100周年だったのかな?ちょっと一時期盛り上がってましたね。
映画が作られたりとかしてて盛り上がってます。盛り上がったの覚えてます。
経歴はですね、作家としては1940年に短編、若者たちでデビューしまして、その後戦争、
42年には陸軍に入隊して、44年にはノルマンディ上陸作戦に参加なんかしたりして、戦争をちょっと経験しています。
その間もですね、多くの短編を執筆しました。基本的なサリンジャーは短編を書く作家です。
1951年に長編小説、キャッチャー・イン・ザ・ライが発売になり、これがですね、世界中大ベストセラーとなりました。
2022年7月現在までに全世界で6500万部を超えるベストセラーとなっているという、とんでもない作品ですね。
誰もが名前を知っている作品なので。1953年のナインストーリーズを完工した後に、ニューハンプシャーのコーディシュ化に院頭しました。
その後はですね、作品はいくつか書いてはいるんですけれども、最後に書いたのが65年かなの発表最後に、
2010年1月27日、91歳にして浪水により死去しております。人生の最後の方は作品を発表せずに過ごしていた、ニューハンプシャー州で過ごしていたという形ですね。
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この経歴をたどると、1965年に発表したのを最後に沈黙を続けていたとあってですね。
40代半ばでも表舞台からは消えているというか、小説は発表していなかったというのがすごいね。
うん、なんだろうね。いろいろ考えさせられますよね。
ちょっとこの後で話すけど、サリンジャーの作品の根幹って、イノセンスみたいな部分があるから、それが表現できなくなったとかあるのかな?
ちょっとわからないけどね、もうサリンジャーの専門家ではないので、ここは結構触れるとヤベヘビになっちゃうからあれなんだけど、まあそういう人でしたね。
ではここから作品紹介をしようと思います。あらすじをウェブサイトから引用します。
若い頃の留学先のウィーンを終戦後に裁判した男が行方を探す美少女、謎の女とともに行方不明になった天才詩人、少年が見てしまった異劇の黒人ジャズ歌手
グラース家の物語の無垢、そしてライム木畑で捕まえての異義申し立て、サリンジャーが高年描いたエッセンスを備えながら本国では出版されることのない幻の短編集となっています。
で、この本のキャッチコピーですね、本の帯に書かれている言葉がすごい魅力的だったんですけども、それが今なお話題のサリンジャーのきらめく才能、これが最後のナインストーリーズ、九つの物語と書いてナインストーリーズと。
ね、これが最後のナインストーリーズってちょっともうかっこよすぎるよね。
いやそうなんですよ、この本の想定もオシャレなんですよ、この帯の言葉もすごい良くて、見た目も良いっていうね、この本ですけど。
で、この本についてはさっきもね、述べたように9本の短編が収録されているというのと、あとサリンジャーが20代で書いた初期の作品が収録されているという特徴があります。
これはアメリカでは出版されてないんですよね。
そうみたいですね。雑誌掲載されただけ、単行本でまとまった形で出版されている作品たちではないという形ですね。
なのでこれは2本オリジナルの短編集になっているようですね。
私も詳しくないんですけど、サリンジャーはですね、結構この自分の作品の管理とか流通、読者との接し方みたいなのを非常に気を付けていたというか、そこを気にしていた作家さんらしくて。
だからおそらくサリンジャーが認めなかったから、これは単行本に入らなかったという作品になっているはずです。
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なので日本だからできたっていうのは間違いないと思うんですけど、日本のルールがどうなっているのか、それは正直ちょっとよくわかんないんですけど、これは本国では単行本としては収録されなかった、出回らなかった作品になってますね。
すごい名作が何個もあったんで、これもったいないですよね。本国でこれが本として読めないのか。逆に日本でこうやって読めるっていうのはすごいありがたいことだなと思いましたけど。
気難しいまでいかないかもしれないけど、やっぱりちょっと変わった人だったんじゃないかなと思いますね。この辺りの感覚は。こだわりがあったんでしょうね。
ではここからですね、作品のまず全体的な魅力を話していきたいなと思います。ちょっと3つあるんですけども、その中の1つ目がこの短編集を通じてですけども、爽やかさと切なさがどちらも感じれる作品集なのかなと思いました。
ここが非常に魅力的で、サリンジャーが20代で描いたというのもあると思うんですけども、その作品が結構わかりやすいものが多いなというのと、本当に青春を感じる爽やかな作品が多いのと、それと同時に戦争とか死とかですね、人の喪失に関わる要素も含まれていて、すごく切なさも含まれているですね。
そういうちょっと決してわかりやすいんですけど単純でもない、ただ爽やかさと切なさがある、すごく良さがあるなと思いましたね。
そうですね、ここはおそらく端的に言うとあのイノセンスの部分なんですけど、イノセンスって言葉でまとめちゃうとなんか結構ぼやっとしちゃうんで、なかなか日本語に落とし込むのは難しいんですけど、やっぱこの10代とか20代初めの時に持っているこの、
あまりこういろんなものにまだまみれてない、まっすぐな気持ちっていうか、自分に対して嘘がつけない感じとか、ごまかせない感じとか、そういうイノセンスみたいなのが結構詰まっているなと思っていて、サリンジャの作品に共通することなんですけど。
やがて大人になると失っていってしまうだろう、その感覚っていうものをやっぱりサリンジャの作品の中には閉じ込められていて、息づいていて、それを読むとこの爽やかさとか切なさとかを感じるんですよね。結構読んでると私はニヤニヤしちゃうことが多くて。
大人になって若いな、みたいなことをちょっと感じる部分もあって、特に今回読み出して一番最初に彼女の思い出という、表題作にもなってる作品ですけど、これが一番最初に入ってて、それが結構このイノセンスがすごく出てて、表現とか文章とかですね、すごく若い感じっていうのがすごくよく出てて、読んでるとニヤニヤしちゃいます。
これもちょっと切ない話なんですけど最後。でも前半部分は結構女の子との出会いとか、女の子とどう姿勢していくかみたいな部分がちょっとあって、そこは本当にすごい良いなと思って、こういう部分はやっぱりサリンジャ読んでると良いなって思う部分ですね。
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そうですね。実はですね、ちょっと魅力の2つ目もですね、今のイノセンスとすごく絡んでくる要素なんですけども、人物も魅力的というのがやっぱり感じましたね。
特に出てくる人物が10代や20代の若い人たちが主役として出てくることが多いんですけども、でもちょっと変わった人が多いなと。特に僕読んでて思ったのは、短編集の中でもヒロインの女の子が結構天然な子が出てくる率は高いんじゃないかなと思ってですね。
例えば俺の軍曹という、ではホアニータという女の子が出てくるって言ってもね、最初と最後にちょっと出てくる程度なんですけど、すごい戦争映画大好きで、その主人公と付き合ってるんですけども、戦争映画ばっかり見せられるっていうですね、ちょっと変わった女の子で。
その女の子が、そんな子がいるからその物語が生まれるというかですね、思い出話をする羽目になるとかですね。あとはブルーメロディという短編集のペギーとか逆さまの森のコリーンとかですね、すごい魅力的なんですけどちょっと変わったタイプの女の子で、読んでるとすごい可愛らしいなと思うんですけども。
そういうヒロインもそうだし、あとちょっと思ったのは、ちょっと天才肌の人物っていうのもちょくちょく出てくるなと。それは例えば詩人が、そうですね、これもビリオニ兄弟という作品だと、ジョーという本当天才肌の人が、それは作詞家で成功するんですけど、でも本当は小説とか詩とかですね、そっちの方を書いて欲しいと思われるような人物で。
逆さまの森という作品ではレイモンドフォードという天才詩人が出てくるんですけども、こういう詩人もなんかちょっとね、やっぱ変わってるというかですね、見てるとちょっと危うい感じのする人物なんですけど、またすごく魅力的で。
で、あとあれですね、ちょっとその戦争にまつわる話というのもやっぱりたくさんあってですね、その中で軍人が出てくるんですけども、軍人の中にも生きな人を描いてるっていうのもちょっと人物の特徴の一つかなとは思いましたね。
なんか私感じたのは結構あれですね、ヒロインは天然な子なのかもしれないですけど、男はバカですね。バカな奴が結構出てきますね。
特に語り手の男の子ですよね。 うん、とか、まあこいつ頭大丈夫かなみたいな男の子がたまに出てきますけど、なんだろうな、そういうちょっと愚かしさみたいなのを持っている、ユーモアを交えて描いてるんですけど、そういう人物が確かに多かったりしますね。
ストーリー紹介のところで触れると思うんですけど、この天才肌の人たちの言動とかセリフが結構かっこいいんで、そのあたりもちょっと後で話したいなと思います。で、普通の人はほぼ出てこないので、やっぱり変わった人たち多いなーっていうんで、ちょっと現実感が薄い感じもあるけれども、
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ただ視点となっている人は結構共感できるような人が多くいるので、なんかそういう意味では結構バランスが取れてるのかなーみたいな感じがしますね。ただちょっと2人の問題の視点のビリーっていう旦那さんは結構ちょっとやばい奴なんですけど。
まあでもそういうのも楽しめる作品集でしたね。魅力の最後なんですけど、ちょっとお話ししたいのは文体ですね。文体がやっぱりサリンジャー素晴らしいなと思います。
キャッチャー・イン・ザ・ライとか他の作品にも共通することなんですけど、語りかけてくるような文体がすごく良くて、これがやっぱり読んでると語り手と読者が2人で話してるような感覚に陥っていて、これがこの物語たちにぐっと読者を引き込んでくれるポイントなんだろうなと思います。
これは多分サリンジャーの、全部読んでるわけじゃないんですけど、大きな特徴なんだろうな。作家としての大きな特徴なんだろうなと思います。
そしてですね、これやっぱり今回金原三人さんの役で読んでますが、これを表現する役は素晴らしいですね。うまいなと思います。
これってやっぱり日本語にどう落とし込めるかって必ず必要な部分になってくるので、やっぱりすごかったなと思いますね。
そうですよね。この語りかけてくるような文体ってすごいなんか読んでて、心地いいし、しかもそれがね、やっぱりユームは交えて書かれてるんで、やっぱすごい面白いんですよね、読んでて。
そこ確かにすごい僕もね、今回サリンジャーすごく好きになったところの一つは、そこの語りの良さがありますね。
例えばですけども、ちょっとひとつですね、逆さまの森という作品からちょっとこれを例としてあげようと思うんですけども、
その作品では一人称なんですけど、この語り手は物語の主人公というよりかはその友人が俯瞰して描いてるんですけども、結構それがね、ユームはたっぷりに語られていて、文章がリズミカルで。
例えばですね、これがこの物語の主人公の女の子を紹介している時なんですけど、17歳の時、コリーンは低いヒールの靴を履いても180センチ以上あった。
フットボール状を図る審判のような歩き方をした。真ん前まで行かないと美人だということがわからなかった。実際長い足はとても面白い形をしていた。
いや、足だけではなく他の部分も全てそうだったというのがあって。
で、ここからですね、髪の毛の話とかですね、もう結構何行か語られたり、鼻の形が語られたりとか、唇とかですね。
女の子の描写一つとってもですね、すごく面白く説明がされていて、ちょっとした人物紹介の部分なんですけど、そこを切り取ってもね、やっぱりすごいリズミカルに面白く書かれてるなというのが感じました。
それがね、ほんと全編にわたってあふれてるなというのは思いましたね。
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じゃあちょっと具体的に話していきたいと思います。で、今回ですね短編集9個あって、もちろん全部紹介するのは時間の都合上難しいので、この中でも割と長めの2本をお話ししたいと思います。
1本目はBlue Melodyという短編と、もう1本が逆さまの森、まあ表題作になってますね。そちらをちょっとご紹介していきたいと思っております。
じゃあまずBlue Melodyの方から、私の方からちょっとストーリーを紹介したいと思います。
語り手はですね、戦時中で軍隊で一緒だったラダホードというタイの昔話を聞く形で始まります。
このラダホードという人物の話がメインになってきますというか、もうラダホードが主人公みたいな感じになってきますね。
ラダホードはテネシー州生まれで、近くにメンフィスというアフリカ系アメリカ人が多く住む都市がありました。
音楽が盛んな街であって、高校生の頃ですね、ラダホードは同級生の女の子、ペギーという子を行きつけのブラックチャールズという黒人がやってる店に誘っていきます。
チャールズの店はハンバーガー屋さんなんですけれども、彼はピアノを演奏していて、その演奏を目的に人が集まっていました。
ペギーもこの店の常連になります。
ある時、ラダホードとペギーの2人はチャールズの妹リダルイーズという人物が来ていて、その彼女の歌声に魅了されます。
リダルイーズは定期的にこのお店で歌うようになり、歌手として注目され成功して街を離れ、すぐに誰もが知る存在になるが、ちょっといろんなことがあってこの街にまた戻ってきます。
高校卒業が迫り、ラダホードがキシグ学校に入る前日のこと、チャールズとリダルイーズと彼女の母親とペギーでキャンプに行くことにしました。
するとキャンプの最中、リダルイーズがもうちょっとおまわる症状が出て急に倒れ、ラダホードとペギーはもういろいろな病院に連れて行くが、その病院を黒人は見ないという方針の病院で見てもらうことができませんでした。
確実に黒人が見てもらえるだろうと思うメンフィスの病院に向かって走っていく途中に、車で走っていく途中にリダルイーズはその車の中で亡くなってしまいます。
時は流れて15年後、1942年、ラダホードは偶然ホテルでペギーと再会します。
ペギーは一昨日いましたが、ラダホードにリダルイーズの曲を聴きたいので、センチメンタルペギーのレコードを聴きたいから、持っているなら聴かせて欲しいということでお願いします。
ラダホードは持っているので、次の日ホテルに電話するよと約束をするのですが、ラダホードは結局電話はしなかったというところで物語は閉じます。
何ですかね、結構切ない伝え話の話ですね。
これ実際読んでみるとね、また印象というかね、これ結構やっぱね、すごい切ない話で、これ読み終わった後もう一回最初のね、ラダホードと語り手が出会う場面というか、昔話を聞かされる場面を読むと、よりなんかね、切なさが増してくるかなと思うんですけども、
やっぱりこのラダホードとペギーの高校の青春時代ですよね、ブラック・チャールズの店で、結構二人ともやんちゃだったというかですね、すごいノリが良くて、
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ブラック・チャールズが昼間は昼寝をしていて、二人は高校生なんで、夜で歩くのはもうダメと言われていて、昼間しか店に行きなかったんですけど、昼間チャールズは叩き起こしてピアノ演奏してくれというですね、
そういうところとか、すごい高校生の悪ノリみたいな感じでやってたりして、すごい面白かったんですけども、そこがあってすごい友達のような関係になっていくんですけど、
やっぱりチャールズの妹のリーダー・ルイーズが病気で倒れた時に、病院で黒人が見てもらえなかったというところで、チャールズとかペギーが叫んで、
本当に世の中に抗議をするような叫びを上げたりするんですけど、そういうところがあったりとかですね、僕の中ではこれはすごい名作として残りましたね。
そうですね、すごい名作だなと思いました。なんかやっぱり子供の時に経験したというかね、そういう記憶みたいのが、多分この黒人のリーダー・ルイーズを助けられなかったという記憶が、
ラドフォードの中に残って、その前にやっぱりなぜこのリーダー・ルイーズと出会って、リーダー・ルイーズに惹かれていたか、リーダー・ルイーズの何が好きになっていたかとか、そういうのもちゃんと語られた上で、
助けられなかった経験っていうのが描かれて、結局それを共有していらずのペギーとも離れちゃっていて、しばらくぶりに再会するけれども、それをどうしていいかわからないみたいな感情も描かれていて、
この置き場がなくなっている感情を描くのがめっちゃ上手いなと、この話を読んで思って、だいぶラスト迫ってきましたね。
そうですね。最後もやっぱりこの、ラドフォードはやっぱりどこかのタイミングでも大人になったのかなと思っていて、それはイノセンスを失ってしまったのかもしれない。
で、ペギーはもうおそらくですね、それがずっと残ったまま、ペギーがやっぱり15年後、ラドフォードと再会した時の会話の様子とか見ていても、本当に高校生の頃と変わりがない様子で、
この辺のね、高校生の頃はペギーとラドフォードって仲良くできたので、大人になったらもうそれができないっていうところとか、やっぱりね、ちょっと悲しさはありましたね。
そうですよね。このね、ペギーが旦那を気にせずラドフォードにめっちゃ話しかけまくるところが、すごいね、ペギーのイノセンスが生きてる感じがすごいしましたね。
そうですね。で、夫はね、その対比がやっぱりラスト際立つところでもあるんで、面白かったなと思いますね。
あと僕がこの作中で好きだった場面としては、やっぱり一番最初にラドフォードが高校の教室でペギーを誘うところをですね、
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1年以上同じクラスだったんですけど、最初はラドフォードとペギーのこと全然印象残ってなかったんですけど、
ある時ペギーがですね、チューインガムを自分の喉の下のくぼみに貼り付けて、顎を引くような動きをしてたんですけど、
ラドフォードが偶然それが目に入って、なんかかっこいいと思ったんですよね。
で、ペギーに声をかけて、あのさ、いつもそこにガムを挟むのって、どういう状況だって思うんですけども、
最初のきっかけとかシーンとしては印象的で、すごくこういうのもちょっと青春なのかと思いながら読んでて、
でも好きなシーンでしたね。
ではですね、ちょっと次の2つ目の作品を紹介しようと思います。
で、次は逆さまの森という作品で、この短編集の中で一番最後に収録されているんですけども、
結構ボリュームがあって、確か100ページ近くあったと思います。
まあ中編小説ぐらいのボリュームかなと思います。
これがですね、どんな話かというと、天才詩人と結婚した女性の繁盛が描かれているというですね、
そういう話で、主人公はコリーンという女性になります。
彼女はニューヨーク州ロングアイランドに住む裕福な家の女の子なんですけども、
お父さんがドイツ人でドイツ系アメリカ人です。
小説の始まりとしてはコリーンが11歳の誕生日パーティーを迎えるところから始まって、
当時コリーンは転校生のレイモンド・フォードという男の子が好きでした。
ただこのフォード少年というのは全然冴えなくて、どっちかというと周りからは馬鹿にされるような存在ではありました。
で、誕生日に、誕生日パーティーにその当のフォード少年が来なかったというので、
ちょっとコリーンは秘書と一緒にフォードの家に迎えに行くんですけど、
そこでフォードと彼のお母さんに会って、ちょっと家庭の貧しさとかですね、
ちょっと家庭のちょっと大変な状況とかを知るようになります。
そこからちょっと時代が過ぎ去って、コリーンは大人になります。
ちょっと大人になる前はどういうことがあったかというと、
まず17歳で名門女子大学に進学して、大学卒業してからはヨーロッパに渡って3年過ごして、
コリーンにも恋人ができたりするんですけど、結局ニューヨークに戻ってきます。
元々裕福な人なのでニューヨークの高級マンシャに住むという暮らしをしつつ、
友達の捨てで雑誌の編集者になります。
コリーンが結構仕事ができる人間でキャリアを築いていくんですけど、
天気が30歳の誕生日の時ですね、コリーンは出版社の同僚である友人から婚約指輪と刺繍をプレゼントされるんですけども、
まず婚約指輪の方は受け取り拒否をします。結婚を拒ぶと。
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しかもその2人特に付き合ってたとかそういうわけではないんですけど、婚約指輪を落とされて拒否すると。
もう一つの刺繍ですね。この刺繍が後の人生を大きく変えることになります。
その刺繍を書いたのがレイ・フォードという詩人でした。
コリーンはレイ・フォードという名前が昔好きだった男の子レイ・モンド・フォードと名前が近いのと、
しかも本に書いてある年齢も自分と同い年ということで、これは彼に違いないと思ってレイ・フォードが勤めるコロンビア大学に電話をかけます。
そこで電話先で話すんですけども、もう紛れもなく相手はレイ・モンド・フォードでした。
レイ・モンド・フォードは当時ですね、天才詩人としてアメリカで脚光を浴びるようなそういう立場にいて、コロンビア大学で教えていました。
コリーンはそのレイ・モンド・フォードとランチで会う約束になって、何年ぶりかな、もう十何年、20年近くぶりだと思うんですけど、再会してこれまでのことを話し合うようになります。
レイ・モンド・フォードっていうのは子供の頃まともに学校に通える状況ではなかったんですけど、どうやって詩人になっていったかとかですね、そういうのをコリーンに語ったりします。
コリーンがフォードと審判に会うようになって、2人は結婚します。
コリーンはずっと好きだったフォードと一緒に、ようやく一緒に慣れて、ここから幸せな結婚生活が始まるのかなと思いきや、順風満帆にはいかなかったというのがこの小説で、
ここまでがちょうど半分ぐらいで、ここから残り半分が描かれるんですけども、この後小説まだまだ続くんですけど、ただフォードとコリーンの人生は思いもしない方向に進んでいくというのがこの小説の話ですね。
なるほど。ここで止めるわけですね。
そうですね。ここから先は最後まで語ると、もしかすると思うと思っている人が面白さが半減するかもしれないなと思って、ここまででも十分に面白い話ではあるかなと思うので。
この話は、やっぱりこの詩人フォードの天才ぶりがすごい光ってる話で、結構こだわりというか、ここを大切にしてるんだなみたいなポイントが結構出てくるんですけど、これはもしかしたらサリンジャー自身が大切にしてるポイントなのかもしれないなとかちょっと思ったりもしますね。
僕はこの、やっぱりフォードすごい良いキャラクターなんですけども、まず最初あれですね、詩人になるまでの過程が語られるくだりがあるんですけど、そこがすごく面白くてですね。
このフォード、そもそも学校行けるような環境じゃなかったんですけども、10代の中間かな?から駆け屋っていうギャンブルしてるところで働いて、そこでお金貯めて、夜はギャンブル場で働いて、昼間は高校に行くっていうのを19歳から始めます。
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で、ある時ですね、そのドッグレースで大金を負けそうになってしまったマダムを助けて、そこからそのマダムにですね、お礼と言って毎晩手書きの詩をプレゼントされるんですよね。最初は、「それって何なの?」みたいな感じだったんですけど、ある時遊び半分でフォードがイエーツの詩ですね、イニスフリーの湖の詩というですね、その詩を暗記してたらですね、
もう突然その美しさが、詩の美しさというのが頭の中にやってきて、あそこからもうフォードが詩に取り憑かれてしまって、高校卒業してそのマダムの書斎に毎日通うようになって、まあマダムもフォードが気に入ってて、もう書斎自由に使っていってたんで。
フォードがもう2ヶ月の間も毎日18時間か19時間その書斎で過ごして、でその後は自分でも詩を書くようになって、で確かね22か3ぐらいかな、大学に進学して、で27で大学卒業して、30で詩人、30ぐらいで詩人になって、で恋人もいたことがないし、恋人いたことがないというか恋愛したことがないか、恋愛したことがないし酒も飲んだことがないというですね、
なんかこんな特殊な人間になってしまったという、まあでもねアメリカ一の詩人だという評価もされていて。
フォードが死に目覚めてからのめり込んでいく過程がいいですよね、こう目が悪くなっても本を読み続けるっていうところとか。
うんそうそうそう、こんな天才詩人どうやって生まれたんだっていうね、そこの過程がねやっぱ面白いですよね。
後半ちょっとこのフォードとコリンカの関係が変わっていっちゃって、でフォード、まあ元々持ってたのかな、わかんないけどフォードのこのね、なんていうのか、得体の知れなさみたいなのが結構出てくるというか、
まあどっちかっていうと前編に通してあったのかもしれないけど、なんだろうな、ただなんか優しいっぽいだけの詩人ではないし、
得体の知れない部分、もしかしたらこれはフォードが持っているイノセンスの部分かもしれないし、サリンジャーという作家が持っているイノセンスの部分なのかもしれないんですけど、結構これは自分はちょっと怖さみたいなのは少し最後読み終えた時には残りましたね。
そうですよね、なんかね、そのフォードの得体の知れなさっていうのがなんか一般的な感覚ではもう計り知ることできないものですよね。
説明がつかないというかね、そういう部分があって。
理解できないし説明つかないしっていう、その代わり本物の詩を書ける人物であるっていう。
これもあれだな、この9ストーリーズで言うとこのシーモアっていう、バナナフィッシュにうってつけの日か、シーモアがなぜ死んだのかみたいなと同じような得体の知れなさが感じる。
これね、読んでちょっと思ったのは、コリーンっていう女の子がすごい魅力的な人物なんですね。
コリーンの少女時代から結婚生活まで描いてるんですけども、やっぱ少女時代のコリーンはちょっとね、天然なところがあるっていうか変わってて、
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なんかフォード少年っていう変わった人を好きになるようなタイプの女の子なんで、なんか人とは違うところに注目が行ってしまうというか。
それもすごい純粋なことだと思うんですけども。
そのコリーンがすくすく育って、すごくね、魅力的な女性になっていってっていうね。
そこがあって、しかもフォードと再会して結婚までするっていうね。
そこがあるからやっぱり余計にね、このフォードという謎の多い人物とコリーンのその後の展開っていうのが、
なんか読んでるとね、やっぱりそれまでがすごいいい話だったんでね。
いやなんかすごいいろんな感情がね、なんか渦巻くようななんかね、小説でしたね。
この小説のいいとこって、この語り手が、コリーンの視点ではあるんですけど、語り手が別にいるっていうのは、
途中で明かされるんですけど、ここも結構良かったですね。
そうですね。このね、語り手がまた面白いんですよね、人物として。
じゃあ最後ちょっとテーマトークしたいと思います。
ちょっとサリンジャーなんで、イノセンスっていうのをテーマにしたくて、
イノセンスとはというのをちょっと出してみたんですけど、
ちょっとですね、やっぱり難しい部分は、語るのが難しい部分はあるかなとはちょっと思うんですが、
ちょっと話してみたいと思います。
サリンジャーが描いているイノセンスってやっぱり、
若さゆえというか、
10代のこの自意識が強くなってきて、
自分というものができてきたときに現れるイノセンスだと思うので、
まだこの社会に調整してない。
社会とか世間とかと調整する前の自分みたいなイメージが自分の中にはちょっとあって、
どうしてもそれって大人になっていくと擦り切れてしまうというか、失われてしまう部分ではあるなとは思って、
やっぱりこの本を読んだ時もそれをすごく感じました。
サリンジャーはきっとぐっと語ろうとすると、どうしてもビビってしまう自分がいるんだろう。
大きすぎて有名すぎて。
やっぱりサリンジャーはきっとそういうイノセンスを持ち続けることができた人というか、
自分の中になくても描くことができた作家なんだろうなと思うので、
やっぱりそこに強く惹かれるんだろうなと思いますね。
10代の時とか読むとね、多分ね、共感が強くてね、強烈に残るんだと思うよ。
そうですよね。このサリンジャーの作品は読んでた、思ったのは、
このイノセンスというものが、見方によってはちょっと変わった人間で、
社会では生きづらい人なのかもしれないけども、
かといってじゃあ本当に生きていけないかというと、
万が一そういう人でも楽しく生きていけるような、そういう社会もあったりして。
36:00
そうですね。どうなんだろうな。今、現代は生きやすいのかもね。
サリンジャーじゃなくて、トゥルマン・カポーティも多分イノセンスみたいなのをすごく持ってた作家だと思うんで、
今ってどうなんだろうな。この感じ持ってる作家っているのかな。
SNSが発達したったから擦り切れやすくなってる気がする。
客観的に自分を見るみたいなことが多くなった気がする。
そうですね。確かにこれが現実代みたいなものは、今の方がすぐに提供されやすいのかなと思いますし。
正直ちょっと盲目的に見ることができた時代だったのかもしれないし。
確かにブルーメロディーに出てくるペギーは、多分高校時代と30代になってからもそんなに人として変わってなかったなとは思うんですけども、
あれがまたちょっと違う、もうちょっとそうじゃない人物だったら、高校時代はペギーみたいでも、大学とか社会に入れるとやっぱりだんだん変わっていくのかなと。
それはブルーメロディーの男の子のラドフォートの方ですね。多分高校時代と大人になって変わってしまったとは思うんですけども。
なんでしょうね。何かを知ってしまったんでしょうね。何かに対面して失ってしまったんでしょうね、イノセンスを。
イノセンスを失わずに描けている作家さんって本当にいないのかな、今の現代。パッとこんなサリンジャーみたいな作家出てこないんだよな。カボーティーでもそんなに。
そうですね。イノセンスとはっていうのはちょっとずれてきちゃってるよね。
そうですね。一つが子供の頃ってみんな何でも純粋に物事を捉えて疑問を持つじゃないですか。
もうそれって3歳とか5歳とかの時、両親にこれは何あれは何とか、なんでこうなるのとか。
でもなんか、世の中って本当はそうやってわからないものだらけなんですけど、それを知ろうとすることって大人になるにつれてもなくなってくるのが人って多いのかなと思っていてですね。
もしかすると、自分の無邪気な感覚とか、無邪気なままでもいられないっていうのがあるのか。
まず無邪気さよりかは、もっと手前に社会があって、社会から見た自分っていう理性ですよね。
理性が働いて、その社会に適合した自分を作ろうとするというか。
その無邪気な自分っていうのが本来いると思うんですけど、そこが現れる隙間がないというか。
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なんとなくなんですけど、ちょっとすごい微妙な話をすると、ちょっと今私が勤めてる会社結構小さい会社なんであれなんですけど、全職の会社とかはそんなに大きな組織ではなかったんですけど、
新入社員って毎年10人から20人くらい入ってくるんですよ。やっぱ最初入った時のこの何でしょうね、結構その時は発言が結構上手く言えないんだけど、
まあ擦れてないっていうか、なんて言ったらいいのかな。ちょっと上手く言えないんだけど、いい意味で言うと擦れてないんだけど、
まあちょっとうがった言い方をしちゃうと、ちょっとなんか物を知ってないで言ってるみたいなところとかもあって、
なんか割とこう自分っていうのを過度に出そうとしてる感が感じる人が多いなって思ったんですよ。新人、大学出たばっかりの子を見てると。
で、まあこれってでも1年ぐらいするとね、みんなこうちょっとなんかね、そういうのがなくなってって、
なんかそれがいいのか悪いのかちょっとわかんないんだけど、大人しくなっちゃうっていうか。
これってあれなのかな、このやっぱり何かこう失う過程なのかなってちょっと今話しながら思った。
大学から社会人になった時、学生から社会人になった時、大人の社会と関わるようになった時。
ちょっとなんか今うまく言えなかったけど。
考えると本当に難しいです。なんか僕今の、そういうことで思うのはなんか生存本能が働いてるのかなとちょっと思ったりしてですね。
あ、でもそれだったらそうか。なんかまあだんだん人って合理的になっていったりとか、なんかリスク回避していったりとか。
そうですよね。もしくはあれかな、なんか興味がだんだん薄れていったりとか。
まあまあそれもあるね。
まあちょっと話があれだけど、なんかこのサリンジャーの今回読んだ作品に出てくる登場人物たちで過度に自分を出し過ぎちゃってるなっていう感じちゃった登場人物に関しては、
その侵入社員たちを見た時の気持ちをちょっと思い出した。
なんかあれはイノセンスなのかな、みたいな。
そうですね。
まあちょっとまとまらなくなって、毎回最近手間取ってたまにはまとまらなくなるけど。
そうですね。
ちょっと設定が難しかったかな。
今回めっちゃ難しかったですね。なんかイノセンスって、イノセンスってなんとなくこういうものなのかなというイメージはあるんですね。
持っているものの、僕ちょっと気になるのは、そうですよね。
人ってそれを失ってしまう、どこかのタイミングで失ってしまうのか、
本当は持ってるかもしれないけど、それをもう出そうとしなくなるのかとかは考えてしまいましたね。
どっちなんだろうね。ちょっとわかんないな。
フォードの言葉を借りると、やっぱり発見っていう、ちょっとこれイノセンスじゃないけどさ、
死は発見だっていう。
42:00
もしかしたら、やっぱり人の中に眠っているイノセンスを見つけるっていうこともあるのかもしれないね。
そうですよね。フォードは死は発明じゃなくて発見だって言ってますからね。
超名言だと思ったけど。
確かに。私が僕はちょっと思うのは、こういう海外文学読んでる時とかは結構純粋なのかなと思っていてですね。
仕事してる時とこうやって文学作品とか読んでる時の自分の状態ってちょっと違うんだろうなとは思ったりしましたね。
いやでもなんだろうな、きっとイノセンスは失われてしまって、失われてしまうものなんだろうなって思う。
だからこのサリンジャーを読んだ時にめっちゃ惹かれるんだと思う。自分が失くしてしまったものが描かれてるから、きっと。
だからやっぱり今回30代になって読んで、サリンジャーめっちゃ刺さるなって思ったのがそこかも。
10代の時に俺こんな刺さんなかった。多分。キャッチャーインザライン今読んだらめっちゃ刺さる気がする。
正直9ストーリーズのキャッチャーインザラインも読んだけど、今回みたいにめちゃめちゃなんか刺さったって感じはしなかった。
その時はやっぱり自分の中にまだイノセンスがあって、共感したのかもしれないけど、やっぱ失ってしまった時の方が響くと思う。こういうものは。
俺にとっては。そんな感じですかね。
なんかあれですね。サリンジャーは大人になって読むのも十分にアリなんだなっていうのが。
そうですね。
なんかわかりましたね。
若者のための文学ではない。ちょっと俺若者のための文学かなってずっと思ってたけど、そうじゃなかった。
僕もね、そうでした。
じゃあちょっと最後、感想とどんな人に読んでもらいたいかお話しして終わりたいと思います。
じゃあ私の方から。
ちょっと本編で話したこと重複しちゃうかもしれませんけど、やっぱり今回感じたのは年齢を重ねてから読むサリンジャーというのはこんなにいいものなんだというのを気づかさせてくれたことが、この本と出会えてよかったなと思ったところです。
結構同じ人いると思うんで、10代20代でサリンジャー読んで、サリンジャーってこういうもんだよなってちょっと止まっちゃってる人とかにはぜひ読んでもらいたいなと思います。
やっぱり私と同じでサリンジャーっていうのは若者が読むという感覚強い人もいるかと思うんですけれども、でもやっぱりこの年齢を重ねてきていろんなことを経験したからこそ刺さる部分っていうのは絶対あるなと思うので、ぜひ読んでもらえたらなと思います。
サリンジャー売れてるってやっぱこういうところなのかなってちょっと今回思いました。
10代の時の自分が持っていたイノセンス、触れたいなって思った人は読んでもらいたいなと思います。
僕は今回初めて読んでサリンジャーこんなに良かったとはとすごく驚きました。
これやったらやっぱりもっと早い時に読んでたらよかったなっていうのを思いましたし、
ただですね、テーマトークで喋っていたことで、大人になってからもサリンジャーの作品読むっていうのもいいんだなっていうのを今回思ったので、
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本当これから他のキャッツアインザレイとかナインストーリーズとか他の作品も読みたいなと思いました。
今回の作品に関してはやっぱり複雑な感情になる作品が多いなという印象だったので、
そうですよね、こういうのは確かに大人になってからの方がより味わえるかもしれないなというのも思いました。
基本的に読みやすくて話もわかりやすいものが多いので、
もしかするとサリンジャー、僕のようにまだ読んだことがないという人にも入りやすい本なのかなと思ったので、
興味を持たれたらすごく読みやすいので読んでみてほしいなと思いました。
そうですね、これが帯に書いてあるこれが最後のナインストーリーズじゃなくて、これが始まりのナインストーリーズだったかもしれないですね。
そうそうそう。
ちょっと新しいサリンジャーに出会えた気がしますね。
じゃあ次回告知で終わりたいと思います。
次回はですね、ショクウフェアザール、これイランの方ですね。
イランの作家のショクウフェアザールさんのスモモの木の刑事という小説をご紹介したいと思います。
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ではまた来週。ありがとうございました。
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