行政への「コソコソ」な関わり方:アンケートと実利
- こんにちは。地方行政への参加って聞くと、なんか選挙とかでもみたいな、ちょっと重い手段を想像しがちじゃないですか。
- こんにちは。ええ、そうですよね。でも実は、もっとこう身近で、ちょっと不純というか、そういう抜け道みたいなものがあるんですよ。
- そうなんです。今回のミッションなんですけど、福島県在住の特撮とかアニメが好きなポッドキャスターの方、送ってくださった方の資料をですね、徹底的に深掘りしていくことなんですよ。
- はいはい。
- テーマが、一般市民による行政や地域団体とのコソコソした関わり方ということで、送ってくださった方のその見事な戦略を今日じっくり読み解いていこうかなと。
- コソコソしたっていうのがすごくいいですよね。この資料の非常にユニークなところって、正面突破じゃなくて、安全圏からじわじわ攻めるっていう戦略を取ってるところなんですよ。
- 安全圏から。
- はい。例えば、年に16回くらい送られてくる市のネットモニターっていうアンケートがあるらしいんですが、これに全力で回答して、1000円のクオカードをもらうってエピソードが紹介されてるんですよ。
- 動機が完全にクオカードっていうその実利的なところが最高ですよね。しかも地元の歴史ある水路で、安息水路ってあるじゃないですか。
- はい、ありますね。
- あのPRアンケートに対して、全く脈絡もなく、宇宙大怪獣ギララを使えってご自身の特撮趣味を強引にねじ込んでるんですよ。
- ギララここで出てくるかっていう。
- そうなんです。お堅い行政のアンケートにB級怪獣映画をぶつけるっていうこのギャップがたまらないですよね。なんかこれってRPGのゲームでいうお使いクエストをこなしつつ、システムのバグ技を試すみたいな面白さがあります。
- ああ、まさにそんな感じですね。
- でもこれ結果が最初からある程度決まってるような行政のアンケートに特撮ネタを書いても、担当の人にゴミ箱行きにされるだけなんじゃないかなって、正直時間の無駄にも思えるんですけど。
- まあ、普通はそう思いますよね。でもこの資料のすごく面白いところは、無視されることを前提にしてるってところなんですよ。
- ああ、前提なんですか。
- そうなんです。実際市長の秘書室に登床をして、結果的に市長と直接話すっていう、いわゆるラスボス戦に発展した事例も挙げられていて。
- ラスボス戦すごいですね、それは。
- 王年の名作漫画の少年ケニアの作者を市で取り上げるべきだって主張したそうなんですが、結局その時は何も起きなかったそうなんですね。
- ああ、ラスボスまでたどり着いたのにイベントクリアにはならなかったわけですね。
- そういうことですね。施設のご意見箱とかに特撮関係の提案を提案しても、ほぼ無視されるって書いてありますし。
- なるほど。じゃあやっぱり意味ないんじゃ。
- いや、ここで重要なのは、提案がスルーされても回数が確率になるって割り切っている点なんですよ。
- 回数が確率になるですか?
- ええ。行政側のデータの中に、あの変な意見があるぞっていうノイズを残し続けるっていうことですね。
- ああ、なるほど。
- それが積み重なることで、ガチャみたいにいつか当たりを引いて、長期的には行政の姿勢方針に影響を与える力になる。そういう文脈として読み解けるんですよ。
- ガチャ。なるほど。ノイズを残し続ける戦法ですね。
家庭内コンプライアンスと生存戦略
- ええ。
- 行政に対してはその戦略は見事なんですけど、送ってくださった方のアプローチって、実は家の外だけじゃなくて、家庭内とかご近所付き合いでも発揮されてるんですよね。
- ああ、そうですね。おもちゃ保存協会っていうNPOとかコミュニティFMに参加しつつ、さらに奥様のコーラス団体の裏方作業、つまりワープロとか印刷とかを無償で引き受けているっていうエピソードですね。
- そうなんです。なんか一見すると完全なボランティアとして地域活動に貢献されてるように見えるじゃないですか。
- 確かに。素晴らしい地域貢献に見えますね。
- でも実はこれ、地域貢献の感化と思いきや、ご本人曰くオタク活動を自由に続けるための家庭内コンプライアンス対策なんだそうです。
- 家庭内コンプライアンス。いい言葉ですね。
- これって具体的にどういうメカニズムで機能してるんですか?
- これはですね、ただの親切心からやってるんじゃなくて、奥様の活動を技術面で支えることで、家庭内での政治的資本というかポイントを稼いでるんですよ。
- なるほど。ポイント稼ぎですか?
- ええ。このポイントを稼いでおくことで、私たちが自分のオタク活動に口出しされない安全自体を構築しているわけです。
- ああ、そういうことか。
- だから、ご自身の趣味とか生活を守るための極めて高度で実利的な生存戦略なんですよね。
- なるほど。なんか崇高な理念からはずめる必要はなくて、私たちの日常を守るための実利的な行動で構わないんだってことですよね。
- そういうことですね。
- それが結果的に地域を回す歯車の一つになってるっていうのはすごく面白い仕組みだなと思いました。
日常の行動が社会を動かす力
- ええ。政治家になってマイクを握るとかしなくても、アンケートの自由記述欄を埋めるとか、NPOに緩く関わるとかっていうそういうコソコソした活動がですね、
- はい。
- 実は社会を少しだけ動かす力になってるんですよね。送ってくださった方にとっても、ご自身の行動が持つ意味を再確認できるんじゃないでしょうか。
- 本当にそうですね。さて、送ってくださった方の身近な施設にも置かれているご意見箱、あれはもうただの箱じゃなくて、日常を少しだけ変えるかもしれないガチャですよね。
- ええ、まさにガチャです。
- 次に、あの箱を見たとき、私たちならどんな趣味のアイディアを投稿してみますかね。考えるだけでもちょっとワクワクしてきますよ。
- そうですね。ついつい変なノイズを残したくもありますね。
- 次回の配信もお楽しみに。さようなら。