リーダーの熱意が空回りする理由
部下を心配したりとか、高い目標を与えたり、熱心に指導する。 これって、リーダーとして見れば、完璧な愛情というか、ものすごい熱意じゃないですか。
えー、はい。多くの人がそう信じてやっていますよね。
ですよね。でも、もしその強すぎる思いこそが、逆に部下の心を完全に閉ざしてしまって、結果的に組織の生産性を落としている最大の原因だとしたらどうでしょう?
いやー、これは非常に身に覚えのあるというか、多くのリーダーや経営者のあなたにとって、かなり耳の痛い話かもしれませんね。
ええ、本当に。良かれと思ってかけた言葉が、なぜか反発を生んでしまうとか、チームを思っての行動が逆にモチベーションを下げてしまう。
本日のディープダイブでは、まさにこの、なぜリーダーの熱意や愛が空回りするのか、という謎を徹底的に解明していきたいなと。
はい、すごく重要なテーマですね。
で、今回ソースとして取り上げるのは、村尾雅則氏のYouTube動画のトランスクリプトなんですけど、これ、もともとは親子とか夫婦といった家庭内の関係性をベースに語られているものなんですよ。
そうなんですよね。でもそれが、驚くほど、現代の組織構築とかマネジメントの革新をついているんです。
そう、そこが面白いところで、私たちは普段、マネジメントっていうと、システムとかKPIみたいに、何か計測できるものとして扱いがちじゃないですか。
はい、数字で管理しようとしますよね。
なんですけど、感情とか熱量ってなると、急にみんなお手上げ状態になるというか。でも、今回のソースは、なんとその目に見えない人間関係とか感情の力学を数式にして解き明かしているんです。
愛の方程式として数値化してしまうっていう。
そこがこのソースの非常に画期的なアプローチですね。目に見えないものを数式化する。
しかも、ビジネスパーソンにはすごく馴染み深い、稲森和夫氏の成功の方程式を引き合いに出しているんですよね。
有名なやつですよね。人生や仕事の結果は、考え方×熱意×能力っていう。
はい、その方程式です。ここで、ソース内の参加者の方が鋭く指摘しているのが、能力や熱意がどれほど高くても、ベースとなる考え方がマイナスだったら、結果全体がマイナスになってしまうという点なんです。
なるほど。つまり、これ足し算じゃなくて掛け算なんですよね。
そうです。ここが最も恐ろしくて、かつ重要な部分なんですよ。
ビジネスでもよく言われますよね。どんなに画期的な製品を作る能力とか熱意があっても、それを届ける流通経路というか、考え方自体がゼロなら売り上げはゼロになるみたいな。
ええ、まさにその通りです。そして、今回の思いが相手に伝わるかどうかのマネジメント方程式も、全く同じで掛け算で構成されているんです。
「掛け算」で考える人間関係の法則
いやー、これ掛け算ってところが怖いですよね。人間関係において、私たちって無意識に足し算で考えちゃいがちじゃないですか。
考えますね。すごくよくわかります。
例えば、午前中の会議で部下を結構厳しく詰めすぎたから、午後はちょっとコーヒーでも奢って優しくフォローすれば、プラスマイナスゼロになるだろうみたいな。
ああ、やってしまいがちな行動ですよね。でも、足し算ではなく掛け算だとすると。
そのリカバリーは通用しないってことですか。
通用しないんです。掛け算の世界では、ある致命的な要素がゼロになった瞬間、あなたがそれまで積み上げてきた100の熱意も一瞬にしてゼロになってしまう構造だからです。
うわー、それは気にし。
ええ。後からどれだけプラスの行動を足そうとしても、掛け合わせる要素がゼロであれば、結果はもうゼロのままなんですよ。
なるほど。その掛け算の残酷な構造を理解した上で、じゃあ具体的にどんな要素がその数式に入っているのかを見ていきたいんですけど。
思いが伝わるのを阻む「分母」の正体
まず、私たちの思いが伝わるのを邪魔する厄介な分母の存在がありますよね。
はい。この数式の分母は大きく分けて、要求型期待と不安という要素で構成されています。
要求型期待と不安ですか。
ちなみにソースには、計算上ゼロになって破綻しないように、便宜上1が足されているという数学的な配慮も記載されていますが。
分母がゼロにならないようにプラス1されているんですね。
でも、要求と不安が分母ということは、この数字が大きくなればなるほど、全体の結果、つまり、部下に伝わるあなたの思いはどんどん小さくなってしまうってことですよね。
その通りです。分母が大きくなれば伝わるものは微々たるものになります。
ソースの中で、これに関して非常に考えさせられる具体例がありまして。
はい。どんな例ですか。
あるクリニックに、母から愛されていなかったと深く傷ついている女性が来院したんです。
彼女の話をよく聞いてみると、母親からこうすべき、ああすべきという強い要求とか、ものすごい心配の目で見られていたことがわかったそうなんです。
なるほど。子供からすれば常に監視されて、自分を否定されているように感じてしまいますよね、それだと。
ええ。
でもそれって、見方を変えれば、親としてはこの子が失敗しないようにっていう深い愛情から来ているとも言えなくないですか。
まさにそこなんですよ。クリニックでこの数式を見せて、お母さんの不安や要求が大きかったのは、それだけあなたへの愛が大きかったからですよ、と説明したところ、彼女は深く納得したそうです。
ああ、愛していなければ不安にもならないし、要求も生まれないと。
はい。ただその分母が巨大になりすぎた結果、娘には愛として伝わらなくなってしまったんです。
自分が愛されていなかったわけじゃなくて、数式の分母が大きすぎただけだと気づいたんですね。でもちょっと待ってください。これ、今のマネジメントの現場にそのまま当てはまりますよね。
当てはまりますね。
このプロジェクトは絶対に失敗できないから、って上司が細かくマイクロマネジメントをしてしまう。
リーダーとしては部下を成功させたいっていう純粋な熱意から来ているのに、それが伝達を阻害する分母になってしまう。
これってマネジメントの根底を揺るがす矛盾じゃないですか。部下に期待しちゃいけないってことですか?
いやー、多くのマネージャーがそこで葛藤するんです。でもソースでは期待を2つの種類に明確に分けています。
2つ種類あるんですね。
はい。分母に入って思いを阻害してしまうのは要求型期待の方です。
要求型期待。
はい。私の思い通りになってくれなきゃ困るとか、この部署でトップの成績を出さなきゃダメだというような発信者側、つまり上司側の都合や理想を押し付けるものですね。
なるほど。あくまで上司の都合なんですね。じゃあもう一つの期待っていうのは?
応援型期待です。
応援型。
はい。あなたならきっと乗り越えられるとか、この人は成長できると相手の可能性を信じて委ねる期待ですね。
こちらは分母ではなく、むしろ思いを増幅させる分子の方に入ります。
ということは、リーダーが失敗しないか心配だっていう不安とか、こうあるべきだっていうコントロールの要求を強く持てば持つほど、
部下はそこから、私を信じてくれていないとか、結局リーダー自身の評価とか保診を気にしているだけだっていうメッセージを無意識に読み取ってしまうわけですね。
ええ、まさにそういうことです。
だからどれだけ熱意を語っても、全部その巨大な分母に吸収されてしまって全く伝わらないと。
そうです。相手を思うがゆえに要求し不安になる。しかしその感情をそのままぶつけると、相手には思いとして届かない。これがマネジメントにおける分母の正体なんです。
「安全」という名の分子の土台
いやー、深いですね。ここまでの話で、阻害要因である分母、つまり要求と不安をいかに小さく保つかが鍵だとわかりました。
じゃあ今度は数式の分子、プラスの要素をどう最大化していくかに焦点を当てたいんですが。
はい、分子の方ですね。
ソースを見ると分子の先頭には安全という項目があって、これがさらに4つの階層に分かれていると。これについて教えてもらえますか?
はい、ここがこのマネジメント方程式の最も根幹をなす部分です。分子は安全をベースにして、そこに感謝、共感、需要、信頼、応援といったプラスの要素が掛け合わされていきます。
なるほど。で、その土台である安全の第一層が?
身体的安全です。
身体的安全。まあ、現代のオフィスで部下を物理的に叩いたりするような人はさすがにいないと思いますが。
ええ、直接的な暴力だけじゃなく、例えば過労で倒れそうな労働環境を放置したり、あるいは物に当たって大きな音を出して威嚇するような行為もこの身体的安全を脅かします。
確かに。机をバンって叩く上司の前では意見問ってとても言えなくなりますからね。じゃあ第二層はどうですか?
第二層が最もコアな部分で、存在の安全です。
存在の安全。
はい。どんなことがあっても私はここにいていいんだと心から思える状態ですね。
ちょっと待ってください。会社に採用されて自分の席がある以上ここにいていいのは当たり前じゃないですか?なぜそれがわざわざ第二層に入ってくるんでしょう?
それは物理的な席があることと心理的な居場所があることは全く別だからです。
ああ、なるほど。
例えば会議で特定の部下が発言したときだけ上司がため息をついたり、あからさまに目をそらしたりする。
あるいは君はこのチームのペースに合っていないと案にほのめかす。こういう環境では存在の安全は完全に崩壊します。
うわあ、それはきついですね。発言の内容じゃなくて存在そのものを否定されているように感じてしまうわけですね。
そうなんです。
じゃあ続く第三層の常動の安全というのはどういう状態なんですか?
これは自分が感情的になったり失敗してパニックになったりしても大丈夫だよと受け止めてもらえる安全です。
パニックになっても大丈夫?
ええ。職場で大きなミスをして青ざめている部下に対して上司が一緒になってパニックになったり、
何やってんだと怒鳴りつけるんじゃなくて、冷静な心理的クッションになってあげることですね。
なるほど。パニックになっているときにさらに追い打ちをかけられない感情の安全地帯があるということですね。
そして最後の第四層が関係性の安全と。
はい。この人は私を見捨てない、関係性が切れることはないという信頼です。
関係性が切れない。
ええ。これを言ったら嫌われるかもしれないとか、明日突然プロジェクトから外されるかもしれないといった予測不能な恐怖がない状態です。
身体、存在、常動、関係、この4つですね。でもソースを見るとここにすごくシビアなルールが設定されているんですよね。
そうなんです。これら4つがすべて整って初めて、安全の数値は1になるんです。
でも1つ損なわれるたびに0.75、0.5と減少していく。ゼロに近づいていく。
ってことは、いくら企業が最新のワンオンワンのツールとかを導入して感謝とか応援のスコアを上げようとしても、
そもそもベースとなるここにいてもいいっていう安全の数値がゼロに近ければ掛け算だから。
分子全体がゼロになってしまうんです。
いやー恐ろしい。これって例えるなら最高級の4Kモニターとか最新のソフトウェアを導入しても、
そもそもオフィスのWi-Fiルーターの電源が抜けていたら画面には何も映らないみたいなことですよね。
非常に的確な例えですね。まさにそれです。
電源が入っていなければどんなにハイスペックな機材もただの箱ですから。
どれだけ素晴らしいフィードバック面談を実施しても日頃から部下の存在を軽視するような言動があれば、通信は遮断されてすべてがゼロになると。
全体像から見えてくるのはまさにそういうことです。
評価精度やコミュニケーションツールだけを立派にしても、マネジメントのシステムそのものが気の不全に陥ってしまうんですよ。
さてここで一つの大きな疑問が湧いてくるんですけど、
伝達の差を生む「受け取り方の指数」
聞いてくれているリスナーであるあなたがこの方程式を完璧に理解して実践したとしますよね。
はい。
自分の不安を抑えて要求型じゃなく応援型の機体を持ち、4つの安全というWi-Fi環境も完璧に整備した。
発信者側としてはもう100点満点です。
なのにある部下にはこの熱意が100%伝わってメキメキ成長するのに、別の部下にはなぜか全く響かない。
家庭内で言えば長女には伝わるのに次女には伝わらないみたいな。
この差は一体どこから来るんでしょうか。
ここがこのディープダイブの確信ともいえる部分ですね。
実はソースの終盤で、発信者側の方程式だけじゃなくて受信者側、つまり部下や子供の側にも受け取り方の指数が存在することが明かされているんです。
受け取り方の指数、それは受け取る側の理解力とかモチベーションの高さの問題ということですか。
いえ、能力の問題ではなく変換効率あるいは周波数のようなものですね。
周波数。
いえ、この指数は0から1まであります。
上司が完璧な100の熱意を発信しても、受け取り側の指数が0.5なら伝わるのは50になってしまう。
もし0なら全く伝わりません。
なぜそんな情報のロスが起きてしまうんでしょう。
ソースでは生け川ブレインのアナライズという概念に触れていて、人間が情報や愛情を感じ取る際の感覚のパターンには生まれつき違いがあると説明しています。
感覚のパターンですか。
はい、例えば肌の触れ合いとか具体的な行動を通じて愛情を感じるタイプの人がいます。
一方で耳で聞く言葉によって愛情を感じるタイプの人もいるんです。
ああ、五感のどこを優先して情報を受け取っているかっていう違いですね。
そうです。ソースで挙げられている夫婦の例が非常に分かりやすいんですが。
はい、どんな例ですか。
妻は言葉で愛していると言われたい言語タイプ。
しかし夫は言葉にするのが苦手で、休日に家事を手伝うなどの行動で示せば伝わると思っている行動タイプなんです。
ああ、典型的なすれ違いですね、それ。
ええ、夫としては100%愛情を伝えているつもりでも、妻からすれば自分の求める言語という周波数で発信されないため受信の指数がゼロになって全然愛されていないと不満を持つわけです。
なるほど。これって全く同じことがオフィスのマネジメントでも日々起きていますよね。
起きています。本当に頻繁に。
つまりリーダーであるあなたが背中を見て学べとか、結果を出したら大きな裁量で報いよっていう行動タイプで、部下にも相生している。
でも、もしその部下が言葉で細かくフィードバックをもらいたいとか、定期的に評価を言葉にしてほしいっていう言語タイプだった場合、
あなたからの100の思いは部下には全く届いていないってことになる。
逆に上司が言葉でいくら褒めても、それより具体的な裁量や大きなプロジェクトを与えてほしいという行動タイプの部下には全く響きません。
響かないんですね。
はい。ここで重要なのは、あなたが部下に送っている熱いメッセージは、あなた自身が得意な形式で発信されているのか、
それとも、目の前にいるその部下が最も受け取りやすい形式に翻訳されて発信されているのか、という点なんです。
いやー、これはハッとさせられますね。
「翻訳エラー」をなくすための実践
思いが伝わらないのは、部下の能力不足でも反抗心でもなくて、単に周波数が合っていないだけかもしれない。
そうなんですよ。
だとしたらリーダーは、なんでわかってくれないんだって嘆く前に、まず相手の受け取りやすい感覚をリサーチすることが最優先事項になりませんか?
おっしゃる通りです。
でも、どうやってそれを見極めればいいんでしょう?まさか君は原稿タイプか、なんて聞くわけにもいけませんし。
そうですね。日常のコミュニケーションの中で観察することが有効です。
観察ですか?
ええ。その部下が普段、人に感謝を伝える時にどうしているかを見るんです。
いつもありがとうございますと丁寧に言葉にするタイプか、それとも黙って相手の仕事を手伝うような行動タイプか。
なるほど。
人は無意識に、自分が受け取って嬉しい形式で他者にも与えようとしますから。
いやーなるほど。部下のアウトプットの形式を見れば、インプットの理想的な形式も推測できるわけですね。これすぐにでも明日のワンオワンで試せそうですね。
ええ。相手の得意なパターンを見極めて周波数を合わせることができれば、組織というチームにおいて致命的なコミュニケーションのすれ違いを防ぐことができます。
さあ、あっという間に時間が来てしまいましたが、リスナーである経営者、リーダーのあなたに向けて、今回のディープダイブの要点を整理しましょう。
はい。
組織のマネジメントや思いの伝達は足し算ではなく掛け算であること。
あなたの不安やこうあるべきという要求型機体を手放して、4つの安全というインフラを絶対に刺繍すること。
ここが断然していれば、どんなに素晴らしい評価制度も機能しません。
そして最後に、発信側の環境を完璧に整えた上で、相手の受け取り方のパターンに周波数を合わせることですね。
このソースの最後に、会社でもどこでも当てはまると転究されている意味は、まさにここにあると言えます。
ありがとうございます。
今回の情報源から見えてきた新しい視点を最後にあなたに投げかけてみたいと思います。
もし、人間が情報を受け取る感覚パターンが生まれつき異なっているのだったら、
今あなたの組織内で起きている深刻な対立とか、部下のモチベーションの低下の多くは、
実は価値観の不一致や能力の欠如ではなくて、単なる翻訳エラーに過ぎないのではないでしょうか。
翻訳エラーですか?
ええ。明日、あなたがオフィスで部下に声をかけるとき、あるいは機体を伝えるとき、
それは誰の言語で話しているのか、あなた自身の言語なのか、それとも部下の言語なのか、一度立ち止まって考えてみてください。
正しく翻訳されたあなたの熱意は、掛け算によって何倍にも増幅されて、必ずチームの強力な推進力になるはずです。
それでは今回のディープダイブはここまでとしましょう。また次回、新しい知識の深淵でお会いしましょう。