今回は「た」の本質に関わる3つの説を紹介していきます。水野曰く次の動画からガチの内容やるための前提となる部分らしいですが、今回も十分にガチな内容になっていると思います。果たして堀元はついていけるのでしょうか?
【目次】
オープニング。意味が多すぎる「た」をまとめていく。
尾上先生曰く「た」の本質は過去と完了
溝越先生曰く「た」の本質は確認
多くの抽象概念がメタファーで表されている
当たり前のことばっかり言ってるからTikTokに全く向かないラジオ
エンディング。次回はガチ目になるよ。え、ここまでガチじゃなかったの?
【参考文献のリンク】
○日本語のシンタクスと意味(第二巻)
○文法と意味I
先行研究を調査する上で参考にした本。タ形の意味の列挙はほとんどこちらが元になっている。決して初学者向けの本とは言えませんが、日本語文法を腰を据えて勉強してみたい方にはおすすめ。この2冊は色んな論文や本で目にします。
○基礎日本語文法・改訂版
大学の時に使っていた日本語文法の教科書。教科書なので読み物として面白いというわけではないが、平易な言葉遣いで日本語文法の全体観が把握できる。
○時・否定の取り立て
金水敏先生によるタの説明を調べる際に用いた。
○日本語学と通言語的研究の対話 テンス・アスペクト・ムード研究を通して○
定延利之先生によるタ論。タとはミラティブ(発見)だ、という自説を展開。研究の発表パートと、世界の諸言語を幅広く研究するロシアの言語学者・マルチュコフ先生との対話パートという構成の本。マルチュコフ先生の鋭い質問が面白い。
○日本語のテンス・アスペクト研究を問い直す 第2巻 「した」「している」の世界
タ、テイルに関する論文を集めたオムニバス。「タってそもそも活用形の一つなの? それとも、助詞?」「東北方言ではタ以外にもケというテンス形式があるよ」「情報を得たときにそれが頭に定着するまでの速度とタの関係」など、タに興味を持った方にはたまらない論文がいっぱい。
○「た」の言語学
日本語以外に、ロシア語、中国語、ベトナム語、韓国語の過去時制、完了形を考察。対照研究を通じて日本語のタの本質に迫る。
○時間と言語を考える 「時制」とはなにか
タに限らず、英語の完了形や未来時制などの事例を取り上げながら、言語から見える時間意識に迫った一冊。「タを深掘りしたいというよりは時制、時間とは何かを勉強してみたい」という方にはこちらをおすすめしたい。
○日本語と時間 〈時の文法〉をたどる
日本文学研究者であり詩人でもある藤井貞和先生による日本語時制論。古典文法の時制体系を概観し、タの本質に迫る。
○認知言語学の大冒険
難解と言われる認知言語学を、図や例えをふんだんに盛り込んでわかりやすく解説した良書。
論文
○ムードの「た」の過去性(定延利之)
○タ形の意味を考える ──日本語学習者の運用能力に貢献する文法研究──(山本雅子)
【サポーターコミュニティへの加入はこちらから!】
【Twitterあるよ!】
ゆる言語学ラジオのTwitterアカウントがあるので、是非フォローしてください!面白語源ネタなどが流れてきてあなたの知識欲が満たされます。
→https://twitter.com/yuru_gengo
【おたよりフォーム】
https://forms.gle/mTGM7A9QNqgjZMgN7
※皆様からの楽しいおたよりをお待ちしています!
【お仕事依頼はこちら!】
【堀元見プロフィール】
慶應義塾大学理工学部卒。専門は情報工学。WEBにコンテンツを作り散らかすことで生計を立てている。現在の主な収入源は「アカデミックに人の悪口を書くnote有料マガジン」。
Twitter→https://twitter.com/kenhori2
noteマガジン→https://note.com/kenhori2/m/m125fc4524aca
個人YouTube→https://www.youtube.com/channel/UCYJ335HO_qLZDr7TywpI0Gg
【水野太貴プロフィール】
名古屋大学文学部卒。専門は言語学。
某大手出版社で編集者として勤務。言語学の知識が本業に活きてるかと思いきや、そうでもない。
【BGM提供】
・フリーBGM・音楽素材MusMus様 https://musmus.main.jp
・OtoLogic様 https://otologic.jp/