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毎週木曜日のこの時間は、飯田和郎のブラッシュアップです。
やっぱり今日は、全人代のニュースをお届けします。
毎年3月に全国から国会議員が、北京に集まります。その数はおよそ3000人。
北京の地形で言うと、緯度は北緯39度なんですよ。日本で北緯39度っていうと、秋田県や岩手県なんですよ。
ですから、3月の初旬、この時期ってのは、結構寒いんですよね。ただ、一方で、少しずつ寒い北京にも春の訪れを感じるんですよね。
春っていう新しい季節に、向こう1年間の中国の政治心を、方針を議論する場だった。過去形かもしれませんね。
過去形なんですか。当然、飯田さんも現地で全人代というのは取材したご経験が。
はい。私は北京で2回勤務があるんですけど、全人代を合わせて7回取材しました。最後の全人代取材から、もう17年が経過してしまったんですけど、
この年になっても、今でも夜寝ていて、この全人代の夢を見るんですよ。しかも、冷や汗かくんですよ。
どんな夢なんですか。
今日の話なんですけど、全人代の初日に、首相が政府活動報告っていうのを読み上げるんですよ。
これは、向こう1年間の経済目標、経済成長が何パーセント、国防予算が前年に比べて何パーセントって書いてあるんですけど、
これを全人代の開幕日に報告するんですよ。
その政府活動報告のペーパーが、開幕の前の日に、一部の関係者に内々に配布されるんですよ。
私たちが北京にいた時は、当時は報告書をどうやって事前に手に入れるか。
袖を事前に新聞に報道するかっていうね。そんなことを外国メディアは血まなこになってたんですよね。
なるほど。ってことは、手に入るメディアと手に入らないメディアっていうふうに分かれてしまうんですか。
はい。私も当然入った年もあるし、入らなかった年もありました。
でも、全人代開幕当日の新聞を見れば、内容が掲載されている新聞と、そうでない新聞があるから一目瞭然なんですよ。
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ですから、寒い寒い北京の夜、前の日の夜に、報告書のペーパーを求めて駆け回った。
それは、ペーパーを取れなかったらどうしようと思う。今でも思い出して夢にも出てくるし、よくあんなことをやってたなって今では思いますよね。
相手に掲載されて、うちは掲載できなかったなんていうのはちょっとまずいなということで、やっぱりライバルには負けたくない思いっていうのもあると思いますけど。
その取材活動っていうのは、なんていうんですか。合法的な活動なんですか。
いや、合法じゃないですよね。
やっぱり首相が先陣代が始まって、初日に会議で読み上げるまでは、公になっちゃいけないものなんですよね。
やっぱりダメなんですね。
それを事前に手に入れて事前に報じるっていうのは、いわゆる非合法の活動なんですよ。
ただですね、今日のテーマになってくるんですけど、当時はそれを外国メディアの僕たちがやってもですね、中国当局から呼び出されたりとか、大目玉をくらったりとか、ペナルティをかされるとか、そういうことなかったんですよね。
なるほど。
じゃあ、多めに見られていたというか、オーラ化だったというか。
井田さんがいらっしゃった時代はそうだった。
そうだったんです。
ということは、今はどうなんですか。
今はここ数年、今年もそうですけど、日本の新聞や放送をチェックしても、どこも事前には内容を報じていませんよね。
ですから、これが実は今日のテーマであって、このことも今日の習近平体制を象徴しているように私は思えてしまうんですよね。
どういうことですか。
まず一つは、統制、管理が私がいたことに比べると、格段に強化されているんですよ。
厳しくなってますね。
情報が外に出ないような仕組みになってしまって。
もう一つは、このような情報入手の方法が法律に触れる可能性も出てきてますよね。
仮に政府活動報告の内容を事前に手に入れたら、ここでも何度も言いましたけど、機密を不正に取得したという。
解放。
ですから、もうピリピリしてるっていうのはよくわかりますよね。
そうですね。
今年の前陣台で開幕前からニュースになったことがあります。
それは、これまでは毎年首相が行ってきた内外の記者会見を今年からはやらないということを言いましたけど、
何かこれが閉鎖的な印象を与えましたよね。
今日冒頭に話した話と少し関連していると思います。
開幕前の事前説明会、内外のメディアを集めた事前説明会で、運営事務局が突然こんな宣言をしました。
今年は閉幕後、首相の会見は開かない。特別な事情がなければ来年以降も行わない。
当然、みんなびっくりして、いろいろ尋ねて、首相会見をやらないという理由を尋ねました。
前陣台開会中、外交や経済、民生について記者会見を開く。取材の機会は様々ある。
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そうなんですよ。前陣台の会期は7日間で、来週月曜日11日に閉幕します。
ここまでなら、閉幕の後に、首相が別に場を設けて、国内外の記者を集めて、様々な質問に答えてきました。
実は正直なところ言うと、その記者会見の進行役が指名するメディアは事前にほぼ決まっているんです。
例えば、国内の国営メディアだったら、クエスチョン&アンサーも台本が用意されています。
一方、外国のメディアも中国の外務省から事前に選ばれて、あんたのところはどんな質問をするの?みたいなことは聴取は受けているんですよね。
ただし、メディアが中国の首相に直接質問できる場面には関わりがありません。
それと、首相自らがQ&Aの中で、政策の至らなかった点を反省したり、今年はこうします、ということを言ったり。
同時に、その時の首相が人となり、この人は意外にこういうところがあるんだね、というのが伝わってくる場面でもあったんですよ。
その意味では、この前陣代の首相会見というのは、僕たち海外メディアが首相に接する数少ない機会で、貴重な場でもあったんですよね。
それがなくなるとなると、しかも今年だけじゃなく、当面やらないと。
数年先についても通告したわけですけど、これはどういう意味があるんですかね。
首相が口を開かなくなる、口を開く必要がない、この観点から考えたいと思います。
2つ意義づけがありますね。
1つは、誰もが思いますけど、中国という国がどういう方向に進んでいくのか。
それは政府や国会だけでなく、中国共産党だけが全てを決めていくんだと宣言したように私は思います。
中国の政治システムは、共産党が国家を指導していくわけなんですけど、個々の政策に関しては、政府が立案して議会が承認の形を取ってきました。
ただ、これからは党が進めて、政府はわずかに補完する、サポートする役割に回る、そういう分岐点だと思います。
2つ目、僕たち中国の首相は、中国の序列No.2と言ってましたよね。
そのNo.2が喋らなくていいということは、これまでも指摘してきましたけど、
習近平大選にあって、No.2以下は必要ない。すべてNo.1が支配する。そういう意味だと思います。
怖いな。でも経済に限っても、今、不動産不況が長引いてますよね。
消費も低迷して、中国の経済というのは、いろいろ問題が山積みとなっているわけですけど、経済成長の目標って5%前後に設定しましたけども、
昨年の成長率が5.2%だったんですが、今年は5%の目標達成。これ、結構、容易じゃないよという見方が多いですよね。
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そうですね。それをメディアは、首相に直接尋ねたいんですよね。
まずは、就任1年がたった李強首相に、自分の口から過去1年間の経済を総括してほしい。
中国当局は公式には認めてませんが、事実上もすでにデフレの状態にあります。
国際的な投資家は、中国から離れるスピードを加速させてますし、そういうお金が日本にシフトさせてる。
株価が日経平均、初めて4万円にいったっていうんですけども、これも中国のファクターが大きいですよね。
ですから、実は中国の当局者も危機感を持つんだけど、そういう中で国営メディアは、国民に向けて経済について心配するなと。
経済は全体として回復傾向にあると。
中国は引き続き世界経済の重要なエンジンだと、そういう宣伝をしてます。
一方で、海外資本の中国への投資も薬金になってますよね。
ただ、そういう閉鎖的なスタイルを取る中国に対して、海外資本というのはちょっと怪異的にもなりますよね。
そうだと思いますね。
行政の最高責任者である首相が、誰もが懸念する経済について説明しないと。
しかもその記者会見一つにしても、存在していたものがなくなる。
首相会見という開かれていた窓が閉じられてしまうと。
そうなると、さらに懸念が広がる。さらに不安の声が出る。
ですから、このような国に積極的に押しつつかと言われると、疑問がつきますよね。
当然、中国の指導部も外からの目が分かっている。
それでも、こういうふうに強硬な姿勢をとる。
中国の今年の前人代を眺めていると、いかにも今の習近平政権を象徴しているように、私に思いますね。
そうですね。なんかちょっとこじらせ気味と言いますかね。そういう印象ですね。
ただ、どんどんどんどん窓を閉ざすと風は通らないわけですから、
それが良い方向に結びついたなんていう話は、歴史を見てもあまり聞かないですけどね。
あまりよろしくない方向に。
注視したいなと思います。
飯田和夫のブラッシュアップをお送りしました。
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