00:05
こんにちは、いーまです。
今日はイージーさんの絵本を朗読したいと思います。
この色が届きますようにというタイトルの絵本になります。
最後まで聴いていただけたら嬉しいです。
朗読、この色が届きますように。
昔々あるところに一人の子供がいました。
子供は悲しいことがあるたびにそっと小さな箱に閉じ込めて蓋をしました。
箱の中には人にはいえない気持ちがいっぱい詰まっていました。
ある日、子供は眩しい光の中を一人で歩いていました。
つまづいて転んでポンと箱が開きました。
子供は驚きました。
箱の中からこぼれ出したのは真っ白な地面にゆっくりと広がる色とりどりの絵の具だったのです。
悲しい気持ちのはずなのにどれも暖かい色でした。
子供は思いました。
この色で何かを描いてみたい。
誰かにこの暖かさを届けたい。
そうして子供は絵を描きながら旅をすることにしました。
色の道を進んでいくと不思議な生き物に出会いました。
足が6本もあるゾウです。
その後も不思議な生き物にたくさん出会いました。
ブチ模様のヤギ、角の生えた赤い顔の鳥、お茶をこぼす怠け者、黒い手のかたつむり、どの子もみんな見たことのない色でできていました。
子供は気がつきました。
この子たち私が描いた生き物だ。
旅をしながら描いた絵がいつの間にか歩き出していたのです。
子供は不思議な生き物たちとかくれんぼをして遊びました。
1、2、3、4、もういいかい。
子供がたずねても返事はありません。
そっと顔をあげると不思議な生き物たちはいませんでした。
03:04
子供はまた思いました。
やっぱり私は一人ぼっちなのかな。
けれど不思議な生き物たちは誰かを連れて戻ってきました。
素敵な生き物だね。僕に届いたよ。
かわいい生き物だね。私にも届いたよ。
子供の胸に温かい色がそっと広がりました。
みんなは子供の周りでぴょんぴょんのそのそゆったりと動きました。
その声と色は子供の心に優しく寄り添い旅の道をそっと照らしました。
一人ではなかった誰にも届かなかった気持ちが絵になって絵が生き物になって
生き物が友達を連れてきてみんなが旅をしてくれた。
子供は静かに笑いました。
そして今も子供は絵を描きながら白い道を進んでいます。
出会うすべての色が誰かの心の箱をそっと開く優しい色になりますように。
この色が届きますように。
おしまい