生成AIと著作権の基本
弁護士のキタガワです。 YouTubeやTikTok、あとはテレビ番組などで法律の解説をさせていただいております。
金髪頭のおじさん弁護士でございます。 シン・中学生でもわかる著作権と題しまして、この生成AI時代にきっちり勉強しておいていただきたい著作権法についてですね、
これまで基礎的なところ、要編も含めてですね、解説をさせていただきました。 さて、つい最近からですけれども、今度は生成AIを活用する上で気をつけるべきですね、著作権のポイントですね、これまで何回かお話をさせていただいておりますね。
本当にめちゃくちゃ大切ですからね、ぜひね、学んでおいていただければなと思っております。 前回はすごく簡単なおさらいも含めたお話をさせていただきました。
生成AIのツールを使って作ったコンテンツ、小説とか、イラストとか、映像とか、音楽みたいな作品ですよね。
これに著作権が発生するのかどうかということですけれども、発生する場合もあるし、発生しない場合もあるよというね、当たり前のお話をさせていただきました。
これは皆さんからすれば、勉強してきましたし当たり前ですよね。そもそも、著作権が発生する著作物と言えるかどうかというのは、生成AIで作ったコンテンツに、私たち利用者、ユーザー側の個性、オリジナリティが外部に発揮されているアート作品と言えれば、これがOKだということになりますし、
個性があまりない、ありふれたものに過ぎないときは、これは著作物とは言えないよ、みたいなお話をさせていただいたかと思います。
そして、仮に生成AIで作ったコンテンツに著作権が認められたときに、その権利を取得する人は誰なの、ということですけれども、これは実際に私たちAIを使ってコンテンツを作ろうとしたユーザー側、利用者に権利が発生する。
これもなんとなくイメージがつきやすいのかなと思いますけれども、他方で各種生成AIのウェブサービス、ツールの利用規約は読んでおいてください。ほとんどがユーザー側に権利が発生しますよ、というふうに言っていますが、一部、場合によっては運営会社、生成AIサービスを提供しているプラットフォーム側にも権利を自由に使えますよ、みたいなことが書いてあったりしますので、
その辺はしっかり把握しておいていただければなと思います。
プロンプトと生成コンテンツの著作権
さて、じゃあですね、この生成AIを利用してコンテンツを作ったりしますよね。この時に著作権、どういうふうな問題が生じるのかというお話しさせていただきましたけれども、場面が大きく分けて2つあるというふうに思っておいて、みたいなことを前回ちょっとさらっとおさらいさせていただいた、お話しさせていただいたかと思います。
この2つの場面、何かというと、そもそも生成AI、どういうふうに使うかというと、生成AIのプラットフォーム、ツールですよね、ウェブサービスに私たちユーザー、利用者側が指示を送りますよね、指示文章ですね、これをプロンプトと言ったりします。
プロンプト、皆さん分かりますよね、プロンプトですね。そしてそのプロンプト、指示文章をもとに、AIがああでもない、こうでもないと考えてドカッというふうに1つの作品を作るわけですけども、大きく分けると2つ、どういうことかというと、このプロンプト、指示文章そのもの、指示文章自体に著作権って発生するの?っていう考え方、場面と、
じゃあそのプロンプト、指示文章をもとにAIがですね、バーって作っていきますよね、コンテンツ、小説とかイラストとか、文章、音楽とかね、はい、そこのコンテンツ、結果そのものに著作権が発生するのかっていう2つの場面ですよね、はい、この2つの場面って密接に関連しているためすごくね、ごっちゃになりがち、混同しがちなんですけども、
厳密に分けると場面が違うんだよというところですね、なので場面が2つあるプロンプト、指示文章そのものに著作権が発生するのかっていうふうにまず考えるべきだという点と、プロンプトをもとにAIが作ったコンテンツ、結果に著作権が発生するのか、場面が2つ分かれるんだよというお話をさせていただきたいなと思います。
プロンプト自体の著作権の可能性
で、今回お話しするのは1番目の方ですね、プロンプト、指示文章そのものに著作権が発生するのかどうか、これについて解説をしていきたいなと思います。
プロンプトも文章ですよね、文章であることには変わりがないので、そのプロンプト、指示文章にそのユーザー側ですね、入力した側、私たちの個性、創作性がもし発揮されているのであれば、そのプロンプト自体が著作物になり得ますよね、はい。
まあそれそうですよね、言ってる意味わかりますよね、だって文章だもんね、はい、そこがしっかり作者の個性が発揮されていれば、それはね、プロンプトそのものが言ってみれば言語の著作物になるんでしょうね、はい。
ただ、ただですね、プロンプトそのものに著作権が認められる、つまりプロンプトそのものが著作物と言えるというふうに評価されるハードルって結構高いんじゃないかなと私的には思っています。
なぜかというと、そもそもプロンプトって何のためにあるの、指示文章って何のためにあるのっていうと、これ利用している生成AIのウェブサイト、ウェブツールに対して具体的な指示を出すための文章ですよね、はい。
他人に何かをお願いする際の、要はAIというツールにこういうふうに作品作ってよみたいなイラスト作って、音楽作ってみたいにお願いする文章ですよね、はい。
これって、このお願いする文章の最大の目的って何かっていうと、自分のユーザー側の意思、意図を正確に明確に伝えることだと思うんですよね。
言ってる意味わかりますよね、それそうだよね、指示文章なわけですから、AIに自分はこういうふうに思っててこうでこうでこうだからこういうふうに作ってみたいに自分の意図を正確に明確に伝えることじゃないですか、それが一番の目的ですよね。
そこにさ、なんて言ったらいいんですかね、その芸術的な、アーティスティック的なさ、創作的表現を盛り込もうって考えてる人ってあんまりいないと思うんですよ。
自分の頭の中で持っているイメージっていうのをAIという道具に正確に把握してもらう、反映してもらうということがどうしても主目的だから、プロンプトってどうしても似たような指示文章になりがちなんですよね。
あくまで自分のイメージ、自分の考えを正確に明確に伝えることが主目的であるため、どうしても芸術的な創作表現がプロンプトにはなかなか入りにくい、入っているものも中にはあるかもしれないけど入りにくいんですよね。
そうするとやはりプロンプトってどうしてもありふれた似たような指示文章になりがちなんじゃないかなというふうに思っています。
なのでプロンプトそのものに著作権が発生する、プロンプトが著作物と言える可能性ってちょっと低い、かなりハードルが高めなんじゃないかなと思っています。
なぜそういうふうに思うかというと一つの裁判例があるんですね。
それは何かというと料理のレシピありますよね、レシピ本ありますよね。
これの裁判例ってあったんですよ。
どういう事案か問題だったかというと、料理研究家のAさんがオリジナルレシピを開発したんですよね。
それを別の料理研究家であるBさんがそのレシピをパクって書籍、本として出版しちゃったという事例があったんですね。
オリジナルレシピを開発したAさんがなんで私のレシピを勝手にパクって本として出版してんの、著作権侵害だとしてBさんを訴えたという事案が過去にありました。
これ裁判所の判断どうだったかというと、料理のレシピ自体は単なるアイディアに過ぎません。
材料とか調理の工程そのものというのは誰がやっても似たような内容になるので、
料理レシピ自体は創作的な表現には該当しませんよ、著作物とは言えませんよというふうにジャッジされてしまって、料理研究家のAさんが負けてしまったという事例があるんですね。
もちろんこの料理レシピの事例と今回の生成AIのプロンプトというのは必ずしも完全に同じような事案ではないですけども、
正確に伝えることを目的とした支持文章プロンプトというのは個性創作性がどうしても発揮されにくいんじゃないかなと思っているんです。
そういった観点では割とこの料理レシピの事案と似ている部分ってあるんじゃないかなと思うんですね。
ですのでありきたりな言葉を並べた単調な支持文章に留まっているプロンプトの場合がほとんど多いのかなと思うので、
これは著作権が発生しないケースが割と多いんじゃないかなと思います。
具体的なプロンプトと著作権
例えばですけれども生成AIイラストを作れる生成AIツールにプロンプト山の上に虹がかかった空を描いてくださいみたいな単調でありきたりな支持文章の場合、
これってささすがに創作的な表現ってあんまりないですよね。
確かに山の上に虹がかかってほしいな、その空を描いてほしいなっていうのは分かるんだけど、
割と空ってそういうもんじゃないっていうか虹の空ってそういうもんじゃないっていうのがありますよね。
割とやっぱりありきたりですよね。
こういった文章の場合は著作権が発生しないんじゃないかなと思います。
他方で例えばめちゃくちゃ具体的な支持文章の場合はワンチャンプロンプトそのものに著作権、著作物と認められやすいんじゃないかなと。
例えばですけども、例えばね山の上に虹がかかった空なんだけれども描いてほしいのはね、もう少しさらにめちゃくちゃ具体的に、
例えばですよ、1980年代のフランス・パリを舞台としてお昼頃の晴れ渡った空に大きくそして半円状の淡い7色のグラデーションがかった虹が
凱旋門のすぐ近くの上に浮かんでいて、その虹を見上げている30人くらいのパリジェンヌたちが頭にかぶった大きめの帽子のつばの部分を片手で抑えながら喜びの表情を浮かべている。
下から虹を見上げているような構図の写実的なタッチの絵を描いてください。
さらに一組の父親と赤い風船を持った子どもが青々と茂った木々の並木道の真ん中で虹を見上げている。
虹を上空の中心に描き、すぐ下に大小のふんわりとした綿飴のようなボリューム感のある白い雲が複数かかっていて、
遠くには水色をしたなだらかな山並みが見えていて、全体として鮮やかな色彩を使用した明るい印象、そして画角を4対3にして表現した作品を描いて、
みたいな感じでめちゃくちゃ細かく単なる指示文章、虹がかかった空を描いてくださいだけじゃなくて、
時代設定とか場所とか時間とか構図、絵のタッチ、色彩とか登場人物、人数、その配置など非常に細かく創作的な設定が盛り込まれている今の指示文章であれば、
これは人間側が相当な時間と労力を使っていますよね、考えていますよね。
こういった人間の創作的な部分が大きいプロンプトの場合は、著作物性が高い、認められやすいんじゃないかなと思いますね。
今言った長ったらしい文章であれば、プロンプトそのものにワンちゃん著作物と言える著作権が認められるというふうに言えるんじゃないかなと思います。
プロンプト著作権の課題と今後の展望
他方で別の考え方もあって、たとえ長くて丁寧なプロンプトであっても、あくまで手順とか内容を詳しく説明したに過ぎないでしょう。
それ説明文章なわけだから、芸術的な文章とは言えないよねと判断されて、プロンプトそのものには著作権が認められない、著作物とは言えないというふうなジャッジが最終的にされちゃう可能性も否定できないのかなと思います。
少なくとも今これ解説している時点では、生成AIに関する具体的な裁判例は積み重なっていないので、明確な裁判官の判断が出ていない、基準が出せないというのが正直なところですね。
あとはそもそもの考え方として、AIを利用する側、私たちにとって著作物として認めてほしい、著作権が発生してほしいのって、指示文章そのものじゃないですよね。
そうじゃなくて、プロンプトを入力した結果としてAIが作り出した結果、イラストそのもの、小説文章そのもの、音楽作品そのもの、映像そのもの、コンテンツに著作権が、成果物に著作権が発生してほしいですよね。
そうじゃないとあんまり意味がないんですよね。
なので前置きが長くなりましたけども、場面が2つあるのでその1番目を話しましたけども、プロンプトそのものに著作権が発生するのかというところも一応問題にはなりますが、そこじゃないでしょ大事なところは、というところがあります。
場面の2つ目ですよね。プロンプトを入力してAIがバーって作ったコンテンツそのものに著作権が発生するのか、発生する場合はどうやったらいいのか、注意すべきポイントは何なのかというのを、次回以降丁寧に解説をしていきたいなと思います。
最後までお聞きくださりありがとうございました。また次回一緒に勉強していきましょう。