香りと記憶の関係
こんばんは、蜜のあじ子です。
昨日、帰り道に
ふわっと甘い香りがしたので、
目をやると、生垣の中に白いお花がたくさん、クチナシの花でした。
なぜかわからないんですが、クチナシの香りを嗅ぐと、
子供の頃に亡くなった祖父、おじいちゃんを思い出します。
今回のテーマは、香りと記憶。
特に、クチナシの花が直接おじいちゃんにつながっているわけではないんですよね。
そもそも記憶って、感覚の積み重ね、
香りだけではなくて、見たもの、聞いたもの、
今までの一瞬一瞬の感覚が積み重なって、
記憶になると言われてます。
その中でも、香りと記憶は非常に密接な関係があると言われてるんですが、
うーん、実はこれ、あんまり納得いってないんですよね。私ね。
いや、アロマテラピーにとっては、とっても都合のいい話ではあるんですが、
確かに香りを感じる脳の中枢は、
記憶をつかさどっている、
会話と呼ばれる場所に非常に近いので、
伝達が早いというのは、なんとなくわかります。
でも、音楽聞いても、
ああ、あの頃はこうだったな、なんて記憶がよみがえってくるし、
写真を見てても、
うんうん、こういうことあったね、って思い出せます。
嗅覚がちょっと違うなって思うのは、
視覚や聴覚が波という物理的なものをキャッチする感覚なのに対して、
香りは、化学物質をキャッチしてる、
というところかな。
香りの記憶が定着するときに、
化学物質が電気的な刺激に変わったりっていう、いくつかのプロセスを踏む必要があって、
それが定着するんじゃないかな、とか、
あ、これ何の根拠もないですよ、私の個人的な意見です。
って思ってたりします。
あとは、感覚の中でも、早い段階で、
この嗅覚は完成される、とも言われてます。
お腹の中にいる赤ちゃんは、およそ20週から30週の間に、
嗅覚器官が完成して、においをキャッチしているそうですよ。
お母さんの食べたものも、
羊水を通じて香りとして感じているようです。
フランスのある実験では、
アニスを食べた妊婦さん、
その子供は、アニス嫌いにはならなかったそうです。
そう考えると、
うーん、やっぱりにおいと記憶って密接な関係なのかな、とも思います。
プルースト効果
香りと記憶の話で有名なのは、
プルースト効果。
これはフランス文学者マルセル・プルーストの書いた、
「失われた時を求めて」という小説に由来してます。
この小説、ギネスに載っている世界一長い小説です。
もちろん私も読んだことはないです。
ただ、かの有名なシーンだけは知ってます。
主人公がマドレーヌを紅茶に浸して口に入れた時に、
幼い頃、バカンスで過ごした田舎町でのことを思い出す、という場面です。
香りを嗅いで昔を思い出すことを「プルースト効果」って言うんですが、
いやいや、マドレーヌを紅茶に浸けて食べてるから味覚じゃない?
ってツッコミを入れるのはなしですよ。
これは後日、味覚と嗅覚としてお話をしたいと思っているので、ここは保留で。
ともかく、香りというのは、人間にとって、
記憶、そして情動や感情に、わりかしダイレクトに通ずる感覚、
っていうことは言えるかもしれないです。
そうそう、なんでおじいちゃんを思い出すかっていうと、
くちなしの花っていう昭和の名曲があるんです。
何かの折りにおじいちゃんが歌ってたのか、
おじいちゃんの噂話でこの曲の話が出たのか、なんかわかんないんですけど、
私の中では、クチナシの花と祖父がとっても近いところでくっついてるのは確かです。
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お相手は、蜜のあじ子でした。
香りと記憶の話、聞かせてください。
