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毎週木曜日は三好剛平のブラッシュアップということで、今日はみなさんどんなテーマでしょうか。
はい、本日はですね、福岡で明日8月4日からKBCシネマで公開されることになる
サントメールある被告という映画をご紹介します。 この映画なんですけれども、まずどんな映画かという概要をご紹介するとですね、
生後15ヶ月の幼い娘を殺害した罪に問われたある若い女性。 彼女は本当に我が子を殺したのか。
観客は裁判に投げ込まれ、実際の裁判記録をベースにした衝撃の法廷劇を目撃するというような作品なんですね。
先にちょっとこの作品はどんな状況にあるかということを説明すると、2022年、去年ですね、第79回ベネチア国際映画祭で銀次首相、審査員大賞と
新人監督賞を受賞しまして、フランス映画なんですけれども、あらゆるメディアで5つ星評価を獲得する。
そして今年のアカデミー賞、2022年、3年にかけてのアカデミー賞ですけど、ここで国際長編作品賞にもフランス代表の作品として演出されるというですね。
もう驚異的な評価を世界的に集めている作品で、あのケイト・ブランシェット、大女優ですね。
もうこの作品をご覧になって、いつかこの監督に演出されたい。10年に1つのフランス映画のパワフルな映画であるということを言うぐらい。
大女優にそう言わしめるぐらいの才能なんですね。
僕自身もこの作品を拝見して、ちょっと今年ベストも出ちゃったかなっていうぐらい、ちょっと圧倒的な作品です。
なのでここから限られた時間なんですけど、頑張って紹介したいと思いますのでお付き合いいただきたいと思います。
まずこの監督がアリス・ディオップさんというですね、女性の監督でございまして、1979年生まれ、セネガル系のフランス人の黒人女性の監督さんでいらっしゃいます。
今回が長編劇映画のデビュー作ということになるんですけど、実はですね、彼女はドキュメンタリー型ではもう実はかなり流し入れていて、
国際的にも評価される過去のドキュメンタリーをたくさん撮ってるんですけど、中でも2021年に発表した私たちという映画がありまして、
このドキュメンタリー映画はベルリン国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞も受賞していると。
ちなみにこの私たちという作品はAmazonプライムビデオで見れますので、マジで見てください。めちゃくちゃいい映画です。
今回ご紹介するサントメールある被告という作品についても、この監督がセネガル系フランス人の女性であるということだと、ドキュメンタリー監督として視点を持っているという、その2点がポイントになってきます。
今回のサントメールという作品をもう少しは深掘りしていくわけですけど、冒頭にも紹介した通り、生後15ヶ月の幼い娘を海に置き去りにしたという罪でですね、
裁判にかけられる若い母親を描いた劇映画、フィクションになるわけですけど、その法廷で語られる言葉というのがですね、実際に2015年にフランスで起きた同じ内容の裁判のその記録をですね、ほぼそのままセリフとして再演してるんですよ。
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そうなんです。
で、その被告となるロランスという女性なんですけれども、セネガル出身で、監督と同じくセネガル出身で、幼少期からきちんとした教育を受けて、完璧なフランス語を話せる、聡明な女性なんですけれども、実際に娘を殺したという罪は自分でも認めてるわけです。
なんですが、裁判で、なんであなたはじゃあ自分の娘を殺したんですかっていうふうに問われたときには、もうきっぱりと決然とわかりませんと、裁判を通じてそれを私も教えてほしいんですということを言うんですね。
映画はこのロランスさんの裁判を傍聴する若き女性作家であるラマっていうですね、この方もセネガル系の女性なんですけども、この方の視点で描かれていきます。
当然これは実は監督自身のキャラクターを置き換えているような形なんですけれども、そういうふうに彼女が、そのラマさんが毎日裁判に通っていくわけですね、裁判所まで。
それをロランスさんの被告の発言とか色々ずっと見ていく中で、徐々にもしかしたらあの場に座っていたのは自分自身かもしれないっていうような、ある種の可能性みたいなものをどんどん感じていかざるを得ないわけですね。
女性で、黒人で、フランスで生きて、教養もあったはずなのにっていうそこが重なっていくわけです。
かつ、でも一方でロランスさんのその証言に関して言えば、彼女自身ですら理解できない、理解できなさみたいなのにずっとこうラマさん自身も翻弄されていくわけですね。
で、この映画にとって一番実は大切なのは、そういうその、ある種の理解できなさみたいなところにあって、法廷劇っていうこのフォーマットを使ってるのも非常にこの映画上手いとこなんですけど、
僕ら映画観客って基本法廷劇ってなると、最終的には白黒はっきりついて、正義とか悪とかっていうのが、ある種二言論的に断罪されるっていう天末を期待するじゃないですか。
で、当然そういうふうに期待するので、観客もそのつもりで一個一個の発言を丁寧に見ていくわけですよね。
なんだけど、見れば見るほど現実で実際に裁判記録で行われた話でもあるから、
視力滅裂だったりするわけですよ、発言自身が。
全然そのロランスさんが、ただの良い人ってわけでもないように聞こえてしまう発言とかもたくさんあるんです。
ということで、本当に観客も本当にラマさん、そして法廷にいるあらゆる人たちと同じようにぶん回され続けるような時間になっていくわけですね。
なんですけど、そういう中でロランスさんの発言からは徐々に、ワンオペ育児の孤独と危険だったりとか、母と娘っていう関係性の難しさだったりとか、
二つの国にアイデンティティを持つ人々の生きづらさみたいなものが浮き彫りにはなってくるんだけど、
やっぱり一番本丸の、どうしてじゃあ娘を殺してしまったの?っていうことに関しては、ずっと理解できなさが宙吊りのようにあるんですよ。
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で、これをじゃあどういうふうに決着させていくのかっていうのがこの映画の一番の見どころなんですけど、
本当にもう傍聴席に同席するような形で見ていった先に、観客と劇中の登場人物と一緒にやっぱりそれを見届けていくということになっていきます。
この映画ですごく重要なのはその理解できなさということで申し上げたんですけど、
僕ら自身も実際に何かしれかしてしまったときに、どうしてそんなこと言っちゃったの?って言われたときに、厳密に言葉で説明できないことってやっぱあるじゃないですか。
ありますよね。
なんかあれ、実際なんでだろうなみたいな。
で、実際物事とか、あるいは人間ってそういうふうにやっぱりその簡単な因果とか、白黒みたいなことで語れるほど、測れるほど単純なものじゃないわけですね。
で、そういうふうにもっと言えば、人類みんなが本当に合理的であれば、殺人なんてそもそも起きないわけですよ。
なんだけどやっぱりそれが起きてしまうっていうのは、そんなことをするはずがない人っていう人たちでも殺人を犯してしまうような、説明しようのない不条理な展末っていうのが、やっぱりこの現実にあるっていうことですね。
で、この映画は本当にそういうところを断罪もせず、きっちりやっぱり見届けていくっていうようなことを撮るわけですね。
これ本当にすごくて、やっぱりその実際の現実に起きた裁判記録を言ってみたら、いわば戯曲の原点みたいな形で使ってるわけですね。
で、それを監督だったら、この言葉の奥にあった真実はこうかもしれないっていう解釈によって、この映画ができていくわけですね。
で、僕らがそのあらゆる現実とか事実とかっていうことに向き合うときに、実はそれ同じ構造じゃないかと思うんですね。
目の前の人が言っていることを一面的に捉えるがそうかもしれないけど、実はその奥に本当の本意があったとか、
出会った物事の奥には実はそういう本当のことがあったとかっていうようなこと、みたいなことにもやっぱりはっと気づかせるような、そういうような気づきも与えてくれる映画にもなっています。
今の時代にもすごく刺さる。
そうなんですね。だから本当にその誠実に物事とか他人と向き合うっていうことのある種の不可能さみたいなところをちゃんと携えつつ、
でもこの映画はその小難しいところだけではなくて、純粋にエモーションにぶっ刺さってくる、最後のシークエンスがあるんですけど。
ここまで行き着いた時には僕本当に、嘘、この映画こんなところまで行くのか?っていうことで圧倒されると同時に、僕画面がもう涙で見えませんでした。
こんなところまで行っちゃうのかっていう、何だという理解っていう。もう本当に圧倒されます。
で、あと音楽好きの方は、あるすごく有名、まぁあのー、音楽好きだったら知ってるぐらいの、まぁちょっと有名な曲があるんですけど、この曲をこれほど効果的に使った映画もないと思います。
へぇー。そこもポイントですね。
あの水木さんもどうか見てほしい作品だと思いまして、今日ちょっとこれを力説させていただきました。サントメールぜひご覧ください。
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スタジオの温度が2度3度上がりましたけど。
ねー。
僕はちなみにこれ見た後に、奥さんのところに、自分の妻のところに駆け寄って、この映画は女性であり、母であり、娘でもある、あなたたちの映画だよと、絶対に見てくれっていうことを力説したぐらい。
うぉー。
そういう映画です。
へぇー。
水木さん、見てください。
ぜひ最後、その感動の涙なのか、どういう感情が湧き起こるのか、それをちょっとぜひ体験したいと思いますね。
見たくなりましたよね。いつから公開?
はい、これがですね、8月4日の明日金曜日からですね、KBCシネマで公開されますサントメールある日告という作品でございます。
はい、ぜひ皆さん一度触れてみてください。
いやー。
面白かった。水木さんありがとうございました。
ありがとうございました。
ガールズパンチ!バッテン少女隊のバッテンラジオ隊!
バッテン少女隊の春野木梨奈と、青井梨奈です。
RKBラジオでお送りしているガールズパンチ!バッテン少女隊のバッテンラジオ隊は、ポッドキャストでもお楽しみいただけます。
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