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えっと、突然なんですけど、毎月あなたがキーボードの上で指を動かしている距離って、実はフルマラソン1回分に相当するってご存知でしたか?
えっと、42キロ以上ですか?
そうなんですよ。
いやー、指先だけでそれだけの距離を走破していると考えると、なかなかの重労働ですよね。
そう、本当にそうなんですよ。それなのに、多くの人がパソコンを買った時に最初からついてきた無料のキーボードをそのまま使い続けているじゃないですか。
えー、大半の方はそうかもしれませんね。
これって例えるなら、フルマラソンを重たい安全靴を履いて走っているようなものなんですよね。
なるほど、安全靴でマラソン、痛そうですね。
というわけで、今回のテーマは、私たちが毎日何気なく触れているのに意外と知らないキーボードとキースイッチのかなり奥深い世界です。
手元にはですね、スイッチの物理的な構造から基板の回路設計、さらにはゲーミングデバイスの応答速度とか、人間の認知能力に関する論文まで、結構マニアックなソースが山のように積まれています。
本当に非常に多岐に渡る資料が揃っていますね。
ただ、専門用語も多いので、特にこれから自分に合ったキーボードを探したいとか、自作キーボードに挑戦してみたいと考えている方にとっては、ちょっとハードルが高く感じるかもしれませんね。
そうなんですよ。そこで私たちの出番というわけです。
今日はこの複雑なソースの山から、どうしてキーボードの構造の違いが私たちの指の疲れだとか、はたまたゲームの勝敗にまで影響するのか、その理由を解き明かしていきます。
はい。専門的な情報型にならないように気をつけつつ、リスナーの皆さんが失敗せずに、自分にぴったりの1台を見つけるためのショートカットを提供できればと思います。
いいですね。じゃあ早速行ってみましょう。
まずは、私たちが普段履いている安全靴、つまり今リスナーの皆さんが使っているかもしれない一般的なキーボードの中身って、これどうなっているんでしょうか。
えっと、現在世界中で最も普及している比較的安価なキーボードの多くはですね、メンブレン方式という構造を採用しています。
メンブレンですか?
はい。メンブレンというのは膜のことですね。
ああ、膜。
キーの下にラバードームと呼ばれるオワン型のゴムが配置されていまして。
オワン型の、はいはい。
それを指で押し込むことで、一番下にある2枚のシート状の回路がペタッと接触して、そこで初めて電気が流れて入力が認識されるという仕組みです。
なるほど。
ちなみにノートパソコンの薄いキーボードでよく使われるパンタグラフ方式というのもあるんですが、これも基本的にはこのメンブレンの仲間になります。
ということは、ゴムの反発力でキーを押し戻しているわけですよね。
そうですね。
つまりこれ、トランポリンを想像したとき、そこの硬い地面までしっかり足をついて、下のシートを接触させないと、1回のジャンプとしてカウントされない仕組みってことですか?
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いや、まさにその通りです。素晴らしい例えですね。
そしてですね、その底打ちこそが指の疲労の最大の原因になっているんですよ。
ああ、底打ち。
はい。入力させるためには、そのゴムの反発力に打ち勝って、必ず一番下までキーを押し込まないといけないわけです。
うーん、毎回一番下まで。
そうなんです。毎日何千文字もタイピングする人がこれを続けるとですね、指の関節にコツコツと微小な衝撃が蓄積していって、最悪の場合、検証炎などの原因になることもあるんです。
うわあ、マラソンを安全靴で走ると足が痛くなる理由、完全にわかりました。じゃあ指を疲れさせないためにはどうすればいいんですか?
そこで登場するのが、メカニカルスイッチや静電容量無接点方式といった、より高度な構造を持ったスイッチなんです。
メカニカル、よく聞きますね。
ええ。メカニカルスイッチは、キーの一つ一つが独立した機械式の構造を持っていまして、内部に金属の板バネとスプリングが入っているんです。
バネが入っているんですね。
はい。で、キーを押し下げる途中で、金属同士が触れ合って、そこでスイッチがオンになります。
なるほど。ということは、トランポリンの底まで行かなくても、空中に張られたセンサーの線を通過した時点でもカウントしてくれる仕組みなんですね?
ええ。まさにそういうことです。
それなら、いちいち底までバンバン叩きつけなくていいから、指の疲れが劇的に変わりそうですね。
まったくその通りです。さらにですね、プロのライターやエンジニアに愛好家が多い、静電容量無接点方式というものになりますと。
はい。無接点ですね。
はい。これ、そもそも物理的な接点すら存在しないんです。
え?接点がない?どうやって入力するんですか?
キーを押し下げると、内部の塩水系スプリングが変形するんですが、その際の静電容量の変化、つまり電気的な力場の変化を感知して入力を認識するんです。
力場の変化。なんかSFみたいですね。
そうかもしれませんね。物理的にぶつかる部品がないので、本当に俳優のように滑らかで、そこうちの衝撃も驚くほど少ないんですよ。
指の負担を減らすっていう物理的な問題は、そのスイッチの構造で完全に解決できることがよくわかりました。
でも、ここでちょっと新しい疑問が湧いてくるんですけど。
何でしょうか?
メンブレン方式なら、1枚の大きなシートで全体を管理できるじゃないですか。
でも、メカニカルスイッチみたいに80個とか100個の独立したスイッチを積んだ場合、パソコンってどうやって今どのキーが押されたかって判別しているんですか?
ああ、なるほど。
まさか、スイッチ1つにつき1本の導線をマイコンと呼ばれる処理チップに繋いでいるわけじゃないですよね?
ふふ、もしそんなことをしたら、キーボードの中が100本のケーブルでスパゲッティ状態になってしまいますよ。
ですよね。
ええ、それにマイコンの端子も全然足りなくなりますから。
そこで、自作キーボードの心臓部ともいえるPCB、プリント基板の上ではですね、キーマトリックスという非常に賢い配線が行われているんです。
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キーマトリックス、マトリックスってことは格子状に並べるってことですか?
ええ、その通りです。例えば80個のキーがあったとして、それを6行×15列の格子状に配線します。
6行の15列、はいはい。
マイコン側は縦の列と横の行に順番に電圧をかけていって、どこで電気が交差したかを読み取るんです。
交差点を見るわけですね?
そうなんです。つまり、行と列の交差点を見るだけで済むので、6×15で、たった21個の端子だけで80個のキーをすべて管理できるんですよ。
おお、まるで回線ゲームみたいですね。縦が6、横がBの座標でヒット、つまりGのキーが押されたみたいな感じで探し当てるわけだ。ものすごい節約術ですね。
非常に合理的なシステムです。しかしですね、このシステムにはゴースト現象という厄介な副作用があるんです。
ゴースト現象、おばけですか?
いないはずのものが現れるという意味ではそうですね。
格子状の回路で複数のキーを同時に押すと、電気が意図しない経路を逆流してしまうことがあるんです。
逆流ですか?
はい。例えば四角く並んだ4つのキーがあったとして、そのうち3つの角を同時に押したとします。
すると電気が迂回して残りの一つの角にも流れてしまって、マイコンが押されていない4つ間のキーも押されたと誤認してしまうんですよ。
うわー、それ最悪ですね。ゲーム中にダッシュしながら斜めに進んでジャンプしようとしたら、勝手に別のスキルが発動しちゃうみたいな事態が起きるわけですよね。
まさにそういう致命的なトラブルに繋がります。
それはどうやって防ぐんですか?
そこで整流ダイオードの出番なんです。
ダイオード?
ええ。ダイオードというのは電気を一方通行にしか流さない性質を持った小さな電子部品です。
これをですね、各スイッチの隣に一つずつ配置することで、電流の逆流を物理的にブロックするんです。
なるほど。
これによって何個キーを同時に押しても正確に認識される、Nキーロールオーバーという機能が実現します。
えっと、ちょっと待ってくださいね。
はい。
理屈は完璧に理解したんですけど、自作キーボードを作るとなると、80個のキー全てに米壺みたいなダイオードを自分でハンダ付けするってことですよね?
そうなりますね。
ソースには1個数円だから全部付けちゃえ、みたいに軽く書いてありますけど、初心者にとっていきないその苦行をやる価値って本当にあるんですか?
苦行、まあ確かに手間はかかりますよね。
ですよね。私は絶対にこのキーとこのキーは同時押ししないって誓って、いくつかダイオードを省いて手を抜いちゃダメなんですか?
ふふふ、そのお気持ちはよくわかります。
でもですね、人間が早くタイピングしている時の指の動きを分析すると、実は常に複数のキーが重なって押されているんですよ。
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え、そうなんですか?
ええ。前のキーから完全に指が離れる前に、もう次のキーを押し始めているんですね。
ですからダイオードを省いてしまうと、少しタイピング速度が上がっただけで途端に入力が抜けたり、誤作動を起こしたりするんです。
うわあ、なるほど。早く打てば打つほど指の上では常に同時押しが発生している状態なんですね。
そうなんです。正確な入力を保証するダイオードは高級キーボードの信頼性の要といえます。
それならサボるわけにはいかないか。いやあ、よくわかりました。
はい。
さて、正確な入力や速さの話が出たところで、今度はさらにシビアなコンマ1秒が勝敗を分けるゲーミングキーボードの世界に目を向けてみましょうか。
いいですね。
最近のゲーミングデバイスの進化ってなんかちょっと異常なレベルじゃないですか。
ええ、すさまじいですよね。特にここ数年で業界の常識を完全に復したのが、磁気検出スイッチ、いわゆるホールエフェクトスイッチの代表です。
磁気検出?磁石?
そうです。先ほどの静電容量無接点方式と同じく物理的な接点を持たないんですが、こちらはキーの軸に内蔵された小さな磁石を使うんです。
ほうほう。
キーが押し込まれて、磁石が基板のセンサーに近づくにつれて強くなる磁力の変化を読み取って、キーが何ミリ押し込まれたかというのをアナログ値で正確に検知するんですよ。
アナログ値で。つまり0か1かじゃなくて、車のアクセルペダルのようにどれくらい踏み込んでいるかがわかるわけですね。
まさにその通りです。
でもそれの何がゲームで有利に働くんですか?
最大の武器はラピットトリガーという機能ですね。
ラピットトリガー。
はい。従来のメカニカルスイッチは、ここを過ぎたらON、ここまで戻ったらOFFという固定の作動点がありました。
カチッ、カチッってやつですね。
はい。しかし直スイッチは、指がキーを0.1ミリでも上に戻した瞬間に即座に入力OFFにできるんです。
戻した瞬間に?
はい。そしてそこから再び0.1ミリでも押し込めば即座にONにできます。
はーい。
FPSゲームなどで、走りながら一瞬でピタッと立ち止まって正確な射撃を行うようなシビアな動作において、固定の作動点までキーが戻るのをいちいち待つ必要がないんです。
なるほど。物理的なスプリングの戻りスピードっていう制限すら取っ払って、指のわずかな動きにリアルタイムで追従させるわけですね。それは確かに強い。
強いですよね。
でも速さといえば、ソースの中にポーリングレートとスキャンレートという言葉がたくさん出てきますよね。これって何なんでしょうか?
デバイスの応答速度を語る上で欠かせない要素ですね。
まずポーリングレートというのは、パソコン側がキーボードに対して今何かキーを押されたと確認しに来る頻度のことです。
パソコンからの確認頻度ですね。
はい。一般的なゲーミングキーボードは1000Hz、つまり1ミリ秒に1回確認します。最近では8000Hz、つまり0.125ミリ秒に1回という超高速なものもありますね。
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0.125ミリ秒。
はい。一方でスキャンレートというのは、キーボード内部のマイコンが自身のキーマトリックスを見回る速さのことです。
ああ、なるほど。いくらパソコンが頻繁に確認しに来ても、キーボード自身の情報更新が遅ければ意味がないってことですね。
その通りです。そしてですね、ここでもう一つ速度のボトルネックになる重要な要素があるんです。
まだあるんですか?
はい。それがデバウンス処理です。
デバウンス。また新しい言葉が。
えーとですね、金属の板バネを使ったメカニカルスイッチの場合、接点がぶつかった瞬間に微小なレベルで金属がブルブルと振動して弾んでしまうんですよ。
ブルブルと。
ええ。これをバウンス、またはチャタリングと呼びます。
もしパソコンがこの振動をそのまま読み取ってしまうと、人間は1回しかキーを押していないのに、AAAと5回入力されたことになってしまうんです。
ああ、物理的な金属同士の衝突だからどうしても弾いてしまうんですね。
ええ。だから従来のキーボードは、この振動が完全に収まるまで数ミリ秒間、意図的に信号の送信を遅らせるデバウンス遅延でるものを設けているんです。
なるほど。わざと遅らせてるんだ。
そうなんです。しかし、先ほどの磁気検出スイッチや静電容量無接点方式は、物理的に金属がぶつかる接点を持たないため、そもそもこの振動自体が発生しません。
ということは。
はい。つまりデバウンス遅延を完全にゼロにできるんです。
なるほど。物理的な制約がないからこそ、信号処理も極限まで早くできると。いや、すごいですね。
ええ、本当に。
うーん。でもですね、ここでちょっと意地悪なツッコミをさせてください。
お、なんでしょう?
ソースにある認知科学の研究データを見ると、人間の視覚的な反応時間って、プロゲーマーでも約150ミリ秒前後ですよね?
そうですね。約0.15秒です。
ポーリングレートが1000Hz、つまり1ミリ秒から8000Hzの0.125ミリ秒になったところで、その差ってたったの0.8ミリ秒じゃないですか?
ええ、計算上はそうですね。
人間の脳と指が反応するまでに150ミリ秒もかかっているという巨大な渋滞があるのに、その0.8ミリ秒を削るためだけに、初心者が数万円もする8000Hzのキーボードを買う意味って本当にあるんでしょうか?
なるほど。
なんだか、ただのマーケティングの重い文句に思えてきちゃうんですけど。
非常に鋭い、そして本質的なご指摘です。
はい。
結論から言いますと、それはパソコンやモニターの環境に完全に依存すると言わざるを得ません。
環境に依存ですか?
ええ。もし一般的な60Hz、つまり約16.7ミリ秒に1回しか画面が更新されないモニターを使っているとしますよね?
普通のモニターですね?
はい。その場合、0.8ミリ秒のキーボードの速度差なんていうのは、モニターの遅延という大渋滞の中に完全に飲み込まれてしまいます。
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ああ、まさに大渋滞の道路に1万馬力のスーパーカーを持ち込むようなものですね。全然スピード出せないじゃんって。
ふふ、ええ、まさにその通りです。しかし、プロの競技シーンでは話が全く変わってくるんですよ。
プロだと違う?
はい。彼らは240Hzや360Hzといった超高リフレッシュレートのモニターと最高峰のPCを使って、システム全体の遅延を極限まで削ぎ落としています。
なるほど、道が裂いているわけだ。
そうです。人間の150ミリ秒という反応時間は、変えられない生物学的な限界です。
だからこそ、ハードウェア側で削れる遅延は、たとえ1ミリ秒の半数であっても、すべて削り落としたいんです。
削れるところは全部削ると?
ええ、その極限の環境が整って初めて意味を持つ数字というのが8000Hzなんです。
したがって、これから最初の1台を選ぶ方にとっては、まずは1000Hzあれば十分に速いと言えます。
はあ、数字の魔法に惑わされず、全体のバランスを見ることが大事なんですね。
その通りです。
さて、ここまでスイッチの物理的な仕組みから、基盤の魔法、そしてゲームにおける限界値まで見てきました。
ここから先は実践編です。結局のところ、リスナーの皆さんは、どうやって最初の1台を選べばいいのでしょうか?
そうですね。やはり目的と用途に合わせて、優先順位を明確にすることが一番大事です。
優先順位?
はい。もし予算をできるだけ抑えたいとか、あるいはノートパソコンのような薄くてストロークの短い打ち心地が好きなら、
無理に高いものを買わずにパンタグラフ方式を選ぶのが正解です。
なるほど。じゃあ逆に、毎日大量の文章をタイピングするライターさんとかプログラマーで、とにかく指の疲れをなくしたいという場合は?
その場合は、出打ちの衝撃がなく滑らかな入力ができる静電容量無接点方式が最高のパートナーになるでしょうね。
予算はかかるけど、指への優しさはピカイチだと?
ええ。そして、FPSなどの対戦ゲームで、少しでも思い通りにキャラクターを動かしたい、勝ちたい、という明確な目標があるなら、これはもう迷わず直検出スイッチです。
ラピットトリガーの恩恵を受けるわけですね?
そういうことです。
では、カチャカチャという心地よい打撃音を楽しんだり、キーキャップを変えたり、自分好みに色々カスタマイズしたい人は、メカニカルスイッチということになりますね?
ええ、まさにその通りです。
でも、メカニカルって、赤軸は静か、青軸はうるさい、茶軸はその中間みたいに種類が多すぎて、初心者は絶対に迷いますよね?
まあ、数え切れないほど種類がありますからね。
もし、買ってからやっぱり重すぎたとか、後悔したらと思うと怖くて手が出せないと思うんですけど。
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そこで、初心者の方にぜひ知っておいてほしい、失敗を恐れずに済む自作キーボード界の革命的な技術があるんです。
革命的な技術?
ええ、それがホットスワップ対応のPCBを選ぶことです。
ホットスワップ、先ほど基板にダイオードやスイッチをハンダ付けするという話がありましたけど、それと関係が?
はい、大ありです。通常はスイッチの金属ビンを基板にハンダで固定してしまうため、後から違うスイッチに変更するというのは至難の技なんです。
全部溶かして外さないといけないですもんね。
え?しかし、ホットスワップ対応の基板にはあらかじめ専用のソケットが埋め込まれているんですよ。
ソケットが?
これによって、スイッチをまるでレゴブロックのようにカチッと押し込むだけで装着できて、専用の工具で簡単に引き抜くことができるんです。
え?だかとは、ハンダ固定を一切使わずに。
はい、一切使いません。
ということはですよ、最初は静かな赤軸を買って使ってみて、後からもう少しタイピングの手応えが欲しいなと思ったら、
キーボードごと買い替えるんじゃなくて、茶軸のスイッチだけを買ってきて、1時間くらいでサクッと全部入れ替えることができるってことですか?
その通りです。好みが変わっても、あるいは特定のキーだけ壊れてしまっても、ピンポイントで交換してアップデートし続けることができます。
うわー、それはすごい!
自分の指の感覚に合わせて自由にタイピング体験を育てていけるので、初心者にとって最高のリスクヘッジになりますよ。
それは素晴らしいですね。まとめると、まずは過剰なオーバースペックの数字に振り回されず、自分の用途に合った構造を選ぶこと。
はい。
そして、メカニカルを選ぶならホットスワップ対応にして失敗するリスクをなくす。これが理想のキーボードを見つけるための確実なショートカットですね。
ええ。毎日触れるインターフェースだからこそ、妥協せずに自分にフィットするものを見つける過程、そのものを楽しんでいただきたいですね。
本当にそうですね。さて、今回の深掘りがあなたにとって最高のタイピング体験を見つけるための良い羅針盤になれば嬉しいです。
参考にしていただければ。
でも最後に一つだけ面白い趣向の種を共有させてください。
ほう、何でしょうか。
キーボードの配列といえば一番左上の文字から取ったQWERTY配列ですよね。
QWERTY配列、はい。
この配列、よく昔の機械式タイブライターの時代にタイピストが早く打ちすぎると金属のアームが絡まって故障するからわざと打ちにくくして速度を落とすために作られたなんて言われていませんか?
ああ、テクノロジー界隈で最も有名な都市伝説の一つですね。よく聞きます。
そうなんですよ。でも実はソースを辿っていくと全く逆の真実が見えてくるんです。
逆ですか?
はい。QWERTY配列はわざと遅くしたわけではなくてですね、よく連続で打たれる文字の組み合わせ、例えばTとHとかですが、その金属アームを物理的に離れた位置に配置したんです。
なるほど。
そうすることでアームが空中で絡まるのを防ぎ、結果的にタイピストがより早く打てるように最適化された。150年前の天才的な工夫だったんですよ。
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はあ、なるほど。速度を落とすためではなく、物理的な制約の中でスピードの限界を突破するための配置だったと。
そうなんです。だから次にあなたがメッセージを打つとき、ちょっとだけ意識してみてください。
はい。
あなたの指先は今、磁気センサーや1ミリ秒の遅延を削る最新のデジタル技術を駆使しながら、それと同時に1870年代の技術者たちが生み出した物理的なスピードの最適解の上を踊っているんです。
ロマンがありますね。
ヒーボードって、歴史と最新技術が交差するとんでもなくロマンチックなデバイスだと思いませんか?
ええ。19世紀の物理的な課題解決と、21世紀のデジタルな高速処理があの小さなプラスチックの板の中で融合しているわけですからね。実に興味深いです。
はい。というわけで、今回の深掘りはここまでです。
次回もまた、日常に隠された驚きの真実を一緒に解き明かしていきましょう。お楽しみに。