00:00
甘口だと思って買った日本酒が、実は辛口だった。そんな経験、リスナーのあなたにもありませんか?
ああ、ありますよね、それ。
いやー、あの、これって、あなたの美覚がおかしいわけじゃないんですよね。人間の舌って、非常に簡単に騙されてしまうものらしくて。
ええ、全くおかしくないです。むしろ、ベテランの切酒師とか、プロフェッショナルでさえ、飲む温度とか直前に食べたもの次第で、甘辛を正確に言い当てるのは一難の業だと言われているくらいですから。
プロでも間違えるんですね。それったらすごく面白いですよね。
そうなんですよ。特に日本酒は甘味、酸味、旨味、それにアルコールの刺激が複雑に絡み合っているので、一つの要素だけで味を判断するのって不可能に近いんです。
なるほど。居酒屋とか酒屋さんの冷蔵庫の前に立って、あのずらりと並んだ瓶を眺めているとき、地図を持たずに外国の図書館に迷い込んじゃった気分になること、あなたもあると思うんです。
確かに、たつひつな漢字とか謎の数字がいっぱい並んでますからね。
そう、どれを選べばいいか全くわからないんですよね。なので、よし、今日からその迷いをなくすために、この複雑な糸を解きほぐしていきましょう。
いいですね。ぜひやっていきましょう。
今回の深掘りのミッションは明確です。この広大で複雑な日本酒という図書館を自由に歩き回るために、あなた専用の最強のナビゲーションマップを作ること。
はい。
ラベルの暗号を解録して、理屈を理解した上で、本当に自分の気分に合った最高の一杯を見つけられるようにします。
非常にやりがいのあるミッションですね。現在、日本全国には1400以上の酒面があって、銘柄の数に至っては1万以上も存在すると言われているんです。
1万、そりゃ迷子にもなりますよ。
そうですよね。ここで興味深いのが、国税庁の令和6収蔵年度の最新データなんですけど。
はい、どんなデータですか?
聖酒全体の製造数量は、全体としては減少傾向にあるんです。でも、純米酒とか純米銀錠酒に限って言えば、横ばい、あれはわずかに増加しているんですよね。
つまり、お酒を飲む量自体は減っているけど、こだばって作られたお酒は依然として求められているってことですか?
まさにそういうことです。消費者が単に酔うためのアルコールを求めているんじゃなくて、その土地ならではの個性とか、作り手の哲学、つまり、より高い質を求めているという明確なシフトが起きているんです。
量から質へのシフトですね。
はい。だからこそ、味わいのメカニズムを知ることが、今の時代により求められているんだと思います。
なるほど。では、その質を見極めるために、まずは日本酒がどうやってあの複雑な味を生み出しているのか、基礎となる設計図から見ていきましょうか。
そうですね。そこが一番の基本になります。
そもそも、お米と水っていう非常にシンプルな原料から、どうしてメロンとかリンゴみたいなフルーティーな香りが出たり、あんな複雑な旨味を持つお酒ができるんですか?
03:06
そこが日本酒の最もミステリアスで、かつ高度な部分なんですよ。他のお酒と比較するとすごくわかりやすいです。
他のお酒というと、ワインとかビールですか?
ええ。例えばワインの場合、ぶどうの果汁には最初からたっぷりと糖分が含まれていますよね。だから、そこに酵母を入れれば、酵母が糖を食べて、そのままアルコール発酵が始まります。
ぶどうをつぶして酵母を入れるだけ。シンプルですよね。
はい。これはタンパク酵と呼ばれます。一方でビールは麦の澱粉を一度、麦の酵素を使って糖に変えるんです。
ああ、まずは糖にするんですね。
そうです。そして糖になった後で、酵母を入れて発酵させます。ステップが2つに分かれているので、これは炭酵副発酵と言います。
澱粉を糖にしてからアルコールにする。順番にこなしていくわけですね。じゃあ日本酒はどうなんですか?
ここからがすごいんですが、日本酒はお米の澱粉を糖に変える糖化。これは麹の役割ですね。それと作られた糖をアルコールに変える発酵。こっちは酵母の役割です。この2つのプロセスを同じタンクの中で、しかも同時に進行させるんです。
えっと?同時進行ですか?
はい。これを平行副発酵と呼びます。
それって、車の運転に例えるなら、アクセルを踏んでエンジンの中で燃料を生成しながら、同時にブレーキを絶妙に踏み込んで、生成された束からその燃料を消費していくようなものですか?
ああ、素晴らしい例えですね。まさにその通りです。
少しでもバランスが崩れたらエンストするか暴走しちゃいそうですよね?
まさにその絶妙なコントロールが求められるんです。工事が糖を作るスピードが速すぎると、酵母が食べきれずにお酒が甘くなりすぎたり、最悪酵母が死んでしまいます。
わあ、シビアですね。
逆に糖を作るのが遅すぎると、酵母が飢餓状態になって発酵が止まってしまうんですよ。世界中の醸造師を見渡しても、これほど複雑で繊細な微生物のコントロールが求められる技術って珍しいんです。
そんな精細なバランスになり立っているなら、土台となるお米自体も私たちが普段食べているものとは全く別物なんですよね?
ええ、全く違いますね。
私、コシヒカリが大好きなんですけど、あれでお酒を作っても美味しくならないんでしょうか?
結論から言うと、美味しいお酒にはなりにくいんです。
あ、やっぱりそうなんですね。何でですか?
私たちが食べて美味しいって感じる旨味の素、つまりタンパク質や脂質が多く含まれているからなんです。
お酒作りにおいて、このタンパク質が発酵の過程でアミノ酸に分解されすぎると、クミとかエグミ、いわゆる雑味に変わってしまうんですよ。
へー、食べて美味しい成分がお酒になると邪魔になるんですね。
はい。ためどめ日本酒には酒蔵鉱的米、いわゆる酒米が使われます。酒米にはお米の中心に神白と呼ばれる澱粉質が粗く詰まった白く濁った部分があるんです。
06:03
神白ですか?
ええ。このコシラはタンパク質とか脂質が少なくて、かつ隙間が多いので、麹菌の糸が内部までしっかり入り込みやすいんですよ。
なるほど。お米の真ん中にお酒作りのためのスイートスポットがあるわけですね。
そういうことです。資料によると酒米の王様と呼ばれる山谷式がシェアの40%を占めていて、すっきりした味わいになる五百万石が20%を占めているとありますね。
でもここでちょっと疑問なんですけど、同じ山谷式と水を使っていても、酒作らによって全く味が違うお酒になりますよね。それはなぜですか?
非常に鋭い視点ですね。原料が同じでも味が劇的に変わる最大の理由は、お酒の土台となる酵母を仕立てる工程、つまり種母作りとお米をどれだけ削るかという精米折合の違いにあるんです。
種母作りと精米保合ですか?
はい。特に種母作りにおいて、生トモと即常という2つの製法は味の骨格に決定的な違いを生み出します。リスナーのあなたも頭の中に2つの製法の比較表を思い浮かべてみてください。
日本酒のラベルでよく見かける言葉ですよね。ぜひお願いします。
では、現代の主流である即常からいきましょうか。この製法の最大の特徴は人工的な乳酸の添加です。
人工的な乳酸ですか?
ええ。酵母を育てるためには雑菌の繁殖を防ぐために強い酸性の環境が必要なんです。即常では醸造用の乳酸を最初から添加することで、一気に安全な酸性環境を作ります。
なるほど。それで期間はどれくらいかかるんですか?
期間はわずか1週間から2週間くらいでかなりスピーディですね。
早いですね。味わいはどうなるんですか?
味わいは余計な菌が入りかまないため、短齢ですっきりとしたクリアで癖のない味になります。
早くて安全、そしてクリアな味。いかにも近代的な合理性を持った作り方ですね。では、もう一つの生トモはどうなんですか?
伝統的な生トモは人工的な乳酸を一切使いません。その代わり、蔵の空気中とか壁にすみついている天然の乳酸菌がタンクの中に落ちてきて、自然に乳酸を出すのをひたすら待つんです。
えーっと、待つんですか?それってどれくらいかかるんでしょうか?
期間は早期の倍以上、約1ヶ月はかかりますね。
1ヶ月、それは長いですね。
はい。しかも工程としては、昔は山卸という冬の深夜に米と麹をすりつぶしてドロドロにする過酷な重労働が必要だったんです。
うわー、それは本当に大変だ。
その分、味わいは非常に複雑で深みがあって、酸味がしっかり効いたコクのある濃厚な味になります。
ちょっと待ってください。あの、宗教の方が圧倒的に早くて、お酒が腐るリスクも低くて、しかも重労働がないんですよね?
09:00
ええ、そうです。
なら、なぜ今でもわざわざ手間とリスクのかかる生元を作り続ける蔵があるんですか?現代の技術があるのに、ただ伝統に固執しているだけに見えちゃうんですけど。
いや、それが単なる固執ではないんです。さらに視点を広げてみると、全く別の価値が見えてくるんですよ。
別の価値?ですか。
はい。生元の真の価値は、タンクの中で行われる微生物のサバイバルゲームにあるんです。最初は小酸還元菌が働き、次に野生の乳酸菌が増殖して酸を出します。
どんどん過酷な環境になっていくんですね?
そうなんです。環境が厳しくなると、彼らは死滅して、最終的にその酸に耐えられる強い酵母だけが生き残って、アルコールを出します。
この過酷な生存競争の過程で、様々な菌が死滅する際に、網の酸などの複雑な副産物を残していくんです。
あー、なるほど。無菌室で育った酵母じゃなくて、過酷な環境を生き抜いた野生の菌滝が残した痕跡が、そのまま味の複雑さにつなげるわけですね?
その通りです。そして、その菌は培養されたものではなくて、その土地、その建物の梁や壁に何十年も住みついている天然の菌なんですよ。
てことは、その蔵独自の菌ってことですか?
ええ。つまり、世界中どこを探しても、その土地、その蔵でしか絶対に出せない唯一無二の個性、すなわちテロワールを液体に閉じ込めることができるんです。
だからこそ、効率を度外視してでも、今また生元作りに挑む酒作りが増えているんですよね。
それはすごいストーリーですね。人工的な環境では決して再現できない蔵の空気の歴史そのものを飲んでいるようなものですね。納得しました。
よかったです。
そしてもう一つ、味を決めるのがお米の削り具合、精米歩害ですよね。大銀蔵とか銀蔵といった言葉です。これって、削れば削るほど美味しくなるんですか?
単純に美味しいかとより、目的が違うと考えた方が正確ですね。お米を削って残った割合を精米歩害と呼びます。大銀蔵は50%以下、銀蔵は60%以下まで米を磨きます。
かなり削るんですね。
はい。外側にあるタンパク質や脂質を極限まで削り落として、純粋な澱粉の塊にするんです。それを通常より遥かに低い温度でゆっくり発酵させます。
寒いところで発酵させるんですか?
そうすると、酵母は栄養不足と寒さで強いストレスを感じるんですよ。
酵母にとっての過酷な環境をあえて意図的に作るわけですね。
ええ。酵母はそのストレス環境下でなんとか生存しようともがくんですが、その過程でエステル類という特殊な好奇成分を生み出します。これがバナナやリンゴのようなあの華やかな銀条香の正体なんです。
へえ。酵母のストレスがあのフルーティーな香りを生んでいるんですか。面白いですね。
面白いですよね。
ちなみにラベルでよく見る純米と本醸造の違いって何ですか?
12:00
それはシンプルです。お米と水、麹だけで作るのが純米酒です。お米本来のふくよかな旨味が特徴ですね。
はい。純粋にお米だけってことですね。
一方で発酵の最終段階でごく少ない量の醸造アルコールを添加したものが本醸造酒や単なる銀醸酒となります。
アルコールを足すんですね。それって薄めてるわけじゃないんですか?
違います。アルコールを入れることで香りがより引き立ち、あとがすっきりとキレのある味わいになるんです。
かさ増しのためではなくて味の設計としての添加なんですよ。
なるほど。原料と製法の設計図が完璧に理解できました。ではいよいよ本題に行きましょうか。
はい。いきましょう。
酒屋さんに行ってラベルを見たとき、一番迷うのが日本酒度とか酸度っていう謎の数字です。
辛口って書いてあるのに甘く感じたり、これ一体どういうメカニズムなんですか?
ラベルの数字に惑わされる人は本当に多いですよね。
まず日本酒度の仕組みから説明しましょう。これはお酒の比重、つまり重さを表しています。
重さですか?
ええ。水の比重をプラスマイナスゼロとしたとき、お酒の中に糖分がたくさん残っていると水より重くなるので数値はマイナスに傾きます。これが甘口の傾向です。
糖が残っていればマイナスで甘い。じゃあプラスは?
逆に糖分がしっかりアルコールに分解されているとアルコールは水より軽いので数値はプラスに傾きます。これが辛口の傾向とされます。
糖がアルコールに変わっていればプラスで辛い。理屈は分かりました。じゃあ酸度というのは?
酸度は発酵の過程で生まれた乳酸や琥珀酸などの量の指標です。ここがポイントなんですが、人間のジェタは酸味を強く感じると甘みを感じにくくなるという性質があるんですよ。
え、そうなんですか?
つまり酸度が高いと味が引き締まって辛く濃く感じます。逆に酸度が低いと同じ糖分の量でも甘くすっきり感じるんです。
ちょっと待ってください。それってオーディオのイコライザーみたいなものですね?
イコライザーですか?
はい。低音のつまみである日本酒度の数値だけを見てもダメで、高音のつまみである酸度がどう設定されているかを見ないと最終的にどんな曲、つまりどんな味に聞こえるか分からないってことだ。
あーなるほど。その例え本質をついていますね。
日本酒度がマイナスで甘口の数値でも酸度が高ければ引き締まって辛く感じるかもしれないってことですよね?
まさにその通りです。さらに言うとうま味成分であるアミノ酸のつまみやアルコール度数のつまみも連動しています。
つまみがいっぱいありますね。
ここからが本当に面白いところなんですが、実はベテランの改修士でも数字だけを見て、あるいは一口飲んだだけで甘口か辛口かを正確に判定するのは至難の技なんです。
冒頭のお話に戻りましたね。なんでプロでも間違えるんですか?
人間の感覚が非常に騙されやすいからです。
例えば香りですね。銀条香のような甘いフルーツの香りを嗅ぐと脳はこれは甘い飲み物だと錯覚して、実際には糖分が少ない辛口でも甘く感じてしまうんです。
15:10
香りで脳が騙されるんですね?
そうです。また直前に食べたものにも大きく左右されます。
甘いチョコレートケーキを食べた後に飲めばお酒の酸っぱさや辛さが際立ちますし。
あー確かに。
逆にスパイシーな料理の後ならお酒の甘みを強く感じます。そして極めつけは温度です。
冷やしている時はすっきり辛口に感じたお酒が常温に戻ると急に甘く重く感じることはよくありますね。
完全に味覓のイリュージョンですね。つまり私たちはラベルの数字を絶対視してはいけないってことですか?
ええそうです。数字はあくまで目安として楽しみつつ、最終的には自分の感覚を信じるべきなんですよ。
なんか気が楽になりました。では数字の呪縛から解き放たれたところで、
私たちが今夜の夕食や週末の飲み会で具体的にどう日本酒を選び、どう楽しめばいいのか。
改修士の指定を取り入れた選び方に行きましょう。
はい。日本酒サービス研究会SSIが提唱している4つのタイプの分類を知っておくと、どんな場面でも迷わなくなりますよ。
4つのタイプですか?
香りの肯定、味の断点の2つの軸でマトリックスを作るんです。
ぜひ詳しく教えてください。
1つ目は花音酒。先ほど話に出た大吟醸などに多くて、フルーツや花のような高い香りが特徴です。
香りを引き立たせるため、少し冷やして食前酒として楽しむのがベストですね。
香りの花音酒ですね。
2つ目は相酒。本醸造や生酒などに多くて、軽快ですっきりした丹麗な味わいです。
しっかり冷やして、白身魚のお刺身などさっぱりした食事に合わせると最高です。
香る酒と相酒は冷やして楽しむタイプですね。残る2つはもっと旨味を楽しむタイプですか?
そうです。3つ目は酢酒です。純米酒や菜本作りのお酒ですね。お米本来のふくよかな旨味とコクが特徴です。
お肉とかに合いそうですね。
まさに冷やしすぎずに常温、あるいは缶にして温めると旨味がふわりと花開いて、肉料理や煮物にも負けない力強さを発揮します。
いいですね。そして4つ目は?
最後の4つ目は熟酒です。長く熟成させたコシなどで、ドライフルーツやスペースのような深い香りと琥珀色が特徴ですね。
食後に少しずつ舐めるように味わうのが良いでしょう。
香りの香る酒、すっきりの相酒、旨味の純酒、熟成の熟酒、すごくわかりやすいですね。
よかったです。
ここで私から1つ提案したいんですが、お酒のタイプに合わせて砂器、つまりグラスや器の形を変えてみるのはどうでしょう?
それは素晴らしい提案ですね。
器を変えるだけで味が変わるなんて、これもまたイリュージョンみたいですけど、理屈があるんですよね。
18:01
あります。実は、砂器の形状はお酒が口の中に入ってくる物理的な流れを変えるため、味覚を大きく左右するんですよ。
物理的な流れですか?
例えば、冷やして飲む香る酒や相酒は、円が薄いワイングラスやガラスのお直が合います。
円が薄いと、お酒は舌の真ん中をスッと通り抜けて、喉の奥へ一直線に流れ込むんです。
なるほど。
これにより酸味やキレの良さが最大で、香りがダイレクトに鼻へ抜けるんですよ。
へえ。逆に温める純酒はどうですか?
純酒は、土の重もりを感じる厚手の焼き物、陶器の食い飲みが最適ですね。
円が分厚い器で飲むと、お酒が舌の上に広くゆっくりと広がります。
薄いグラスとは逆ですね。
そうです。人間の舌は広く触れることで、網の酸がどのうま味や甘みをより強く感じる構造になっているので、お米のふくよかさを最大限に引き出せるんですよ。
薄いグラスはスピードとキレを出し、厚い陶器は広がりとうま味を出す。
お酒のタイプ、温度、そして器、この3つの組み合わせをデザインするだけで、いつもの晩酌が最高のエンターテイメントになりますね。
そうなんですよ。本当に奥が深いです。
それでも、まだどれを買えばいいか迷うという人はどうすればいいですか?
迷った時は、産地を見るのも一つの確実な手ですね。
日本酒の約80%は水分ですから、水と気候のテレワールがそのまま味に出るんです。
産地ですか。例えばどんな特徴があるんですか?
例えば、雪深く南水の新潟県は、酵母の働きが穏やかになって、料理を引き立てる丹麗辛口になります。
すっきりしてるイメージですよね。
ええ。逆に山に囲まれた長野県は、服用化な濃湿寒脈地、そしてミネラル豊富な香水が湧き出る兵庫県の那田は、酵母が活発に動いて糖分をしっかり食いつくすため、骨太で力強い濃湿辛口になるんです。
なるほど。ご当地の気候風土を想像しながら選ぶのも素晴らしいアプローチですね。
はい。すごく楽しい選び方だと思います。
いやー、あっという間に時間が過ぎてしまいました。今日の深掘りで日本酒の見方が完全に変わりましたね。
それは嬉しいですね。
リスナーのあなたも、もう居酒屋のメニューや酒屋のラベルの数字、生素や純米といった言葉に怯える必要はありませんよ。
キリシュ氏のように、今日の気分や食事に合わせてタイプを選んで、温度や器の形までロジカルにデザインできるようになったはずです。
知識というのは、お酒を頭で飲むためにあるのではなくて、より美味しく、より自由に味わうための最高のスパイスですからね。
本当にその通りですね。最後にあなたにちょっとした挑発的な思考を投げかけて終わりにしたいと思います。
何でしょうか。
日本酒のラベルの裏をよく見ると、小さくBY、つまりブリューワリーイヤー、酒造粘土と書かれていることがあります。
これは7月1日から翌年の6月30日までの1年間を指す言葉なんです。
21:03
はい、よく書いてありますよね。
私たちって、どこかで日本酒を工業製品のように、スーパーでいつ買っても全く同じ味がするものだと思い込んでいませんか?
ああ、確かにそう思いがちですよね。
でも、今日学んだように、日本酒は酵母という微生物が戦って、お米と水が織りなす生きている農作物の結晶なんです。
ワインのヴィンテージのように、その年の必勝時間、雨のようお米の出来具合によって、実は毎年少しずつ表情を変えているんですよね。
その通りです。今年の味は今年しか出会えない一期一遇なんですよね。
次に酒屋さんに行った時、あなたが地図を持たずに迷い込むことはもうありません。
ラベルの裏にあるBYの表記を探して、この年はどんな気候だったんだろう、どんな微生物のドラマがあったんだろう、とグラスの中の小さな歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
素晴らしいですね。
あなただけの最高の一本で出会えることを祈っています。
今日はありがとうございました。
ありがとうございました。