WEBVTT

00:00:10.030 --> 00:00:24.390
英国ドラマタイムへようこそ。この番組は、イギリスの歴史ドラマが大好きな私が、ドラマや映画のおすすめ、ロケ地の秘密、当時の暮らしまで深掘りしてご紹介しています。物語の背景を知ると、作品がもっと楽しくなります。

00:00:25.910 --> 00:00:31.430
さて今日は、高慢と偏見について語るという3回シリーズの2回目になります。

00:00:32.110 --> 00:00:40.290
前回放送の1回目では、このシリーズを始めた理由とか、高慢と偏見の基本的なところをたっぷりとお話ししました。

00:00:41.970 --> 00:00:47.590
あらすじやタイトルの意味、それからイギリスの階級制度についても触れたよね。

00:00:48.210 --> 00:00:48.370
うん。

00:00:48.590 --> 00:00:52.430
知らなかったことがたくさんあって、私自身もすごく勉強になりました。

00:00:53.750 --> 00:01:00.050
そう、この物語って恋愛だけじゃないよねってところまでようやく見えてきた感じだったんじゃないかな。

00:01:00.850 --> 00:01:12.090
うん。時代背景を知ってから作品を見ると、なんであの人はこんな行動をとるんだろうっていうのが自然とわかってきて、作品の見え方全然変わってくるよね。

00:01:12.770 --> 00:01:16.230
そうだね。今日はさらに踏み込んでいきます。

00:01:17.390 --> 00:01:20.370
テーマは、結婚は愛か現実か。

00:01:21.950 --> 00:01:23.670
重たいテーマだね。

00:01:24.230 --> 00:01:29.230
そう、でもここが一番高慢と偏見らしいところでもあると思わない?

00:01:30.370 --> 00:01:36.730
そうだね。では今回は登場人物の誰を中心に見ていくのかな。

00:01:38.090 --> 00:01:53.150
今日話すのはこの人たちです。ベネットテの長女のジェーンと次女エリザベス、そしてエリザベスの親友のシャーロット、そしてミスターダーシー。この4人を軸に話していきます。

00:01:54.310 --> 00:01:56.670
なるほど。重要メンバーだね。

00:01:59.790 --> 00:02:10.010
まず最初に注目したいのが、エリザベスの親友のシャーロットの結婚です。これが物語の流れを一気に変える出来事なんだよね。

00:02:11.330 --> 00:02:17.470
確かに、彼女の結婚は物語がスタートして割と早い段階だったよね。

00:02:19.210 --> 00:02:28.290
ベネット家の娘たちが結婚に向かって良いスタートを切ったように見えたんだけれども、いがねなところが先にゴールにたどり着いちゃったんだよね。

00:02:29.270 --> 00:02:44.630
これをきっかけに、ジェーンとエリザベスがどうしてすんなり結婚することができなかったのか、男たちがどれだけずれた判断をしていたのか、プロポーズがなぜあんなにこじれたのか、全部つながってくるんだよね。

00:02:45.890 --> 00:02:48.270
今回はかなり深掘りだね。

00:02:48.730 --> 00:02:54.010
そう、今回は恋愛の話ではなくて、人生としての結婚の話をします。

00:02:54.770 --> 00:03:03.290
はい、じゃあまずは、なぜシャーロットが最初に結婚したのか、ここからいきましょうか。

00:03:04.730 --> 00:03:09.270
そもそもなぜシャーロットの結婚がそんなに重要なの?

00:03:10.970 --> 00:03:30.710
じゃあシャーロットの結婚をちょっと振り返ってみたいんだけれども、シャーロットはエリザベスの親友で、近くに住んでいて、小説の中にも書かれていたんだけど、家族ぐるみで付き合っていて、よく行き来していて、とても身近な存在の女性です。

00:03:31.310 --> 00:03:31.710
はい。

00:03:32.190 --> 00:03:39.230
でも彼女には不利な条件が重なりすぎていて、ベネット姉妹よりかなり結婚史上で不利だったんだよね。

00:03:40.350 --> 00:03:44.230
えー、そうなんだ。いい家柄に見えたけど。

00:03:44.630 --> 00:03:49.070
そうなの、一見ね。でもベネット家よりも格下なんです。

00:03:50.330 --> 00:03:57.070
えー、倉庫があるのにベネット家より下なの?逆だと思ってた。

00:03:58.330 --> 00:04:11.610
そうそう、お父さんはサーと呼ばれるナイトの称号を持っていて、地元ではそれなりに顔抜きく人で、ビングリーたちを招待して、最初のね、武道会を開いたのもお父さんだったよね。

00:04:12.570 --> 00:04:21.250
でも、このお父さんの持っている称号は、商売で成功して、国や王室に貢献したことでもらえるものだったんだよね。

00:04:22.430 --> 00:04:32.990
あー、そっか。前回階級の話で説明してくれた通り、商売をしている人は土地を持っている人より階級は下だったよね。

00:04:33.830 --> 00:04:41.070
そうそう、称号はあるけれど、貴族ではないし、代々の広大な土地を持っているわけでもない。

00:04:42.030 --> 00:04:48.110
おまけに兄弟が多くて、シャーロットはお嫁に行くときの持参金も少ないんだよね。

00:04:49.070 --> 00:04:54.650
なので、一見良さそうに見えて、実は中途半端にいい家っていう、そんな感じなんだよね。

00:04:55.770 --> 00:05:01.250
なるほど。見かけは立派だけど、実態が伴っていない感じなんだね。

00:05:01.730 --> 00:05:08.050
それに比べてね、ベネットテは代々の土地を持っていて、年収も2000ポンドあります。

00:05:08.370 --> 00:05:15.330
だいたい今の価値なら2000万円を軽く超えるくらいかな。そこそこ余裕のあるね、家なんだよね。

00:05:16.450 --> 00:05:21.330
そうか、シャーロットには他にも不利な事情があったの?

00:05:22.430 --> 00:05:27.210
そう、あの27歳という年齢もちょっとやばかったね。

00:05:27.690 --> 00:05:33.130
当時は18歳から22歳までが理想の結婚年齢だったからね。

00:05:34.310 --> 00:05:36.930
ちなみにエリザベスは何歳だった?

00:05:37.750 --> 00:05:44.030
彼女は20歳だから、ちょうどこれからっていうところだよね。だからまだ余裕でいられる。

00:05:44.030 --> 00:05:47.050
お姉さんのジェイも21歳だからね。

00:05:47.770 --> 00:05:52.470
シャーロットが難しい立場にある理由って他にも何かある?

00:05:54.330 --> 00:06:05.510
小説でも書かれてたけれども、控えめで賢くて現実的で、感情をあまり表に出さないタイプだから、目に留まりにくいよね。

00:06:07.070 --> 00:06:10.090
話しても楽しいっていうタイプでもなさそうでしょ。

00:06:11.170 --> 00:06:22.910
そうね、ベネット家ではジェイは美しくて目立ってたし、エリザベスも誰にでも気さくて話しやすいし、話していても楽しそうな雰囲気だったもんね。

00:06:23.450 --> 00:06:29.970
そう、そういう厳しい現実をシャーロットはね、自分でもよくわかっていたんだと思うよ。

00:06:31.350 --> 00:06:35.770
だからコリンチさんが来た時に逃さなかったんだね。

00:06:37.230 --> 00:06:53.810
ドラマ版では、エリザベスがコリンチさんのプロポーズを断って、怒っているコリンチさんを家に招待しようかしらってシャーロットが言ったんだけれども、それを言った後、一瞬何か考える場面があったんだよね。

00:06:55.650 --> 00:07:01.090
それは、その時に自分の将来を考えていたのかもしれないね。

00:07:01.830 --> 00:07:06.570
なるほど。コリンチさんって、ベネット家の親戚だよね。

00:07:08.110 --> 00:07:11.950
そうそう。正確に言うと、お父さんの兄弟の子供ね。

00:07:13.070 --> 00:07:20.210
ベネット家には男の子がいないから、お父さんが亡くなったら、財産はすべてコリンチさんのものになる。

00:07:21.730 --> 00:07:29.050
そうだったね。だからお母さんは、エリザベスとなんとか結婚させようとしていたんだけどね。

00:07:29.890 --> 00:07:36.410
エリザベスはプロポーズを断ったしね。シャーロットはものすごく考えていたんだと思うよ。

00:07:37.910 --> 00:07:42.410
1回目に話した階級ランクを覚えているコリンチさんがどこだったか。

00:07:43.710 --> 00:07:52.930
コリンチさんは労働者階級よりも上の中流階級だったよね。安定した立場である牧師さん。

00:07:54.430 --> 00:08:04.790
でもね、ただの牧師じゃないんだよね。彼にはレディ・キャサリンという地域一帯を支配している超大物貴族がパトロンについているからね。

00:08:05.830 --> 00:08:14.110
それにシャーロットはベネット家とも仲良しだったから、コリンチさんがどうしてエリザベスにプロポーズしたのかもきっと分かっているはずだよね。

00:08:16.970 --> 00:08:17.610
どういうこと?

00:08:18.850 --> 00:08:24.610
さっきも言ったけれども、ベネット家の財産はコリンチさんが将来独り占めすることになるでしょう。

00:08:25.670 --> 00:08:35.870
それはあまりだからって、ベネット家の娘と結婚すれば、お父さんが亡くなった後も娘たちを路頭に迷わせずに済む。私が守ってあげようっていうね。

00:08:37.830 --> 00:08:39.990
それが表向きの理由なんだね。

00:08:41.170 --> 00:08:49.190
でも本心は、そうすれば世間からなんて慈悲深い人だって尊敬されるっていう下心があるんだよね。

00:08:50.290 --> 00:08:56.210
コリンさん、やっぱり自己中心的であまり好きなキャラクターじゃないな。

00:08:56.930 --> 00:09:11.890
でもそうなると、シャロットからすれば、今すぐの安定だけじゃなくて、将来は親友エリザベスの家まで自分のものになるってことだよね。それは安泰だわ。

00:09:13.070 --> 00:09:22.810
そうなんだよね。だからエリザベスに嫌われて友情にひびが入るリスクを背負ってでも、この一生の保障を逃さなかったんじゃないのかな。

00:09:24.210 --> 00:09:27.030
それだけ切羽詰っていたってことか。

00:09:27.330 --> 00:09:43.630
そう。でも当時は、恋愛じゃなくて生存戦略としてね、結婚するのが常識だったから、コリンさんは性格はちょっとあれだけど、悪い人ではないし、お金も家もある。判断としてはね、ものすごく理にかなっているよね。

00:09:45.330 --> 00:09:50.650
幸せそうな結婚には見えないけど、それが当時のリアルなんだね。

00:09:51.450 --> 00:09:54.310
なんだか聞いててちょっと切なくなるな。

00:09:56.250 --> 00:10:06.010
でもオースティンがこのシャロットの結婚を真っ先に描いたのは、当時の普通の結婚はこれですよっていう基準を見せるためなんだよね。

00:10:07.210 --> 00:10:12.590
これが現実で、じゃあベネット姉妹はどうするのっていうことを問いかけてきているんだよね。

00:10:14.010 --> 00:10:24.330
なるほど。シャロットに比べれば、ベネット姉妹は家も裕福だし、若くて美人。だからこそ夢を見られたんだね。

00:10:24.990 --> 00:10:30.430
でもまず一番最初に結婚したのがシャロットだったから、ちょっとびっくりしたけど。

00:10:31.230 --> 00:10:45.390
そうだよね。余裕があるからこそ、ジェーンは愛があれば大丈夫って信じられてるし、エリザベスは尊敬できない人との結婚は嫌って、当時の基準からすればかなり理想が高いよね。

00:10:46.610 --> 00:10:49.670
本当だね。シャロットとは全然違う。

00:10:50.750 --> 00:10:58.570
ジェーンはビングリさんと両思いでプロポーズマッチだったし、エリザベスもウィッカムといい感じだったしね。

00:10:59.270 --> 00:11:05.590
そうね。でもシャロットの結婚を境に、ジェーンの状況は少し怪しくなってくるよね。

00:11:06.990 --> 00:11:15.670
ビングリさんが急にロンドンに帰っちゃったし、幸せの絶頂から一気に不安が押し寄せてくる感じだったね。

00:11:17.790 --> 00:11:27.310
じゃあこのタイミングで4人の男性をちょっと比較してみない?彼らが果たしてエリザベスたちにとってちゃんとした相手なのかどうか。

00:11:28.170 --> 00:11:36.230
いいね。4人っていうのはダーシー、ビングリ、そしてコリンズとウィッカムだね。

00:11:36.930 --> 00:11:43.490
そう、この4人を結婚の条件っていうフィルターで見ると面白いことが見えてきます。

00:11:44.930 --> 00:11:54.410
まずダーシー、お金、地位、知性、スペックだけなら、はい優勝ってね、そういう感じなんだけれども、

00:11:55.070 --> 00:12:04.870
でも第一印象が最悪、不愛想で上から目線でプライドの塊、実はただの極度の不器用なんだけどね。

00:12:06.630 --> 00:12:12.550
ビングリは対照的だよね。とにかく感じが良くて誰からも好かれる。

00:12:13.130 --> 00:12:21.310
でも自分の意見がなくて大事な判断を友達のダーシーとか自分の姉妹に預けちゃう。

00:12:21.470 --> 00:12:25.610
ちょっと流されやすいお坊ちゃうって感じかな。

00:12:26.190 --> 00:12:34.890
そうね。そしてコリンズさん、言ってることは正論なんだけど、とにかく空気が読めない人だよね。

00:12:36.250 --> 00:12:42.890
常に恩人のレディ・キャサリンがあって、自分のバックボーンを自慢して世間体ばかり気にしてる人、

00:12:43.630 --> 00:12:47.310
そして人の気持ちに寄り添う力がゼロなんだよね。

00:12:48.330 --> 00:12:56.690
そうね。それに比べてウィッカムは第一印象が最高。話も上手いし、感じも良いし、

00:12:57.230 --> 00:13:01.450
コリンズさんの後に会ったら多分素敵に見えちゃうよね。

00:13:02.510 --> 00:13:04.750
でも実は…。

00:13:05.010 --> 00:13:10.510
そう、実はお金に関しては一番だらしなくて信用できない男なんだよね。

00:13:11.010 --> 00:13:17.550
でもこうやって並べてみると完璧な人なんていなくて、みんな何かしらイマイチなんだよね。

00:13:19.110 --> 00:13:27.690
そのイマイチさが一番爆発するのが、エリザベスが受けた最悪な2つのプロポーズだよね。

00:13:28.170 --> 00:13:31.930
そう、あれは本当に地獄のプロポーズだよね。

00:13:33.470 --> 00:13:42.390
エリザベスからしたら、コリンズからもダーシーからも、あんな言われ方したら絶対結婚したくないよね。

00:13:42.750 --> 00:13:52.330
そう、本当に本当に。でも面白いのが、どっちも最悪なんだけれども、嫌な理由がね、180度違ったよね。

00:13:53.550 --> 00:13:57.270
じゃあ、まず最初のコリンズさんから行こうか。

00:13:58.030 --> 00:14:03.530
そう、これね、聞いていたら笑えてきちゃって、本当にすごいんだよね。

00:14:03.970 --> 00:14:06.350
エリザベスのことを一切見てない。

00:14:07.410 --> 00:14:12.110
自分は結婚すべき立場だ。ここで結婚すると都合がいい。

00:14:12.990 --> 00:14:18.230
親戚としてこれが正しい道だってね。もう理由が全部自分なんだよね。

00:14:19.550 --> 00:14:26.250
そうだった。エリザベスの気持ちとか人生とか全く顔中にないんだよね。

00:14:27.590 --> 00:14:30.110
で、次がダーシーです。

00:14:30.470 --> 00:14:34.630
そう、ダーシーは真逆なの。エリザベスのことをむちゃくちゃ愛してる。

00:14:35.090 --> 00:14:45.930
愛してるんだけど、言い方がねえ最悪。君の家柄は低いけど、親戚も恥ずかしい人たちだけど、それでも結婚したいってね。

00:14:46.850 --> 00:14:50.590
言わなくていいことを全部言うよね。困ったもんだ。

00:14:51.530 --> 00:14:57.450
そう、愛は本物なのに、プライドと階級意識がね、口から漏れ出しちゃってるよね。

00:14:58.930 --> 00:15:02.430
結局、エリザベスはどちらも断っちゃうんだよね。

00:15:03.130 --> 00:15:07.250
でも、これ当時としては異常なことなんでしょう。

00:15:07.250 --> 00:15:15.490
そうなの。エリザベスには財産がないし、お父さんが亡くなったらあの家から追い出される状況だし、

00:15:15.950 --> 00:15:23.590
それでも断ったのは彼女が一番大事にしているのが、この人は私を対等な人間として見ているのか、

00:15:23.930 --> 00:15:27.210
心から尊敬し合えるのかっていう点だったからね。

00:15:28.330 --> 00:15:35.210
なるほど。でもこんな調子で、エリザベスとかジェーンは本当に幸せになれるのかな。

00:15:35.210 --> 00:15:37.590
そう、ちょっと不安になってくるよね。

00:15:38.850 --> 00:15:43.370
そこで、また物語を大きく動かす天気がやってきます。

00:15:44.530 --> 00:15:46.730
それが2人の女性の存在。

00:15:47.830 --> 00:15:51.410
ベネット家末娘のリディアの駆け落ち事件と、

00:15:51.990 --> 00:15:56.490
ダーシーを自分の娘と結婚させたい、あのキャサリン夫人の襲来です。

00:15:57.670 --> 00:16:01.390
さて、ここから物語を動かす大きな事件。

00:16:02.590 --> 00:16:05.670
まずはリディア事件から教えてください。

00:16:05.970 --> 00:16:11.790
そう、俺は本当にびっくりしたんだけど、ベネット家の末娘、15歳のリディア。

00:16:12.350 --> 00:16:18.610
お父さんにはイギリス一のバカ娘って言われちゃうくらい世間知らずな彼女が、

00:16:18.910 --> 00:16:21.370
あのウィッカムと駆け落ちをしちゃうんだよね。

00:16:22.890 --> 00:16:25.430
当時としては大スキャンダルだよね。

00:16:25.910 --> 00:16:33.670
リディア一人じゃなくて、ベネット姉妹全員の結婚が絶望的になるっていう感じ。

00:16:34.650 --> 00:16:37.550
家族にとっては破滅に等しい絶望。

00:16:38.610 --> 00:16:46.030
なのに本人は、お姉ちゃんたちより先に結婚できるって大はしゃぎで、状況が全く見えてないんだよね。

00:16:47.330 --> 00:16:49.190
本当に困った妹だよね。

00:16:49.890 --> 00:16:54.590
周りが大騒ぎしてるのに本人も全く状況が見えてなくて、

00:16:54.590 --> 00:16:59.710
そして、相手のウィッカムは結局どうだった?

00:17:00.710 --> 00:17:03.670
彼は最初から結婚する気なんてゼロだよね。

00:17:04.270 --> 00:17:06.210
お金もないし責任も取らない。

00:17:06.690 --> 00:17:12.470
その場しのぎで逃げただけだから、放置すればリディアは捨てられて終わりだったはずなんだよね。

00:17:13.490 --> 00:17:16.310
でもそこに現れたのがあのダーシーです。

00:17:17.470 --> 00:17:18.730
ここがすごいんだよね。

00:17:19.450 --> 00:17:27.990
彼は裏で二人を探し出して、ウィッカムの借金を肩代わりして、結婚費用も出して、無理やり結婚させます。

00:17:28.650 --> 00:17:33.490
つまり一家の破滅を自分の財産と責任で止めたんだよね。

00:17:34.250 --> 00:17:36.510
しかもエリザベスには一切内緒で。

00:17:37.810 --> 00:17:43.070
エリザベスを愛しているからっていうのはもちろんだけど、それだけじゃないんだよね。

00:17:44.230 --> 00:17:53.030
ここがダーシーの本当にかっこいいところで、彼は以前自分の妹ジョージアナもウィッカムに騙されそうになった過去があって、

00:17:53.570 --> 00:18:01.090
ウィッカムの本性を誰よりも知っていたのに、自分のプライドとか妹の名誉を守るためにそれを公表しなかった。

00:18:02.370 --> 00:18:09.010
もしダーシーが先に警告していれば、リディアが騙されることもなかったかもしれない。

00:18:10.070 --> 00:18:13.490
彼はそのことに強い責任を感じていたんだよね。

00:18:14.170 --> 00:18:19.650
自分が沈黙したことが愛するエリザベスの家族をピョーチに追い込んでしまったっていう。

00:18:20.170 --> 00:18:27.590
だからこそ自分の非を認めて見返りも求めずに、名前も出さずに全てを解決しようとしたんだよね。

00:18:29.610 --> 00:18:34.930
最初のプロポーズの時の上から目線とはもう別人だね。

00:18:35.390 --> 00:18:36.430
本当にそうだね。

00:18:36.430 --> 00:18:40.470
自分の過ちを認めて、ただ静かに行動で示す。

00:18:41.090 --> 00:18:43.990
それを見て初めてエリザベスは気づくんだよね。

00:18:44.490 --> 00:18:49.930
この人は私の家族も私のプライドも丸ごと尊重してくれる人なんだなってね。

00:18:51.990 --> 00:18:57.730
そしてもう一人物語を動かすとどめの存在がレディ・キャサリンです。

00:18:59.530 --> 00:19:06.710
ダーシーのおばさんで、しかもいかにも私が上流階級の代表ですって感じの夫人だよね。

00:19:07.410 --> 00:19:15.250
そう。彼女がわざわざエリザベスたちの家に乗り込んできたのには明確な理由があったんだよね。

00:19:16.030 --> 00:19:20.030
ダーシーとエリザベスが婚約間近だっていう噂を聞きつけたから。

00:19:21.550 --> 00:19:24.550
彼女からしたら聞き捨てならない噂だよね。

00:19:24.930 --> 00:19:32.190
そうなの。彼女は自分の娘とダーシーを結婚させるっていう赤ちゃんの頃から決めていたからね。

00:19:33.110 --> 00:19:42.750
私の娘という婚約者がいるのに、あなたのような身分の低い女が割り込むなんて許さないっていう噂をたたきつぶしに来たんだよね。

00:19:44.150 --> 00:19:51.310
自分の計画を邪魔させないためにわざわざ確かめに来たんだって相当失礼な言い方だったでしょ。

00:19:52.210 --> 00:20:00.310
本当に身分が違う、家柄が吊り合わない、あなたはダーシーを手がす存在だってボロクソに言って、

00:20:00.850 --> 00:20:07.750
でもここでエリザベスは全く引かないんだよね。私は自分で決めますってはっきり宣言します。

00:20:09.310 --> 00:20:13.890
リディア事件ではダーシーに守られる側だったエリザベスが、

00:20:13.890 --> 00:20:22.670
今度は自分の足で立って巨大な社会の壁、キャサリン夫人に一人で立ち向かったって感じたよね。

00:20:23.210 --> 00:20:30.770
そう、その通りで。リディア事件で見えたダーシーの本気と、キャサリン夫人を跳ねつれたエリザベスの本気、

00:20:31.250 --> 00:20:36.730
この2つが揃って2人は精神的に初めて対等になれたんじゃないのかな。

00:20:37.550 --> 00:20:48.110
しかも、皮肉なことにこのキャサリン夫人の報告が、ダーシーにエリザベスはまだ自分を拒絶していないという希望を与えちゃうんだよね。

00:20:48.670 --> 00:20:55.710
そうなの。夫人があの子は男子として婚約しないとは言わなかったってダーシーに文句を言ったおかげで、

00:20:56.250 --> 00:21:01.770
2度目のプロポーズにつながるんだよね。まさに最強のキューピットになっちゃったんだよね。

00:21:03.410 --> 00:21:09.570
一方で、ずっと両想いだったジェーンとビングリも無事に結ばれるんだよね。

00:21:09.770 --> 00:21:17.550
そう、ジェーンは純粋な愛を信じてゴールインして、エリザベスは尊敬と対等さを確かめてゴールイン。

00:21:18.230 --> 00:21:22.010
同じハッピーエンドでも意味が全然違うのが面白いよね。

00:21:22.970 --> 00:21:27.710
結婚ってロマンだけではなく本当に人生そのものだったんだなと思うよね。

00:21:28.930 --> 00:21:32.050
本当だね。そして最初に戻るけど、

00:21:32.810 --> 00:21:40.790
エリザベスの親友シャーロットの選択も最初はびっくりしたけど聞いてみるとすごく現実的だった。

00:21:41.370 --> 00:21:45.310
そうなの。間違いではないし、むしろ賢い選択でもあるよね。

00:21:46.070 --> 00:21:48.690
でもベネット姉妹はそこを選ばなかった。

00:21:50.170 --> 00:21:54.350
だから危なかったし、だからこそ面白かったんだよね。

00:21:54.710 --> 00:21:59.070
そうね。愛と現実の間で揺れるから物語になるよね。

00:22:00.870 --> 00:22:09.130
こうやって聞いてみると、恋愛だけじゃなくて当時の社会や人間関係がギュッと詰まった話なんだよね。

00:22:09.830 --> 00:22:11.210
本当によくできてるな。

00:22:12.070 --> 00:22:15.550
そうね。200年経っても愛される理由がよくわかるよね。

00:22:17.410 --> 00:22:23.790
さて次回はちょっと方向を変えて、もっとねマニアックなところを攻めてみようかなと思っています。

00:22:24.970 --> 00:22:25.790
マニアック?

00:22:26.390 --> 00:22:32.610
そう。ダーシーのほんの一瞬の表情とか、実はめちゃくちゃ面白い脇役とか、

00:22:33.270 --> 00:22:38.110
そこを見るのっていう細かすぎるポイントを語る、ちょっとツー向けの回ですね。

00:22:39.550 --> 00:22:40.810
それは楽しみです。

00:22:42.070 --> 00:22:45.650
今回も最後まで聞いてくださってありがとうございました。

00:22:47.070 --> 00:22:48.710
次回もぜひお付き合いください。
