WEBVTT

00:00:03.960 --> 00:00:05.960
どうも、かねまるです。

00:00:05.960 --> 00:00:09.960
プラントライフは、化学プラントの技術者が、

00:00:09.960 --> 00:00:16.960
化学や工場に関するトピックを分かりやすく紹介する番組です。

00:00:16.960 --> 00:00:21.960
今回は、単位の話をしようと思います。

00:00:21.960 --> 00:00:29.960
とっても理系的で、現場感あふれるようなお便りをいただいたので、読ませていただきます。

00:00:29.960 --> 00:00:32.960
ヒロヒロイさんからのお便りです。

00:00:32.960 --> 00:00:34.960
いつもお世話になってます。

00:00:34.960 --> 00:00:39.960
モルの回を聞いて、単位についての質問が浮かびました。

00:00:39.960 --> 00:00:44.960
1つ目、温度ってなんで加子と摂子があるの?

00:00:44.960 --> 00:00:49.960
あと、絶対温度、ケルビンとの関係は?

00:00:49.960 --> 00:00:57.960
2つ目、粗さの単位、RA、RZ、Rmaxと種類があるようです。

00:00:57.960 --> 00:01:03.960
それぞれ算出方法が違うみたいですが、どういった用途で単位が違うのでしょうか?

00:01:03.960 --> 00:01:07.960
社内ではRAを基本としています。

00:01:07.960 --> 00:01:16.960
3つ目、仕事では硬さの単位も種類があって、HRCやHSとか色々あります。

00:01:16.960 --> 00:01:22.960
化学の現場では主にどれを使っているかとかも添えていただけると嬉しいです。

00:01:22.960 --> 00:01:26.960
とのことで、お便りありがとうございます。

00:01:26.960 --> 00:01:33.960
正直なところ、私は粗さと硬さというのは甘い経験がなくてですね。

00:01:33.960 --> 00:01:44.370
今回お話しするのは主に温度の話になると思います。

00:01:44.370 --> 00:01:47.370
まずは温度の話です。

00:01:47.370 --> 00:01:52.620
なんで摂子と加子があるか。

00:01:52.620 --> 00:01:57.620
これは基準が違うっていう思想の違いですね。

00:01:57.620 --> 00:02:11.500
私たちがよく使っている摂子の温度は、水が凍るのが0度、沸騰するのが100度です。

00:02:11.500 --> 00:02:25.380
それに対して加子という温度は、水が凍るのが32度、沸騰するのが212度です。

00:02:25.380 --> 00:02:31.920
一見すると中途半端な数字なんですけど、

00:02:31.920 --> 00:02:36.920
実はこれ、昔は便利な使い方だったんです。

00:02:36.920 --> 00:02:43.900
当時ファーレンハイトさんという方が考えまして、

00:02:43.900 --> 00:02:51.900
その時に彼が実験室で作れる一番冷たい温度を0と決めました。

00:02:51.900 --> 00:03:01.730
これは氷と水と塩カーモニウムを混ぜた時にできる冷たい温度。

00:03:01.730 --> 00:03:04.730
これが0度の正体です。

00:03:05.730 --> 00:03:09.730
0度は当時作れる一番冷たい温度。

00:03:09.730 --> 00:03:15.730
そしてもう一つの上側の基準は人間の体温を選びました。

00:03:15.730 --> 00:03:23.140
上側の基準は96度って設定されたんです。

00:03:23.140 --> 00:03:32.340
これで0度から92度の何か中途半端なメモリができちゃったんですけど、

00:03:33.340 --> 00:03:39.340
当時は職人さんが2等分しながらメモリを作っていくんで、

00:03:39.340 --> 00:03:49.340
96÷2で48、24、12、6、3って感じで、

00:03:49.340 --> 00:03:54.340
2でたくさん割れるような数字が求められてたんです。

00:03:54.340 --> 00:04:01.340
それもあって、0から96っていうメモリが一旦作られました。

00:04:01.340 --> 00:04:04.340
後から修正がかけられて、

00:04:04.340 --> 00:04:12.340
氷32度から沸騰212度までっていうのを改めて採用して、

00:04:12.340 --> 00:04:15.340
化子の温度が設定されました。

00:04:15.340 --> 00:04:21.340
私たちが使っている0から100度の摂氏の温度っていうのは、

00:04:21.340 --> 00:04:28.340
もともと氷から沸騰するまでの温度っていう設定の仕方をされていたんですけど、

00:04:28.340 --> 00:04:32.340
ちょっとややこしい、化子の温度っていうのは、

00:04:32.340 --> 00:04:35.340
一旦別の基準で作った後に、

00:04:35.340 --> 00:04:39.340
氷から沸騰するまでの温度っていうので、

00:04:39.340 --> 00:04:43.340
基準が作り直されているっていう考え方ですね。

00:04:43.340 --> 00:04:46.340
だから合いづらいんです。

00:04:46.340 --> 00:04:48.340
そして分かりづらいんです。

00:04:48.340 --> 00:04:56.420
ここからは絶対温度の話です。

00:04:56.420 --> 00:05:00.420
今まで話した化子とか摂氏っていうのは、

00:05:00.420 --> 00:05:09.420
水っていう特定の物質の状態に依存した相対的な摂度なんです。

00:05:09.420 --> 00:05:14.420
さすがにそれだといろいろ不都合が生じるんで、

00:05:14.420 --> 00:05:22.420
物質の種類に依存しない普遍的な、絶対的な基準を決めました。

00:05:22.420 --> 00:05:26.420
まず身近な温度、度を使って、

00:05:26.420 --> 00:05:31.660
何が不都合があるのかっていうのを考えてみたいと思います。

00:05:31.660 --> 00:05:39.660
まず気温が10℃から15℃に上がったとします。

00:05:39.660 --> 00:05:44.660
15-10で5℃、気温が上がりました。

00:05:44.660 --> 00:05:50.460
5℃上がったっていう引き算はできます。

00:05:50.460 --> 00:05:54.460
ただし10℃から15℃に上がったから、

00:05:54.460 --> 00:06:01.700
気温は1.5倍になりましたっていう言い方ってしますか?

00:06:01.700 --> 00:06:08.700
普段そんな計算しないですし、原理上できないんです。

00:06:08.700 --> 00:06:13.700
こういう数字って感覚尺度って言ったりするんですけど、

00:06:13.700 --> 00:06:17.700
数字同士の感覚に意味はあるけど、

00:06:17.700 --> 00:06:22.700
数値同士の比率に意味がないようなものです。

00:06:22.700 --> 00:06:30.700
そうなってくると温度を元にした計算式が作れなくなってしまいます。

00:06:30.700 --> 00:06:37.700
当然温度を使って何か定義を作ったり、計算式を作ったり、

00:06:37.700 --> 00:06:43.700
そんな場合はかけ算とか割り算も必要になってきますよね。

00:06:43.700 --> 00:06:47.700
そういう温度を使った計算をするために、

00:06:47.700 --> 00:06:53.690
絶対温度っていうのが必要だったんです。

00:06:53.690 --> 00:06:58.690
ちなみにかけ算とか割り算もできるような数字っていうのは、

00:06:58.690 --> 00:07:02.690
比例尺度って言ったりします。

00:07:02.690 --> 00:07:09.690
数値同士の感覚だけじゃなくて、比率にも意味が出てくるようなものです。

00:07:09.690 --> 00:07:16.690
この比例尺度を作るには基準となるゼロが必要です。

00:07:16.690 --> 00:07:22.690
絶対温度では基準は絶対冷度を使っています。

00:07:22.690 --> 00:07:30.690
理論上これ以上取り出せない限界点のことを絶対冷度って言います。

00:07:30.690 --> 00:07:36.690
温度で言うとマイナス237.15度。

00:07:36.690 --> 00:07:40.690
ものすごく寒い状態ですね。

00:07:40.690 --> 00:07:47.690
絶対冷度がゼロケルビン。単位も名前が変わります。

00:07:47.690 --> 00:07:54.690
氷が凍るゼロ度は237.15ケルビン。

00:07:54.690 --> 00:08:02.690
そこに100を足して水が沸騰するのは373.15ケルビン。

00:08:02.690 --> 00:08:09.690
このケルビン、絶対温度だと比率計算ができます。

00:08:09.690 --> 00:08:16.690
100ケルビンから200ケルビンに温度が上がると2倍です。

00:08:16.690 --> 00:08:21.690
物理とか科学の計算式で使われる温度の単位は、

00:08:21.690 --> 00:08:25.690
ほぼ必ずケルビンが使われています。

00:08:25.690 --> 00:08:36.580
お便りでいただいた粗さと硬さの話は、

00:08:36.580 --> 00:08:44.080
ちょっと私は経験が少ないので簡単にお話しさせてもらいます。

00:08:44.080 --> 00:08:47.080
まずは粗さの話です。

00:08:47.080 --> 00:08:51.080
ザラザラとかツルツルとかを表します。

00:08:51.080 --> 00:08:56.080
ヤスリみたいに表面がザラザラだとわかりやすいんですけど、

00:08:56.080 --> 00:09:04.080
鉄のような金属っていうのは細かく見ないと表面の粗さってあまりわかりづらくてですね。

00:09:04.080 --> 00:09:10.080
単位はマイクロメートル、1000分の1ミリで表します。

00:09:10.080 --> 00:09:15.080
当然デコボコの深さっていうのは場所によって違いますので、

00:09:15.080 --> 00:09:21.080
平均値をとったり最大値をとったり、いろんな種類がありまして、

00:09:21.080 --> 00:09:28.080
お便りにあったRAとかRZというのはそこで分けられています。

00:09:28.080 --> 00:09:34.080
一般的に使われるのがRAの算術平均粗さというものでして、

00:09:34.080 --> 00:09:39.080
デコボコの平均的な大きさを見るような指標になっています。

00:09:39.080 --> 00:09:42.080
複数のデコボコの平均値をとっているので、

00:09:42.080 --> 00:09:49.080
1本深い傷があっても影響というのは相対的に少なめになるような感じですね。

00:09:50.080 --> 00:10:00.080
それに対して凹凸の中でも一番高いところと低いところを足し合わせた粗さの単位というのもあります。

00:10:00.080 --> 00:10:06.080
一番高いところと一番低いところを見ているんですね。

00:10:06.080 --> 00:10:12.360
だから深い傷とかあると数値が大きくなっちゃいます。

00:10:12.360 --> 00:10:20.670
平均を使うRAよりも実際の凹凸感を評価しやすいかなと思っています。

00:10:20.670 --> 00:10:26.670
ただですね、最も大きいところと最も小さいところを見ているので、

00:10:26.670 --> 00:10:31.670
測定値がばらつきやすい特徴というのもあると思います。

00:10:31.670 --> 00:10:39.670
ちなみになんですけど、今話しているRZとかRmaxという粗さの単位って、

00:10:39.670 --> 00:10:43.670
途中で意味が変わっているらしいですね。

00:10:43.670 --> 00:10:51.670
最初に話したRA、平均値をとるやつは変わらずRAなんですけど、

00:10:51.670 --> 00:10:59.670
その他お便りでいただいたRZとかRmaxっていうのはちょっとややこしい話になりそうなんで、

00:10:59.670 --> 00:11:04.670
ポッドキャストで話すのはやめといたほうがいいかもしれないです。

00:11:04.670 --> 00:11:09.670
凹凸の一番高いところと低いところの合計値を見ているのが、

00:11:09.670 --> 00:11:17.670
どの単位なのかというのは、ひろひろしさんのほうの会社で見てもらうほうがいいかなと思いました。

00:11:17.670 --> 00:11:24.670
その他に使われる粗さの単位としては、10点平均粗さというのもありまして、

00:11:24.670 --> 00:11:34.670
山が高い上位5つの平均値と谷の深い上位5つの平均値の差分をとっているんですね。

00:11:34.670 --> 00:11:42.670
今はもう規格が変わって、主には採用されないような算出の仕方になっているみたいです。

00:11:42.670 --> 00:11:55.390
もし今も使われている場合だったら、昔から使っている評価法なので、そのまま継続して利用しているからかなと思います。

00:11:55.390 --> 00:11:58.390
今度は硬さの単位です。

00:11:59.390 --> 00:12:10.220
硬さの試験方法っていっぱいあって、それに合わせて単位がいっぱい出てきているので、とってもややこしいんですよね。

00:12:10.220 --> 00:12:16.220
硬さの測定方法というのは、決められたもので材料を押し込んで、

00:12:16.220 --> 00:12:23.220
その時にできるくぼみの深さとか大きさというのから算出しています。

00:12:23.220 --> 00:12:31.220
当然どういうもので材料を押し付けるかというので、全然結果が異なるので、

00:12:31.220 --> 00:12:37.220
測定方法ごとに硬さの単位というのが出てきちゃうわけなんです。

00:12:37.220 --> 00:12:45.220
お便りでHRCやHSとか色々ありますってあったのはその理由なんですよね。

00:12:45.220 --> 00:12:51.220
比較的いっぱいに使われる硬さの指標がロックウェル硬さですね。

00:12:51.220 --> 00:12:59.220
直径1ミリのボールで押さえつけて、その深さで硬さを求めます。

00:12:59.220 --> 00:13:08.220
調べてみると、プラスチック成形品の硬さもロックウェル硬さが使われているという記述がありました。

00:13:08.220 --> 00:13:15.220
ちなみに硬さを測る試験方法というのは、大きく2種類あります。

00:13:15.220 --> 00:13:24.220
1つが先ほどから話している何か硬いものを押さえつけて、どれくらい変形するかという指標ですね。

00:13:24.220 --> 00:13:35.220
もう1つがハンマーみたいなもので叩いて、その時の反発の大きさとか角度とか見るような試験方法もあります。

00:13:35.220 --> 00:13:42.220
この跳ね返りを見るのは、ショア硬さっていうのを覚えてたらいいと思います。

00:13:43.220 --> 00:13:49.220
私はちょっと硬さの試験方法の使い分けっていうのはうまく話せないんですけど、

00:13:49.220 --> 00:14:01.220
例えば鉄系のものだと焼き入れしたりとか、新炭処理したりとか、窒化処理したりとか、いろんな金属の処理があって、

00:14:01.220 --> 00:14:06.220
どんな熱処理を行ったかによって試験方法が異なるみたいです。

00:14:06.220 --> 00:14:12.810
なんだかんだ色々と喋っちゃいました。

00:14:12.810 --> 00:14:16.810
ひろひろしさん、お便りありがとうございました。

00:14:16.810 --> 00:14:24.810
そして、十分に回答できたかわかんないですけど、これからもお便り楽しみにしています。

00:14:24.810 --> 00:14:32.810
さすがに間違ったことは言っちゃいけないので、わかる範囲で答えさせてもらいます。

00:14:32.810 --> 00:14:34.810
今回はここまでです。

00:14:34.810 --> 00:14:39.810
プラントライフでは、化学や工場に関するトピックを扱っています。

00:14:40.810 --> 00:14:45.810
毎週水曜日と日曜日の朝6時に定期配信しています。

00:14:45.810 --> 00:14:51.810
番組へのお便りは、概要欄にあるお便りフォームから投稿ください。

00:14:51.810 --> 00:15:01.810
そして、このプラントライフがいいなと思っていただけたら、番組のフォローや各Podcastアプリから評価をお願いします。

00:15:01.810 --> 00:15:08.810
Xで発信していただける場合は、ハッシュタグプラントライフをつけてください。

00:15:08.810 --> 00:15:12.810
それではお聞きいただきありがとうございました。
