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#112 凍って!燃えて!金属も溶かす!?お酢の意外な素顔
2026-07-19 16:36

#112 凍って!燃えて!金属も溶かす!?お酢の意外な素顔

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私たちの身近なお酢、この成分である酢酸には意外な素顔が隠されています。凍る!燃える!腐食する!厄介な酢酸の話です。

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サマリー

台所でおなじみのお酢の主成分である酢酸は、濃度が低い状態では穏やかですが、純度を上げると驚くべき性質を示します。純度100%の氷酢酸は、16℃で凍結し、39℃で引火する危険物となり、さらに金属を腐食させる強い特性を持つようになります。化学プラントでは、凍結防止のためのトレースや、腐食に耐える特殊なステンレス材料の選定など、その取り扱いに細心の注意が払われています。また、酢酸はアルコールが体内で分解される過程でも生成されるなど、私たちの身近な存在でもあります。濃度や温度といった条件によって、その顔を大きく変える酢酸の多面性が解説されました。

酢酸の意外な素顔の紹介
こんにちはかねまるです。 プラントライフは、化学プラントの技術者が、化学を軸に皆さんの視野を広げていく番組です。
今回はお酢の話をします。 食べ物のあのちょっと酸っぱいお酢の話。
その中でも、お酢のメインの成分、酢酸について話をします。
台所のお酢は、だいたい酢酸が4から5%入っています。 残りが水です。
4%ぐらいしか入ってないのに、結構酸っぱい匂いしますよね。
じゃあこれをどんどん濃縮して100%になったらどうでしょう。
ものすごく臭そうな感じしないでしょうか。 ただその臭いっていう話だけじゃなくて、
酢酸100%になると、燃える、凍る、腐食する、いろんな特徴が出てきます。
そんな意外な酢酸の素顔について見ていきましょう。
氷酢酸の凍結特性とプラントでの対策
お酢の酸っぱさのもとは酢酸と呼ばれる成分です。
だいたいお酢の4%ぐらいが酢酸です。
この酢酸、別の呼び名があって氷酢酸と呼ばれることもあります。
氷酢酸と書いて氷酢酸なんですけど、これは酢酸をほぼ100%まで濃縮したものです。
氷酢酸と書いてある通り、凍るんです。
実はお酢を100%近くまで濃縮していくと、16度ぐらいで凍るようになります。
16度ってことは、冬場は平気で凍るってことです。
水よりも厄介ですね。
台所のお酢が凍らないのは酢酸の濃度が低いからですね。
だいたい4%ぐらい。
主に凍るのは水の方なので、0度くらいで凍ります。
酢酸って16度ぐらいで凍るとは言っても、結構厄介でして、
地球温暖化が進んでいるとはいえ、夏と冬、それぞれで取り扱い方法が変わるってことです。
私は化学プラントで働いているので、配管の中とか装置の中が凍るっていうのは、どうしても避けたいことなんです。
冬場に水道管が凍るってたまにありますよね。
だからちょっとでも水を出し続けて凍らないようにしないと出てこなくなるってありますね。
酢酸も同じです。
秋から春にかけて、ちゃんと温めておかないと、もしくはずっと流しておかないと凍って流せなくなります。
基本的にはずっと流し続けるっていうのが一番で、止めたりするときももちろんありますので、
化学プラントなどの工場では、トレースと呼ばれる処置を施します。
だいたい使っている配管、パイプっていうのは、5センチから10センチくらいの直径のものが多いんですけど、
その配管の外側を銅のチューブでくるくる巻き付けていきます。
だいたいメインの酢酸が通っている配管が5センチから10センチに対して、
銅のチューブは6ミリから8ミリくらいの太さですかね。
かなり細いです。
その細い銅管を配管に巻き付けて温めます。
銅管の中に蒸気を通して外側から温め続けるんです。
この銅管を巻いて蒸気で外側から温め続けるような処置をトレースと呼びます。
トレースを巻いた配管をトレース配管って言うんです。
こうやって蒸気のトレースで温め続けることで酢酸が凍らないようにしています。
酢酸の引火性と爆発範囲
酢酸の意外な姿を2つ目。燃えるんです。
お酢は食品ですけども、氷酢酸、つまり純度100%の酢酸っていうのは消防法で危険物に指定されています。
危険物っていうと毒性があったりしそうですけど、そういうものではなくて、火が近くにあると引火する、燃えるというものです。
酢酸の引火点は39度。
つまり、だいたい40度くらいに加熱した酢酸があって、そこに火を持っていくと燃えます。
基本的に引火点を超えると、ライターの火がダメとかそういう話ではなくて、火花、静電気、そういうものでも引火します。
誤解のないように言っておくと、私たちが普段使っているお酢は4%ぐらいしか入っていませんし、そもそも主成分が水なので特に引火はないです。
濃くなったら燃えるっていう特性が出てくるんです。
先ほど酢酸は凍るって話をしましたね。だいたい16度。
燃えるのは40度くらい。扱い難しいですよね。
凍らないように加熱しておくと、40度を超えてしまって引火するようになってしまいます。
ちなみに酢酸がある状態でどんな時でも燃えるってわけではないんですよね。
火がつくためには酸素がもちろん必要です。
酸素がどれくらいあると、つまり空気がどれくらいあると燃えるっていうような条件があります。
爆発範囲というものです。
だいたい酢酸の爆発範囲が6%から17%ぐらい、酢酸の蒸気が空気中に6から17%あるときに燃えるということです。
濃すぎても薄すぎても燃えません。
この爆発範囲っていうのは成分によって変わりまして、
だいたい数パーセントから十何パーセントぐらいのものが多いんですけど、
例えば水素なんかで言うと4%から75%っていうえげつないほど幅広いものもあります。
特に水素は範囲が広くて、少し漏れただけでもだいたいの状況で引火するようになっています。
酢酸の金属腐食性と材料選定
酢酸の菅を3つ目、金属を腐食させる、錆びさせるということです。
教科書でも酢酸って出てきたかもしれません。
硫酸とか塩酸と違って弱酸と呼ばれる酸の中では比較的弱い部類って学びます。
とは言っても、実は酢酸も結構腐食性液体として金属を犯してしまうんです。
何度も言っておきますが、台所のお酢とはまた違います。
濃度が100%近くになって濃くなると、こういう腐食性なんかも表すようになります。
鉄はもちろん錆びます。
基本的には錆びないようにステンレスを使います。
ただ、ステンレスでも怪しい場面があるんです。
それが暑い時。
多くの物質は暑くなると金属に牙を剥くようになります。
ステンレスも錆びるようになってきます。
実はステンレスにも種類っていうのがありまして、錆びに強いものから弱いものまで、実はステンレスも錆びるんです。
私たちが普段よく使っているのはSUS-304と書いてSUS-304という一般的なステンレス鉱です。
通常作産はSUS-304でも耐えられるには耐えられるんですけど、温度が上がっていくとダメです。
そこでもうちょっとグレードの良いSUS-316というものも使われます。
大体はこれでいいはずなんですけど、実験室とかだとそれでも大丈夫かもしれません。
ただ、化学プラントになると純度というものがありまして、作産が100%近く入っていても、一緒に入っている不純物が何かによって大きく変わります。
例えば塩素分、塩化物が入っていると特に腐食が起きやすいような状況になります。
そうなってくるとSUS-316みたいな比較的強いステンレスって言われているものを使ったとしても、それでも錆びたりします。
そんな時はどうするかっていうと、もっと強いものを使います。
ステンレスっていっぱいあるんですよね。
SUS-329J4Lっていうものがありまして、使っている人はJ4Lって呼んだり、もしくは金属のミクロな特徴から二層系って呼んだりもしますかね。
こういったJ4Lを使います、というか使わざるを得ないと言いますか。
どんどん値段も上がっていって、使いたくないけど使わざるを得ないっていう状況になってきます。
そもそもの話、作産の中に不純物あるんだったら、そんなの入ってないものを選べばいいじゃんっていう話ではあるんですけど、
工業的な世界ではそうもいかなくて、少し話はそれますが、
化学製品の原価って結構材料費が大半を占めています。
もちろん人件費とか電気代とか必要なお金はありますけど、なんだかんだ原材料がかなりのウェイトを占めています。
ということは、原価を下げる、安くしようと思ったら、原材料を安いものに変えるんです。
買う場所を変更するっていうのはもちろんなんですけど、グレードの低いものを選ぶっていうのが一つです。
ってなってくると、いいものは使わないんですよね。
安いものを買ってきて、化学的な処理を使って純度を上げて使います。
そういう時に安い原料を使って塩素分なんかが入ってしまうと、腐食の原因になってしまいます。
たかがオス、されどオス、設計者は結構悩まされるんだろうなーって思います。
身近な酢酸と濃度による変化
今回は身近なオスの成分、酢酸について話をしてきました。
普段は水に溶かして4%ぐらいしか入っていないので、何も気にせずちょっと臭いなーくらいで使っていたと思います。
実は凍るし、燃えるし、金属も錆びる。
かなりめんどくさいやつなんです。
実は酸酸って私たちの体の中にもいます。
アルコールを飲んだ時、主成分のエタノールが肝臓の中で分解して最終的に酸酸になります。
これが血中で水と二酸化炭素に分解して終わりです。
食品や私たちの体の中にもある酸酸、それを濃度とか温度みたいな使い方を変えると結構厄介なものになるっていうのは知っていると面白いと思います。
意外と大丈夫って思っているものも薄いから大丈夫なのかもしれません。
エンディング
今回はここまでです。
プラントライフでは化学や工場に関するトピックを扱っています。
配信は毎週水曜日と日曜日の朝6時を予定しています。
番組への質問やご感想は概要欄のお便りフォームからお待ちしています。
もしくはXでハッシュタグプラントライフをつけてもらえるとすぐ見に行けますのでありがたいです。
そして現在ノートでメンバーシップかねまるのここだけの話を公開しています。
まだオープンな場ではいえない毎月の活動の状況とか考えていることとか、
オープンな場では少し話しにくいけど残しておきたい本音をお届けしています。
もし興味があればメンバーシップ入っていただけると嬉しいです。
それではお聞きいただきありがとうございました。
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