WEBVTT

00:00:05.330 --> 00:00:08.330
どうも、かねまるです。

00:00:08.330 --> 00:00:20.330
プラントライフは、化学プラントの技術者が、化学や工場に関するトピックをわかりやすく紹介する番組です。

00:00:20.330 --> 00:00:24.330
今回は、水素のお話をします。

00:00:24.330 --> 00:00:33.330
燃やしてもCO2を排出しない次世代のエネルギーとして、水素が注目されています。

00:00:34.330 --> 00:00:39.330
燃料やエネルギーキャリアとして活用が期待されています。

00:00:39.330 --> 00:00:52.740
もともとは、3種類の水素、グレー水素、ブルー水素、グリーン水素についてお話ししようと思ってたんですけれども、

00:00:52.740 --> 00:01:01.740
調べれば調べるほど、いろんな色が出てきて、最終的に13色になってしまいました。

00:01:01.740 --> 00:01:09.740
そこで今回は、水素って13色あんねん、っていうお話をします。

00:01:09.740 --> 00:01:17.270
もともと水素は無色無臭の機体です。

00:01:17.270 --> 00:01:22.270
そこに作り方に応じて色をつけています。

00:01:22.270 --> 00:01:27.270
そうして区別されるようになりました。

00:01:27.270 --> 00:01:36.270
覚えてもらいたい3色は、グレー水素、ブルー水素、グリーン水素、この3つです。

00:01:36.270 --> 00:01:46.710
今回はそこに10色足して13色、これらの水素を紹介します。

00:01:46.710 --> 00:01:54.710
音声だけだと忘れてしまうかもしれませんので、何度か同じような説明をすると思います。

00:01:54.710 --> 00:02:04.490
復習だと思って優しい心で聞いていただけますと幸いです。

00:02:04.490 --> 00:02:10.490
まず一番普及しているグレー水素の話です。

00:02:10.490 --> 00:02:18.490
天然ガスや石炭など化石燃料を原料にして水素を得ます。

00:02:18.490 --> 00:02:27.490
化石燃料から水蒸気回質を経て、一酸化炭素と水素が得られます。

00:02:27.490 --> 00:02:38.490
さらに一酸化炭素は水性ガスシフト反応という反応を得て二酸化炭素と水素になります。

00:02:38.490 --> 00:02:46.900
こうして化石燃料が水素と二酸化炭素になります。

00:02:46.900 --> 00:02:57.900
世界中の水素の生産のうち、天然ガス由来のものが69%、石油由来のものが29%、

00:02:57.900 --> 00:03:02.900
残り2%が電気分解です。

00:03:02.900 --> 00:03:07.900
圧倒的に化石燃料を使用しています。

00:03:07.900 --> 00:03:12.900
つまりほとんどがグレー水素です。

00:03:12.900 --> 00:03:30.900
ただしCO2排出量が大きいという欠点もありまして、これからのカーボンニュートラルに向けた取り組みとして、これからお話しするグリーン水素やブルー水素への転換が課題となっています。

00:03:30.900 --> 00:03:33.900
次はグリーン水素です。

00:03:33.900 --> 00:03:46.900
水を電気分解して水素を得る方法で、電力源に再生可能エネルギーである太陽光や風力で発電した電気を用います。

00:03:46.900 --> 00:03:51.900
世界的にこうして得る水素を目指しています。

00:03:51.900 --> 00:04:02.210
製造過程でほぼCO2を排出しないので、環境負荷が極めて低い特徴があります。

00:04:02.210 --> 00:04:16.210
また水素自体も燃焼時にCO2を出しませんので、化石由来燃料を使っている現在よりもかなりCO2の排出が削減できます。

00:04:16.210 --> 00:04:24.210
再生可能エネルギーは発電のムラがありますので、どうしても余剰電力が出てきます。

00:04:24.210 --> 00:04:31.210
この余剰になった電力を水素の生成に活用します。

00:04:31.210 --> 00:04:40.210
生成した水素は実は二酸化炭素と反応させて石油原料が作れます。

00:04:40.210 --> 00:04:47.210
二酸化炭素を一酸化炭素に変換して水素と反応させます。

00:04:47.210 --> 00:04:55.220
フィッシャートロプシュ、FT合成と呼ばれたりもします。

00:04:55.220 --> 00:04:59.220
次はブルー水素です。

00:04:59.220 --> 00:05:05.220
グレー水素の時と同様に化石燃料を使用します。

00:05:05.220 --> 00:05:14.220
ただし製造過程で発生するCO2を回収して貯蔵する点が異なります。

00:05:14.220 --> 00:05:17.220
大気に放出しません。

00:05:17.220 --> 00:05:24.220
この回収・貯蔵というのはCCSと言います。

00:05:24.220 --> 00:05:33.220
実はすでにお話ししたことがありまして、シャープ7番のCO2が資源になるって知ってた。

00:05:33.220 --> 00:05:39.220
注目のCCS技術という放送を聞いてみてください。

00:05:39.220 --> 00:05:47.220
製造時にCO2と水素を分離してCO2単体を取り出します。

00:05:47.220 --> 00:05:52.220
回収したCO2は地下深くに埋めます。

00:05:53.220 --> 00:06:00.220
地中には二酸化炭素が通りにくい遮蔽層というものがあります。

00:06:00.220 --> 00:06:05.220
この遮蔽層の下にCO2を貯めていきます。

00:06:05.220 --> 00:06:10.220
この貯める場所は潮流層と呼ばれたりします。

00:06:10.220 --> 00:06:18.220
地中深くに埋めたCO2は遮蔽層のおかげで地上に出てこない仕組みになっています。

00:06:18.220 --> 00:06:24.220
化石資源を使用しているけど、待機中に二酸化炭素を放出しない。

00:06:24.220 --> 00:06:33.720
グリーンとグレーの間の色でブルーだと思います。

00:06:33.720 --> 00:06:36.720
さてここから本題です。

00:06:36.720 --> 00:06:39.720
いろんな色が出てきます。

00:06:39.720 --> 00:06:43.720
ですけれども結構マイナーです。

00:06:43.720 --> 00:06:53.720
厳密な分類をして、単語の使い方を人に指摘してマウントを取ったりしないように気をつけてください。

00:06:53.720 --> 00:06:56.720
豆知識としてはすごくいいですね。

00:06:56.720 --> 00:07:03.720
音声だけだと忘れてしまうかもしれませんけど、最後にまとめの部分を作ります。

00:07:03.720 --> 00:07:08.720
気構えずにゆっくり聞いてみてください。

00:07:08.720 --> 00:07:11.720
まずは天然水素です。

00:07:12.720 --> 00:07:15.720
ホワイト水素と呼びます。

00:07:15.720 --> 00:07:25.720
岩石中の鉱物な反応ですとか、地熱の活動で地下に蓄積された水素ガスを採掘します。

00:07:25.720 --> 00:07:31.720
実はホワイト水素はゴールド水素と呼んだりもします。

00:07:31.720 --> 00:07:36.720
名前の由来を調べてもあまり出てこなかったです。

00:07:36.720 --> 00:07:44.720
ただオーストラリアにゴールドハイドロジェン社という会社があります。

00:07:44.720 --> 00:07:54.720
もしかしたら金のなる木みたいな形で金のなる水素、そういう形で名前が付けられているかもしれませんね。

00:07:54.720 --> 00:08:03.720
この天然のホワイト水素というのはまだ研究段階で商業生産にはいたっていません。

00:08:03.720 --> 00:08:08.720
実は日本にも天然水素があります。

00:08:08.720 --> 00:08:13.720
それも見に行ったり体験したりできます。

00:08:13.720 --> 00:08:21.720
長野県の白馬発泡温泉に天然の水素温泉があります。

00:08:21.720 --> 00:08:24.720
行ってみてください。

00:08:24.720 --> 00:08:32.720
私は行ったことがないんですけれども、もし行った方いらっしゃれば感想など教えてください。

00:08:32.720 --> 00:08:37.720
次はブラック水素とブラウン水素です。

00:08:37.720 --> 00:08:43.720
名前の色のイメージの通りグレー水素の一つです。

00:08:43.720 --> 00:08:49.720
ブラック水素は石炭を原料にして作る水素です。

00:08:49.720 --> 00:09:00.720
世界中の水素生産は天然ガスが69%、石炭が29%、電気分解が2%。

00:09:00.720 --> 00:09:06.720
このうちの29%、石炭の部分が該当します。

00:09:06.720 --> 00:09:12.740
そして石炭にも種類があります。

00:09:12.740 --> 00:09:25.590
カッタンと呼ばれます水分や不純物の多い質の低い石炭を用いた場合はブラウン水素と呼ばれます。

00:09:26.590 --> 00:09:35.590
こうしたカッタンは安いけど燃やした時に発熱量が少ないので利用が進んでいません。

00:09:35.590 --> 00:09:40.590
そのため水素として活用しようという取り組みになっています。

00:09:40.590 --> 00:09:52.060
細かく分類されていますけど、ブラック水素もブラウン水素もグレー水素の一つです。

00:09:52.060 --> 00:09:56.060
次はターコイズ水素です。

00:09:56.060 --> 00:10:08.060
化石燃料である天然ガス、その主成分メタンを高温で熱分解して水素と炭素を得ます。

00:10:08.060 --> 00:10:13.060
ここで出てくる炭素は固体の炭素です。

00:10:13.060 --> 00:10:20.060
従来の方法だと水素と二酸化炭素が発生していました。

00:10:20.060 --> 00:10:26.060
ターコイズ水素の場合は水素と固体炭素が生成します。

00:10:26.060 --> 00:10:29.060
ここが違いますね。

00:10:29.060 --> 00:10:37.060
生成される固体炭素はCO2ではなくて固形物として得られます。

00:10:37.060 --> 00:10:43.060
待機中へのCO2排出が理論上ゼロになります。

00:10:43.060 --> 00:10:49.060
内容としては水素の生成過程でCO2を出しません。

00:10:49.060 --> 00:10:55.060
ですのでグリーン水素に近い、そんな特徴があります。

00:10:55.060 --> 00:11:05.060
ただし原料に化石由来の資源を使いますので、もしかするとブルー水素に近いかもしれません。

00:11:05.060 --> 00:11:10.060
そういった理由からターコイズ水素という名前がついています。

00:11:10.060 --> 00:11:15.460
ターコイズはトルコ石です。

00:11:15.460 --> 00:11:21.460
青色から緑色ぐらいの色を持つ不透明な鉱物となってまして、

00:11:21.460 --> 00:11:32.740
まさにグリーン水素とブルー水素のハイブリッドの意味にとれるようなところからターコイズと名前がつけられています。

00:11:32.740 --> 00:11:36.740
次はオレンジ水素です。

00:11:36.740 --> 00:11:41.740
これはハイプラスチックなどを原料にした水素です。

00:11:41.740 --> 00:11:50.730
プラスチックの熱分解や光触媒反応で製造されます。

00:11:50.730 --> 00:12:00.730
特徴としてCO2排出量の削減とハイプラスチック問題の解決、この両方を狙えるんですけれども、

00:12:00.730 --> 00:12:05.730
やはりまだ技術的には開発途中の段階です。

00:12:05.730 --> 00:12:10.730
調べた限りはあまりオレンジ水素という情報はありませんでした。

00:12:10.730 --> 00:12:21.740
最後にピンク、レッド、パープル、イエロー、4つの水素を一気に紹介します。

00:12:21.740 --> 00:12:27.740
実は全部原子力発電に由来する水素なんです。

00:12:27.740 --> 00:12:31.740
メインはピンク水素です。

00:12:31.740 --> 00:12:38.740
原子力発電で得られたエネルギーを水の電気分解によって製造します。

00:12:39.740 --> 00:12:43.740
意味としてはグリーン水素と同じです。

00:12:43.740 --> 00:12:50.150
電力源が原子力発電になっているというだけです。

00:12:50.150 --> 00:12:59.150
原子力発電は電力供給が安定でCO2が出ないという強みがあります。

00:12:59.150 --> 00:13:08.150
呼び方は国際的に統一されているようなイメージがあまりなくて、主にはピンクが使われています。

00:13:08.150 --> 00:13:16.150
ただし、レッドやパープルやイエローも原子力由来と書かれていることも多いです。

00:13:16.150 --> 00:13:27.150
可能な範囲で調べてみたんですけど、レッド水素は原子力発電で使う熱の方を利用しているようです。

00:13:27.150 --> 00:13:35.150
ピンク水素が電気を使うのに対してレッド水素は熱ですね。

00:13:35.150 --> 00:13:43.150
そしてこの電力と熱の両方を使うのがパープル水素です。

00:13:43.150 --> 00:13:53.150
レッドとピンクの間というか混ぜたというか、それぐらいのイメージでパープルをつけてるんだと思います。

00:13:53.150 --> 00:14:01.150
そしてイエローはピンク水素と同じで電気分解をして得られます。

00:14:01.150 --> 00:14:05.150
意味的には全く一緒なんですよね。

00:14:05.150 --> 00:14:16.150
一部のサイトでは原子力発電の原料となるウランが黄色いからイエロー水素と呼んでいますよという話もあります。

00:14:16.150 --> 00:14:28.150
そしてこのイエロー水素のややこしいところが、太陽光発電で得た電気を使ったらイエローと呼びましょうというところもあります。

00:14:28.150 --> 00:14:42.150
またまたややこしいのがグリッド電力、つまり送電網から供給される電力を使ったらイエロー水素と呼びましょうという話もあります。

00:14:42.150 --> 00:14:59.000
今までの色と違ってイエロー水素っていうのは原子力なのか太陽光なのか送電網一式なのか、特に区別がついていないような色になっています。

00:14:59.000 --> 00:15:02.000
最後に復習の時間です。

00:15:02.000 --> 00:15:07.000
13色一気に説明していきます。

00:15:07.000 --> 00:15:12.000
グレー水素が現在主流の作り方です。

00:15:12.000 --> 00:15:19.000
化石資源が使われてCO2もどんどん大気に放出されています。

00:15:19.000 --> 00:15:25.000
グレー水素の中でも石炭を使ったものはブラック水素。

00:15:25.000 --> 00:15:36.000
さらに石炭の中でもカッタンと呼ばれる不純物の多いものを使うとブラウン水素と呼んだりします。

00:15:36.000 --> 00:15:46.000
化石資源を使っていてもCCSという形で大気にCO2を放出しない場合、ブルー水素と呼ばれます。

00:15:46.000 --> 00:15:56.000
メタンを熱分解して個体の炭素としてCO2を固定化した場合はターコイズ水素と呼ばれます。

00:15:56.000 --> 00:16:07.000
そして再生エネルギー由来の電力を使って水の電気分解から生成した水素はグリーン水素と呼ばれます。

00:16:07.000 --> 00:16:13.000
原子力由来の電力の場合は4種類に分かれます。

00:16:13.000 --> 00:16:20.000
単純に電力を使う場合はピンクやイエローという言い方になります。

00:16:20.000 --> 00:16:31.000
原子力発電の熱を使ったらレッド水素、熱も電気も使ったらパープル水素になります。

00:16:31.000 --> 00:16:40.000
水素の原料として灰プラスチックなど廃棄物を用いた場合はオレンジ水素です。

00:16:40.000 --> 00:16:50.000
そして最後に天然の水素はホワイト水素、そしてゴールド水素とも呼ばれます。

00:16:50.000 --> 00:16:52.000
以上です。

00:16:52.000 --> 00:17:02.000
実際のところ世の中で使われるのはグレー水素、ブルー水素、グリーン水素です。

00:17:02.000 --> 00:17:07.000
正直この3つで十分説明ができます。

00:17:07.000 --> 00:17:15.000
ですけれども13色覚えていると結構話の種になるのかなと思います。

00:17:15.000 --> 00:17:20.000
意外と突っ込みどころが多いネーミングになっていますよね。

00:17:20.000 --> 00:17:32.000
グリーンとブルーの特徴を持つものをターコイズという石で表現したり、ピンクとレッド両方使ったらパープルになったり、

00:17:32.000 --> 00:17:42.000
イエローに関しては原発なのか太陽光なのかグリッドなのか結局どれやねんって話になってきますね。

00:17:42.000 --> 00:17:51.000
一度で覚えられなかったかもしれないですけど何回か聞いていただけるとすぐに覚えられると思います。

00:17:51.000 --> 00:17:54.000
今回はここまでです。

00:17:54.000 --> 00:18:00.000
プラントライフでは科学や工場に関するトピックを扱っています。

00:18:00.000 --> 00:18:08.000
毎週水曜日の朝6時に定期配信していますので通勤時間や朝の準備などにお聞きください。

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それではお聞きいただきありがとうございました。
