色好みの男性について
それでは、今回は、徒然草(よりご紹介致します。
今回は、特に色好みについてのお話ですね。
いわゆる、恋に生きている男性のお話でございます。
結構、この色好みについてのお話っていうのは、節話なんかでもよく出てくるんですね。
節話、つまり何か言い伝えとか噂話とか、
やっぱり噂話になるようなものっていうのは、こうしたプレイボーイのお話なんていうのは多いわけですね。
今回は、徒然草の中に一体どのようなことが書かれているのか、見てまいりましょう。
では、まず本文を参照致します。
よろずにいみじくとも、いろこのまざらんおのこは、
いとそうぞうしく、たまのさかずきのそこなきここちぞすべき。
つゆじもにしおたれて、ところさだめずまどいやりき。
おやのいさめ、よのそしりをつつむに、
こころのいとまなく、おおさきるさにおもいみだれ。
さるはひとりねがちに、まどろむようなきこそおかしけれ。
さりとてひたすらたわれたるかたにはあらで、
おんなにたやすからぞもわれんこそ、あらまほしかるべきわざなれ。
まず、よろずにいみじくともからしますね。
よろずにっていうのは、さまざまなこと、すべてのことに、いみじ、いみじというのは、
これは、よいことでも、わるいことでも、とにかく、ていどがはなはだしいことをいうわけですね。
ここでは、すばらしいっていみですね。
よろずにいみじくとも、つまり、どんなことにたいしても、すばらしいとしても、
いのいろこのまざらんおのこは、つまり、いろをこのまないおとこ。
そういった、こいにいきないようなおとこというのは、
いとそうそうしく、とてもそうそうしい。
そうそうしいっていうのは、さっぷうけいなかんじにも使われるんですけれども。
ここでは、そういったさっぷうけいのふうけいのような、つまらないおとこということですね。
つまらないようなおとこは、たまのさかずきの そこなきここちぞすべき、と。
たまのさかずきですから、たまというのは、ほうせきのことです。
宝石で作られた杯の底が抜けているようなそんな様子がすると つまり一見素晴らしく見えるんだけれども
なんかどこかつまらないような 結局無駄になってしまうようなそんな男性に感じると言うんですね
梅雨時も西を垂れて所定めず惑いやりきとあります 梅雨しもとありますね
梅雨っていうのは朝梅雨のことを基本的に指しますね 霜っていうのはまたちょっと寒い日の霜ですね
そういった 梅雨とか霜に潮たる 潮たるというのは潮が垂れるという意味でして
要するに海の潮に濡れるということなんですが そういうところから涙を流している時の表現なんかに使うんですね
要するになんか非常に涙を浮かべながらですね 涙を流しながら悲しみに打ちひしがれながらも
所定めず惑いやりき 歩くというのは歩くウォーキングって意味もあるんですが
それだけじゃなくてなんか動き回るみたいな意味があるんですね だからなんとなくただ歩いていくってことじゃなくって
うどつき回るみたいな感じがあります
ですから ずっと梅雨や霜で悲しみに暮れながら
あちこちをさまよい歩いて 親の潔め世のそしりをも包むに心の意図もなく
親が潔めたり自分を潔めたりとか 世間がそしりと言われたりすると避難されたりとか
そういうことに対してを包むに心の意図もなくと それをなんとかかわすのにもう暇がなくて
大崎麗さんに思い乱れと
非常にこういろんなことを思い乱れていると 心を乱れさせているということですね
さるばひとり寝がちに 目どろむようなきこそおかしけれ
ひとり寝がち そうだけれどもひとり寝っていうのは一人で寝るってことですね つまり恋人とかがいない状態でなんか一人で過ごすっていうことですね
魅力的な男性の条件
ひとり寝がちで 目どろむようなきこそおかしけれ 目どろむっていうのはこれ逆に恋人と共寝をすると一緒に夜を過ごすなんていうことが
少ないっていうのは非常にこれが面白いですよね
ですから要するに非常にこの恋が大きくて 世間からいろんな非難を浴びたいとか親に説教されたいとかしながらも
打ちひしがれた気持ちもありながらですね ずっとこの恋を続けているということですね
それである そうは言っていても結局は一人で過ごすことなんかも多いと
なんかそういう状況がある男性って魅力的ですよねっていうことを言ってるんでしょう
そしてさりとてひたすら戯れ語る方にはあらでと
なんかそうだとしてもひたすら戯れ語る方にはあらで ひたすらその恋に貪欲であるだけではないって言うんですね
そういうことではなくて女を絶やすからず思われんこそあらま欲しかるべき技で
女性に対していつも絶やすからず思われん
女性から魅力的に軽い男だと思われないようにするっていうことがあらま欲しとあるべきなんじゃないかってことなんですね
なんか単にもう恋に貪欲で色っぽいことに関心があるっていうことだけじゃなくて
女性に対して切動をもって接してなんかこう慕われるようである
簡単に軽い男だと思われないようなそういうような男性が非常に素晴らしいんじゃないか
っていうようなことを言ってるわけですね
こんなことを健康法師は言っているわけなんですね
なんていうかこう今にも通じるところはあるかと思いますけれども
そうですねやっぱり当時のこの貴族社会における恋のあり方っていうものを垣間見させられるってことですかね
この健康法師自身もこの貴族社会というものにおいて結構長く暮らしてきた方ですので
その彼をしてどんな男性が素晴らしいのかということについてこう述べてるってことなんですね
ということで今回はツレズレ草からご紹介いたしました
もう一度最後に前文をご紹介いたしましょう
よろずに忌みじくとも色好まざらん女子は
いと想像しく珠の盃の底なき心地とすべき
つゆ呪文にしおたれて所定めず惑いやりき
親の勇め世のそしりを包むに心の糸もなく
大先るさに思い乱れ
猿は人に寝がちに
まどろむ世なきこそおかしけれ
さりとてひたすらたわれたる方にはあられ
女にたやすからず思われんこそ
あらまほしかるべき業なれ
今回も出典はこちらのツレズレ草
門川ソフィア文庫のビギナーズグラフィックス日本の古典よりご紹介いたしました
ではお聞きいただいてありがとうございました