ゴールデンウィークと合唱式
皆さまこんにちは、合唱指揮者のKota Yanagishimaです。
前回までは佐藤拓さんと対談してきましたが、一区切りついたということで、
今日は最初の初心に帰って、一人で喋ろうと思います。
初回の時に、毎回10分くらいのPodcastになるだろうと。
10分で話がまとまらないということは、あまり話題に関して頭がまとまっていないということだとみなして、
10分くらい目指そうということを言っていたのですが、結局、拓さんとのトークはあまりにも長くなってしまいまして、
最終的に最後の会話は45分にも至ってしまいましたが、それはちょっと特例ということで、ご理解いただければなと思います。
今日は10分くらいを目指して喋っていきましょう。
前回までは4月の頭に取り溜めをしていたのですが、今日は久々にリリース予定日にそのまま喋っています。
今日は4月29日お昼過ぎです。
祝日で東京カンタートの式コンクールが配信で行われていて、今それをチラッと見終わったようなところであります。
式法ということですね。合唱とその響きと体の動きのリンクということについて、
あるいは体の動きで示す、しかもそのタイミングの一瞬一瞬ではなくてもっと大きな長い文脈をいかに示していくか、
あるいはそれを既に自身が持っているかどうか、あるいはその瞬間の自分の緊張状態とか、すごくいろんなファクターがあると思うのですが、
そういったところにチャレンジされている皆さんは本当に素晴らしいなと思います。
ちょっとその合唱式については、今式ゼミということをほぼプライベートでやっていて、今20人前後の生徒さんがいるのですけれども、
また今年度は少し新しい企画が出てくる予定です。
それはかなり近いうちにリリースされるかなというところなので、またそれについて式法ということについて、現時点での考えとか、
どういうことを残していきたいのかとか、そういうことについてもちょっとまた話していけたらいいかなと思っています。
ちょうど今ゴールデンウィークということで、普通だったらどこかに遊びに行ったり、
あるいは合唱のイベントが目白押しだったりするはずなんですけれども、
1年前、2021年のゴールデンウィークがこういう状況になるということは多分誰も想像していなかっただろうし、
あるいは想像していてもそうはなってくれるなと祈っていたと思うんですが、残念ながらこういう状態になっていますよね。
男性アンサンブルインハイグリーンの『シバフ』制作
僕は今のこのゴールデンウィークは一応プロ合唱団の練習がすごく制限された形で入るっぽいことと、
あとは結局のところやっぱりリモートの練習もそうですけど、リモートの演奏の制作、合唱ということにも限らなかったりするんですけど、
そういう仕事が結構たくさんあって、ありがたいのか何なのかわからないですけれども、
家に引きこもってたくさん制作に励むような状態になっています。
僕の中で今一番ホットな制作は、これもまたこのボドキャストで初めて言うぐらいで、
また明日明後日ぐらいに公式に発表できると思うんですけど、
僕が主催しているというか、言い出しっぺをやっている男性アンサンブルインハイグリーというグループでリモートの作品をリリースします。
竹光徹さんの作曲、谷川俊太郎の死による芝生という男性合唱曲って言っていいのかな、かなりモダンな作品があるんですけれども、
それをマルチトラックで制作しまして、それに映像をつけて今回発表することになっています。
ものすごく竹光の作品で言うと風の馬とか指の呪文とか、どっちも風の馬ですね。
合唱で言うとああいう系統なのかな、に属するような大変複雑というわけでもないんですが、非常にキャッチーではない面白い作品です。
実際に生合唱で、生合唱って新しい言葉ですね。作ろうと思うと多分それぞれが学ぶところから、精度を上げていくところから、他社との関わりを見つけ合うところから、
多分このインハイグリーのメンバーでやってもきっと1年ぐらいかかるんじゃないかなという気がしますが、リモートという形で今回は実現にこぎつけることができました。
ぶっちゃけ言うと生演奏で正しい音で鳴っている例がほとんどないのではないかという作品なんですよね。
もともと移植がハーバード大学のグリークラブだったんですけれども、あまりにも内容が難しいということで突き返されて、
日本で田中真秀さんが指揮をして初演したという、そういう意枠もついている作品です。
演奏しているグループも極めて少ないし、記録に残っているものとなるともっとさらに少ないので、今たぶんCDで出ているのは2つのグループだけじゃないかなと思います。
これでたぶんうちのメンバーもよく読んだと思うので、ぜひとも実演にこぎつけたいなとすごく思っています。
ただ今回すごく面白かったのが、これに映像をつけたということですよね。
リモート合唱ってあるじゃないですか。
ズームの画面みたいに歌っている歌手の顔が正面にマスで割られて乗っていて、みんないい顔して歌っているねみたいな。
言うのもいいんですけれども、我々は一切人物の絵を使わずに、僕たちにゆかりの深いとあるなんとかのババっていう町があるんですが、
そこの町から僕たちの行きつけの飲み屋さんがあるんですけど、そこに行く間の道のりを撮影して、
そこに私たちのこのコロナ禍も含めた、コロナ禍の苛立ちと一時の解放されたような散歩に行った時とかね、
そういう風景とかそういう日常の絵みたいなものをかなりハードボイルドな感じにコラージュしまして、一つの映像作品にしてみました。
『シバフ』の意図とリリース予定
今実際はそのうんうんってお店は何だか営業が再開するというロックな行動に出ているみたいなんですけれども、
それは置いといて、いずれにせよ今満足に、誰に後ろ指さされることもなく死ぬほど飲みたいわけですよね。
ただお酒飲めればいいわけじゃなくて、そういう時間が多分大切だと思うんですけれども、
改めて口にすると信じられないような感じがしますけど、それが叶わない現状がある中で、
それは叶わないということとか、あるいは叶っていた過去とか、あるいは今後どうなるのかわからないということとか、
どんな、何によって私は人間としての姿を保っていたんだろうみたいなことなんですよね。
そこが少しタケミツの谷川俊太郎のこのシバフという曲の詩のテキストとも絡んでくるところなんですけど、
そのアンビバレントな気持ち、今って一時すごく充実することがあったとしても、
それを心から祝福することが難しい心境になったりするのかなと、
僕は自分自身を振り返るとそう思ったりするんですけど、
そういうことを音楽表現、あるいは映像表現において全部丸出しにして作品にしてみようと、
そんなコンセプトで制作したのが、今回のインハイグリーンによるシバフです。
作品はですね、私が主催しているイニツリウムオーディトリウムにて大変安価で販売する予定に、
なっています。
この曲、知ってるけど全然聴く機会がないっていうことなので、
もしこの曲をご存知の方は絶対チェックしてほしい作品だなって思います。
そうでない方にとっても、何なんだろう?
僕一つすごくね、とてもモヤモヤする日常がある中で、
そのモヤモヤそのものでもあるような音楽のように今は感じています。
また来年は違うように思うかもしれませんけど。
そういった意味で今僕や僕の仲間の大変アクチュアルな音楽活動の一つになっているのではないかなと思うので、
ぜひお聴きいただければなと思います。
また詳細は私のツイッターなどで告知いたしますので、ぜひご覧ください。
今日はこんなところにしておきましょう。
またですね、たくさんの回とっても面白かったから、
いろいろな対談企画も含めて面白い話、言ったり聞ける話を提供していければなと考えています。
ではまた次回お会いしましょう。
柳島でした。ありがとうございます。