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心理師わたるんの働くをカウンセリングするチャンネル。今回もお便り回、周りにいる困った人にどう対応するかについてお話しします。
今回はちょっと長いです。皆さん、今週も1週間お疲れ様でした。公認心理師臨床心理師のわたるんと申します。
このチャンネルでは、あなたの週末のお時間を少しだけいただいて、就職や復職など働くのサポートをしてきたカウンセラーが、主に社会人の方々に役立つようなカウンセリングの豆知識や、心理師のあれこれを簡単にお伝えしています。
冒頭にお話しした通り、今回もお便り回になります。またまたお便りをいただいてですね、いや本当嬉しいの一言です。
こんな風にお困り事をメッセージでいただいて、それにお返しする流れは、なんというかしっかり働くをカウンセリングしてるなぁと思います。本当にありがとうございます。
今回ご紹介するお便りは、ニックさんという方からいただいたものです。 先にご紹介すると、ニックさんご自身もポッドキャストで配信活動をされていて、
ジャガジャガラジオという、女性4名の方が雑談形式でお話ししている様子を聞ける番組のパーソナリティの一人なんですね。
いやーお聞きしててなんというか、めっちゃ仲の良い女性たちってこんな風にお話しするんだなぁと、新鮮で楽しい気持ちになります。
番組のリンク、概要欄に貼っておきますね。 それではニックさんからいただいたお便りの内容をちょっと割愛してお話しします。
わたるんさん、助けてください。 私の職場の困った方なんですが、この方仕事ができる方なんですがせっかちなのか、
イライラしている雰囲気を周りに撒き散らしたり、嫌なことがあれば無視をしてきたり、人のあらを探しては問題視して大事にしたり、人の話している内容をこっそり聞いてて上司に告げ口したりと、
正論を言っては銃箱の隅を突いてくるような人がいます。 アンガーマネジメント会を聞かせていただいて、私は距離が近くなっているんだ。
この人の怒りを私は負うことではないと言い聞かせて距離を取っていたのですが、相手からさすがに許せない一言があり、その一言がきっかけでその場で退職を決めました。
後日謝罪はあったものの、その内容はほぼ自己擁護でした。 すみませんでしたの後に続いたのは、あの時私はこうでしたよね。
私はこうしてますと続いて、すべてが自分主体。 私から攻撃されたからとりあえず謝っておいて、それからはあたかも私は間違ってないと反撃し返してきた。
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という感じが受け取られ、この方のバックボーンがわかればうまくかわせたのかなぁと後々思いました。 このような方はどんな育ち方をしてきて、どんな心理でこんなことを言ってくるんでしょうか。
なぜこのように自己防衛的に攻撃的になるんでしょうか。 このような人が今後いた場合、どのような態度で接していけばいいですか。
ということです。 ニックさんまずはありがとうございます。そしてこれは本当に大変でしたね。お疲れ様でした。
こういうのは本当に意図しない事故にあったようなものだと思います。 ニックさんは悪くないですし、そこから退職を決められたのは大きな一歩と思います。
しっかり次の一手を打ちましたね。 まず、苦談のストレスの元となっている方についてお話しする前に、僕の番組を聞いて実践する際の注意事項をお伝えしようと思います。
それは僕の提案した対処でうまくいかなくても、それはあなたのせいではないですよということです。 あの結構いらっしゃるんです。カウンセリングでも、例えば次のカウンセリングまでに宿題を出すことがあるんですが、
その宿題がうまくできないと自分のせいだと思ったり、 あとカウンセリングが終結した後にいい感じに過ごせないことを自分が学んだことを活かせていないからだと思ったり、
今回のニックさんの場合は、どうしようもなくストレスな人をうまくやり過ごせないのは、自分がその人を理解しきれていないからだと思われている節があるような気がしています。
もし間違っていたらごめんなさい。 もろもろうまくいかないのは自分のせいだけではありません。
特に対人関係で大事なところは、自分は変えられても相手は変えられないというところです。 なので、うまくかわすことができないことがあっても、それはニックさんのせいではなくて、
そもそも相手の対人関係の取り方に問題があるわけで、 その他人の問題をニックさんがわざわざ責任を持つ必要はないんですね。
ニックさんが責任を持つのは自分の人生だけです。 そういった意味では、退職を決めたと突きつけたのはある種良かったんじゃないかなぁと僕としては思います。
ちょっと話がずれますが、ハラスメントの問題も同じです。 例えばパワハラを受けている時って、こんなに怒られるのは自分のせいだと思いがちだし、
相手もそう思うように無意識的に仕向けていると思うんですが、それは違うんです。 怒られるのはただ怒る相手がいるから怒られてるってだけです。
自分のミスとか怒られた原因があるのであれば、そのミスを自戒しないように現実的な対処を考えれば済む話で、 ハラスメントをしている理由にはならないんですね。
ちょっとこれは前回お答えしたお便りについて、 もしかしたら顔色を伺うってところにハラスメントの要素も入っているかもしれないなぁと後で思い返したので補足しています。
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気になる方は前回のお便り回の方も聞いてみてくださいね。
さてそれをお伝えした上で本題の方に入れればと思いますが、 まずはニックさんが挙げてくださった方、少し噛み砕いて要約すると、
人のあらを探すのが得意で、そのくせ自分への批判には過敏な方なんじゃないかなと思います。
あとこの方は多分仕事は多少できるんでしょうけど、ちょっと無理してそのパフォーマンスを維持していると思います。
余裕のなさが甲斐も見えるからですね。 自己愛性パーソナリティ障害という診断名を聞いたことがありますか?
これは人格障害、つまりその人が今までの人生の中で半ばやむを得ず体験してきたことから形成された性格によって、
その人自身が苦しんだり周りの人がしんどい思いをしたりするような障害のうちの一種類です。
自己愛性パーソナリティを持っている人は、いわばハリボテの自尊心を保つためにものすごく厄介になります。
自分を特別な存在だと信じたいがために自分の業績を誇張したり、周りの人を過小評価したり足を引っ張ったりします。
この方はどちらかというと周りの人を貶めることで自尊心を保とうとしているところがありますね。
あと退職のことを伝えた時に過剰に自己防衛して攻撃的になったのは、本当は繊細で弱い自尊心を必死で守らなければならなかったからだと思います。
自分の間違いを認める認めないの前に、自分の大事にしている自尊心を壊されてしまう、守らねば、というアラームがめっちゃ鳴ってて、過敏に反応していたように見えたんじゃないでしょうか。
多分その時はニックさんとは会話が成立できないくらい手っ張ってたんじゃないかなと思います。
で、そういう方とどういうふうに付き合うかというと、やっぱりそこは距離をとって接するというのが第一選択で、
それでももししんどかったら今回みたくはっきり言ったり、他のスタッフの方に相談するのもありかと思います。
僕自身は同じ職員という立場だったら割とはっきり切れたりすることもあります。
もちろんそれを良しとするかどうかは賛否あるかと思います。 よくも悪くも角立ちますからね。
それで、その対応よりもやっぱり大事なのは、自分がいくら接し方に工夫を凝らしても、相手の態度を決めるのは相手なので、うまくいかないこともある。
自分は変えられるけど相手は変えられないこともあるという考え方を抑えることと思います。
そこを抑えるだけでも、相手や組織との付き合い方をどうするか、現実的かつ柔軟に決められると思います。
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何でしょう、根拠はあんまりないんですが、今回のニックさんの対処は決して一時的な感情だけで決めたわけではなくて、
冷静な部分を残しつつ、現実的な視点を踏まえて行動しているような、そんな気がしています。
さてニックさん、ここまで聞いていただいていかがでしょうか。 具体的な対処についてはこれというのは言えず恐縮なんですが、
苦談のその方の心の内が少しでも理解できる手がかりになれたら嬉しいです。
それでもしそういう方がカウンセリングに来たとしたら、そうですね、少なくともスタンチとしては、僕はその方の繊細な部分から目を離さずに話を進めていくことになると思います。
もちろんそれはカウンセリングという特別空間であるからこそできることであって、職場であったら多分喧嘩しまくっているかもしれませんね。
最後にニックさんからいただいたメッセージにはこのようなことも書かれてありました。
アタルンさんの番組はサクッとわかりやすく聞けて、働くことに苦しんでいたことの答えがストンと落ちてくるので助けられている場面がたくさんあります。
とありがたいことにお褒めの言葉もいただきました。本当に嬉しいです。
もしですね、このエピソードを聞いていただいている方で、自分にもこういう悩みがあって、このモヤモヤをストンと納得できればなぁという感じで、日々の仕事や生活に疑問や悩みを持たれている方がいましたら、気のなくお便りフォームまでいただけましたら嬉しいです。
では今回はここまでです。おやすみなさい。ここまで聞いてくれてありがとうございました。また来週をお楽しみに。