過去の記憶の曖昧さ
どうも、俺は過去の記憶がなさすぎるらしい。
なさすぎると思うわ。わかる。
奥さんと喋ってて、小学校、中学校、高校とかの話をしたときに、この間の回で話したような、すごい色鮮やかに覚えてることとかは覚えてんだよ、俺だって。
過去の恋愛とか、キラキラしたものは。
覚えてるんだけど、クラスが例えば何組だって、何ていう名前の友達がいたとか、ほぼ覚えてないんですよ。
何組かっていうのは、ちょっと僕も危ういかもしれないけど。
友達でも?
友達の名前もね、今一人も出てこないんですよ。
真っ暗な青春時代を過ごしたからっていうわけでは別にないんですけど。
俺、そんなもんだと思ったら、みんな。
この直近3年ぐらいの記憶があればいいでしょう。
まあね、それはそうよ。
三鷹さんはね、本当に忘れすぎだと思うよ。
でもそんなとこある?
たまに思う。
ほんま?
こう喋ってても、この人、何年前に来てたかなってなるよね。
たまに。
ほんま?
うん、なる。
でも仕事のことは、めっちゃ昔のことも覚えてる?
どこか一点に三鷹さんが、仕事に比重が置いてある人っていうのは、
本当におっしゃる通り、仕事の記憶はめちゃくちゃ残るんだよね。
何年経っても。
その、えり好みしてる気分はないんですけどね、本人としては。
いや、そうそう。
僕は割とその軸をたくさん持つ派だと思ってるんですよ。
仕事も大事、趣味とかっていうところも大事、
結構こう軸足がいろんなところにあるって自分では思ってるんですけど、
なんかこう一点集中型の人って、
なんかほんまにその自分が興味があるとか、
自分に軸足がないところって、いろいろね。
いや、たぶんそうなんやと思う。
俺もその奥さんと出会って付き合い始めぐらいの頃の記憶も、
仕事の記憶の残り方
俺もあんまないのよ。
だからそれぐらいの時に、
なんか一回一緒に京都とか行ったよね。
あ、それ私じゃないねとか。
うわ、こわー。
そこのグラデーションが。
うわうわうわうわ。怖い怖い怖い怖い。
結構あるんだよね。
あ、行かんかったっけ一緒にみたいな。
あー怖いね、それね。
興味があることしか覚えてないんですよ。
そんなもんですけどね、人って。
僕はその記憶だけじゃなくて結構生活全般的にそうで、
ちっちゃい電気小物とかが好きで、
そういうのはすごいいっぱい持ってるんですけど、
靴は僕一足しかないんですよ。
でもそこに穴が入ったら買い替えるみたいな。
だからその興味がないところに関しては、
世間一般の普通レベルにさえしようと思えない。
いやそう、極端なんだよそれ。
それが記憶にも多分反映されていて、
じゃあ奥さんには興味ないんですかって言うと、
そうじゃないんですけど、
その仕事に対する比重が多分デカすぎて。
デカすぎるんだね。
出て行っちゃうんでしょうね。
そうなんだよ。
他の記憶が。
だから三田さんと話しててもすごいね、
仕事の話してる時はすっげーイキイキしてんのに、
主人公の気遣いと奥さんの関係
なんかね、違うトピックになった途端にね、
この人なんか人変わったのかなぐらいにさ、
たまにこうテンションが下がるから、
大丈夫?って思うこともあるもんね。
僕は自分が結構常識あって、
ちゃんと生きてると思ってたんだけど。
いやちゃんとは生きてるよ。
ちゃんと生きてるけど、
なんかね、テンションが極端に違いすぎるんですよね。
それでもな、そうかもな。
なんでしょうね、
僕でも自分のことだって絶対わからへんと思うよ。
わからんよね。
ため息の件もそうやし、
服を選ぶ一つにしてもそうやし、
出会った人、そう言ってくれた人って、
すごいありがたいなって僕は思ってるよ。
ありがたいよね。
みんな思うだけやもんね。
せやね。
せやね。
そうなんだよな。
なかなか言ってくれる人っておらへんよね。
いない。
だって怖いもん。
ため息つきまくってる人に、
ため息多いですねって言うの。
それ怖いもん。
いやでも、奥さんに言われてな、
今でも覚えてる、
一番僕が傷ついたことがあって、
俺と奥さんが部屋で床に横並びで座ってた犬の相手するかなんかで、
足を前にバーッと投げ出して横に並んでたわけ。
ほんなら彼女が、
あれ?足の長さ一緒じゃない?って言うわけ、
俺と奥さんが。
お尻をカビにつけてるから足の長さがわかるわけ。
足の長さ一緒やのに、
背高いんやんね、あんたの方がって。
マジで傷ついたよね。
傷つくね。
あ、ていうことは足以外が長いんかみたいな。
そういうことですね。
昭和の体型してらっしゃいますよねってことね。
言わんでよくないと思ったわ。
そうだったとしても、
僕はちゃんと生きてるもんってことだからね。
そうですよ。
一生懸命頑張ってるからって。
一生懸命頑張ってるね。
なかなか伝われへんねんな。
それが一番伝わらへんわ。
僕が一生懸命頑張ってるってことはどうしたら伝わるんですか?
いやもうわかってもらおうと思わなくていい。
わからないから。
我々は友肌だけですけど、
奥さんが外でどんな苦労をして、
どんなところに神経使って、
どんな苦しい思いをしてるっていうのを、
話として、
今日こんなことがあってねとかっていう風に、
さらっとは聞くけど、
その奥深くまでは一切知らないもん。
そうなんや。
で、あんまり仕事の話をしないっていうスタンスがあるっていうのも一つあるんだろうけども、
本当の意味での苦労とかっていうのは多分知らないんだろうし。
でもさ、明らかに奥さんが仕事から帰ってきて、
なんか仕事であったんやろうなみたいな、
すっげえ疲れてんなみたいなことあったらさ、
いやもう今日は休んだ時には俺が全部やるからみたいなことはあるでしょ?
何やってるかね。
そういうことじゃねえんだよな。
そういうことじゃねえんだよな。
マインドの話をしてるんだよな。
普段と一緒やからっていう話をしてないんだよな、それは。
そういう気遣いがあるでしょってこと言ってんの。
そうかな、あるのかな。
なんか、俺もうちょっと気遣われたいんだよね。
気遣われたいってなんなんですか?
そんなわがまま言うつもりないんですけど、
僕ね、この間ね、足を怪我したんですよ、右足。
犬の散歩してて、レイちゃんって大型犬なんで、
まあまあ引っ張る力が強いわけ。
で、俺がリードっていう綱を持って歩いてたら、
いきなり真横向きにグーッと引っ張られて、
こけたんすよ。
えー。
ジーパンも穴開いてね。
えー、やば。
で、奥さんがちょっと後ろからついてきてたから、
なんかすんごい綺麗にこけてたねとか言われて、
ジーパン食ったら真っ赤よって。
で、「あんたあかんわ、これ先帰り?」って言って、
僕一人で帰ったんすね、その時。
で、言うてる間に奥さん帰ってきて、
どうやった?みたいに、
今これもおんよって言ってる。
うわー!みたいになって。
で、「それ、キズパワーパッド貼らなあかんで。」
言うて。
ちっちゃいやつは家にあるけど、
そんな、あんた一番でかいやつじゃないとあかんわ。
言うて。
買ってきたら?って言うわけ。
買ってきたろかではない。
買ってきたろかではない。
車は運転できそう?
いや、まあまあ、それぐらいは、
今すぐ行ったほうがええよ、みたいな。
ね。
ね。で、そこを俺は、だから気遣ってほしいわけ。
どうしたらいい?
どうしたらこれ買いに行ってくれた?キズパワーパッド。
それはもう無理じゃないかな。
無理なんかな。
そこはもうそれで、そういう夫婦の形として定着しているので。
そういう時にふと思う時はある。
もうちょっと、俺が頑張ってるっていうのを。
やっぱり、普段から彼女が身体に浸透させてたら、
こういう時に、あ、私買ってきてあげるよってなるんじゃないかなって。
いや、どうかな。
じゃないんですか。
そういう関係としても成り立ってるからよ、長年。
だから成り立たせてもうたんやな。どっかで掛け違えたな。
ずいぶん初期やったと思うけどね。
いや、そういう意味では枠立ちがあってよかったですよね。
掛け口ってことですか。
掛け口になっているから、消化できるからね。
そうですね。
でも本当に、周りから言われて、ありがたいなっていう、嬉しいなって思うことは本当に皆さんの感想ですから。
今までそんなこと言われることなかったんで。
いや、それをね。
こんなにもやってくれてありがとうって言われたのは初めてなんだよ、僕も。
そうだよな。
三田さんにも言われないもんね。
編集してくれてありがとうってな。
一ミリも言われたことないかもしれない。
それだって言い出したら毎週言わなあかんから。思ってますよ。
思ってますよ、それは。本当に。
それだけで十分です。
当たり前じゃないですか、そんなこと。