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2023-06-24 17:06

987. 光害で困る天文学者と生き物【環境省】【ニュージーランド】

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1日10分、宇宙時間をテーマに、毎日お届けしております、宇宙話。
今回は、僕たちの生活を支えている光、この光が、星空を怪我している、というところで、
光害と呼ばれるものを紹介していきたいと思います。
光に害される星空、そういう目線で、一体何が問題になっているのか、
サイエンスと呼ばれる、めちゃめちゃインパクトのある論文雑誌に紹介された記事っていうところをベースに、
そして、日本の環境省が出している情報をベースに、今回は天文学者を悩ませる光害に関する情報を紹介していきます。
ぜひ最後までお付き合いください。
3、2、1、イクニッション。
イクニッション。
2023年6月24日、始まりました、佐々木亮の宇宙話。
このチャンネルでは、1日10分宇宙時間をテーマに、天文学で博士号を取得した専門家の亮が、毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
本日でエピソードが987話目を迎えております。
基本的には1話完結でお話ししておりますので、気になるトピック、気になるタイトルからぜひですね、聞いていただけたら嬉しいです。
ちなみに前回は、宇宙の移住っていうのを本気で考えるスペースコロニーラボっていう話させていただいたり、
その前は結構天文っぽい話ですね。
超巨大なブラックホール、太陽の100億倍とかすごい大きさだし、
なおかつ40億光年先みたいな、結構ね、宇宙っぽい数字がたくさん出てくるワクワクする話っていうのを紹介させていただいたんですよ。
そういったところがある中で、今回どんなお話をしていくかで言うと、
宇宙の話もそうだし、身近なところにも影響があるっていうところで、
光害って呼ばれるものをちょっと紹介していきたいと思います。
聞いたことありますか?光害。
これ僕もね、宇宙に興味持つまでは正直知らなかったです。
光害。光。もうあの、光ですね。一番フレッツ光とかの光。
に、害虫の害とか、公害の害とかですね。
っていうので光害って読むんですよ。
僕これ最初公害って読んでて、でもいろんな人が公害って言ってた気がするんだけどなぁと思うし、
今このポッドキャスト聞いてても、いや公害だしっていう人いると思うんですよ。
けど正式には光害であってるはずなんですよね。
ライトポリューションって言ったりしますが、そういったところ、これ実際に環境省とかのページを参照したりしてるんですけど、
環境省のページにもちゃんと振り柄付きで光害って書いてますね。
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まあ文字の説明はいいや。とにかくこれじゃあ光害って何っていう。
これ天体観測にとってめちゃめちゃ影響のあることなんですよ。
で、しかもなんでこのタイミングでこの話を紹介しようとしたのかっていうところで言うと、
1個ものすごく大きい理由があります。
それは何かっていうと、サイエンスと呼ばれるめちゃめちゃ有名な論文誌があるんですよね。
サイエンス。このサイエンスにこの光害、ライトポリューションっていうところを議論するための記事っていうのが公開されていたんですよ。
ここのちょっとアブストラクトみたいなところの話をすると、やっぱり今まさに議論するのが超重要であると。
なんでかっていうと、星空っていうのは本当にこの書き出しをおっしゃられたなと思ったのは、人類の歴史を通じてインスピレーションの源であったと。
で、天文学っていうのはあらゆる文化だったりとか文明に共通する要素だったりするんですよね。
もちろん火を数えたりとか、海に出たりとか、星を探したりとかっていうところで、科学技術の発展にもすごい貢献していた。
で、特にその中でも天体観測っていうのは、やっぱりみんなロマンを感じてるし、宇宙話を聞いてるみんなもまさにそこ超気になってると思うんですよ。
ただ、最近は昔ほど星が見えないとか、そういうことになってきてる。
これがまさに光によって害されたことによって出る悪影響ですね。
昔ほど星が見えない。それこそ都会とかに住んでる人は分かったり、ちょっと別途タウン的なところに住んでる人はより分かると思うんですけど、
例えば僕も、東京ではなく神奈川のめちゃめちゃ東京寄りのところに住んでたりしたんですよ。
実家とかね。そうすると何が分かるかっていうと、東京の空めちゃめちゃ明るいなっていうところが分かったりするんですよ。
雲に反射したりして。それまさに光害っていうもので、東京都心で見える限界の星の数と、長野県とか行った時に見える限界の星の数って全然違うじゃないですか。
これが、光に害されてる。光害って呼ばれるものです。
だんだん伝わってきましたかね。これが超問題になってるんですよ。
なぜかっていうと、天体観測に影響が出るっていうところもそうだし、単純にこれ天文以外の要素でも、住んでる人たち、僕たち人間が眠れないとかもそう。
それに加えて野生生物に異変が起きてしまったりとか、っていうところでいろんな悪影響が出てるっていうところが、あとSDGsとか最近言われるところに対して、
エネルギーを結局無駄にしてるんですよね。空を光合と照らすぐらい光を照らす必要ってあるのかとか、そういったところがあるじゃないですか。
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そういったところに対して対策していきたいねっていうところが、世の中でいろいろ考えられ始めていて、まさにこのサイエンスっていう論文にも紹介されたっていうところの背景があるので、
このタイミングで光害って呼ばれるものに対してしっかりと話をしておくのが、宇宙話にとってはすごい良いんじゃないかなと思って紹介させていただこうかなっていうふうに思ってます。
僕が初めてこの光害っていうところに触れた、というか、存在を知ったきっかけっていうのが一つあって、何かっていうと、ちょっと場所はニュージーランドに移るんですね。
ニュージーランドにはタカポコ、レイクタカポって呼ばれる南側にあるめちゃめちゃ綺麗な湖があるんですよ。
そこの湖の周りっていうのは星空が世界一綺麗って言われていて、そこで天体観測の観測ドームとかもあるんですよね。
そこの天体観測ツアーとか天文台の管理をやってる会社があって、そこで実は日本人が運営してたりするんですよ。
それだけでも結構びっくりだと思うんですけど、その方、そこ、僕ニュージーランド一回留学とか行ったことあってめちゃめちゃ好きで、
加えてそこの星空見に行きたいなと思ってたところだったんですよね。そんな中で大学で研究し始めて、宇宙面白いなと思ってたから、行きたいなみたいな。
なんなら就職したいなみたいな。って思った時期があって、若気のいたりですよね。若気のいたりというか、別に働くこと次第はいいなと思うんですけど、
行ったこともないし、そんないきなり遠くに飛ぼうとしてるっていうのがすごいなと思って、いきなり働きたいっていう発想になるのが若いなと思うんですよ。
それでちょっと興味持ってたら、たまたまそのレイクタカポを運営してる、そこの天文ツアーとか運営してる会社の社長さんだったかな、が国立天文台で講義をしますと。
で、しかもその講義の内容がこの光害に関する話。
なんか世界一綺麗な星空を持っているこのニュージーランドで、星空を世界遺産にしようっていう動きをしてたんですよね、その方は。
で、その星空を世界遺産にするっていうことは、例えば世界遺産、いろいろあるじゃないですか、周りに。富士山とかもそうですよね。
ってなってくると、世界遺産になるには本当に厳しい条件をクリアしなきゃいけない、プラス、それが維持されることも超大事なんですよ。
ってなってくると、自然保護とかっていうのがどんどん出てきたりする中で、星空を世界遺産にするんだったら、光っていうところを極限まで抑えて、必要のない光は使わないようにっていう動きをしてる。
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っていう活動をその方がされていたんですよね。それで、国立天文台で、天文学者もそこって気になってるから、講演させてもらいますっていうので来ていたと。
僕行ったんですよ、国立天文台にその時。うわぁ、超チャンスじゃんと思って。行って、話し聞きに行ったのが、実は光以外っていうのを初めて知ったきっかけなんですよ。
ちなみにそこで、めっちゃ話し聞きに行って、受けれないですか?みたいな話をして、メールを交換して履歴書出すか?みたいなところまで実は行っていたっていうところがあったぐらい。
そこから結局、博士課程行くっていうふうに決めてからは、全然そこを全く考えてなかったんですけど、いやでもそういうところですね。
このポッドキャストで前に話した、人工流れ星の会社のエールっていうところにいる岡島さんと出会ったのも実はそのぐらいの時期で、
宇宙スタートアップに就職したいなとか、もう海外行って宇宙の仕事したいなとか思ってた時期がその頃だったから、一番なんか僕の中でもアクティブな時期だったんじゃないかなと思ったりするんですね。
まあそういった中で、知った光以外。やっぱ今でもディスカッションがひたすら進んでいるというような状況になってます。
じゃあ一体どんなものが光害っていうのを発生させてしまうのかっていうところで言うと、無駄に明るい照明もそうですね。
あとは街灯。街灯が実はこれめちゃめちゃ重要だったりして、普通の街灯ってなんとなく下向いてたりするじゃないですか。
けどあれ下向いてるだけでもだいぶいいんですけど、向き出しの街灯とかがあると、あれって空にどんどん光逃げてってるから、別にそもそも空照らす必要もなくてエネルギー無駄になってるし、星空も暗くなっちゃうと。
言うとこれプラスだから下向きにしましょうっていう話もそうだけど、下向きにしてもやっぱ反射で上の方っていうのを輝いちゃったりするんですよね。
なのでそういうのを防ぐために、例えば赤い光にしましょうみたいな話とかがあったりする。赤い光っていうのは星空を汚さないんですよ。
これはこの暗いところに対する赤い光っていうのの相性とかっていうのもあって、実は赤い光、もう簡単に言うとセロハン巻いちゃえばいいじゃんみたいな話とかっていうので光害の対策ができるみたいな話も当時は出ていたりしました。
っていうところで、あとはそれずっと明るいとそもそも生態系に対しても影響があって、夜なのか昼なのかわからないみたいな話だったり、天文の目線で言うとやっぱり星空が見えづらい。
僕がいた研究室って東京のど真ん中、東京ドームの横にあるんですよ。そこの建物の屋上に望遠鏡立ててたんですよね。
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3つもしかもすごいじゃないですか。望遠鏡の設備があって、みんな天文学者の人が来てびっくりするのが、研究室に遊びに来たときにここで観測してんのみたいな。
東京でも一番明るいんじゃないかっていうのは東京駅の近くだったりするので、そういったところでやってるのは信じられないってぐらいの場所でやってたんですよね。
なのでちょっと雲がかかったりすると地上の光でぼやけちゃったりもするし、っていうので光害の影響をもろに受けていた地域でもあったりしたっていうところで、天文学にとっては本当に邪魔な存在でしかないんですよね。
ただまあ生活していく上で光っていうのはものすごく重要なのもわかってるし、光害を抑えるためにもちろん僕らの生活リズムもそうだし、天文学者目線だけじゃなくてね。
生活リズムが崩れるっていうのもそうだし、生態系を崩すっていうのもそうだしっていう目線で見ると、光じゃあ一概に全部暗くすればいいのかっていう話になると、
そうでもなくて、なんでかっていうとやっぱ防犯上そういうのが良くなかったりとかもあるじゃないですか。
そういったバランス見ながら最小限に抑えていけるようにみんなで工夫していきませんかっていう提案が最近はどんどん出ていたりしますね。
ここの環境省のウェブページとかにも、例えば光害のQ&Aコーナーとか出ていて、光害対策をして街を暗くしたら防犯上危険になるんじゃないですかっていう質問が寄せられてたりとか、
あとはこれどういうのが光害なのみたいなところとか、光害の取り締まり対象ですね。
これは実はないんですよ。環境省が今光害についての指針だったりとか案内書っていうのをたくさん作っている一方で、
快適な環境で暮らすために光っていうのが重要なのも分かっているから、特に法律っていうので取り締まれる部分っていうのはなかったりするんですよね。
ただ、星空を大切にしましょうっていうところの自治体だったりとかで、自治体レベルで条例とかっていうので規制を行っている場所もあるらしいんですよ。
それこそだから長野県とかのあちむらとか、めちゃめちゃ星空綺麗なところだったりとかはもしかしたらあるんじゃないかなと思ったりするとか、そういったところあったりしますね。
とにかく僕たちが生活を支えられている光っていうところが光害っていうふうに言われてしまうぐらい害を与えていて、
これも天文学者に対してめちゃめちゃ悪影響を与えているし、それだけじゃなくて結局僕たちの生活にも悪影響が出ているっていうところがあるので、
みんなちょっと頭の片隅に光、便利だけど害もあるっていうところを入れながら光害っていう言葉だけ今回のエピソードで覚えてくれたら嬉しいなというふうに思っております。
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ということで今回の本題は光害って何っていうところで、天文学者が星を見るのに悩まされている光での悪影響について紹介させていただきました。
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番組の感想や宇宙に関する質問についてはTwitterのハッシュタグ宇宙話またはSpotifyのQ&Aコーナーからじゃんじゃんお寄せください。
今ポッドキャストのレビューなんと599です。600は600目をバチッと押せる人は誰なのかっていうところですね。もし押してない方いたらぜひレビューしていただけたら嬉しいです。
そして次回ですね次回予告、次回は久しぶりのゲスト回というところで宇宙話初期から出てくれているもう準レギュラーヒロに出てまいりいただきます。
今回はスペースタイドっていう宇宙ビジネスカンファレンスの僕メディアパートナーやらせてもらってるんですけど、そこのCXアドバイザーやってるヒロにいろいろ話を伺っていくっていうところと、
もうねたまに遊ぶんですけど本当に日本にいないですよ。世界中の宇宙カンファレンス飛び回ってる。そんなに宇宙のカンファレンスやってるかってぐらい飛び回ってるんですよ。
なのでその中で南米とかインドとかそこの宇宙開発がめちゃめちゃ面白いっていう話ちょっと紹介してもらったので今回はゲストを呼んでそんな話させてもらっておりますのでぜひ楽しみにしておいてください。
ということで次回からのゲスト回楽しみにしていただきたいのとぜひですね過去の宇宙話いろいろ聞いてみてください。
それではまた明日お会いしましょう。さようなら。
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