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はい、tantotの時々読書日記第14回です。 今日はですね、
ポール・オースターのムーン・パレス、柴田本幸さんの翻訳、 こちらの小説のお話をできればと思います。
手元にあるのは、慎重文庫版なんですけど、もともと日本語の単行本が94年に出ておりまして、
原作の方は、
1989年に書かれている。ポール・オースターというのは、
ちょうど2024年に不法がありまして、亡くなられてしまったというところなんですけど、
1947年生まれのアメリカの作家で、本当に現代アメリカの非常に重要な作家の一人という感じですね。
有名なのは、ニューヨーク三部作というのが結構有名で、「鍵のかかった部屋」
シティ・オブ・グラス・幽霊たち、鍵のかかった部屋というニューヨーク三部作で、これが出品になったというような感じで、
ムーンパレスは結構、その中でも代表作の一つとして語られることが多い作品かなというふうに思います。
ポール・オースターのお話、どんな話というのを
説明するのも難しいんですけど、なぜかというと、このムーンパレスもそうなんですけど、
作品中の中で奇妙なこと、それをすごく偶然としか思えないような出会いだとか、奇妙な出来事。
その奇妙な出来事によって、その主人公の人生が大きく影響されてしまうと変わってしまうみたいな、
そういう出来事がいろいろ起きるというような感じで、すごく難しいんですよね。
あらすじを言うに。
でですね、ムーンパレスはどんな話かというと、一応文庫の後ろのあらすじを読むと、
人類が初めて月を歩いた夏だった。父を知らず母とも私別した僕は、唯一の血縁だった叔父を失う。
彼は僕と世界を結ぶ絆だった。僕は絶望のあまり人生を放棄し始めた。
やがて生活費もつき、昔寸前のところを友人に救われた。体力が回復すると僕は奇妙な仕事を見つけた。
その依頼を遂行するうちに偶然にも僕は自らの家計の謎にたどり着いた。
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深い余韻が胸に残る絶品の青春小説。
思い出してきました。
なんか、そうなんです。
絶望して、大学にいたのかな?
ただ、人生に絶望して大学も辞めて、放浪して、
昔寸前のところ友人に救われたんですけど、
なんかその奇妙な仕事っていうのが、めちゃくちゃ狂った感じの老人。
狂った感じというか、めちゃくちゃ気難しくて偉そうで、
およそ性格がねじ曲がっている富豪の老人のお世話をする。
そのお世話も普通にお世話をするんじゃなくて、
言われた通りによくわからないオーダーに従う。
例えば、めちゃくちゃ散歩、こっちに行くぞみたいな感じで散歩する。
老人は車椅子なんですけど、車椅子をして、よくわからない街を散歩させられたりとか。
なんか本を読んであげたりみたいなのもあったな。
ちょっと他の話と混ざってるかもしれないですけど。
みたいな感じで、この老人の、嫌な感じの老人の描写とかもすごい良いんですよね。
めちゃくちゃ嫌な気分になるというか、
こんなクソ野郎がみたいな感じで読んでいると、
もうありありと感じられる。
こういうところが作家たるゆえんだなというふうに思います。
そうですね。
それをやっているうちに、繋がるはずのなかった自分の家計みたいな線と、
この奇妙な老人の線が繋がっていく。
なんと大きな発見というか、謎に突き当たるみたいな。
そんな感じの。
それだけ言っちゃうと、結構ご都合主義的な話でもあるんですけど、
結構オースターの話って、あらすじだけ見るとご都合主義的な偶然でこうなるみたいな話が多いんですけど、
やっぱりご都合主義をご都合主義と感じさせないのが、この作品の筆の力なのかなというふうに思ってますし、
あとはオースターって偶然の力を結構信じているのかなと思って、
やっぱり結構偶然性みたいなのは、彼の作品の通呈するテーマなのかなと思って。
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偶然っていうものによって人は動かされるし、
やっぱり何か運命を変えるような偶然というものは存在するんだ。
それは本当に偶然なのかどうか。
やはりそれは運命なんじゃないかみたいな。
そういう偶然性とは何なのかみたいな、そういうところが結構大きなテーマとしてあるんじゃないかなというふうに思っています。
ムーンパレスもやっぱりそれをすごく色濃く感じさせるお話になっています。
こんなダラダラと喋ってても、あんまり魅力の一端も伝えられないかなというふうに思うんですけど、
本当に素晴らしい作品をいっぱい残しているし、
このムーンパレスもポール・オースターさんの譜報を目にして、
大学の頃なんで、かれかれ15年とか20年ぐらい前にすごく貪るように読んでいたのがポール・オースターで、
しばらくちょっとちらほら読むぐらいだったんですけど、
やっぱりその譜報を聞いて改めて読み直して、
これを貪るように読んでいた大学の頃の記憶もすごい蘇ってきますし、
改めて読んでもやっぱり物語の力がすごくグッとくる話だなというふうに思っています。
1989年の作品ですけど、全く色褪せない。その魅力自体は。
ただ、すごく長いです。文庫版で400ページぐらいある。
ポール・オースターの作品はだいたい長い。
現代アメリカの作家の作品はだいたい長いと言っても過言ではない。
過言ですね。過言ですけど、こういう長いお話を書くストーリーテラーの作家って結構いると思うんですけど、
長いんで最初グッとくるかも。グッと大変かもしれないですけど、
読み始めてしまったら本当にあっという間に止まらないと。
あっという間に読み干してしまうみたいな。そんな魅力に満ちた作品です。
ということで、ぜひ興味のある人は読んでみてもらうといいかなというふうに思っております。
今日はポール・オースターのムーンパレス、柴田茂之さんの翻訳についてお話ししました。ありがとうございました。