起業のデットファイナンス、年間500名以上の企業家から相談を受けるデットファイナンス支援の INQ の代表、若林が、
スタートアップ企業家のリアルなお金の悩みを解決していく番組です。
こんにちは、INQの若林です。今回は前回に引き続き、日本政策金融高校に詳しい佐藤さんをお迎えしてお話を伺ってまいります。
佐藤さん、よろしくお願いします。
佐藤さんは、簡単に私から多古紹介させていただくと、情報イノベーション専門職大学の客員教授でいらっしゃって、
その他、神奈川県のKSAPというアクセラレーションプログラムのメンターでもいらっしゃるという方で、
もともとはご自身で高校生時代に起業されていた連続企業家でもいらっしゃると。
スモールビジネスですけどね。
連続企業家でいらっしゃる。その後、某政府系金融機関に就職をされて、故に某政府系金融機関、高校なんですけど、高校にお詳しいというところで、今回ゲストに来ていただいているわけなんですけれども、
佐藤さん、今回ですね、スタートアップにとって大変ありがたいと言いますか、まさにスタートアップ向けの制度だなと思う。
資本性ローンについて、ぜひ詳しく伺いたいと思います。
資本性ローンについて、私から簡単に3つのポイントをお話しさせていただければと思うんですけど、
まず資本性ローンの特徴3つあるなと思っていて、
1つ目が期限一括召喚。
2つ目が利益変動禁令。
3つ目が身なし自己資本かなと思っています。
まず大分かってますかね。
大分かってます。
じゃあまず1個目、期限一括召喚、これどういうことかというところから教えていただけますか。
期限一括召喚というのは、総名の通り返済金が来たときに一括で頑金を支払いするという制度です。
もちろん金利は毎月支払いいただくんですけれども、頑金の返済がないと。
これ一体何がいいかというと、例えば分かりやすく5000万円を5年返済で借りたとしましょうと。
そうすると当然1年間で1000万円返さなきゃいけないですよね。
5000万割5で1000万、これ1年間で返さなきゃいけないと。
そうするとよくよく考えると、あれ1年目に使えたお金って4000万じゃないみたいなことになっちゃうと。
特にスタートアップって当社赤字を掘っているので、フルで使いたいときにフルで使えてない。
こういうようなデメリットを解消するという意味合いで、期限一括返済というのは非常にいいのかなと思います。
2つ目、利益変動金利ということですよね。
これは出資に近い考え方かなと思っていまして、基本赤字のときは金利をほとんどもらわないと。
具体的に言うと0.5%の金利で固定されると。
ただ利益が出たときには多少金利をくださいねということで、コロナ資本性ローンというのがあるんですけど、
コロナ資本性ローンだと大体2.6%。
まあ安いですね。コロナ資本性ローンはちょっと安いですね。
コロナ資本性ローンが12月で1回期限を切れる。
毎回延長しているので、今回延長されるかどうかまだ分からないんですけど、まだ続くのではないかなって気はしますけどね。
仮に普通の資本性ローンになったとしたら3.6%とかね。
変成の意思に応じるんですけど、利益が出たときには金利をもらえますよという制度です。
3つ目の見なし自己資本なんですが。
そうですね。見なし自己資本っていうのは資本性ローンってローンなので、当然決算書上は借入金に計上されます。
ただ1枚証明書が付きまして、それを付けておくと、もしくは決算書にわざわざ資本性列号ローンとか資本性ローンって書いておくとかね。
課上科目を1枚証明書にこうこのところに資本性ローンって書いておくとかすると、他の金融機関が見たときにそれを資本に振り返ることができるよというような制度になっています。
これ何が大事なのかっていうと、いわゆる債務超過にならないようにできると。
基本的に一切代流処置せずに資本増強できるっていうのが一番のポイントですね。
金融機関が融資をするとき、これは金融庁の、昔計算マニュアルっていうのがあったときに2つの大きなメルクマール指標があったんですけど、
その中で一番面倒くさいというか解消しにくかったのが、債務超過解消年数。
これはいわゆる債務超過、純資産のマイナス額を利益で何年で解消できるかっていうものなんですよ。
もちろん何年かっていうのは金融機関によって、何年以下は成長先と見るかっていうのは金融機関によって違うんですけど、
大体1年とか2年とかなんですよ。
で、債務超過1回掘っちゃって、じゃあ利益で解消しようっていうと、なかなか解消できないじゃないですか。
解消するためには出資を受けるか、税引き後の利益で純資産を増すしかないと。
税引き後の利益で増せないですよね。
難しいですね。
ですよね。
っていうのを、ウルトラCで心性論を使うと、表面上金融機関は資本と見なせるので、債務超過を解消できる。
もしくは、債務超過になる年数、債務超過に陥ってしまう可能性を遠くにできる。
ゆえに民間の金融機関が融資がしやすくなる。
そういうのを狙ったような部分ですね。
なるほど。まさにエクイティが入ったのとニアリーイコールになるので、従って他の民間金融機関の融資を誘発しやすいというところで、
まさに民間金融機関の補完だったり協調円滑化みたいなところの目的にまさに合致している制度かなと思うんですけど。
そうですね。
基本あれなんですよ。この辺が定番の説明なんですよ。
多分企業家の人が聞いてらっしゃると思うので、企業家目線で考えると、僕は元企業家だったので、企業家目線で考えるときに、
実は一番ありがたいのって期限滑変債なんですよ。と思うんですよ僕は。
そうですよね。
なぜかっていうと、さっき言ったように、5000万借りて5年で返すと1000万返さなきゃいけないじゃないですか。
1000万返しちゃったら、もしくは2年経って2000万返したら、次の調達しますよね。
次の調達するっていうのは、1年2年経ってるから、決算一期二期またいでますよね。
ってことは、業況変わってるじゃないですか。また審査が必要ですよね。コミュニケーションコストがありますよね。
だいたいスタートアップっていうのは、計画通りいかないんですよ。
言われるんですね。あれ?前回の計画だと、もう燃焼が15億になってるんですけど、どうでしょうかみたいなね。
いや、なかなかそうはいかないみたいなね。
いや、わかりました。KPI上手くいってるんですよね。お客さん利用客どうですか?みたいな。
いってないみたいな。調達しにくいじゃないですか。
そこに労力を使うって、めちゃくちゃスタートアップ側からしたら嫌じゃないですか。
そこをスキップできる。
なるほど。
5年間事業に集中できる時間をくれる。
なるほどですね。
金利が2.6でも3.6でも、資本調達コストに比べたら全然安いわけだし、
その間の調達するためのそのコストがない。
2500万円だったら2500万円買わなきゃいけないとかそういうのがないっていうのが、
企業家としては多分一番楽っていうか気持ちがいいんじゃないかな。
まさにおっしゃる通りだと思いますね。
仮に黒字になってて2.6%だったとしましょうってなっても、
2.6%以上伸ばしてないとスタートアップとはなかなか言えないと思いますし、
っていう点においては全然許容できる金利ですよね。
そうですね。
全然金利よりも成長率と利益率の方が高いはずなのでスタートアップの場合は。
確かに調達にかける時間、
CEOだったりCFOの方、財務担当者の方がかける時間、
金融機関さんとかVCさんとコミュニケーションする時間って結構やっぱり重たい。
本当に。
しかも国民事業を使う方、まだSEEDの方ってCFOいないことがほとんど、
だから社長がやらなきゃいけないじゃないですか。
そうすると社長の仕事ってやっぱり売上げ伸ばすこととか、
プロダクトを作ることとかそういう方向になるんで、
資金調達に集中しなきゃいけない期間ってできるだけ短い方がいいと。
特にスタートアップのカウンターパートナー、エクイティになるはずなので、
デッドファイナンスってちょっと違った理屈なんで、エクイティとは違った理屈なんで、
そこの調整しなきゃいけないって結構ストレスだと思うんですよね。
だからそこをキープできるのは、僕が一番事業家だったらそこが嬉しいかなって。
本来その期限一括が取るとしたらリスクが高いはずだから、
返ってこないからね、全然返ってこないから金利をもっともっと上げるべきだと思うんですよ。
だけど赤字だったら金利取らないってこれもすごいですよね。
いや本当そうですよね。逆ですからね。
逆ですからね。
普通赤字だったら金利上げなきゃいけないはずだけど。
いいんだ、いいんだって。
これやっぱり民間金融機関の方と話してても、
この条件は民間でプレーンに作ることはできないっておっしゃるんで、
やっぱりそこは本当に政府系金融機関の目的に合致してるなって感じですね。
そうですね。金融の理屈を一切無視したような制度みたいなそんな感じですもんね。
そんな資本性ローンなんですけど、
実際企業家が使いたい、こんな良い制度ないってなった時に、
じゃあどういうフェーズとか領域とかあるいはコンディション、
どういう条件整えるとこの資本性ローンで活用できそうでしょうか。
こういう話は本当はCEO向けにはあまりしたくないんですよ。
マインドが下に行ってしまうから。
そうですよね。
だけどよく言うのは、相手が何を求めているか。
相手に対する解像度を上げて、そこに対して必要なものを提供しよう。
これビジネスでも一緒じゃないですか。
それをやってあげるっていう意味合いで
テッドファイナンスを調達したいなら、相手が欲しいものは何か。
それはきちんと返せるかだと。
割り切って作って出していただくといいかなと思います。
なるほど。
具体的に例えばなんですけど、VCさんから調達ができているとか
あるいは他の民間金融機関さんが協調融資で入ってくれそうみたいなことは
資本性ローンにおいてはポジティブに働きますかね。
働きますね。
資本性ローンを出す目的として、やはり民間金融機関との協調的な支援が取れるかどうか。
それは変なし、同時に何かお金を出すとかじゃなくてもいいんですけど、後で出すとかでもいいし
場合によっては成長したときに、いわゆる政治運転資金って言われるもの
売りかけとか在庫に相当するようなもののところを対応してくれるとか
何でもいいんですけど、そういう支援ができるっていう体制を整えるっていうのが
資本性ローンを出す意義でもあるので。
そこがないとやっぱり難しいし、あればもちろんプラスかなと。
これまさにスタートアップ向けの制度かなというふうに思うんですけど、
そういう意味では狭い意味でのスタートアップってVCファンダブルかどうかみたいなところがあるんですが
そのVCさんが入っている、VCさんがどう評価しているかみたいなところっていうのも影響あるんですかね。
もちろんありますね。基本的にはリファレンスをさせていただいているので
そこはよく考えています。
加えてさっき言ったチンと返せるかっていう話を
もうちょっと手出し金融機関側から見たときの最悪なパターンで考えるときには
例えば利益から返すことを利益召喚って言うんですけど
資金繰りで返すことを資金繰り召喚って言ったりするんですね。
例えば出資のお金で返すっていうのはちょっと名目上言えないと思うんですけど
出資が入るんであれば返せるって言うじゃないですかみたいな
だからその辺って可能性あるのかなみたいな。
そういうところはちょっと気にしたりしますね。
なるほど。少なくともエクイティが入れば引き続き事業が継続できるわけですからね。
そうそうそう。おっしゃる通り。
なるほどですね。
出資のお金で返すっていうよりはそうですね。確かに。
出資を受けるから事業が継続できるゆえにゆくゆく返せる可能性が上がると。
なんて言ったらいいんだろう。毎月返さなくていいから。
はい。そうですよね。
最終的に一括召喚するときにそれだけの事業規模に到達できていて
利益、常用金なのか現用金なのかからガンと返せれば良いってことです。
そうですね。
はい。なるほど。ありがとうございます。
もう少しちょっと踏み込んで伺いたいんですけども
数年前は結構シリーズAでオクタインの調達とかしていないと
なかなか資本性ローのオメガネに敵わないというか
土台に乗らなかったケース多かったなというふうに私実務上感じてるんですけど
一方、結構フェーズが早い段階でも出てるケースが散見されるかなというふうに
お見受けしてるんですけど
具体的にCEの調達後とかのスタートアップでも
資本性ローン実行されてるケースとかってありますか?
お詳しいですね。
いやいやいや。
そうですね。
でも結構昔から早いフェーズでも資本性ローンってある程度出てるような気はしましたね。
ここ最近だと一時期はサースとかそういうものがメインだったんですけど
ここ最近はディープテック系とか創薬とか
本来的には出しにくいんですけど
その辺りの方の申し込みが出てきたりとか
基本出せないケースの方が多かったと思うんですけど
出せるケースも出てきてるなっていう印象はありますね。
なるほどですね。
具体的に出せてるケースっていうのは
どういったことが満たされていることが多いんですか?
これも返済可能性を示せているかどうかっていうところ
これが意外とですね
例えば創薬とかディープテックって
そのものが売れないと返せないっていう理屈を組まれちゃうと
作れるかどうかわからないので返せないんですよ。
創薬で言ったら厚労省の認可が下りる確率って
3万分の1って言われてるし
ディープテックなんか例えば核融合とかだと
そもそも核融合のエネルギー量に耐えられるロガないとかで
そもそも実現できないみたいな
そういう状況だとそれによって何か
収益を持ってのは難しいみたいになっちゃうから
返せないみたいなのが多かったんですけど
ここ最近こういう活動をしてるせいかわからないんですけど
スタートアップの方も認識を変えてらっしゃるのか
話し方が変わってきて
例えば創薬でもディープテックでも
高度な研究開発能力がある
故に受託もできるんですよみたいな
そういうアピールされるようになってきて
実際に受託を受けて事業が回っていて
場合によっては黒字化を一旦見せてしまうみたいな人もいて
そうなると返せるって理屈成り立ってしまっているので
出せますよね
そういうパターンが多いかな