2024-07-09 12:00

四皿目_お肉のラビオリ

四皿目_お肉のラビオリ

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シェフ、四皿目のご紹介をお願いします。
この料理はラビオリです。
それでは、いただいてみようと思います。
こちらは、どのようなお料理になりますか?
こちらの料理は、ピエモンペ州で働いた時のマンマに教わりました。
あちらの写真を見ていただけますか?
こちらは、100年以上続く家族経営のお店でして、
マンマは年だから調理場に入るなと息子や孫たちに言われているのですが、
ラビオリを仕込むときだけはマンマにお願い作ってって言われて、
嬉しそうにラビオリの詰め物を作っていくときの写真です。
往来、詰め物には3種のお肉、豚肉、牛肉、うさぎを入れるのですが、
この時のアライバーの方がイスラムの方で豚肉を食べれないからと言って、
今回は豚肉を入れないということで作っていました。
今回は3つありますが、豚肉は入っていない?
これはまだ入れています。
どれに何の肉が入っているかを当てながら食べる楽しみもありますね。
全部まとめられない。
あいびきにして何の肉かわからなかったのですが、
今あいびきされて、
牛も豚もうさぎも入っています。
なるほど。
これ何の肉だろうとわからなかったのですが、
あいびきにしているんだと思って納得しました。
わかりづらい。
ソースはバターソースですか?
そうですね。セージとバターがど定番ですね。
うちの実家で母親がハーブを作っているので、
お母さんが作ったハーブって素敵だね。
パンに入っているローズマリーもそうです。
そうなんですね。
ちなみに松井シェフはご出身というか、お母さんはどちらにいらっしゃるんですか?
横浜です。
横浜なんですね。
横浜産のこれはハーブということですね、そうすると。
ラビオリの作るコツとかポイントみたいなのがあったら。
そうですね。ラビオリというのは包むパスタの総称になるんですけど、
各地方にいろんなラビオリがあって、
ピエモンって一番有名なのはアニョロッティダルプリンというラビオリなんですけど、
トスカナッタラファゴッティーニとかトルテリーとかいろいろあるって総称でやるんですけど、
僕が気をつけているのは生地の薄さですかね。
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僕の好みとしてはあまり厚いのは好みではないので、
なるべく薄めにはしています。
ただやっぱり薄すぎると茹でているときに切れて中身が出てしまうので、
その辺は気をつけていますね。
生地というのも自分で作られているんですか。
小麦粉。
小麦粉ですね。
プリプリっとしていてすごくいい食感だったんですけど、
そういう食感にするにはポイントが大切みたいなのがあったりするんですか。
そうですね。茹で方とかはありますかね。
逆にちょっと茹ですぎなんじゃないかなぐらい僕は茹でちゃうんですけど、
それで水分を含むっていうのはあると思います。
それをプリプリにしていくんですかね。
ワンタンみたいなプリっとした食感っていうことですかね。
そうですね。水餃子みたいな。
クリスマスにやるトルテリーニンブロードっていう、
それもラビオリの一種なんですけど、
それはちょっと話飛ぶんですけど、
クリスマスのシーズンになると虚勢した鶏肉が出るんですよ、市場に。
それで出汁をとって、そのスープでラビオリを食べるんですけど、
まさにそれも水餃子みたいな感覚で食べるっていうのがありますね。
虚勢した鶏って。
日本でもやってるとこはいっぱいありますね。
それ太らせるために脂肪をつけるという。
そうですね。脂肪をつけて大きくしてっていうのがありますね。
もちろんそれは鶏によってできるのもできないのもあるんですけど、
あとウサギの食材については何か、
なんとなくフランス料理っていうイメージが強いんですけど、
イタリアでも結構食べられてる感じなんですかね。
そうですね。ウサギは本当に向こうではポピュラーで、
スーパーに日本の鶏肉が売ってるようにパックされてぐらい売ってますね。
日本だとやっぱりちょっとウサギって高価なので食べるんですけど、
向こうはそこまで高くないですし、
普通に食べます。
あまり馴染みがね、食材には。
フレンチを食べに行った時に出てくるように、
肉みたいな感じはしましたけど。
ウソジビエとかね。
ウソジビエって日本でウサギっているんですか?
ノウサギいますね。
でもその場は結構肉が赤いので、
もうちょっと癖があったりとか。
先ほどちょっとお話を伺って、
レストランのスタッフにムスリムがいらっしゃって、
その人に配慮して豚肉を使わない料理を作っていたっていうのが
すごい素敵なエピソードだなと思ったんですけれども、
イタリアの家族の絆の深さみたいなのを感じることができたんですけど、
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その辺もう少し何か詳しくお聞かせいただいてもいいですか?
はい、そうですね。
やっぱり正直洗い場の人なんで、
人食べない人っていうところで、
そういう風な配慮をしているっていうのは僕は本当に驚いて、
やっぱりイタリアにいるといろんな国の方と働くことが多かったので、
その宗教のこととか、
やっぱり日本でしか働いていなかった僕は、
あんまりそういうところを考えたこともなかったですし、
ラマダンとか、
ラマダン明けは今日は8時13分に夜ご飯を食べなきゃいけないとか、
今日は8時16分だとか、
レストランだと8時ってめちゃくちゃ忙しい時間なんですけど、
忙しいのにそこにご飯まだ?みたいな
言ってくる感じとかが、
それに対して日本だったら、
いやいやお前忙しいんだからそんなこと言うなよって言うんだと思うんですけど、
そういうことじゃなくて作ってやれよっていう、
家族思いというか、
ちゃんとスタッフのことも考えてるっていうのを、
僕が言ってたのって2007年とかなんですけど、
20年近く前でしっかりそういうのをやれてるっていうのは、
驚きましたね。
やっぱりそういう意味ではやっと日本もそういう、
いろんな多様な文化に対する理解とか、
そういったものがようやく分かり始めたのかなと思うんですけど、
イタリアはその前から、
そういうふうにしっかりスタッフの文化とか、
そういったものを尊重するっていうカルチャーがあるっていうのを聞いて、
豊かだなというか文化が豊かだなと思ったりしましたね。
そういう優しさっていうのが料理にも出てくるんじゃないかなと思いました。
逆に僕なんかで言うと、
イタリアって家族、絆深いよだけど、
なかなかそこに受け入れられるまでに時間がかかる、
ゴッドファザーとかじゃないですけど、
家族に入るまでは結構なかなか大変みたいな、
そういう印象もちょっと思っちゃったりしたんです。
それにまつわるようなエピソードとかあったりしますか?
逆にいい話だと思うんですけど、
3軒目に働いたトスカーナのお店の時は、
その前に働いていたお店を辞める3日前に、
次決まってたんですけど、
そこから連絡が来て、
他の人間を入れてしまったから来なくていいと連絡が来たんですよ。
僕らって住み込みで働いているみたいな形だったんで、
仕事なくなると家までなくなるんですよ。
ちょっと困ってたんですよ。
でもお金もなくて、
安いホテルで何泊かしてて、
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ほぼお金なくて。
その時にいろいろ紹介していただいた、
トスカーナのお店のシェフがいて、
僕は家もなかったので、
面接というか話をしようということで行ったんですけど、
家もなかったので、
荷物を全部持って行ったんですよね。
トランク、ケース2つとか持って、
リュックとか、
なんでお前面接なのにそんな持ってきたんだって言われて、
実はこうでこうでって話したら、
じゃあわかったって言って、
そこのシェフが知り合いのホテルを取ってくれて、
食事もここのお店に行けば、
ただで飯食えるようにしておいてあげるからって言っておいてくれて、
初対面なのに。
だから面接というか、
もうそのまま働けたっていうか、
働かせてくれて、
でももちろん空きがなかったので、
部屋の玄関みたいなところで、
2、3週間は寝てたんですけど、
でもそうやって用意してくれて、
本当にありがたかったですね。
そういう思い出はすごいありますね。
なんかすごい温かい、
優しさみたいなのが伝わるエピソードかなと思いました。
ありがとうございます。
12:00

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