1. 毎日5分パリのアトリエからフリーランス!
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2019-12-21 40:28

ep.44 西加奈子小説「白いしるし」朗読

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週末ですね。わたしの偏愛する西加奈子さんの小説「白いしるし」を朗読します。
00:06
スピーカー 1
こんにちは、パリのアパルトマンからお届けします。フリーランスのSAKIです。
このラジオでは、私SAKIがパリ生活やビジネス、読書で学んだことを、毎朝10分配信してます。
皆さま、週末いかがお過ごしでしょうか。
このラジオ、月水金土の6時に配信するって言ってるんですけど、
たまにあの私配信日時を間違えてるんで、
6時にもし配信されてなかったら、ミスったなみたいな感じで思っていただければ、
薄目で見守っていただければと思ってるんですけども、
どうして間違うかっていうと、
配信日、いろんな国に住んでる方が聞いてくださってるんですけど、
14カ国ぐらいで、皆さん日本人なので、
日本時間に合わせようと思ってるんですよね。
どこを撮ろうかと思った時に日本時間に合わせようと思って、
日本時間の朝6時に配信するようにしてるんですけど、
ってなったら私が住んでるフランスは、前の日の夜10時なんですよ。
だからそれを計算して、配信日を設定しないといけないんですけど、
よく間違えてます。
計算っていうほどの計算じゃないんですけどね。
6-8ぐらいの非常に簡単な計算と言っていいかどうかもわからないぐらいの計算なんですけども、
ちょっとね、その辺が得意じゃないんで、
よく曜日とか間違ってますね。
なんか逆に計算するってちょっと引き算ってむずくないですか。
フランスはまだね時差-8時間だから計算しやすいんですけど、
カナダに住んでた時は、もう日本との時差がありすぎて、
-15時間ぐらいだったかな。
だから全然計算できなくて、
日本時間とか何日かとかあんまりわからなかったような記憶があります。
なので、計算を頑張りますという宣言をしつつ、
今日のラジオのテーマに入っていきたいと思います。
週末ね、朗読をできたらしたいなと思ってて、
そうじゃない週もあると思うんですけど、
今日は小説を読みたいなと思ってます。
なんか完全に私の趣味で始めたんですけども、
意外と一番朗読の回が好きですって言ってくださる方が結構いらっしゃって、
03:01
スピーカー 1
じゃあ読もうかなみたいな感じで、
お付き合いいただければ嬉しいです。
今日も偏愛している西かな子さんの本なんですけども、
今日の小説のタイトルは白いしるしという小説です。
小説をね、朗読ラジオでしようと思った時に結構難しくって、
まとめたりとか聞いて楽しくて分かりつつっていうのが結構難しいなと思ったんですよ。
前、エピソード19で西かな子さんの飴男っていう小説を読んだんですけど、
その時はあれ超短編やったんですよ。
15ページぐらいかな。言い過ぎか。
50ページぐらいやったんで、まとめやすかったんですけど、
小説ってだいたい200ページはあるんですよね。文庫本で。
そうなるとどこを読んだらいいのかなっていうところで、結構悩んだんですけど、
ちょっとやってみたいと思ってて。
最初に軽くあらすじを言って、私のおすすめ箇所を読むっていう流れはどうでしょうか。
どうでしょうか。いいと思うみたいなレスポンスを心の中で待ってますけども。
ちょっとあらすじを読みます。
もし小説でこれを見たいって思ってる人がいらっしゃったら、いわゆるネタバレが含まれると思うので、
読んでから戻って聞いていただくとかのそういう感じでお願いいたします。
あらすじは、この本の裏に書いてることを読みますね。
主人公の女32歳、独身。
誰かにのめり込んで傷つくことを恐れ、恋を遠ざけていた夏目。主人公の苗字ですね。
真面目の絵を一目見た瞬間、心は波立ち、持っていかれてしまう。
スピーカー 2
走り出した恋に夢中の夏目と裏腹に、決して彼女だけのものにならない真面目。
触れるたび募る思いに痛みは増して、夏目は笑えなくなった。
スピーカー 1
恋の終わりを知ることは、人を強くしてくれるのだろうか。
スピーカー 2
ひりつく記憶が体を貫く恋愛小説。
スピーカー 1
こんな感じの話なんですよ。
主人公は夏目さんという女の人で、バーで働いてるんですね。
で、本業は絵描きさんなんですよ。その夏目さんって女の人は。
06:00
スピーカー 1
で、絵を描いてるんですけど、描けない人かもあるので、
それだけではちょっと生活ができないっていうことで、
バーでも結構働いてるんですね。週4ぐらいで。
そんな中、知り合いの人、この知り合いも結構いい味出してるんですけど、
セタという男友達に、知り合いのギャラリーが今やってるから一緒に見に行こうって誘われて、見に行ったんですね。
それ見に行った人の、それを見に行ったギャラリーをやってる人が、真嶋さんっていう男の人で、
で、その絵を見に行くっていうところから始まるんですけども、
私的にこの小説を読んで、本当にすごい大好きな小説なんですけど、
そもそもパリに持ってきてるんで、私の中の精鋭たちなんですけど、
で、この主人公の夏目さんがね、ギャラリーに行って、真嶋の絵と出会って、真嶋に会うときの部分が結構好きなんで、
そこをちょっと読みたいなと思ってます。
じゃあ、ギャラリーをやっている大きいカフェに入って、
で、その絵を展示されているのは2階なんですよ。
スピーカー 2
その階段に登るところから、ちょっと読みたいなと思います。
階段は狭くて急だった。
ギシギシという音が懐かしかった。
壁に触るとポロポロと漆喰が剥がれる。
私は何かが始まるときのような、わくわくと落ち着かない気持ちになった。
よし、よしと、なぜか小さく声に出し、熱心に階段を登った。
スピーカー 1
2階につき淡い達成感に依存で顔を上げると、
スピーカー 2
そこには私を祝福するように真っ白な光があった。
スピーカー 1
いや、壁一面に真っ白い大きな紙が貼られていた。
それが白く輝いていたのだ、白い。
スピーカー 2
思わず声に出した。
よく見ると、白い地に白い絵の具がスーッと光れている。
スピーカー 1
紙の白とほとんど違わない絵の具で描かれた白は、
たどっていくと、なだらかな光を描いて上へ伸び、
スピーカー 2
てっぺんのあたりでキューッとカーブしていた。
09:03
スピーカー 2
あ、それは山の稜線だった、富士山。
スピーカー 1
とっさに思った。
スピーカー 2
あ、富士山の絵だ。
しばらくその絵を見つめた。
スピーカー 1
ギャラリーの光を浴びているから輝いているのではない。
目を凝らさなければ見えなかった絵は、
スピーカー 2
絵それ自体で発光していたのだ。
それはとても強い光だった。
私ははっきりとこの絵が好きだと思った。
世田が言っていたことがわかった。
スピーカー 1
私はこの絵が好きだ。
スピーカー 2
久しぶりに絵を見て背中がぞわぞわとうずいた。
スピーカー 1
それはすごい絵を見た嬉しいという気持ちと、
こんな絵を描く人がいるのだという驚きと、
スピーカー 2
そして多分に甘い嫉妬の感情が入っていた。
スピーカー 1
絵の前から私は動けなかった。
夏目、その時世田に声をかけられた。
スピーカー 2
振り向いた私はおかしな顔をしていたに違いない。
こいつが真嶋。
世田の隣に立っていたのが彼だった。
スピーカー 1
絵を見ると大抵どんな人物が描いたのかを
スピーカー 2
知らず知らずのうちに想像してしまうものだ。
スピーカー 1
私もよく想像どおりだ、とか
もっと派手な人なのかと思った、などと言われる。
色彩の上に色彩を塗り固めるようにする私の油絵は、
確かにシミではないし、繊細さもない。
自分の指についた絵の具を見て
世界中の色を集めたみたいだ、と
スピーカー 2
自重気味に思うこともある。
スピーカー 1
そんな絵を知っている世田が
真嶋明文の絵を
私がきっと好きだ、と言ったのは
スピーカー 2
驚くべきことだった。
スピーカー 1
私の絵とは対極にあるような絵。
スピーカー 2
真っ白い富士山、美しい涼泉。
でも私はこの絵が本当に好きだった。
はじめまして、真嶋明文と申します。
スピーカー 1
彼はそう言うと頭を下げた。
スピーカー 2
久しぶりにこんなに丁寧なお辞儀を見た。
スピーカー 1
私も慌てて頭を下げたのだが、ぼーっとして
12:03
スピーカー 1
ちゃんと自己紹介をすることができなかった。
スピーカー 2
彼は極端に細い人だった。
大きな富士山の絵を見た後だから驚いた。
もっと大きくて無骨な感じのする人だと思っていたのだ。
真っ黒い髪が耳の下ぐらいまである。
スピーカー 1
ゆるくカーブしたそれを、彼は耳にかけようか、かけまいか
スピーカー 2
迷っているように見えた。
スピーカー 1
実際に迷うような仕草をしたわけではないのに
スピーカー 2
そう思ったのは、きっと彼の目のせいだった。
アーモンドの形をしているとても大きな目は
黒目と白目の境が曖昧にぼやけ
少し青めがかかっている。
スピーカー 1
はっとするほど綺麗だったが
スピーカー 2
眩しい光に触れると壊れてしまいそうな危うさがあった。
鼻が信じられないくらい綺麗な線で伸びている。
スピーカー 1
それははっきりとした意思としてこちらに訴えかけ
彼をたっかんした老人のように見せていた。
でもその下にある薄い上唇と
スピーカー 2
ぽってりとした下唇のアンバランスさが
彼を幼く見せた。
つまり彼は全く年齢が不詳だった。
スピーカー 1
私よりうんと若くも見えるし
スピーカー 2
うんと年上にも見えた。
スピーカー 1
繊細な人なのだということと
こういう人は絶対に私みたいな人間を
好きにならないだろうということを直感で思った。
きっと彼は資料深く警戒しながら
人と関係を築いていくのだろう。
彼の風貌は
彼の真摯さと奥ゆかしさを体現していた。
私のように出会い頭の勢いで
安易に心を開こうとしたり
愛想笑いをする人間を
彼は信用しないはずだ。
そう思うと出会って数秒しかたっていないのに
もう寂しかった。
夏目、どう思う?この絵。
スピーカー 2
世田が嬉しそうに聞いてきた。
スピーカー 1
真嶋明文は世田を見て
スピーカー 2
口の端だけで笑った。
スピーカー 1
無理をしているのかと思ったが
スピーカー 2
後でそれが彼の笑い方なのだと知った。
好き。すごい好きや。びっくりした。
15:02
スピーカー 1
警戒されていることはわかっていても
スピーカー 2
感想は素直に口から出た。
スピーカー 1
止まらなかった。最初見えへんくて
でも一度線を見つけたら
もうそれ以外見えへんくなって
パッて目の前に来て
なんか光ってて
スピーカー 2
すごい好きやわ、うち。
スピーカー 1
真嶋明文は少し考えるような顔をした。
そしてありがとうございます。
すごく嬉しいです。
スピーカー 2
と確かめるように言った。
スピーカー 1
敬語を崩さない彼の姿勢は
絶対に間違ってはいなかったが
突き放されたような気がして
やはり寂しかった。
ギャラリーには他の絵も数枚飾ってあった。
どれも富士山の絵と同じ
白い紙に白い絵の具で描かれた絵だ。
木や馬や海や自然のモチーフが多いようだった。
どれも周囲の音を奪う力があったが
チラリと見た限り
あの富士山の絵ほどに
私の胸を打たなかった。
スピーカー 2
夏目、好きやろ?
スピーカー 1
二人になった時
スピーカー 2
世田が私にそう言ってきた。
スピーカー 1
私は相変わらず
富士山の絵の前に立って
興奮を抑えきれていなかった。
今思うとその興奮は
その絵に出会えたことと
自分はきっと
真嶋明文に恋をするだろう
スピーカー 2
という予感から来るものであった。
スピーカー 1
こんな感じで
あの真嶋さんの絵と
真嶋さん本人に合うんですよ。
その時の描写が今の話したところですね。
すごい衝撃だったみたいです。
夏目さんにとって。
絵を見てすごく興奮して
それを描いている真嶋さん本人にもあって
この文章の中でも
好きになりそうな予感みたいなのが
書かれてますよね。
会ったばっかりなのに
敬語を使われて寂しいとか
普通は思わないじゃないですか。
でも敬語を崩さない彼の姿勢に対して
なんか寂しいような気持ちがする
っていうのはあって
好意を抱いてね。
近づきたいのに敬語という壁で
18:00
スピーカー 1
ちょっと突き放されたような感じになって
寂しい気持ちになる
っていうのは予感を
なんかね、表しているのがちょこちょこ書かれてて
お、好きになるやろうなみたいな
感じはしますよね。
真嶋さんは人生の中で
失恋の歴史だったと言ってるんですよね。
自分の人生は結構こう
失恋をしてきたと。
だから結局結果的に
ダメージを食らいすぎて
恋愛をするのが怖くなってね。
そのダメージの度に
体重を失って動けなくなって
なんか旅をしたりとかしてきたんですけども
でもこう2年前ぐらいから
恋愛をしないようにしてたらしいんですよね。
でもこんなひょんなきっかけで
スピーカー 2
真嶋さんを見て
スピーカー 1
好きになりそうみたいなことが
あったみたいですね。
この瀬田さんっていうね
男友達も言い味出してると言いますか
真嶋さんと夏目さんの
2人ともよく知ってるからこそ
きっと絵が好きになるだろうっていうね
全然違うタイプの絵を描いてる2人なのに
気が合うやろうなみたいなことをすごく感じて
絵も好きになるやろうなっていうのを感じたらしくて
ギャラリーに連れてきてくれたみたいなんですね。
その後にその瀬田とね
主人公の夏目さんが
ギャラリー読み終わって
ちょっと飲みに行こうかみたいな感じで
居酒屋に迎えに行くんですけど
その時会話してたら
ショックな出来事を知っちゃうんですよ。
スピーカー 2
そこをちょっと読みますね。
スピーカー 1
ほんまにすごい絵やった。
スピーカー 2
すごい。
スピーカー 1
私は話し続けた。
異様な興奮状態の真嶋にあった。
あんな大きくて
光ってて
スピーカー 2
なんやろう、ずっと見てたくなった。
瀬田も嬉しそうだった。
スピーカー 1
絵も好きやろうけどな。
夏目、真嶋本人のことも絶対好きになるで。
スピーカー 2
ほんま?
瀬田は私の気持ちなどにもちろん気づいていなかった。
スピーカー 1
まあいろいろ下手くそなところもあるんやけどな。
スピーカー 2
信頼できる、ええやつ。
スピーカー 1
ええ人なんはわかる。
信頼できる。
すごい人間らしい人なんやっていうことはわかる。
わかった。
絵を見ても思ったし
少し話して
スピーカー 2
それでも思った。
21:02
スピーカー 1
口をついて止まらなかった。
真嶋明文のことを
瀬田ともっと話したかった。
私たちは何度か来たことのある居酒屋を見つけて
スピーカー 2
入ることにした。
スピーカー 1
お酒を飲んで酔っぱらったら
もう瀬田に真嶋明文のことを好きだと
スピーカー 2
言ってしまいそうだと思った。
スピーカー 1
なんだって笑ってくれる瀬田でも
スピーカー 2
さすがにそれは早いと呆れるだろう。
スピーカー 1
私は真嶋明文の
スピーカー 2
何も知らないのだ。
入る直前に雨が強くなった。
スピーカー 1
真嶋の
そう言いながら瀬田は
まだ屋根のあるところに来ていないのに
傘をたたんだ。
スピーカー 2
だからまた瀬田の髪や服が濡れてしまった。
瀬田は続けた。
スピーカー 1
真嶋の
恋人も信頼できる人やねん。
私は
スピーカー 2
傘を畳むのを忘れた。
スピーカー 1
青い傘を大きく広げたまま
歩いて
スピーカー 2
そのまま店の扉にぶつかった。
スピーカー 1
私は
もう完璧に
スピーカー 2
あかん人になってしまった。
スピーカー 1
瀬田は
そんな私を見て
わはと笑った。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
真嶋との会話の中で
恋人がいるってこと分かってしまってね。
真嶋さんに。
早速ショックというね。
ショックすぎて
傘を畳むのを忘れて
壁に激突っていう。
はい。
動揺した
夏目さんの姿が描かれてますけども。
まあショックですよね。
これね。
すごい好きな
好きになるだろうという
魅力的な人を見つけて
始まりそうな恋にワクワクしているところに
恋人おんねんって言われるっていうね。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
この私
本当に西かな子さんの書き方がめっちゃ好きなんですけど
あの私の読み方で伝わってるか分からないんですけど
あの大事なところでね
こう
楽天
天あるじゃないですか
天王の
ついてるところがもう絶妙なんですよ。
なんか真嶋の
恋人も天
信頼できる人やね
スピーカー 2
みたいな。
スピーカー 1
で、なんか
その大事なところは
呼吸の間が
スピーカー 2
多いんですよね。
スピーカー 1
だから
読むときもそういう風にこうパッて
人は置いて
読み続けるみたいなことを
24:01
スピーカー 1
一人で目で読んでいるときも
見るんですけど
絶妙な天の
打ち方
もう
最高ですねっていう
なるべく伝わればいいなと思って
あのちょっと天を意識して
読んでるんですけど
そういうこうショックな出来事が
あったということで
この後も
話は続いていくんですけどね
もう
真嶋さんと
その後
夏明は仲良くなるんですよ。
世田の計らいで
3人で飲みに行ったりして
話してますます
魅力的な人だなと思って
世田が思った通り
気が合うんですよね
この2人は
2人でも会うようになって
夜中の
公園で
話したりとか
缶コーヒーだけ買って
夜通し公園で喋ったりとか
っていうのが結構
習慣になってきたんですよ
夏明にとっては本当に
自分にとって
出会って衝撃の人と
2人で話せるっていう
この状態自体も
信じられないんですけど
本当に奇跡みたいな時間を
夜よく過ごしていて
居酒屋さんとかに
入ることなく
公園でずっと
たわいもないことを
喋り続けるんですよ
いつもね
どうして集まるかって言ったら
夏明さんが電話かけて
今時間あるみたいな感じで
公園に集合する
っていう感じなんですけど
まじまさんから
連絡が来ることはないんですよ
ただ
夏明が電話をしたら
いつも出てくれる
いつも来てくれるっていう感じで
なんかやっぱり
恋人がいるから
会わない方がいいかなって
どんどん好きになってしまうって思ってるんですけど
電話したら出てくれるし
言ったら来てくれるし
で会っちゃうんですよね
まじまさんも
やっぱり気が
合うというか楽しいし
まじまさんも夏明も
なんて言うんですかね
友達がめっちゃいる
って感じじゃないんで
よっぽど気が合ったからやっぱり楽しいんでしょうね
よく夜中に
会って
ずっと話し続けるんですよ
夏明は
だんだん本当に楽しくて
楽しすぎて
この人のことが好きやったかと
忘れるぐらい
楽しかったらしいんですよ
逆に
男友達だったらいいのにって
この性別が邪魔だと
なんかそれを思うようになるぐらい
すごく楽しい時間を
過ごしたんですよね
だから時々こう垣間見える
自分のよく
まじまさんを異性として
27:00
スピーカー 1
好きだという気持ちが
邪魔だなって
すごいなんか
見にくいなって思ったりしながら
でもやっぱり
楽しくて会っちゃうんですよね
ずっと聞けなかったんですけど
恋人の存在を
やっぱりこうずっと
会ってるとね気になってきつつ
でも影が見えないから
恋人の
ある日聞くんですよね
その聞くきっかけになったのが
ふと
身の親話をしててね
でまじまさんは
両親が昔離婚して
お父さんが違う妹が
いるっていうことで
で大人になってから
その子だったんですけど
その妹は
ギリの妹ですよね
地平床で
結構こう
家にずっと
こもってるような感じだった
みたいなんですよ
でも会ったときに
よっぽどお母さんとか
お父さんより自分と似てるなって
思ったらしくて
すごく大切な存在だっていう風に
言ったんですよ
で夏実はそのときに
あって思って
でもしかして
恋人なんて
聞いたんですよね妹のこと
そしたら
まじまさんは
うんって
スピーカー 2
言ったんですよ
スピーカー 1
で妹が
大事すぎて
で本当にこう
近い存在すぎて
なんかもう体がくっついて
しまいそうなぐらい
その好きだと
妹のことが
なんか目とか手とか
足とか
が全部くっついてるような
感覚らしいんですね
なんか
もうその妹と
離れるっていうのは
考えられなくて
離れるっていうよりも
剥がれるみたいな
感覚だと
いうのをすごいこう
苦しそうに彼は初めて
打ち明けるんですね
で夏実は
なんか聞きたくなかったけど
聞いてしまった
でなんかすごい
ことを聞いてしまったって
思ったんですよ
なんかそのすごいことって意味は
こう彼と
一緒にいててね
公園とかで話したりしてて
すごい心を
開かれてる感じもするし
すごい仲もいいんだけど
すごい距離が
あるように感じる
30:01
スピーカー 1
らしいんですよ
隣にいるのに
すごい遠い
この遠さは
なんか一人でいるより逆に
孤独を感じる
ぐらい苦しいものって思ってて
でその妹の
話を聞いたときに
感動したらしいんですね
なんかこの彼が
周りに放つ
なんか孤独感とか
圧倒的な
距離感冷たいって
訳じゃないんですけど
これは血が通ってないと
なんか近づけない
壁があるっていうのをすごく
感じたみたいで
あのまあショックだったんですけど
本当に一瞬で
一瞬で悟っちゃって
これは無理だなと
そこからもう
敗人のようになっちゃうんですけど
夏目さんは家から出れなくて
仕事も行けなくなって
夏目さんは
画家なんですけど
それまでは
まじまにさんに会う前までは
絵がちょこちょこしか描けなかったんですけど
出会ってからは
もうめちゃくちゃ絵が描けると
そういう状態だったんですね
彼の存在が
自分の手をすごく動かしてて
家にいるときは
もうずーっと絵を描いてるような
あのゾーンに
入ってるような状態になってたらしいんですけど
うん
それを聞いてから
敗人みたいになっちゃって
なんか食べ物も
買いに出れないみたいな
だからそのセタにね
男友達のセタにカードを渡して
食べ物を運んでもらうみたいな
感じなんですけど
それぐらい
ショックだったんですよ
本当にその彼の大事さ
夏目さんにとっての大切さっていうのは
小説の
この200ページという
紙に
ずっと綴られてるんで
読めば読むほどその大事さが
わかるんですけど
朗読で全部読んだら
多分このラジオが
8時間ぐらいなると思うんで
8時間かからんか
読むとゆっくり読むと
そうですね
5時間ぐらいかかると思うんで
全部は読めないんですけども
それで最後はね
夏目は
本当に2ヶ月ぐらい家に
引きこもって
世界と断絶されたような日々を
過ごすんですよ
本当に泣いて
泣いたりとか
家で敗人なりきって
それも済んだら
ふと
車を借りてね
あるところに向かうんですよ
車で
ずっと一人で運転して
富士山に
行ったんです
33:01
スピーカー 1
真嶋が書いて
夏目さんが圧倒された
富士山を
見に行ったんですよ一人で
その
見に行くときにね
真嶋さんのアトリエに
忍び込んで
白い絵の具を盗んだんですよ
でその白い絵の具を
持って
富士山に行ってね
でその絵の具を
持って富士山に
富士山を見に行くっていうような
ところで
はい
絵は終わるんですけども
そういうこう
絵なんですよ
で真嶋さんも
なんか瀬戸さんから聞いたらね
その富士山の絵は
売れちゃったんですよ誰かに売れちゃったんですけど
すぐに買い主買った主から
取り戻したらしくて
でアトリエにあるんですね
スピーカー 2
そう
スピーカー 1
で一回その真嶋さんの前で
夏目が
なんか
なぞっちゃうんですよその絵を
無意識にパッてなぞっちゃうんですけど
真嶋さんは
夏目さん僕の絵に触りましたよね
白いのが指について
あの時僕は僕の絵が
夏目さんに映ったような気がして
とても嬉しかったんです
こんな風に言うんですよ
それも夏目さんを喜ばせてね
もう圧倒的なんですよ
彼の存在が
夏目さんとっては圧倒的
だから
なんかもう根底から
さらわれてしまったんですけど
やっぱりこう近づくことは
できなくて
こんな風に話は終わっていくんですけど
スピーカー 1
すごいねこれあの
ラジオ中では伝えられないぐらい
スピーカー 1
なんかね
すごい描写がいっぱいあるんですよ
すごいって連発しすぎてごめんなさい
語彙力なさすぎですけども
ぜひ
読んでほしいです
私これ読みながら鳥肌立ってました今
ちょっとこのね
30何分だけでは
スピーカー 2
伝わらないんですけども
スピーカー 1
ぜひ読んでください
っていう
どこの回し者やっていう宣伝で終わりますけど
身長者の
白い印
西香直子さんという本です
私何も
アフレートとかやってないですけども
ただただ
読んでほしい
すごい私は本が好きでね
本とか
言葉とかそういう文化が
大好きなんですよ
だんだん世の中は
来年5Gが来るし
どんどんどんどん文字から
動画
36:01
スピーカー 1
の時代になってくると思うんですね
私はもう本当に
インターネットで仕事してるし
それで恩恵もすごく受けてますし
海外に住んでるのに
インターネットがある
おかげで
あんまり寂しくならなくて
住んでるんですけども
インターネットが発達して
文化がね
文字からどんどん
見る
動画とか視覚の方に
移ってきたじゃないですか
例えばSNSだったら
一番最初って
私一番最初やったの
ミクシーやったんですよ
ミクシーって文字ベースだったじゃないですか
日記ベースで
私は
今までで一番好きなSNSは
写真なんですけど
文字ベースで長く書いて
いいっていうね
文化が良かったですね
写真をつけれたけど
3枚までとかであくまでも
オプションだったじゃないですか
そこから
Facebookに時代は移って
Facebookになると
ちょっと長文書きにくくなって
写真載せるのが割とメインみたいな
文字だけの投稿って結構少ない
と思うんですね
それでSNSに移って
で次Instagramが来て
もういよいよ写真メイン
になりましたよね
次は
動画、YouTubeが
メインになっていくと思うんですけども
はい
私どれも全部やってますし
YouTubeをめっちゃ見てるし
やろうかなと思ってるんで
恩恵はすごく受けてるんですけど
あの
この時代に
逆らうならば
逆らえるならば
ミクシーとかのね
文字の文化がすごく好きですし
やっぱその
人間ってこう
視覚聴覚
嗅覚とか
いろんな感覚があって
文字ってなったらもう視覚しか使わないじゃないですか
だから限られてるんですよ
YouTubeとかになってきたら
視覚もあるし聴覚もあるし
情報がいっぱいあるんですよね
だからわかりやすいから
どんどんどんどん
それがに耐えうる
インターネット5Gとかが発達してきたから
いよいよこうメインになってきてるんですけど
文字とか
声とか
だけっていうのは
感覚が限られた感覚しか使えない
視覚だけとかラジオだったら聴覚だけとか
だから想像の余地があるじゃないですか
だから好きなんですよね
もちろん動画とか
インターネットっていうのは
私は思いっきり使い
使いつつ
使いつついるんですけど
逆にそれを使って
私のすごい好きな文化
私のってか
39:01
スピーカー 1
好きな方いっぱいいると思うんですけども
こういうのも
やりたいなって思ってます
ご利用し続けますんで
これで何か
本読む人とか
増えて
喋れたりしたら楽しいなって思うんですよね
昔もすごい私
本読んでて
で本の話めちゃくちゃしたかったんですけど
本読む人口が
そんなにいなかったから
なんか
なかなか
この本がどうどうっていう話をできる
時が少なくて
まだ引き続き
まだ引きずってるっていうね
この本の話したいみたいな
欲が
まだ引きずってますんで
ラジオでやります
好きにやりますんで
もしお時間あったら
お付き合いを
よろしくお願いします
はい
朗読の回は
週末っていうこともあって
長くなると思うんですけど
基本的にこんな感じで
やりたいなって思ってます
はい
じゃあそろそろ
ラジオはこの辺で
お開きということで
また次回お会いしましょう
それでは皆さん
良い週末をお過ごしください
スピーカー 2
それでは
40:28

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