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おはようございます。鶴岡慶子と花火と天気と、7月13日水曜日、日本の秋田県から発信しています。
昨日のお話の続きですが、忘れられない生徒、電動車Sが使えるようになった生徒のお話、昨日したんですけれども、
私が担任している間、食事についても改革があったんです。これは私がというよりは、チームで動いている先生の一人が提案したことで、
ああなるほど、そうだなって思って、それに乗っかることにしたんです。どういうことをしたかっていうと、
電動車Sになって、彼は自分で選べる幸せ、選択肢が広がる幸せを得ました。
選択肢が広がるっていうことは、幸せの度合いが広がることなんだっていうことを、私たち、彼に関わるチームは思ったわけです。
他に何かできることはないか、できるようになることはないか、何か補助の道具を作れば、もっともっと彼を幸せにできるんじゃないか、と、私たちは知恵を絞りました。
そこで出てきたのが、食事についてだったんです。
それまで彼は、介助の先生に、口元に先生から食べ物を運んでもらって食べる、という、そういうことをしていたんですね。
そうじゃなくて、自分で食べられるようになれば、もっといいなっていう話になって、ご家庭にもそのことを協力をしてもらうことにしました。
どういうふうにしてもらったかというと、ご飯を、一口大のライスボウルにしてもらったんです。
おにぎりというのとは ちょっと違う、もうミートボウル大、もうちょっと小さいかな、そのぐらいのボウルにしてもらったんです。
おかずも、そういうふうに、崩れにくいものにしてもらったんです。
全部、ボウル状とは言わなくても、一口大にできるものにしてもらったんです。
飲み物については、ストローを用意してもらいました。
そして、一枚のプレートを用意してもらいました。
彼が食事をする時に、そのプレートに 自分の頭が届くように、そういう台を作ったんです。
プレートに、私たちは、介助する人間は、その食べ物を盛り付けて、
ご飯が食べたいなと思ったら、ご飯に頭を近づけて食べる。
そして、おかずが欲しいなと思ったら、おかずに顔を近づけて食べる、という食事の仕方に切り替えました。
世の中的には、それはワンちゃんが食べるような食べ方なので、
上品だ 下品だ ということになると、決して上品という言い方には ならないと思うのですが、
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学校では、それを 良しとしよう ということに なりました。
そして 彼は どうなったか というと、ご飯を食べたい時に ご飯を食べ、
おかずを食べたい時に おかずを食べ、
そして、ドリンクが欲しい時には ドリンクを口に含む、ということが、彼の意思でできるようになりました。
彼が選択して食べる、彼が食べたいように選べる、ということが、すごく大きな進歩になりました。
そのことで、彼は食事の時間に友達と会話をする、そういう時間も持てるようになりました。
彼と関わったことで、人生が豊かになるって、こういうことなんだ、と自分の中に染み込みました。
私たちも、選べる自由を求めるのであれば、たくさんの力を自分に蓄えることによって、選択の幅が広がるんだろう、と思うんです。
いろんなジャンルを学ぶ意味って、その辺にあるんじゃないかな、と思います。
教育に関わったことで、自分が学ぶ意義というのを、私は学んだような気がします。
今日もお聞きいただき、ありがとうございました。
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今日も一日元気にお過ごしください。
鶴岡慶子でした。