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【戦前記事】
では、アホ列車で行こう!
鉄道開通150年記念
第一列車
輪っかない駅
4
いつのまにか飲み鉄に変身
me
連載4回目で列車はまだ上野駅を通過したばかり 左手に都心を目指す景品東北線の満員電車がちらりと見え
しばしの優越感に浸る こんな調子ではっかないまで行き着くのかしらとご心配の向きもあろうが
早草はこれからどんどんスピードアップするので大丈夫 まずはグランクラスで競された軽食の中身を紹介しよう
漆黒の紙箱を開けてみればアイガモがでーんと鎮座し 目にも鮮やかな緑のわけぎと黄色のトロトロ卵が目に飛び込んできた
隣はと見れば脇役は任せるとばかりに茄子のしぎ焼きと ウナギのかば焼きが一口サイズながらも自己主張している
さすが和食の名店わけ徳山館集だけのことはある ならば酒も志して選ばなければならない
とりあえずビールでとは参らぬ しばし熟好の上山形県東沖玉郡の高畑ワイナリーからやってきた
よしスパークリングシャルドネを選択した これが大正解
よしは爽やかなスパークリングワインで朝の空気にピッタリ 愛がもともウナギとも他の脇役たちとも相性ピッタリ
あっという間に飲み干してしまった かつては本場欧州だけでなくカリフォルニアにも遠く及ばなかった日本ワインの工場は日々目覚ましい
2杯目を頼む前にコーヒーで一服 黒い液体が入ったグランクラスのロゴマーク入りグラスもおしゃれだ
外は曇り いつの間にか白川の関を越え
雲に隠れたザオを左手に想像しながらウイスキーのオールドパーを所謀する もちろんメイドインジャパンのウイスキーは最高だがスコットランドさんならオールドパーだろう
何しろあの田中角栄の大好物だった ロッキド事件で刑事被告人となり古文の竹下昇に裏切られた晩年は朝からオールドパーを浴びる
ほど飲みついには倒れてしまう パーのお供は角栄を生んだ新潟県産の柿の種
これまたよく合う もし角栄流れせば新潟まで新幹線が開通するのはだいぶ遅くなった
いや未だにできていなかったかもしれない佐賀県のように と良いで取り留めもない妄想を膨らましているというか
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うつらうつらしているともう森岡だ ここまでわずか2時間10分さあすが最高時速320キロだけはある
しかも晴れている標高2038メートルの岩手さんがくっきりと車窓から眺められた 他社の汽車仲間が若い頃森岡を訪ねて岩手さんと町の美しさに酔いしれ
定年後はここに住もうと心に誓ったという 実現しなかったが
さあ急がねば締めの3倍目はやはり日本酒でなくてはならない 出されたのは宮城の名門仙台伊沢屋勝山酒造の勝山
純米銀杏県だ 銀杏酒らしい華やかな香りに包まれた一杯は法巡そのもの
東北の旅にふさわしい ちなみにグランクラスでは銘柄は限られているものの赤白ワイン
日本酒ウイスキー緑茶コーヒー紅茶などが飲み放題なのである これでも飲みすぎにご注意をもう一つ少し残念な報告をしなければ
ならないがそれはまた次回の心だ
産経新聞社がお届けする戦後紙開封 最後までお聞きいただきありがとうございます
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