2022-06-30 12:06

戦後史開封特別編「メディアは死んでいた」(3) 執念の取材

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取材を続ける中で、阿部雅美は、鹿児島県や福井県でも若いアベックが蒸発、失踪していたことを知る。

おぼろげながら、ある国の関与が頭に浮かんでくる。そして、遂に決定的な事実を突き止める。

新潟県柏崎市で、ある日突然、若い男女が姿を消していたのだ―。

 

【原作】 阿部雅美『メディアは死んでいた―検証 北朝鮮拉致報道』
【語り手】柳亭市好
【制作】 産経新聞社

 

大好評配信中の「メディアは死んでいた」(全10話)のプレイバック再配信になります。

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00:01
第3話 執念の取材
産経新聞社がお届けする音声ドキュメント
北朝鮮による日本人拉致事件
原作 産経新聞出版 安倍政美著
メディアは死んでいた
検証 北朝鮮拉致報道
2004年 東京大震災
原作 産経新聞出版 安倍政美著
2018年5月28日 初版発行
制作 産経新聞社
案内役は私 話科の劉邸一光です。
取材を続ける中で安倍は
鹿児島県や福井県でも若い安倍区が
蒸発・失踪していたことを知る。
おぼろげながら
ある国の関与が頭に浮かんでくる。
そしてついに決定的な事実を突き止める。
新潟県柏崎市である日突然
若い男女が姿を消していたのだ。
工業がひどく遅れた国で作られた
いくつもの異流品。
やや違和感のある日本語。
訓練を積んだような男たち。
富山での取材結果を整理すると
全てが一つの方向
北を指し始めたように感じた。
北朝鮮のことである。
無論他の様々な可能性にも思いを巡らせたが
どんなに想像をたくましくしても
それ以外の可能性は思い浮かばなかった。
勝手な思い込みではないのか
自問したが
足で集めた事実からの自然な推測だった。
特別な取材をしたわけではない。
現場の聞き込みや目撃者、被害者の証言を集める取材は
試験記者のヌロ派だ。
次々に湧く疑問を解きながら
取材さえすれば
記者であれば誰でも同じ結論に行き着いたはずだと
今も思っている。
ただし現地取材では
北朝鮮という国名は一度も耳にしなかった。
北朝鮮の犯行だと
警察が考えなかったのはおかしいと思われるかもしれない。
03:00
しかしそれは今だから言えることだ。
弁護するわけではないが
警察は隠蔽していたわけではない。
日本人を襲って
船で北朝鮮へ連れ去るなどという事案は
戦前戦後を通じて
一見も明らかになっていなかった。
全くの想定外だった。
拉致事件を振り返る際に大事なことの一つは
拉致が周知のこととなっている今の常識ではなく
当時の常識で事件を見ることだと思う。
富山の取材を通じ
私はひょっとしたら
あのまま連れ去られたケースがあるのではないかと思うようになった。
東京に戻ると
福井と鹿児島でも
アベックが蒸発していることを新聞記事で見つけ
現地取材でその事実を確かめた。
富山、福井、鹿児島。
日本海東シナ海の浜に記された3点を
どう線に結ぶのか
結べるのか
いずれも
20代の若い男女が
デート中の出来事である。
家で
心中
事故
一般事件の可能性は極めて薄い。
1978年7月から
8月の
40日ほどの間に
集中して起きている。
現場が海岸の近くである。
付近に
北朝鮮不審船の目撃情報がある。
過去に
北朝鮮工作船が密入国した地点に近い。
取材で集めた事実、情報から
記事にできると考えた。
しかし残念ながら
一旦記事掲載は見送られた。
富山、福井、鹿児島の3県とも
既に報じられている
というのが理由の一つだった。
私はどこにも報じられていない
埋もれた事件を掘り出すことができれば
記事が掲載される可能性があると考えた。
生産は全くなかったが
日本海に沿った警察署に
片っ端から電話で問い合わせた。
どこもないと答える中、
新潟県の柏崎警察署だけは
教えられないという。
この回答の仕方は
蒸発した事件があったということだ。
私はすぐに柏崎市に向かったが
06:00
柏崎警察署のガードは
警察署のガードが
警察署のガードが
警察署のガードが
警察署のガードが
ことのほか固かった。
家族の強い希望で
非公開なのだから
離すわけにはいかない
の一点張りだった。
無論、地元市にも
一切報じられていなかった。
縁もゆかりもない土地、
海辺に近い民家、商店を
手当れ次第に訪ね歩いた。
海岸から入り込むと
地下鉄が通過する。
地下鉄が通過すると
地下鉄が通過する。
海岸からいなくなった若い男女、
知りませんか?
誰一人知らなかった。
海岸からいなくなった。
手詰まりだった。
しかし、非公開ではあっても
息子娘の身を案じる家族が
何もしないはずがない。
友人知人を頼りに探し回ったに違いないのだ。
だとすれば、
当時、人口8万人余りの
柏崎市内でも
少なくとも50人、
あるいは100人近い人たちが
そのことを知っているのではないだろうか。
突然いなくなった男女、
誰か知りませんか?
大きくそう書いた上り旗でもおって、
朝の通勤通学の時間帯に
柏崎駅前に立っていれば
知っているという人が
現れるかもしれなかった。
それを実行せずに
済んだのは
幸運としか言いようがない。
上り旗作りの手順を考えながら
乗り込んだタクシー運転手に
その日、何十回目かの
同じ質問を繰り返した。
海岸からいなくなった
若い男女、
知りませんか?
バックミラー越しに
睨みつける運転手に
東京の新聞記者であることを告げると
タクシーは急にスピードを上げ、
タバタが転載する
郊外へ向かって走った。
ここだよ。
卸された民家の表札に
柏崎とあった。
後に北朝鮮から帰国し、
現在は翻訳家として活動している
柏崎カオルさんの実家だった。
柏崎さんのお父さんとお母さんは
辛労から疲れ切って見えた。
どうしてうちが分かったんですか?
突然の来訪に
柏崎さんの家族が
09:01
見つかって
突然の来訪に
少し驚かれたようだったが
今で真摯に取材に応じてくれた。
新潟事件の概要は
次の通りだ。
1978年7月31日
夏休みで
東京から柏崎市の実家に帰省中だった
中央大学3年
柏崎カオルさんが
グループ交際をしていた
奥戸ゆき子さんと
海岸へデートへ出たまま戻らなかった。
当時、カオルさんは20歳
ゆき子さんは22歳
デート中の
20代の若い男女だった。
富山
福井
鹿児島のケースと
そっくりなのだ。
これは音声ドキュメント
北朝鮮による日本人拉致事件の
シリーズ第3話です。
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この作品は
元産経新聞社会部記者
安倍政宗による著書
メディアは新芸他を
再構成したものです。
案内役は
劉邸一光でお送りしました。
第4話
巨峰と言われたスクープ
安倍は拉致事件を暴く
歴史的な記事を書きます。
待ち受けていたのは
世間の思いもよらぬ反応でした。
では、次回
あなたは拉致を
いつ知りましたか。
産経新聞社がお届けする
戦後紙開封
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