1. 「大人の近代史」今だからわかる日本の歴史
  2. 第87回「網走刑務所」死刑から..
2022-10-18 34:33

第87回「網走刑務所」死刑からの脱獄~白鳥由栄Yoshie Shiratori~

★お便りはこちら☞ https://bit.ly/2YkUaRB 刑務所の中でも最も最北端に位置する「網走刑務所」

脱獄不可能と言われたほど厳重なこの刑務所を白鳥由栄は脱獄。

 続く札幌刑務所も人の想像を超える手法で脱獄。 

仮出獄後も見えない鎖がいつも彼を繋いでいた...

「脱獄王」斎藤充功 著 https://otokin.com/archives/501

番組存続のため支援を募集しています https://otokin.com/sponsorship

00:04
始まりました、「大人の近代史」よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
ということで、今回は前回の白鳥由栄の続きから話したいと思います。
はい、皆さんすごい楽しみにしてたと思うんで、ぜひともよろしくお願いします。
だといいんですが、覚えてるかなっていう感じですが。
いやいや、覚えてるでしょ。
前回ね、網走刑務所っていうところにね、行くことになったんですね、白鳥由栄が。
うん。
これがね、1943年で、まあ、36歳の時なんですね。
うんうん。
そう、これ網走刑務所って言ったらさ、今でもさ、日本で唯一の監獄博物館としてさ、一般に公開されてるんだよね。
ああ、そうだね。
そうそうそうそう。だからまあ、なんか聞いたことあるかなっていう人多いかなと思うんですけど。
うん。
まあ、そこにね、白鳥由栄も収容されたっていうことなんですね。
うん。
で、これ1943年だからさ、まさに大東亜戦争のさ、真っ只中の時なんだよね。
ああ、そうだね。
そうそう。で、この網走刑務所っていうのはさ、脱獄不可能と言われたほど厳重な刑務所で、
うん。
高さがね、4.5メートルの塀が、周囲1キロにわたってずっとこう続いてるんだよね。
うん。
で、中はね、どの扉にも取手っていうかノブがついていなくて、
うん。
大きいね、鍵を入れて、それをノブ代わりに開けるっていうような構造だった。
ああ。
で、なんと言ってもさ、ここはもう淡尻だから、極寒の地なんだよね。
うん。
北海道の本当に北に位置してるとこじゃん。
うん。
で、真冬はさ、マイナス30度にもなって、
うん。
で、暖房の入ったね、官房内でもマイナスね、8から9度って言われてんだよね。
全然寒いね。
そう。だからね、吐いた息が壁に当たると凍りつくっていうこともあったみたいな。
ああ、すげえな。
すごい環境。で、そんなね、淡尻刑務所にはね、凶悪犯とか、まあ、重い罪の人が多くこう収監されてたんでね。
うん。
で、白鳥はそんな中でも特別厳重な監視体制が取られた。
そうそう。まあ、脱獄をね、これまでもしてきたから。
うん。
で、狭い独房でさ、彼は手錠をつけられたまま、服はね、夏服の薄い服1枚のみだったんだって。
ああ。
ここでもね、監視の黄兵な態度があって、まあ、腹を立てて、こう、つけられた手錠をね、3回力でこう、ぶっちぎって破壊してるんだよね。
すげえ腕力じゃない?
いや、すごいでしょ。
うん。
あの、白鳥の特徴としてはさ、背はそこまで高くないんだけど、
うん。
筋肉の塊のような、こう、ごつい体格で、こう、力がすごいあったって言われてるんだよね。
ああ、そうなんだ。
そうそう。だから、これはちょっとあのゴールデンカムイ見てる人は、白石義丈とはちょっと違う特徴なんでね。
03:00
まあ、そうだね、確かに。
そうそうそうそう。で、3回もさ、手錠を破壊したから、
うん。
今度はね、大きな手錠と足錠って言って、足にもさ、手錠を足のバージョンみたいなさ、つけさせられたんでね。
ああ。
そう。で、それにね、使われてる鎖も重さ20キロほどある重厚な鎖で、
うん。
そのね、手錠と足錠っていうのは、鍵穴がないんだよ。
ああ。
で、ナットで固定されてて、そのナットは、艦首が最初に2人がかりで思いっきり締めたんだよね。
うん。
で、そのままね、1年4ヶ月、一歩も外へ出してもらえないような状況が、まあ、続くんだよね。
うん。
そう。いや、この状況でさ、だって長丸はさ、こう、一夜だけ鎖に繋がれたままの自分が好きって前言ってたけどさ、
ああ、小片郎がなんかそんな趣味があるって前聞いたな。
やめなさい。
ははははは。
これ、ずっとだからね、すごいよ。
いや、発狂しそうだね、そんなの。
しかも、もうものすごい寒さの中じゃん。
うん。
お風呂もね、まあ一度も入れてもらえずに、
うん。
1週間に一度、艦首が水で拭くぐらいなんだって。
ああ。
で、そうするとさ、手上足上がずっと皮膚に擦れてるわけじゃん。
うん。
で、そこにね、ウジが湧いたんだって。
ああ。
いや、だからこれね、白鳥もびっくりしてたんだけど、生きてる人間にウジが湧くのかっていう。
ああ。そんだけ不潔だったっていうかさ、そういうことでしょ。
劣悪な環境だよね。
うん。
よくさ、あの孤独死とかでさ、あの死体がずっと放置されてるとさ、まあこうウジが湧くことがあるんだけど、
うん。
これはさ、人がさ、亡くなると体が腐敗してさ、
うん。
強烈な腐敗臭を放つんだよね、人って。
うん。
で、その匂いが蝿の好きな匂いで集まって、その蝿が卵を産んで、まあウジが湧くんだけど、
うん。
生きている白鳥にさ、ウジが湧いたってことはさ、すごい環境だったっていうのがわかるよね。
まあそうだよね。もう皮膚に密着しているところは、たぶんすごいことになってたんだろうね。
ああ、確かにね。
うん。
で、そのね、ウジがいつしかハエになって、まあ明かり窓があったんだけど、
うん。
その金網に黒くなるほどべったりくっついてるっていうような環境。
うん。
でね、食事もね、囚人のこの中でも最も少ない量で、
うん。
わずかなお米とたくあんと葉っぱが2、3枚浮いてる塩汁のみっていうような食事が多かったんだよね。
うん。
で、それで手錠足錠されてるからさ、口だけで食器をくわえてさ、こう必死に食べるような毎日なんでね。
うん。
で、こんな状況だからさ、体はしびれて感覚がなくなって、
うん。
で、ここにいると本当に死ぬって感じて、
うん。
で、虐待に対する反発からもさ、脱獄を決意するんだよね。
うん。
で、このさ、独房から逃げるにはさ、彼は考えて、
うん。
扉のさ、高さ1.4メートルのところに視察口っていう監修が中を覗く窓があったんだよね。
06:06
うん。
で、これがさ、縦20センチ、横40センチなの。
20センチ、40センチ、うん。
そうそう。それに縦にね、5本の鉄棒がついてて、
その鉄棒は鉄枠にこう溶接されてんの。
うん。
で、この鉄枠を外すことができれば、あとはこの隙間から脱出できるって考えたのよ。
うん。
これでもさ、え?って感じだよね。
だってさ、20センチ、40センチってさ、
うん。
これ家にあるものでちょっと探してみたの、あのメジャー持って。
うん。
そしたら、電子レンジの、
うん。
扉を開けた中の空間がだいたいそんぐらいだった。
まあ、うちのだけどね。
ああ、小片郎んちのほら、あの超豪華なやつだよね。
豪華じゃない。だいたいでもみんな電子レンジだよ。
一緒だって。大きさは。
そうだね。まあ、たぶんそんな変わんないと思うから、まあいい例えだよ。
あの電子レンジっていうのは。あんなもんかっていう。
いや、ほんとにね、実際ね、自分もね、体が入るか頭突っ込んでみたの。
え?家で?
そうそうそう。絶対肩がぶつかるんだよね。
ああ、まあ、人間はね、肩がね、どうしてもね、邪魔だよね。
そう、それやってたらたまたま妻に見られてさ、何やってんのって言われたんだけど。
気が触れたの?みたいな。
そうそう。
チーン。
何だよ、チーンって。
電子レンジだけに。
そうそうそう。
ここでさ、彼の特殊体質がまたあって、
肩と手足など関節をね、自由にね、脱却できるっていう体質があるんだよね。
だから、視察口に頭さえ入れば、あとは両肩の骨を外して外に出れるっていうふうに彼は思ったんだよね。
それからさ、じゃあどうやってまず、鉄の棒がついてるからさ、
その鉄枠自体を外したいわけよ。
これはね、食事に出る塩汁を半年間、鉄枠に垂らし続けたんだよね。
そうすると、鉄だから錆びてきて、だんだん緩んできたんだよね。
それで結果、外すことができた。
でもこれもさ、ただでさえわずかな食料のところを食べるのを我慢して脱獄する決意がもう尋常じゃないわけよ。
貴重な食料である塩をさ、でやったわけでしょ。
そうそうそう。
そもそもまあ、これでもさ、手錠と足錠まだされてるわけじゃん。
これ外さないと身動きが自由に取れないわけで、
彼にはさ、人間が作ったものは必ず壊せるっていう信念があるんだよね。
で、まず手錠はさ、手錠と手錠をぶつけ続けたりとか、
さらに歯で何万回も噛んだんだよね。
で、同じ作業を昼も夜も半年ぐらいずっとやり続けたんだって。
で、歯がね、2本ぐらい折れたらしいんだけど、
09:02
結果、ナットが緩んできて外すことができた。
でね、足錠はね、ぶつけて壊してったって言ってるんだけど、
そう、これでね、脱獄の準備が整って、あとはタイミングを見計らったんだけど、
まずね、今までの脱獄もそうなんだけど、季節はね、冬を避けるんでね。
これは単純に寒いって言うのもあるんだけど、
野山にさ、脱走した時に食料が少ないから、冬は避ける。
それとね、自分に良くしてくれた看守が勤務していない日にするんだって。
これは脱獄した日にさ、監視してた人っていうのはさ、
広角だったりとか殺戦とか、クビになるケースっていうのもあるらしくて、
そういうところがあるんだよね、白鳥って。
で、血行がね、1944年の8月、ちょうどその時は暴風雨の夜だったんだよね。
で、この日ね、偶然にもね、停電があって、
これによってね、看守の交代時間が遅れて巡回が長引いたんだよね。
そうそう。で、手錠足錠を外してさ、視察口の鉄箔を外して、
で、あらかじめ自分の両肩の骨を外して、
それで視察口に頭を突っ込んで、そのまま廊下に肩から落ちたんだ。
で、廊下に立ってさ、まず肩の骨を入れて、
で、後で言ってるんだけど、その骨を戻す時はやっぱり痛いんだって。
で、まあそっからね、車房の天井がね、最高窓って窓になってて、
そこまでこう四字登っていって、そのガラス窓を頭突きで割って屋根に出たんだよね。
まあこれ簡単に言ってるけど、すごいけどね、どうやって登ってんだっていう話だけどね。
登んのもすごいし、頭突きでガラス割るのもすごいよね。
すごいすごい。その後ね、地上に降りて無人の工場に入ったんだよね。
これ前もそうなんだけど、工場で何かあるかと思って、
そこでね、ストーブの支柱を見つけて、それを剥がして塀のところまで運ぶんだよね。
塀は4.5メートルあるからさ、この支柱を椅子代わりに利用して乗り越えて脱走したんだよね。
で、ここまでの一連の脱走時間がね、約20分ぐらいって言われてる。
そう、だからもう本当に、独房の外を出てからも一瞬で判断してるんだよね。
で、刑務所ではね、脱獄に気づいたのはね、脱走後の1時間ほどで、
総勢ね、7、800人が2ヶ月かけて捜索したんだけども、見つからず。
で、彼ってのは、まずね、農家の家に忍び込んで着てる衣類を着替えて、食料とかを盗んでるの。
で、山中にあったさ、山にまた行くんだけど、鉱山跡で掘った穴があって、
そこを住処にして、最初にまず穴の入り口を木などで覆って、見つかりにくくしたんだよね。
12:01
で、そこでね、しばらくずっと山での生活が始まるわけ。
で、獣道にね、罠を仕掛けて、ウサギだったりエゾイノシシっていうのを捕まえて、
もう、トータル2、30匹ぐらいは食ったって言ってたんだよね。
でね、山の中での生活で最もつらかったことは、退屈したことなんだって。
暇なんだ。
話し相手もいないから、よく野鳥相手に気を紛らわしてたって言うんだけど、
人と話さないことがこんなにつらいとは思わなかったって、この時、あとで回想してるんだよね。
で、ある時ね、近くの学校に忍び込んで、新聞記事を見つけたの。
そこでね、初めて彼は日本が戦争に負けたってことを知るんだよね。
ちょうどね、この時、終戦後10ヶ月後だった。
これを見て、どうせ自分が占領軍にこの先死刑にされると思って、
山で暮らしてるのがバカバカしくなって、逃亡をやめて、山を下りる気になったんだよね。
で、畑の近くを通っていた時に、畑泥棒と間違えられた。
一人がね、木刀を持って応援に来て、2人から捕まられて、殴られたりとかしたわけ。
泥棒はしてないから、死なものを調べてくれって言ったんだけど、聞き入れてくれずに、
しらとれは仕方なく持って行った担当で、一人を突き刺して、これね、殺しちゃってるんだよね。
この事件はきっかけにしらとれは再び捕まる。
この間、彼の山で暮らして脱獄期間って665日だね。
ものすごい長い時間じゃん。
2年近くか。
あばしり刑務所の創設以来、こんな長期間に渡って逃走に成功した例はないんだって。
その後、しらとれは殺人をしたことによって裁判が行われて、
そこでね、斉藤弁護士っていう人に出会う。
この人がね、しらとれを徹底して弁護してくれたんだよね。
ただ、結果はね、第一審で死刑の判決が出た。
これは殺人とか、窃盗とか、逃走の今までの罪が併合されて、死刑の判決になってる。
で、ここでね、法廷の時に死刑を言い渡されて、
判事とか検事に対してしらとれはね、もうやけくそで、
無期ならまだしも死刑判決なんてとんでもない。
俺は必ず脱獄して、あんたたちの根首をかいてやるって言ったんだよね。
これね、聞いた判事とか検事の奥さんたちが、
脱獄されて家に来るんじゃないかと思って、
表札を外したっていうエピソードが実際にある。
それぐらいさ、彼はいつでも脱走してくるんじゃないかっていう恐れられてたんだよね。
で、しらとれはね、この裁判を不服として抗争したんだけども、
15:03
その間に逃げられないようにしらとれは厳重な札幌刑務所へ集団される。
で、この札幌刑務所に行ってしらとれは特殊不良種っていう扱いで、
特に厳重にまた監視されるんだよね。
ここではね、24時間体制で監視されて、
ほとんどの時間を独房の前で、もう対面で監視が直接監視してる。
で、4人の専任監視がいて、もう拳銃を常に携帯していて、
例えばくしゃみとかね、咳をしたことまで詳細に報告するんでね。
で、逃げる素振りがあれば射殺するようにっていう射殺命令も出されてたぐらいで、
かなりの厳重だった。
ここでしらとれはね、今までは劣悪な待遇に対しての反発だったりが脱獄理由なんだけど、
初めて死刑判決っていうのが出て、それに対する恐怖心っていうか、
初めて自己保身のために脱獄を決意する。
だからね、この札幌刑務所の脱獄は準備期間今までで一番短い2ヶ月なんだよね。
それまでの脱獄っていうのは半年以上とか1年ぐらいかけてたんだけど、
で、季節に関しても冬は避けてたんだけど、まだ寒い3月に結婚してるの。
それぐらいね、焦ってたんでね。
札幌刑務所っていうのはしらとりの過去の脱獄時の原因っていうのを徹底的に研究してたわけ。
だからね、独房の扉とか天井とか最高窓、鉄格子に至るまで、
新たに補強して、もう鉄の箱みたいな感じにしたんだって。
もう破ることがもう事実上不可能な構造に作り替えたわけよ。
ただね、ここでもしらとりっていうのは一箇所だけ弱点を見つけるんだよね。
これはね、床板の下が土だっていうことに気づくんだよね。
なんで気づいたかっていうと、床はさ、木の板張りだったわけよ。
そこにさ、御座のさ、庵である藁を引き抜いて、
この藁の先に唾をつけて、床板の隙間に垂らしたんだよ。
それで引き出したら先端に土がついてたんだって。
これで下が土だっていうことに気づいて、
そしたらさ、床板を切りたいわけなんだよ、脱獄するためには。
切るための道具として、また即席のノコギリを準備するんだよね。
これはね、検事から取り調べを受けたときに、
取り調べ室で、ドアのガラスを留めてあった、まず釘を見つけるんだよね。
それをね、服の袖に隠し込んで、毒棒に持ち込んで、
それとね、洗面用の桶があったんだけど、
それにはね、鉄たがっていって、周りを閉めている固い部分があるんだけど、
よくさ、銭湯の木の桶、想像するといいかもなんだけど、
18:01
なんかあるじゃん、木の周りにさ、
なんかあるじゃんって。
なんか銅みたいな。
銅の場合もあるし、今回は鉄だったんだけど。
で、これが固定されてたんだけど、それを引きちぎって外して、
秋田刑務所の時のように、鉄たがに持っていた釘を刺してギザギザにして、
即席のノコギリを作った。
そのノコギリで床板を少しずつ切っていくんだけど、
たださ、視察庫を頻繁に監視がさ、もう対面で覗いてるんだよ。
白鳥は正座したまま内股にノコギリを隠して、
その状態で寒くて貧乏ゆすりをしているように見せかけて、
床板を切っていったんだよね。
いや、これすごくない?
すごいね。てか、なんでバレないんだろうね。
で、これはね、ちょっとね、特徴があってさ、やっぱ人間だからさ、監視も。
あっちがさ、ずっと見てる対して白鳥も睨み返すなってよ。
で、上目遣いで睨まれたら、なんか目をそらしちゃうんだって。
それぐらい威圧感があったって言ってたんだよね、監視は。
そういうのもあるし、あとは実際に怒られても寒いから仕方がねえじゃねえかって言って、
注意をそらさせてたっていうのは言ってたんだけどね。
これでさ、完全に床板を切り離す作業は10日ぐらいかかったのよ。
その間にもさ、棒内の点検っていうのは1日2回あったんだって。
だからバレないようにしなきゃいけないので、床板の切り口はさ、
米粒とホコリと木くずを混ぜて切り口にすりこましたんだって、切った後は。
それで気づかれなかったっていうのはあって、
肝心のノコギリを隠さなきゃいけないんだけど、
これはね、便器の裏底に隠したんだよね。
監視が点検するときに、これ人の心理だけどさ、便器は汚いからさ、
細かく点検唯一されなかったんだって。
で、水洗便所でもない時代だからさ、
汚物が便器いっぱいに溜まったらさ、
汚物を捨てるために便器を外に1回出されちゃうんだよ。
でもさ、便器を外に出されたらノコギリがバレちゃうじゃん。
そのためにしらとりは何をしたでしょうか。
え?汚物をトイレにしなかったんじゃない?
どういうこと?
そこバレんじゃん、それ。
トイレが汚れなければ、汚れなければっていうか、たまんなければいいわけでしょ。
それもう完全に怪しいじゃん。
え、これスーパーヒトシ君使ってもいいけど、
ファイナルアンサー?
俺は迷わずスーパーヒトシ君を使わないね。
当たんねえな、多分。
正解はね、食事の量を減らしたんでね。
単純に?
21:01
これさ、空腹を我慢し続けて、
できるだけ食事の量を減らして、
便器に排泄物が溜まる日数を伸ばしたんだよね。
これによって、普通だとだいたい1週間ぐらいでいっぱいになるところを、
10日ぐらいでいっぱいになるようにしたって言ってるんだよね。
この間に彼は床板を切り抜いたって言われてる。
で、いよいよさ、夜に脱獄するっていう日を決めて、
殉死する間隔で、15分間のまた隙間があった時に、
その間に毛布を1枚丸めて膨らみをつけて、
枕を頭の格好に見せかけて寝ている姿を偽装したんだよね。
で、切った床板を外して、床下に潜り込んだわけ。
で、もぐらのようにひたすらそこから土を掘るんだよね。
で、棒内にあったアルミの自分の食器と、
手で2メートルぐらいひたすら掘って、
その感謝の外へ脱出したんだよね。
なんかすごいね、その話だけ聞いてると。
人間掘れんのって、2メートル持って。道具もなくてさ。
で、両手を見るとさ、指が土と血で真っ黒になってたわけよ。
しかも晴れだよ。札幌の3月だよ。
そんなね、掘れる土なのかなって気はするけどね。
カチンコチンじゃない?だってあと雪も積もってた時期って言ってたから。
硬いとは思うよ。
で、これ穴掘るからさ、これやっぱ掛かって脱出にね、
2時間ほど掛かったらしいよ。穴から出るまで。
そっからね、刑務所内の中間に2メートル以上の塀があったんだよね。
そこにたまたまね、刑務所内で雪がいっぱいあるから雪捨て場になってたのよ。
だから凍った雪が塀の3分の2ぐらいの高さまで積み上げられてる箇所があって、
その雪を踏み台にして塀を乗り越えた。
で、監視所近くの正門あたりにたどり着いて、監視がね、ストーブで火に当たっているのが見えたんだって。
で、石炭をちょうどかき混ぜていて、そのかき混ぜる音に合わせて雪の上を歩いたって言ってんだね。
歩く時にこう音するからさ。
まあ雪はね、そうだね。
で、正門近くの柵はね、そんな高くなくて、柵を乗り越えて外へ脱出した。
穴から出てからは20分ほどで柵を乗り越えたんだよね。
で、警察っていうのはさ、近郊の山を捜索したんだけど見つからなかったんだよね。
で、これさ、山中でさ、彼はまたしても小屋を作ってさ、生活をしたりしたんだって。
で、時折生活物資を調達するために町へ出て盗みだったりして、また山へ行くっていう。
24:04
で、一箇所に留まらず、山々をね、点々として逃げ続けたんだよね。
山って言ってもね、かなり奥深くまでね、いつも逃げるんだよね、彼は。
で、そのうちさ、彼はさ、昼間でも堂々と町を出歩くようになったんだって。
そんなね、脱獄して295日目に警官に出くわしちゃった。
で、職務質問を受けて、最初警官もね、不審には思ってなかった。ただこう質問しただけだったんだけど、
荷物をさ、実際点検すると、ものすごい量の生活用品を背負ってたわけよ。
で、なんだこれはっていうか怪しいと思って、警官はね、青年月日とか詳細をどんどん聞いていったんだよね。
そうすると白鳥が、タバコを一本くれませんかって警官に言った。
そこで警官がタバコをね、一本あげて、
で、白鳥は旦那貴重品のタバコをありがとうございましたって言って、
自分がね、白鳥吉江であることを正直に自ら話した。
この時のことね、後で語ってるんだけど、
逃げようと思えばいつでも逃げられるが、警官の威張った言い方ではなく、
丁寧に物を聞き、タバコまで恵んでくれたので、その優しさにほろっと来たって言ってんだよ。
なんか、彼らしいというか、なんかそういう感じなんだよね。
こうしてね、警察に辞書をして、
再びね、白鳥は捕まって、
で、裁判が行われたんだよね。
彼はさ、前に畑泥棒と間違えられて殺害してしまった件で、
前回の裁判で一審で死刑の判決を受けてるんだけど、
この控訴審が行われた。
白鳥の弁護を引き続き、前の斎藤弁護士っていうのが受け持って、
彼がね、殺人に対して殺意がなかったことを取り上げて、
傷害致死を主張したんだよね。
これが認められて、死刑を免れて懲役20年になった。
ただ、最初に出てた前の罪が無期懲役だったんだけど、
だから結果一番重いのは無期懲役なんでね。
彼は斎藤弁護士に感謝して、まじめにね、おとなしく刑に服しますっていう風に言って、
この後ね、1948年にGHQの命令で、
白鳥は札幌刑務所から東京の府中刑務所っていうところに行くの。
この理由なんだけど、脱獄を繰り返す彼を日本で一番厳重であろう刑務所へ連れて行ったわけよ。
そこでね、鈴木署長っていう人に出会う。
彼はね、白鳥と会って、最初にしたのがね、
27:01
彼につけられた手錠とか足錠をね、全部外させたんだって。
それだけじゃなくてね、今まで刑務作業なんてさせてくれなかったんだけど、
初めてね、この鈴木署長っていうのはさせてくれて、
他の囚人と同じように扱ってくれたんだって。
で、これに対してね、白鳥も応えるように模範囚になるため頑張って、
受刑者にはさ、累進階級っていうのがあって、
最下級の4級から最上級の1級まで当時あったんだけど、
これはね、自発的に改善取り組んでる態度とか行動によって級がどんどん上がっていくわけよ。
で、上がればさ、待遇が緩和されて、刑務所内での自由が与えられるの。
で、累進処遇令っていう制度で、今現在ではちょっと廃止されてるんだけど、
白鳥はね、最上級の1級まで行ったんでね。
この刑務所内でのエピソードがあって、
受刑者を疑問してくれる小さな法師の会っていう事前団体があって、
この会長がある時、白鳥に小鳥を1羽送ったんだって。
これに白鳥は喜んで、その小鳥を大事に飼ってたわけ。
だけど、ある日その小鳥を逃してやりたいって監視に行ってきたんだって。
いくらね、大事に飼っていても、カゴの鳥は所詮カゴの鳥で自由がない。
自分も鉄格子の独房に入れられたカゴの鳥で、
毎日小鳥を見ているとやりきれなくなる。
せめて小鳥だけでも自分の心を託して、自由な大空に逃してやりたいっていう風に言ったんだって。
なんか切ないよね。
まあね。
白鳥はそれで小鳥を空に逃したっていうエピソードがあって、
狩りで無期懲役なわけじゃん。
無期懲役って、一生刑務所から出られないかっていうとそういうわけでもないんだよね。
ある一定期間勤めると狩出獄っていうのが認められる場合があって、
これは現在でも無期懲役って狩釈法っていう形があるんだけど、
白鳥は約13年ほど府中刑務所で模範囚として勤めて、
その結果狩出獄が認められたんだよね。
27歳で初めて逮捕されてから、
その時54歳になって初めて外に出られたんだよ。
狩出獄だからさ、全部自由ってわけじゃないんだけど保護観察中の身分にはなるんだよね。
その後彼は建設現場なんかで働いて、
決して贅沢な暮らしではない生活だけれども暮らしていて、
晩年は心臓が悪くて、1979年に71歳の時に心筋梗塞で亡くなって。
そんな彼の生涯をちょっと話したんだけども、
30:00
彼って身寄りがなかったから遺骨の引き取りがなくなったとなかったんだって。
それを知ったある女性が遺骨の引き取りを申し出てる。
彼女っていうのは白鳥が狩出獄後にアパートで暮らしてた時に、
一時隣に住んでいたその当時5歳だった女性なんだよね。
5歳か。
その5歳だったんだけどその女の子を覚えてて、
白鳥がよく可愛がってくれてお菓子とか人形をよく買ってきてくれたりしたんだって。
その女性によって丁寧に埋葬されたっていうお話でした。
振り返ってみると大東亜戦争っていう激動の中、
彼は戦争を直接経験することなく、
ずっと囚人として孤独な葛藤を続けてきたわけで、
脱獄した理由っていうのが、
4回脱獄したんだけど、
最後は死刑が怖くてっていうのがあったけど、
他すべては刑務所での監視たちの酷い仕打ちとか、
待遇に対する犯行なんだよね。
もちろんそもそもが自分が悪いことして捕まったっていうのがあるんだけど、
彼は終始人として認めて欲しいというか、
扱って欲しいっていう思いが強くあったんだよね。
それが今回調べていて伝わってきたなって思って。
なるほど。
長丸はいかがでしたでしょうか。
そうだね。
本当かよっていう感じの話も結構多いからね、脱獄に関しては。
そうだね。
どこまで本当でっていう部分もあるし、
単純にザルだよね、警備体制が。
今だったら絶対考えられないじゃん。
そうだね。
警官も何で逃げられたのかっていうのを、
その時分からないぐらい人の盲点を作るんだってよ。
だから目を合わせなかったっていうところもそうだけど、
当時の職業倫理なのかな、
なんかやっぱり今とちょっと違うんだと思う。
今がすごい優れてるわけじゃないけど、
今だったらこんなの4回もやっぱり脱獄はできないと思うんだよ。
あとは設備が発達してきてるよね、今絶対ね。
人の目があてにならないから設備でっていう風にはなってるけどさ、
でも仮にも1回脱獄してたらもう2回目は絶対無くするものじゃん。
そうそう。だからどんどん厳しくはなってったんだけどね。
でもやっぱやられてるってあたりがすごい人間の欠陥を感じるよ。
別に俺この白鳥義絵がすごいとかそっちよりもどっちかっていうと、
それを見逃しちゃってる人間側の落ち度っていうのがやっぱりすげえ散々だよなとは思っちゃうよね。
33:02
だから裏を返せば、監修たちも意欲があってやってるっていうより、
彼らの待遇もすごい悪いんだってよ。
だからモチベーションが低くてっていう。
そういうのもたぶん放っていけば、逆に今回白鳥側から話したけど、
逆側から話すとまた全然違った見え方があると思うね。
だからやっぱちょっとザルだよね、その辺。
厳しい。
いやいや、俺ほんとそう思うよ。
ちょっと1人の人間がミスっちゃってその隙に握られちゃいましたっていうのはわかるのよ、まだ。
でもシステム上の欠陥で全部握られてるわけじゃん。
たった1日で逃げちゃったとかじゃなくて、
首都に半年とか寝て逃げられちゃってるわけじゃん。
プリズンブレイクみたいな話だよね。
こういう人もその時代にいたんだっていうのを知っていただけたら嬉しいなって思います。
もしよかったらね、大人の近代史突然週2回放送する時もあって、
なんでそれ?
なのでフォローをしていただくと通知がいったりするんで、
逆にフォローしてないと気付けないんで、ぜひフォローしてください。
はい、よろしくお願いします。
それでは最後まで聞いていただいてありがとうございました。
ありがとうございました。
34:33

コメント

スクロール