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深く考えるっていうのが、紙の方を買うメリットかなぁと思っています。 あるいは、紙じゃなくても小説を読むメリットで、そこに集約されるのかなぁと思っていて、
で、せっかく小説をね、今回興味持っていただけたらなぁと思っているので、 読んだ後じっくり3日ぐらい、これって愛なんだろうかって考えたくなるような、
いいものをご紹介したいなぁと思います。 こんにちは、樋口です。今日もマイ・ベスト・ブックスでは、ゲストのストーリーと共に一冊の本を紹介します。
今回の一冊は、沈黙。日本を代表する作家、遠藤周作が描いたキリスト教弾圧の物語です。 ゲストは外資系企業でマーケターとして働かれた後、現在は恋愛やキャリアについて執筆されているライターの
彼女をお迎えしてお届けする3回は、名作小説を題材に、様々な愛について読み解いていく回になっています。
愛にとどまらず、小説を読むと得られる知性など、様々な事象について新たな視点を得られる3回になりました。
ぜひ3回を通して聞いてみてください。
マイベストブックス、マイベストブックス、マイベストブックス
今回の愛の3エピソードでは、遠藤周作の沈黙、有吉沢子の連れ舞、三島由紀夫の夕刻の3冊を紹介していきます。
それぞれのテーマは、神への愛、家への愛、国への愛。
まずはこれらの本をピックアップした基準についてお伺いしました。
1つは重いテーマであること。
軽いテーマの恋愛本とか私結構実は好きで、特に小説家になろうとか実は大好きで、よく読んでたりするんですけども。
ただ、深く考えるっていうのが、紙の本を買うメリットかなと思っています。
あるいは紙じゃなくても小説を読むメリットってそこに集約されるのかなと思っていて、
せっかく小説を今回興味を持っていただけたらなと思っているので、読んだ後じっくり3日ぐらい、
これって愛なんだろうかって考えたくなるようないいものをご紹介したいなと思っていたのが1つと、
あと今回少なくとも3人のうち2人は遠藤周作と三島由紀夫ということで結構有名な小説家ですよね。
有名な小説家の作品って知ってるけど触りづらくないですか?
特に高校とか卒業しちゃったら、中学卒業しちゃったら、
昔なんか国語の教科書に載ってたあの本読もうかなとかいうきっかけももうなくなっちゃって、
そうすると何から手をつけたらいいかわかんないけど、
でも質問をそういう文学好きそうな人にするとすごい量積まされそうっていう恐怖があると思っていて、
その中ではとっつきやすい、これって愛っていうテーマで、
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こういうかかりがあるから現代にも通じるものがすごいあって、
今の皆さんが抱えているこういう悩みとリンクしてるんだよっていうお話として、
純粋に興味を持っていただけたらすごく嬉しいなという観点が入ってます。
ちなみに今2人挙げましたけど、もう1人の有吉沢子さんも、
ご存命辞は知らん人はおらんっていうぐらい大ブームだった、
重範かかりまくりのベストセラー作家さんでした。
なので、しかも現代に近い人なんでめちゃめちゃ読みやすい文体だと思います。
まさに私も今回の愛というテーマをきっかけに3冊の小説を読みましたが、
これまで読んだどの名作よりも、現代に生きる自分を重ね合わせながら読むことができました。
昔の時代の名作として読むよりも、何倍も新たな視点を得られる読書体験でした。
ああ、読まずに本の内容が全部わかったらいいのにな。
そんなことできるわけな。
ああ、オーディオブック!
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さて、1冊目に紹介いただく沈黙ですが、
豊安奈さん自身も愛を学ぶ中で見つけられた1冊だということです。
愛とは一体何なのでしょう。
愛ってすごく大きい言葉だと思っていて、キリスト教の神の愛もありますし、
仏教だと愛って苦痛とされていることを捨て去るべきものとされていますし、
家族愛って愛憎を入り混じる情愛とか、
あと一緒にいたんだしっていう感情が混ざるものになりますし、
最後、国に対する愛って全然別物に響きますよね。
そしてパートナーへの愛があって、友愛みたいなものがあって、
揺りみたいなものでは片付けきれない育った友情とかもあり得て、
すごい大きい言葉なのかと思ったんですけれども、
結構多くの国では同じ言葉を使いますよね。
日本語では愛ですし、英語だったらラブですし、フランス語だったらアムールでしょうね。
こういうふうに同じ単語が当てられているということは、
みんな同じ気持ちを何らかその言葉に込めているんだろうなということで、
今一生懸命いろんな愛に関する本を自分が勉強しているの最中です。
恋愛を取り上げた本は世の中にたくさんあります。
しかしトイアンナさんがより深く愛について知ろうとした時、
たどり着いたのは名作小説でした。
もともと私が書いている本、書籍何冊か出しているんですが、
全部自己啓発というジャンルにあたります。
その自己啓発系の恋愛本はたくさん読んでたんですね。
なんで彼をお金持ちにする本とか、最強ナンパ術とかそんな本ばっかり正直読んでました。
楽しいんですよ。そういう本の価値はめちゃくちゃありますけれども、
なんとなく自分の中でこのままじゃあ根本的な恋愛ってなんだみたいな
大きい問いに答えられなくなるんじゃないかっていう危機感があって、
周りの本が好きな人たちに愛について理解を深められるような本を教えてくださいって相談したところ、
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15冊ぐらいバッと教えてもらえたんですね。
その中でもかなり印象に残ったのがこの遠藤修作先生の沈黙になります。
沈黙で取り上げられているのは神への愛。
今回はまず、戸井アンナさんがあらすじを教えてくれました。
名作なので皆さんご存知かもしれませんが、念のためネタバレも含まれますので気になる方は気をつけてくださいね。
小説の舞台になっているのは日本の天草・島原エリアです。
地名でピンとした方もいるんじゃないでしょうか。キリスト教の弾圧に関するお話です。
天草・島原地域では、いまだにキリスタンの弾圧の話はタブーとされているぐらい、すごく思い出事なんですね。
その舞台には当時のキリスタン弾圧が続いている時代の設定で、宣教師が密入国してきます。
宣教師は日本でもキリスタンが迫害されているのは知っていて、
それでもキリスト教の人が嘆いているのであれば自分が助けになりたいということで、ほぼ単身、2人組で乗り込んでくるわけですね。
ただ、もちろん捕まってしまいます。捕まってしまった上で拷問を受けるところまでは想像がつくと思うんですけれども、
実はこの人自身は拷問を受けないんです。何をされるかというと、あなたは何もされない。
牢屋には入っているけど何もされなくていい。
ただ、あなたがキリスト教を捨てなければ、自分はキリスト教をやめますといえば、そこで自分は解放されるんですけれども、
キリスト教をやめないのであれば、日本国民のキリスタンを拷問しますという状況に追い込まれます。
これは一番、おそらくクリスチャンの人にとっては、特に宣教師の人にとっては苦しい拷問になったはずです。
ここで徐々に主人公であるキリスト教の宣教師は、なぜ神はこの状況で沈黙をしているのか。
本当に神がいるのであれば、こんなひどいことをお許しになるのかということに疑いを抱き始める。
タイトルの沈黙とは、神の沈黙ですというお話です。
宗教弾圧の物語と聞いて、自分とは縁通い話だと思った人もいるでしょう。
しかしその愛は、現代の恋愛における身近なテーマにも当てはまるのではないかと、トイアンナさんは話します。
キーワードはスパダリ、苦しい時に試される愛。
私たちの恋愛で現代にひるがえて考えてみると、意外と恋愛思想主義の時代は今も続いているので、
私たちって彼氏彼女に対して結構100%の愛を求めているんじゃないかと思っていて、
愛の期待値ってめっちゃ高いんじゃないかと思っているんですね。
最近だとスーパーダーリン、スパダリとかいう表現があったりしますけど、
要は自分の悪いところも全部許してくれて、愛してくれて、
しかも相手は本当に完全と言えるような存在、練習が高くてイケメンで、
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浮気をしなくて、みたいな人たちがスパダリの定義なんですけど、
それって神の愛に超近いんじゃないっていうのが、最近私が考えていることです。
ただ、神の愛っていうのは本当に存在するのかっていう、
スパダリはこのようにいるのかみたいな問いに答えるものとしては、
沈黙しかないんじゃないかっていうのが結構現代に刺さるエッセンスとして、
私の中では強烈に刺さったものです。
さまざまな視点から読まれ、映画化もされている沈黙ですが、
まさかスパダリと重ねて語られるとは。
話はさらに展開し、小説の中でも描かれている苦痛の中での愛へと繋がっていきます。
苦しい時に愛が試されるのは、信仰だけでなく、ごく日常にありふれていることなのかもしれません。
ネタバレを思いっきり私はしていくスタイルなんですが、
最終的にこの主人公は心が折れてしまいますと。
でも、そこで神がいなかったかどうか、だから神はいないとも言えないっていうところが非常に面白いところで、
もしキリスト教の神が本当に信仰心を人間で試したかったら、沈黙を選ぶはずなんですよ。
そこでは生半可な奇跡を起こして、やっぱり神いた、ウェーイっていう世界観は作らないはずなので、
実は沈黙っていうのは神が存在したとしても正しい答えであるっていうのが何となく示されている小説の中でですね。
例えばスパダリの話にちょっと戻していくと、
現代でも普通にカップルで付き合っていくと、
例えば相手がスパダリだろうが、逆に自分が女神であろうがね、
お互い切発まで状況って絶対あるはずなんです。
例えば自分も仕事が全然うまくいってない、上司がめちゃくちゃパワハラ野郎であると、
で、さらに残業時間がめちゃくちゃ長い、
友人と添えになってしまった、お金もなんか貧血っていう結構泣きっ面に恥じっていう状況は人生いっぱいありますよね。
で、しかもカップルでいるとその人生のタイミングが重なることがあると思います。
で、重なった時で結構夫婦の話聞いてても極限状態になるんですよ。
自分がもうパツパツ絶対相手に助けてほしい。
なぜなら相手もボロボロだから。
こういう状態で試される愛っていうのは一体何なんだろうかっていうのが、
結構私が沈黙を読み終えた後にじっくり考えたことですね。
愛する人がいると人生が楽しくなるのはもちろんですが、苦しい時こそ誰かがそばにいることが助けになることもあるのではないでしょうか。
遠藤周作の沈黙は、そんな苦しい時に大切にしたい関係性を見直すきっかけをくれる本ともいえます。
主人公は要は究極の極限状態を経て、最終的に実は愛を見つけるわけですけれども、
そういう状況を乗り越える相手は何なのかっていうことをじっくり考えると、
結構自分の人間関係も、今例えば彼氏と喧嘩している人がいて、もう別れようかなとか、
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旦那様、奥様がいらして、もう無理かもしれないと思っていても、
それは偶然今、極限状態に置かれているだけではないのか、
平凡な環境に置かれていた良き夫婦に慣れているのではないか、
その中で新しい愛の定義を自分なりに発見したりはできないのか、
みたいなことを一緒に考えながらこの小説を読んでいただくと、
ちょっと楽しんでいただけるかなと思います。
もちろん厳酷を受けるとか、正しい正当な意味合いでの解釈は全然違う話で、
神の愛っていうのをどういうふうに遠藤修作が解釈していたかみたいな分析をしていくべきなんでしょうけれども、
あえて今回は愛っていう括りで切り口を持っていくのであれば、
ご自身の愛の定義みたいなところをぜひ考えてみていただくと楽しいなと思います。
小説の面白いところの一つに、読み方が複数あることが挙げられるのではないでしょうか。
様々な登場人物から様々な方向に思いを馳せることができる。
身近なテーマで読んでみる名作小説、きっとこれまでに考えたことがなかったテーマに出会えるはずです。
今回は外資系企業でマーケターとして働かれた後、
現在は恋愛やキャリアについて執筆されているライターのトリアンナさんをお迎えして、沈黙をご紹介しました。
次回以降も様々な愛を描いた小説が出てくるので聞いてみてくださいね。
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お相手はりょかちでした。