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2020-08-21 16:44

第263回「質問:訴訟の判決を待たずに、半強制的に残業代が振り込まれた事件」

第263回「質問:訴訟の判決を待たずに、半強制的に残業代が振り込まれた事件」弁護士の向井蘭が、経営者の立場に立って、労働法の基礎だけでなく、ビジネスに関する法律の問題をわかりやすく解説する番組です。
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向井蘭の社長は労働法をこう使え
法律の下で展開されるビジネスの世界
ポッドキャスト社長は労働法をこう使えば
弁護士の向井蘭が経営者の立場に立って
経営者が知っておくべき労働法の基礎だけでなく
ビジネスに関する法律の問題を分かりやすく解説します。
こんにちは、遠藤和樹です。
向井蘭の社長は労働法をこう使え、向井先生よろしくお願い致します。
はい、よろしくお願いします。
さて、いきたいと思いますけども、最近なんかありますか?
最近どうですか?
最近また走ってますね。
ランニング?
ランニング、はい。
相変わらずジムじゃなくて外?
そう、ジムがやっぱりずっと行ってないと怖くて行けないですね。
このタイミングで結構皆さん免疫力を高め、
フィジカルを磨き、
それぞれ皆さんフィジカル的に良くなっている印象が
いろんな人に見て思いますけど。
そう、あと腕立て伏せをやってます。
あら、じゃあ強くなっているということでね。
はい、頑張ってます。
そんな向井先生と今日もやりたいと思いますので、
早速いきたいと思います。
今日のご質問なんですけども、業種にですね、
自称経営者の労働者ですというふうにありますね。
34歳の方からご質問いただいております。
いきます。
高額のために毎週欠かさずポッドキャストを聞いています。
有名アニメ制作会社にて起こった専門業務型の裁量労働制問題です。
結果的には訴訟の判決を待たずに、
半ば強制的に残業代を振り込むという、
なんとも不思議な結末になりそうです。
素人の自分は判例になるのを嫌った、
付加金逃れ、雇用契約解除への地ならしと憶測しておりますが、
弁護士なのに話し合いがとても重要ですよとおっしゃる向井先生なら、
気を悪くしたらすいません、人間として感覚していますので、
この問題をどう捉えますか?ということですね。
これはネットニュースに出ましたね。
これは?
有名アニメ制作会社。
スタジオ4都市。明確にね、記事出てますね。読んじゃっていいですよね。
読んじゃっていいと思いますね。
長時間労働があって、未払い残業があって、裁量労働制はおかしいと。
と言ってですね、それで訴訟になったと。
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26歳男性の社員の方が求めて訴訟を起こした結果、
会社側がいきなり未払い残業代286万円をボンと全額振り込んで、
終結したという話ですかね。
そうですね。ボンと振り込んで終わったということですね。
この事件はなぜ起きたのかという推測をこの方としてはされていて、
ということなんですけど、どうなんですか、これは。
不思議な点がありますね。
労使ともにね。
というのは、会社が未払い残業代全額と遅延損害金を振り込んだっていうのは、
分からなくないですね。
やっぱり判決として出たくないっていうのはあったんですが、
一方で会社側も請求の放棄をして、
請求の放棄で一方的にできるので裁判が終わっちゃったんですけど、
ただ判決を求めることができるんですよ、請求企画でも。
というのは、その請求企画を裁判官が書くとしても、
裁量労働制が適用にならないって判決文に書かないといけないから、
簡単でも、前例として残るわけですよね。
それをやらないっていうのは、ちょっと不思議でした。
それは労働者側だったんですか?
そう。で、裁判官から言われたんでしょうね。
書きたくないからね、裁判完結。
それは大変だと。
コース大変ってこと?
そう、コース大変だから。
事務作業なんですね、そこは。
言われたのかなーって気はしますね。
これ会社側としては、判例として残したくないっていうのは、
残ると、どういう、その辺の裁判官側なの?
結局ですね、他に同僚がいっぱいいるんですよ。
スタジオ4度C。
200人弱、150人ぐらいの会社かな?
その人たちも発生してるわけですね、本当は。
それ全部払うと、おそらく会社は、場合によっては倒産する予定ですよね。
ですよね。
だから、争いつつも紛争はなるべく避けたいっていう、
そういう気持ちだったんじゃないかなと思いますね。
そうか、判例として事件として確定しちゃうと、
同じような方、対象者が、
でもこれって、すごい一般人感覚でいいですか?
働いてる社員の人間からの立場からすると、
あいつが残業代見払い200何十万もらったらしいぞってなれば、
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それが判例になってるかどうかは、
あれ、俺らももらえるのかな?みたいなのって、
意識いくと思うんですけど、
そういうふうには扱われないんですか?
だけど、やっぱり裁判やってまで、
組合に入ってまで欲しくないっていうのは、
ほとんどの人の気持ちですね。
事件として起こさなきゃいけないのか。
でも、判例になったとしたって同じですよね?
判例になったとしても同じなんですけど、
判決文で出ちゃうと、
次からやりやすくなりますよね。
訴える側としては。
そういうものなんですね。
やっぱりそうなりますよね。
ただ、アニメは好きでやってる人が多いから、
お金ももちろん大事なんだけど、
どうなんだろうな。
どうなんだろうね。
あんまり広がる気はしないけどね。
ただ、労働時間は減らすように
努力いろいろすると思いますね。
これから、実は専門業務型裁量労働設定、
どこまでが適法でどこまでが違法って曖昧なんですよ。
手続きは明確に書いてるんですけど、
実態が合ってるかどうかは、
全然わかんないんですよ。
基準がないんです。
なんだけど、
朝から晩まで長時間で働いてる場合は、
無理だろうっていうのが僕らの意見ですね。
そういうことか。
そう。
これ以前別の回、向井先生の回かな。
比較的このアニメーション会社系って、
労働問題が限りなく少ないみたいな話もされてませんでした。
そうそう。
少ない。
正直、長時間労働に比べればですよ。
長時間労働の実態に比べれば、
限りなく少ないなっていうのが正直なんですね。
皆さん好きでやってたり、趣味の延長だったりするんで、
何か起きにくいみたいな傾向があるのかな、
みたいな話ありましたよね。
おそらくだからやっぱりベトナムアニメとか、
最後にエンドロールですか、
ガフが出ますけど、
もうすでに中国系の人とベトナム系の人の名前が多くて、
そこね。
ネットでできるじゃないですか。
だからどんどん日本で作ろうとしなくなりますわね。
それが普通だと思います。
できますもんね。
ソフトさえあればね。
確かにね。
打ち合わせもできちゃうし、
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みんな日本語できるから、
そういうアニメの技術とか打ち合わせもできるし、
日本のアニメ大好きだと覚えちゃうんですよね、言葉。
なるほどね。
みんなアニメで覚えてるからね、結構。
だからできちゃうんで、
もちろんこれ良くないことだし減らした方がいいと思うんだけど、
賃金と労働が合わない場合は海外に移転するでしょね、アニメ。
そういうことか、仕事も流れていくと。
だってやりたい人いっぱいいるから、こんな有名スタジオの仕事。
本当お金いらないからやりたいって人も山ほどいるから、
それはね、やりがい作者とか言われてるけど、
ただ、むしろお金払ってやるようになるかもしれないですよね。
やらせて欲しいってことですか。
うん。
そういうこと。
仕事のオークションみたいな。
うん、そう。
で、批判を受けたりしてるけど、
キングコングの西野さんとかの、受けてるけど、
例えばジブリのアニメとかに参加したってだけで、
どうです?
よっぽどお金もらうより高い対価がありますね。
そう、だってフリーの仕事とか取れちゃうじゃないですか。
仕事自体が報酬みたいなとこあって。
そうですね、クリエイターたちはワークスが一番の評価ですからね。
で、この人はまだ辞めてないみたいな。
辞めてないみたいですよ。
その状況下で働けるもんなんですね。
もう本当に残業なくなったと思いますね。
ガッチガチにしてるってことですね。
いいことだと思いますが、ただそれ以上の価値出さないと、
海外に移転するもしくは雇用以外の人、それこそ雇わない経営に切り替えますね。
こういう有名会社であればね。
なおさら。
そうなんですよ。
ジブリの作品とか作ってますね。
やってますね。隣のトトロ。
とかをプロデューサーをした方がやってるクリエイティブ集団ってありますね。
なかなか有名な、聞いたことあるようなタイトルがいっぱい。
そうなると海外とかクラウドファンディングとかでやりたい人をお金払って募集とか、
お金もらってとかね、そうなるよな。
そうなると仕事の概念変わりますね。
こういう有名会社だからね、できるんでしょうけどね。
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というわけで、一応質問に戻りたいと思うんですけども、
なんでこういう不思議な結末になったのかという説明で言うと、
説明で言うと、会社としては判決もらいたくないと、あと利息。
付加金は判決確定してからなんで、利息が払いたくなかったなと思うんですよね。
なるほど。
そう。あと和解に応じてくれなかったなと思います。
労働者側が。
はいはいはい。
だってこれ1円単位で計算してるじゃないですか、金額。
ちょっとありえないんで、おそらくこの金額で和解してくれっていう風になったんだと思うんですよね。
7375円まで書いてありますもんね。
だからもうこれで払いますって裁判官に言って、
裁判官はそれだったら計算しましょうって言って、判決になった場合の金額計算しましょうかって言って、
相手はおそらく抗議してくると思うんだけど、裁判官は判決書きたくないから、
そこは利害が一致するわけですよ、会社側と。
そうか。
裁判官と会社側の利害が一致する。
だって払ったら、それでもどうですかって労働者側で判決求めますかって、
求めることはできるんだけど、やっぱり弁護士は気使うんですよね、裁判官にね。
この辺でやめといた方がいいですよという話に弁護士が持ってきがち。
要するに裁判官に気使っちゃうんだね。
そうなんですね。
本当は判決もらえたと思うんだけど、ところが裁判官もどこで勝たせるか分からないんですよ。
勝つのは分かってるんだけど、勝ち方があるわけですね。
例えば手続きだけが悪かったとかね。
それだと傷が少ないんですよ会社は。
手続き違反だったら。
労使協定の代表者の選び方が悪かったとかね。
だけど内容は適用業種だったし、内容は裁量労働制に近かったなんて書かれると逆に負けなんですよ実質。
手続きだけだったら直せばいいんだもん。
僕が予想するに、強く勧められて折れずある上なかった労働者側が何かそういう雰囲気を出されたと思うんですよ。
判決になったら逆に理由中の判断で不利な内容になるんじゃないかっていうことで、
妥協で3社、裁判官も労働者側も会社も3社がまあまあ得になるところで折り合いついたと思うんですよ。
これは作業の手続判での判決で降りた場合っていうのは、こういった見払い残業、今回みたいな満額じゃなくなっちゃうってことですか?
いや満額なんですよ。将来は直すの簡単じゃないですか。
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だってやり直せばいいんだから手続き。将来これからね。
仕事自体があってないとかね、あとはその中身の進め方自体がもう全然ダメだなんて書かれると、
その業種、ビジネスモデル自体否定されちゃうから。
最良労働制自体、ビジネスモデルというか最良労働制の適用自体否定されちゃうから。
使えなくなっちゃうわけですよ。
で、なんか裁判官そこらへんほら、含みを持たして強く進めるわけですね。
なるほど。でもあれですね、今の話、向井先生の聞けば聞くほど、
このご質問者の方、要はその微妙ななんか様子がおかしいぞっていうのを気づきましたね。
気づきましたね。
気づきますね。
これはね、おかしいんですよ、おっしゃるとおりで。
すごいなぁ。ちょっとぜひなんかこういう、よく気づくない?
ぜひなんかこういう質問またマニアックトークしていただきたいので、
自称経営者の労働者ですさん、ぜひお待ちしております。
はい、ありがとうございます。
はい、というわけで向井先生、ありがとうございました。
ありがとうございました。
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