1. 向井蘭の『社長は労働法をこう使え!』
  2. 第151回「日本郵便の待遇格差..
2018-06-29 15:54

第151回「日本郵便の待遇格差訴訟〜扶養手当の不支給「違法」!!〜」

第151回「日本郵便の待遇格差訴訟〜扶養手当の不支給「違法」!!〜」
弁護士の向井蘭が、経営者の立場に立って、労働法の基礎だけでなく、ビジネスに関する法律の問題をわかりやすく解説する番組です。
00:04
向井蘭の社長は労働法をこう使え 法律のもとで展開されるビジネスの世界
ポッドキャスト社長は労働法をこう使えは、弁護士の向井蘭が経営者の立場に立って、経営者が知っておくべき労働法の基礎だけでなく、ビジネスに関する法律の問題をわかりやすく解説します。
こんにちは、遠藤和樹です。 向井蘭の社長は労働法をこう使え、向井先生本日もよろしくお願いいたします。
はい、よろしくお願いします。
さあ、今日はですね、久々に向井先生からの持ち込み企画ということで、最新判例ですかね、やっていきたいと思いますので、改めましてよろしくお願いいたします。
はい、よろしくお願いします。
さあ、というわけで、今日の取り扱う最新判例は何になりますか?
日本郵便の大阪地裁判決、これが2月に出たのかな?
2月に出たんですね。
どこまで行ったんですか?
まだ大阪地裁です。
ごめんなさい、言い間違い、おっしゃってましたね、地裁。
前提になる話を言うと、労働契約法20条という条文があって、今から5年前にできたんですけども、
例えば1年契約の人とかを有期契約って言うんですけど、
正社員の方が定年がある、もしくは定年がない、ずっとある程度長期間働ける人を無期契約っていうのがあるけど、
そのお二人を比較して、不合理な労働条件の差、格差ですね、これを設けてはいけないっていう、まあそういう条文なんですよ。
まあ差はどこにでもあるんですけども、全く一緒の会社なんて珍しいんですけど、
ちょうど前々回ぐらいの平野先生の時、第2回の時のお話で、さらっと契約法20条の話出てましたもんね、それだったんですね。
そうですね。それでもうできて5年経つんですけど、だんだん判決がいろいろ出るようになってきて、
でも今までの常識を覆すことがいろいろ起きてきてですね、
その日本郵便大阪事件は、なんと住宅手当払えと、例えば郵便配達をしている1年契約の人と、
地域限定採用の正社員の一般職の方、同じ仕事をしている場合が多いんですね。
配達、集配して配達したり、窓口で対応したり、同じような仕事をしている場合が多いんですけども、
この人たちは格差があるわけですよ。方や手当てはほとんど何もない。何もなくはないんですけど、すごく少ないんですね。
03:06
比較すると。
比較するとすごく少ない。一方で正社員の人は手当てがすごく多いんですよ。
職業の方は多いと。
多い。で、商業も正社員の方の方が金額は多いんですね。
実際やってることはほぼ。
やってることは若干違いますけども、僕の見る限りは半分どころか6、7割は同じなんじゃないかなと思います。
転勤もないんですね。正社員の人も。地域限定採用だから。
あーなるほど。
郵便局は変わる可能性あるんだけども、引越しまでいるほどの遠いところには行かないんですよね。
銀行とかに?
ありますね。ありますね。で、一方でその有機雇用の人は、例えば人房長支店だったら、人房長支店だけずっと勤務するんですよ。
基本的には他の、例えば九段支店とか。
明保のバッシュとかね。
そこまでは行かなくて、同じお店なんですね。そういう違いはあるんですけども、
やってることは、読んでる限りは6、7割同じかなという気がするんですね。もっとかもしれないね。現実的には。
それで、日本型雇用だから激しいわけですよね。
それで原告の方が、いやおかしいじゃないかと、私たちも同じ仕事をしてますよっていうことで、
家族手当を払って、不要手当を払ってください。住宅手当を払ってください。
年末年始の出勤手当を払ってくださいとかね。
もう10個ぐらいかな。10個ぐらい。
このここがおかしい、ここがおかしいって言って訴えてるんですよ。
なるほど。
なんとですね、結論なんですけども、
どっちだ?
あの、なんと不要手当も払え、住宅手当も払えと。
あと年末年始の出勤手当、まあこれは仕方がないかなって思うんですけども、
不要手当と住宅手当どちらも払えっていうのは初めてなんですね。
今までの裁判例で。
その非正規、有期雇用と無期雇用の差があるときに、
そこの2つの手当が払えというのは初だと。
初なんだよね。
これは向井先生的には?
あの、あまり世の中で取り上げられてないんですけど、
これをやろうとすると、会社の人件費は一気に上がる。
だって郵便局なんて言ったら、何万人ですか?
何万人ですね。
上がるので、できない普通は。
そうすると賃金全体を変えないといけなくなって、
ものすごく大改革をしなければいけない可能性が出てくるんですよ。
しかも今回郵便局が問題になりましたけど、
工場、製造業。
民間企業ですね。
民間企業、製造業、大手製造業なんか、
06:01
手当、正社員の方にいっぱいあるんですね。
工場ラインとか。
ものすごくあるじゃないですか、いろんな手当が。
で、正直これなんで払ってんのかなとかね。
かつて50年前にね、名残がありますよね。
なんかこういろんなきっかけがあってできたんだろうけど、
今となってはなんで払ってんのかなとか。
でっかい会社ですとそこの工場特有の謎の手当とかあったりしますもんね。
あるでしょうね。
なんだこれみたいなね。
仮に誰か一人、機関工のベテランの人が手を挙げるとおかしいんじゃないかっていうと、
ガタガタガタって全部崩れちゃうんですよね。
今回の特に郵便局の判例をベースにすると、
そういう話がどんどん出てくる可能性はあるわけですね。
可能性ある。
で、住宅手当はね、理由はある程度つけやすいんですよ。
例えば、転勤の負担があると。
単身運人の可能性もあると。
そういう時に家賃を二重に払う必要が出てくるとかね。
まあそういう、一応理由はあるんだけど、
今回日本郵便の場合転勤がないからその理由が通用しなくて負けちゃったんですよね。
で、工場の正社員の現場で働く方は転勤あんまりないじゃないですか。
見てると。
工場で採用する時とかって基本的にもうないですよね。
ないですよね。
基本的にその工場がなくなるとか、
なんか当配合するとかそういう特殊なことない限りは。
その製作所の総務とかで採用しちゃいますからね。
そうですよね。
可能な限りそこで働いてもらうっていう前提ですよね。
その後住宅手当もアウトだし、
で扶養手当もベテランのその後員の人とか家族がいるから、
子供とか扶養の範囲内に入っている奥様とか。
そうすると正社員と同じ金額払えって言われてもおかしくないですよね。
なるほど。
そうなるとやっぱり工場の人件費ってきちんと計画的に計算して予算作ってやってるから、
いきなり出費が増えちゃって。
対象何千人とか普通の話になっちゃいますよね。
一部上場企業だったらね。
そうするともう正社員の賃金も変えないといけない。
全部変えないといけないっていう風になって、
大変なことが起きると僕は思ってるんですよ。
これやっぱり基本的には無期雇用の社員の手当に対して、
有期雇用の方を合わせるという方向にしか動かないんですか?
そうですね。
悪い方に合わせるってことは無理ですかね?
悪い方に合わせるって理論上できるんですよね。
例えば正社員の住宅ってやってごめんねと言って払わなくなれば、
一応形式的には問題がないんですけど、
正社員の労働組合、さすがに溜まってない。
さすがに溜まってないですよね。
さすがに収まりがつかなくなるから、
09:01
何らかの手当を新しく作るか、
全部もうやり直すか。
完全見直し?
完全見直しか、
例えば家族手当は別の内容にして支払う。
ところが別の内容も今僕いろいろシミュレーションしてるんですけど、
例えば職務手当とか仮に作るじゃないですか、
仕事の成果に応じて一時評価して決めるんですよ。
でも非正規雇用の人だって働いてるから、
同じように評価してあげないと本当はダメですよね。
そうですね。
そうするとやっぱり少なくとも一部は払わないといけないってまた元に戻っちゃって、
ですので結局逃げられないというか、
人件費を上げないようにするんだったら全部やり直さないといけない。
一部だけ。
真偽見直し。
っていう話を誰もしないから、
なんでしないのかなって思ってて、
まあ大企業の人事の人は危機感持ってると思いますね。
大企業の人事の方々は今回の郵便局の判例の治裁判決ですか?
大抵抑えてるもんですか?
抑えてる。
じゃあやばいなっていうのはなんとなく感じてるんですね。
うちのこの正勤手当とか家族手当どうしますか課長とか言ってて、
まあ様子見だなとか、
他の会社どうなってんだみたいなね。
じゃあ調べといてと。
じゃあ役員会に決めたら一応お伺い立てないといけないからとか、
労働組合とちょっと話し合いしてみようかとか、
もう始まってると思いますね。
業界内で人事の方々集まったり情報交換してると思うんで、
そういうとこで議題に上がったりしてるんでしょうね。
あと僕ちょっとすごく、
これは独立した項目で取り上げるか迷ったんですけど、
昨日の朝のニュースかな?
JR東日本がストライキやろうとしたんですね。
最大労働組合が。
やらなかったんですね結局。
そしたらちょっと経緯は分からないんですけど、
組合員半分脱退しちゃったんですよ。
組合から。
抜けちゃった。
それは何ですか?
入る意味ないってことですか?
だから分からないのよ、経緯は。
抜けたらクビになると思ってるじゃないですか。
そういう説明を受けたはずなんですよ。
ところがクビになってない。
で、半分って何万人なんですよJRだから。
そういうでっかい労働組合なんですね。
でっかい最大労働組合。
これってすごい衝撃で、
なんでかって言うと、
労働組合の方聞いてたら申し訳ないけど、
実は若手社員なんか労働組合は、
給料転引団体にしか見えないんだよね。
なんで2%も取られんのって、
なんで5000円も払う必要あるのって、
何も恩恵もこむってないと。
辞めれるもんなら辞めたいって思ってんだよね。
12:01
あくまで若い方の目線だと、
そういう意見が多いって話ですよね。
多いと、何回も聞いたことあるし、
そういう口は聞いたことあって、
謎のボーリング大会とかに使われたり。
野球大会とか。
使われてますもんね。
実は昔みたいにストライクやる団体だったり、
交渉激しくやったりとかもないから、
いらないんじゃないのって、
みんな思ってるわけですよね。
脱退はできないと思い込んでたから、
できちゃうんだと。
JRみたいな、ああいう堅い会社でも、
できるじゃんってやれば。
これって連合からしたら、
恐怖以外の何物でもない。
ガタガタガタって崩れるから。
何が言いたいかって言うと、
例えば正社員の賃金、金に下げようかってなったら、
労働組合員が逆に月明け食らって、
従業員側から脱退者が出る可能性がある。
そうなると何が予想されるんですか?
そうすると会社の人事部も困るの。
労働組合と交渉していればまとまる話が、
脱退したらその人たちは組合員じゃないから、
個別で話していかないと。
日本型雇用を、
今回の単なる住宅手当って言えば、
不要手当って言えばそれだけなんだけど、
破壊する威力があるがないようですよ。
そこまで繋がってるんですか?
だって半分の人脱退するってすごいことじゃないですか?
何があったんですかね?
そこはわからないんですよ。
わからないんだけども、
無理矢理脱退させるには数が多すぎるでしょ?
半分ですから。
そんなパワー動きます?
何万人脱退って何かの力が動かないと。
って思いますよね。
例えば会社の圧力がもしかしたらあったのかもしれないと思うけど、
僕はそうは思わなくて、
もう辞めたいって若者がすごく多いから。
逆にそういうのが横で繋がって、
一気に止めたエネルギーもちょっと怖いですけどね。
実はそういうマグマが溜まってるのよ、大企業には。
けどちょこちょこ若手、
もう10年前ぐらいから、
ローソンに入るってことを拒否する社員出るみたいな話って、
出る出る。
よく聞いてましたけどね。
クビになるよっていうのは最後の殺し文句ですよね。
ユニオンショップ協定があって、
入らないといけないんだよっていう。
ところがあの巨大企業のJRでさえ、
クビになってない。
働いてるこれは何なんだってなりますよね。
それもまたあんまりその論点でワーワーと報道はされて。
いや、誰かが声出し始めると一気に広がる。
今日はなかなか出てない話を、
唇を2個も切りましたね。
すみません。
いやいや、面白いお話が立て続けによりましたが、
15:01
やっぱいいですね、最新判例の話とかね。
改めてね、今日のお話をうまく皆さんに活かしていただきつつ、
またね、面白い判例がある場合には、
向井先生お持ちいただけますので、
楽しみにしていただけたらなと思っております。
というわけで、本日もありがとうございました。
ありがとうございました。
本日の番組はいかがでしたか?
番組では、向井蘭への質問を受け付けております。
ウェブ検索で、向井ロームネットと入力し、
検索結果に出てくるオフィシャルウェブサイトにアクセス。
その中のポッドキャストのバナーから、質問フォームにご入力ください。
たくさんのご応募、お待ちしております。
15:54

コメント

スクロール