1. 河童のポッドキャスト
  2. 現代民話 第三話「河童が山神..
2022-04-24 20:49

現代民話 第三話「河童が山神様に会った話」

spotify apple_podcasts
河童が山の女神さまに翻弄されるお話です 絵師さんが素敵な絵を描いてくれてすごく嬉しい!
00:00
(音楽)
(音楽)
(音楽)
(音楽)
(音楽)
沼のほどりに
人の腹から生まれた
カッパがいらずもな
そのカッパは
遠くの学校に通うために
生まれた家を出て
一人暮らしを始めらず
カッパが一人暮らしを始めれすぐ
女子の友達ができらずもな
その女子は
カッパの住む部屋のすぐ近くの
アパートに住んでて
カッパによく飯を貸せてくれたり
二人で酒っこを飲んだり
皿かわいらべ
風呂入ってけ
とか言って
風呂を貸してくれたりしたんだと
夜になると電話が来て
ビーフシチュー作ったから食いに行こ
酒も買ってらぞ
って頼んだ誘われで
なして俺なんかに
飯っこ作ってくれるんだけど
いつもカッパは表らただの
ウキウキと手掛けで言ってらったんだと
女子は目が大きくて
決してブサイクではねえかを
こうしてる割に
全然男を作る気配もなくて
ユギみてえに真っ白い肌で
肌が白いから髪は染めねえと言ってらったぞ
カッパ君もその方がいいと思うべ
とか聞いてきて
なして俺に聞くんだべって思いながら
だなあ黒い方が綺麗だ
とかカッパも言いながら
二人で何をするでもなく
テレビ見たり
音楽聴いてたりしてたぞ
秋が来て
いつもみたいに女子の家で
二人でだらだらと酒飲んでたらば
女子は
学生チケべえ
俺女装したカッパ君が
売り越してるのみてえ
なんて言って
入ってる分も違うつのに
いきなり興奮しだして
俺が化粧してやったら
練習させてけろ
服も着てみてえ
そんたのこと言って
自分の服をいっぺえと
化粧道具持ってきて
まず化粧してみるべ
その方が服も似合うべし
03:02
なんたら勝手に
一人で盛り上がってらなと
カッパは思ったども
されるがままになってらと
女子はその時
首元が大き具合だかっとそう
一枚だけ着てらったんだと
化粧するために
上柄カッパの顔を
覗き込むような格好になると
胸ごとがっぱり見えたんだと
谷間だの下着だのっていう
そったなチャチなもんでね
二つの山の形が
はっきり見えたと
女子はそんなカッパの気持ちを
わかってらったんだがなんだが
一生懸命カッパのまつげに
ビューラーを当ててらと
あんまりはっきり見るのも
こっぱずがしいし
申し訳ねえから目をそらすんだけども
目を閉じるわけにもいがねえから
どしたって目に入ってくる
二つの山を見て
カッパは思ったと
ああこの人は
この柄は山神様だ
だからオラみたいなカッパにも優しいし
男を作るなんてありえねえんだ
もしかしたら山神様も
オラみたいな人間じゃねえものが
そばにいて
うれしいのかもしれねえ
山神様はその後も
キャッチャとカッパに服を着せて
遊んでなったと
山神様の山を拝んでから
カッパはもうぼーっと
魂を抜かれたみたいになって
その後のことは
あまり何も覚えてなかったと思う
酒を飲みながら
カッパに次から次へと
服を着せては脱がせる
山神様の
ほんのり赤くなった顔と肌が
ツヤっぽくて
心臓がドギマにして
胸元も顔も直視できなくなったんだと
それで
化粧を落とさねばなんねえんだから
風呂入ってけって
山神様に言われたのも
オレこゆって
そそ草と家を出て
今までに願った気持ちを
家に持ち帰ったんだと
カッパは学祭で
06:02
女尊が人に受けたかどうだかは
もうどうでもよかったと
山神様に化粧してもらって
それが嬉しかったのと
外で着込んでたから
山神様の山が
まるっきり隠れてたことが
残念でしか願ったことばっかり覚えてたと
あとは山神様に
オレも歌うからって
招待されてたった慶応部の
ライブを見に行ったんだとも
あまり覚えてねえと
もしかしたら忘れなかったのかもしれねえ
学祭が終わってすぐ
カッパは山神様に
同じバンドのギターのやつと付き合うことにしたって言われたと
それからカッパは山神様とだんだん添えになっていったつもりだ
冬になって
茶髪にした山神様を
雪景色の中で見つけて
カッパは
茶色い髪も生えるでねえかと思ったのも
声はかけなかったつもりだ
どんどん晴れ
むがす
あったづもな
山の間の沼のほどりに
人の腹から生まれたカッパがいたんだと
そのカッパは学校を卒業したあと
山の中をふらふら歩いてだったら
ちっちゃっこい沼を見つけて
そこで暮らしてだったんだと
カッパがそこで暮らすようになったのはわけがあって
その沼の底にとっくりを見つけたんだと
そのとっくりは
酒を飲んでも飲んでもわいでくる不思議なとっくりで
カッパはそのとっくりを片手に
キュウリや水草なんかを食べながら
沼の中を浮かんだり沈んだりしながら暮らしてたんだと
その沼で暮らすようになって
しばらくたった春の日に
カッパは沼のほどりから
自分を呼ぶ声に気づいたんだと
09:01
ほんとなところで何してたの?
顔を上げたら
やったら足が長くて胸のでけえ
顔はそこそこの女の子が
タバコを吸いながらこっちを見てたんだ
いかにも仕事帰りのキャリアウーマンって感じで
パンツスタイルが決まってたんだ
気持ちよさそうだ
そんなふうに女の子が言うから
水の中で酒粉飲んでるもの
気持ちよかったよ
そうカッパが返すと
いい子だ
そう言って
女の子は長い足でスタスタと歩いて行ったぞ
それから何日かぐれして
まだその女の子が来たんだと
その日はスカートだったぞ
カッパさんキュウリ食ってたってこの間
差し入れだ
そう言って女の子はしゃがみこんで
キュウリを沼の水で洗って
カッパに掘れ
そう言って渡してきたんだと
その一部始終を見てたカッパは
ただただエロいなと思ってたぞ
そしたら女の子は靴を脱いで
靴下も脱いで裸足になったんだ
そして足でパチャパチャと水を跳ねさせてたぞ
おめさん仕事は?とカッパが聞くと
今日は休みだものと女の子は言ったぞ
水まだ冷たくね?が
そうカッパが言うと
なことねえよ
気持ちいい
女の子は言ったぞ
女の子は体冷やしたなんね
足踏みで崩しただけ風邪ひくぞ
わかってら
そう言いながら女の子はスカートをたくし上げて
沼に足入れて立ってらったぞ
思ったより水あったけよ
そう言って女の子は笑ったぞ
女の子もすぐにやっぱり寒くなってきた
そう言って沼から上がったぞ
そしてタバコを取り出すと
火をつけながら酒こけろじゃ
12:02
って言ったぞ
昼から酒飲むのかとカッパは言ったぞ
カッパさんも飲んでらじゃ
そう言われたら返すことはねえかった
さっきキュウリケダべえ
あれと酒交換するべえ
それで足りねばタバコと交換すっぺえ
そう言って女の子は新しいタバコを一本差し出してきたぞ
カッパはタバコなんて吸ったことはなかったぞ
見栄を張りたかったのど
まだ女の子のでっけえ胸をんがんでいたかったから
わかったって答えで
おちょこに酒っこ注いで差し出したぞ
そして生まれて初めてタバコを吸って
そったにまずいもんではねえなと思ったぞ
それから女の子はちょくちょく差し入れ持って沼に来て
カッパと一緒に酒っこ飲むようになったぞ
休みの日には昼前ぐらいから座って
午前さままで二人で過ごすこともあったぞ
話もあうし馬もあう
カッパもそれぐらい女の子と一緒にいて面白かったぞ
カッパはあるとき酔った勢いでぶっこんでみたぞ
お兄さん実はドMだべえ
普段チャリアウーマンみたいな格好で
ツカツカと現れる女の子が
実はそうだったらギャップあって面白えなんぐらいの気持ちで言ったぞ
女の子も酔った勢いだったのが
親族をうれしそうに
なんでわかったのって全力でくっついたんだぞ
俺小見えでかなりドSなのす
だから見たらわかるよ
でカッパは見栄を張ったぞ
カッパさんに俺のこと見透かされてそうだ
女の子は体を隠す素振りはするども
顔は全然嫌がってなかったぞ
カッパは女の子がそんなに自分に心を開いてくれてるように思えるのがすごくうれしかったぞ
でも同じぐらい怖かったんだぞ
勘違いすんな
人間様がカッパなんかを好きになるわけがねえ
今まで散々失敗してきたでねえか
15:01
そう言って自分のことを覚ましてたぞ
カッパもタバコを吸うのに慣れた
夏の近くのある夜のことだった
火貸してけろじゃ
そうカッパが女の子に言ったぞ
そしたらば女の子が火をついたタバコを口に加えて
んっ
顔を突き出したぞ
カッパはこったな間接キスみたいなことをしていいんだべか
そう思って内心ドギマギしながら
女の子のタバコから火を移してもらったぞ
何言っていいか分かんなかったから黙ってタバコを吸ってたぞ
したらば女の子が笑ってみるくねえんだべかって聞くともなしに言ったんだぞ
カッパはんなことねえべ絶対モデルべおめえさんならって言ったぞ
そしたら女の子は怒った口調になってそったな意味で言ったんでね
こんな時にそったなこと言われたら一番傷つくべさ
カッパは女の子の言ってることの意味がよく分かんなくて黙ってたったら
女の子はスカートをたくし上げで沼の中にどんどんと入っていったぞ
カッパは深いところもあるから気をつけろと大声をあげたぞ
聞こえたんだかどうなんだか返事はねえかった
したらばざぶんと大きな水をどがして女の子の姿が見えなくなったぞ
カッパは大変だと思って恐る恐る沼の中を泳いでったら
少しして女の子が顔を出したぞ
そして女の子はやっぱりこの沼って結構あったげえね
そう言ってにこっと笑ったぞ
カッパはなんだかもうたまんなくなって手を引っ張って一緒に泳いだんだぞ
二人ともいっぺん笑ったぞ
泳ぎ疲れで草むらに寝転んだら
女の子は体中びしょ濡れで服も乱れてしまっているはずもな
それでもカッパを見ながらじっと動かないでいたんだぞ
女の子はカッパさんがオラの胸ばっかり見るなと気づいてたよって少し笑ったぞ
18:02
少し間があってカッパは女の子はオラの背中を押してくれたんだと気づいたぞ
だから泣けなしの勇気出してオラオメーのこと好きだって言ったぞ
女の子もオラも好きだよって答えてくれたんだぞ
カッパは好きな人に好きだって言ってもらいすごく嬉しかったぞ
でもやっぱり怖かったぞ
オラみたいなカッパがこの人を幸せにできるんだべか
やっぱりすぐ他の人間にナビ入れしまうんだよねべか
そう思うとたずもんもただ寝がったぞ
カッパはSでもMでもなくEDだったんだぞ
嬉しいけど怖い怖くて怖くて仕方ない
オラみたいなもんに好きだって言ってしまっていいのか
女の子はいいよって一言だけ言って笑ったぞ
焦らないでゆっくりやっていくべし
そう言ってカッパの背中に手を回してぎゅっとくっついたんだぞ
虫の声とカエルの声がうるせがったぞ
カッパは次の日から酒の尽きない特価の酒を
貧困に詰めて売りに出したぞ
それを売った金で沼の近くに安くて小さな平屋を借りて
女の子と一緒に暮らし始めたぞ
ところが引っ越しが終わって
吉祥は宿配だぞとっくりを探したぞも一言出てこねえ
引っ越しの時に我らがいわや朝まで大事にとってらった
そんなやりとりがあって
とっくりはこの女の子に会うために沼の神様が
一度気まかしてくれなんだと思ったんだぞ
そして沼の方向に向かって手を合わせて頭を下げたんだぞ
どんどはれ
ご視聴ありがとうございました
20:49

コメント

スクロール