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ようこそ、自己理解を深める心理学ラジオへ。このポッドキャストは、株式会社自己理解で自己理解コーチとして活動する配信者が、自身やクライアントの自己理解を深めるために探求し始めた心理学をテーマにお話をする番組です。
毎月一桁目に1月9日の朝に配信してまして、月末はゲストをお迎えして心理学に関する雑談をお送りしています。
心理学というテーマに興味のある方や、同じく対人支援をされている方、自己理解を深めたいと感じられている方の参考になれば幸いです。
今日も聞いていただいてありがとうございます。
今日のテーマはですね、心よりも身体に聞いてみようというところで、ジェームズ=ランゲ説という説と、情動二要因理論というお話をしていきたいと思います。
ジェームズ=ランゲ説って何ぞやという方がほとんどだと思うんですけども、こんな言葉聞いたことありますかね。
悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しいのだ。
私もですね、心理学を学ぶ前に多分聞いたことあったんですけど、何のことかは全然わかってなかったですね。
この参考図書にさせていただいている、図解心理学用語大全という本を読んで、改めてこの言葉とその言葉の背景みたいなことを学んで、すごく参考になったし、何か自己理解に活かせることがあるんじゃないかなと感じたので、今日はご紹介させていただけたらなと思います。
ジェームズさんはですね、過去の放送でもご紹介したアメリカの心理学者さんで、このジェームズさんが情緒と行動の関係を調べた説がジェームズ=ランゲ説という説になります。
そもそも、情緒って何かというところからお話なんですけども、まず気持ちを表す言葉に、情緒だけではなくて感情、気分という言葉があります。
この中で情緒というのは、心理学の世界では急激に起こって短時間で終わる強力な心の動きのことを指しているみたいです。
例えば恐れとか怒りとか喜びとか、ガッと湧き上がってきて、スッと消えていく、比較的短時間で終わっていく、その代わりにすごく強い感情のことを情緒と言って、一方で気分という言葉は、
楽しいなとか憂鬱だなみたいな、比較的長く緩やかに感じ続ける感情みたいなところを指している言葉が気分という言葉です。
感情という言葉は、この情緒と気分というのをセットで総称して言った言葉を感情というところがあり、今回はこの感情の中でも情緒、強い感情のところと身体反応、行動のところの関係がテーマになります。
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例えば道端で熊に出会ったら、怖くなって震えたり心臓が高鳴ったりしますよね。なかなか道端で熊に会うことはないと思うんですけれども、例えば山登りしていて、熊が出たみたいなときに、
常識的な考えでは、まず熊が見える、知覚すると言うんですけれども、熊を盲膜が捉えて、それが脳に信号が送られて、熊が見えたとするじゃないですか。
見えたら怖いという情緒を感じて、その情緒が震え、身体反応を生むという、そんな順番が常識的な考えですよね。
ただ、ジェームズさんは、熊が見えたという知覚があったときに、まず身体が反応する、ブルブルっと無意識の方が震えて反応して、そして意識で怖い、情緒を感じるという、そんな順番なんじゃないかなというふうに言ったということなんですね。
これ、ジェームズ・ランゲ説と言われているんですけど、同時期にランゲさんという方も同じ主張をしたので、ジェームズ・ランゲ説と言われています。
これ、エビデンスはですね、この本にもあまり書かれてなくて、ネットで調べてもあまり出てこないので、エビデンスが明確にあったわけではないと思うんですけれども、
確かに言われてみたらそうだなというのが、例えば私自身の経験を例に出して考えてみると、私は大学時代にアカペラというですね、舞台の上で何人かで声だけで音楽的なパフォーマンスをすることをやっていたんですけれども、
このアカペラの時もですね、お客さんがたくさんいるのが舞台上から見えて近くした時に、なんかまず手汗が出ていることを感じて、手汗が出ているなと思ったら、なんとなく緊張してきたり、不安を感じたりするという、そんなことは確かにあるなというふうに思うところがありますね。
怖いって思う、意識的に怖いと思うよりも、体が先に反応しているみたいなことは確かにあるなということを感じました。
ですけども、この全部がそんな瞬間ばかりじゃなくて、キアノンバード説という説が後に提唱されていて、一つの身体反応、例えばブルブルっと体が震えるのは怖い以外にも寒い時にもなりますよね。
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なので一つの反応がいつも同じ状況を引き起こすとは限らないから、ジェームズランゲ説って間違ってるんじゃないのっていう指摘をしたんですね。
この説があった後に、シャクターさんという方が、情動二要因理論を唱えました。
これは震えが起こると同時に、イコール、身体反応が起こると同時に、脳による状況判断が、これはクマがいて寒いわけではなくて、怖いから震えてるんだというふうに、
同じタイミングで状況判断が挟まって、怖いという状況にたどり着くという理論が紹介されています。
二要因というのが、身体の反応と脳による状況判断、この二要因で情動が生まれるという説が、この本の中では最新の考え方かなというところでした。
なんか面白いですよね、この気持ちの中でも、突発的な強い感情がどういうふうに湧いてくるのか。
それはただ見たら、視覚がそのまま情緒に現れているだけじゃなくて、実は身体の反応とか脳の状況判断が並行して作用して、情緒になっているんだというのは改めて、なるほどなというふうに思います。
これをせっかくなので、自己理解を深めるところに何か応用できないかなというふうに考えたときに、一つ思い浮かんだのが、コーチングのすごく有名な団体のCTI Japan、ご存知ですか。
もしご存知ない方は、コーチングの子っていうポッドキャスト番組がありまして、一旦シーズン1終わってしまっているんですけども、まだアーカイブとして配信が残っているかと思いますが、
このコーチングの子がCTI Japanがオフィシャルでやっているポッドキャスト番組で、このコーチングの考え方にこの理論って実は生かされているんじゃないかなと勝手に思っていました。
どんなふうに生かされているかというと、例えばコーチングの子の番組の中で、コーチとクライアントがコーチングで対話をしているときに、
クライアントの方が何となく戦っている感じがするんですよね。普段仕事をしているときみたいな話を確かしていて、戦っている感じっていうふんわりした自分に対する認知、理解があったときに、
それをいきなりどんな気持ちですかっていうふうにコーチが問うんじゃなくて、じゃあその戦っている感じを体でまず表現してみましょうっていうふうに関わっていたんですね。
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クライアントさんが立ち上がって、ぐっと拳を上げてファイティングポーズをとっていたり、今にも息がかかりそうなくらい接近して、意外と接近戦なんだみたいなことが分かってきたり、
そのとき体は結構みなぎっている感じというか、ガチガチとこわばっている感じというよりも、やる気にあふれていてパンチを打てるぐらいエネルギーが高まっているみたいな、そんなことを確かおっしゃっていて、
そうすると感情としては恐怖で構えているというよりも、どっちかというと一緒に接近して、ある意味の共同作業に対してワクワクしているようなエネルギッシュな感じなんだ、そんなふうに感じているんだみたいなことをクライアントが気づくみたいな瞬間があったんです。
これを聞いて、身体反応、体を先に動かしてみて、これってどういうことを感じているんだっけ、みたいなふうに心に戻していくアプローチって、自分の頭でやっている自己理解から少し離れて飛び出て、体に聞いてみるみたいなことが、
自己理解を一段深めたのかなというふうに感じていました。もしお聞きの皆さんも、わからないけどもやもやしている考えがあったら、それを体で表してみるとどうなんだろうということを一度やってみて、そのときに感じること、どんなふうに自分はポーズを取ったときに、そういう動きをしてみたときに感じるのかというふうに自己理解を深めていただくと、
何か見えてくるものが一段あるんじゃないかなというふうに思いました。
今日はこんなところで終わりにしたいと思います。最後まで聞いていただいてありがとうございました。さよなら。