ある種、正解みたいなのが多分あるんですよね。この話ではこれで終わるのが正解だろうっていうのは。それは書くっていうよりは編集的なセンスになってきますよね。ここで切るよっていう。
ナオキ賞を取られて、このテスカトリポカ出されてもうすぐ1年ぐらいじゃないですか。何にも変わってないようで変わってないってことはないと思うんですけど、一番変わったことは何ですか?
一番ね、実感として感じるのが、やっぱね、本を読む時間がもう本当なくなるんですよね。
だからもう今ね、例えばこうアメリカのトマス・ペンチョンっていう作家のとかをゆっくりのんびり読みたいなと思うんですけど、
もうその時間がないですね。で、他にこう、読んでくださいって本とか見てくださいっていうのが増えてくるじゃないですか。
書評とかですね。だからそれはちょっと確実にそういうこう、スペースっていうんですか、スペースがなくなりますね。雑事みたいな。
仕事はね、長編とは全然引き受けてなくて、僕はそれはもう
できません。できませんっていうか、やりませんと。基本働きたくないんで。
そうだから、これあの若い人たちとかね、デビューを本当にしたい人たちに言っておきたいんですけど、やっぱり売れてない時に本読んどいてほしいですよね。
もうね、なんか下手に売れるともう読む時間なくなるんですよ。
やっぱこう焦って読みたくないじゃないですか。確かに。でもその読む時間なくなるっていうのは仕事じゃなくて、
それこそ雑事。まあ今日も雑事かもしれません。やっぱこういうのが増える。
そうなんですよ。だからあの早川さん、会う力ってね。
あ、そこまで入ってますか。ちょっと怖いですね。これカットです。
こっちから言う。いやいや、違っていいですけど、こうね、会いたいと言われる身にもなってもらう人を想像する力っていうんですかね。
はい。よく存じてます。すいません。
そこもね、結構会いたいって言われることも多くて、なかなか断れないこととかもあるんでね。
はい。
そういうのは割とこう、直面的な。
はい。そういうのは割とこう、直面的な。
はい。そういうのは割とこう、直面的な。
ちょこちょこちょこちょこちょこ入ってくると、のんびりする時間っていうのはね、なくなりますよね。
そうですよね。
いやでもなんか今さらっと言われてドキッとで、まあ自分でもちろん分かってるつもりなんですけど、結構その、僕みたいに名前もなくて、実績もない感じでやってきた人、やっぱ会いたい会いたいだけだと、会いたいとしたらはっきり言って迷惑なところもあるわけじゃないですか。
まあ迷惑っていうか、なんでしょうね。やっぱその普通にね、会ってしゃべるだけならまだいいんですけど、セットされるとある程度その結果っていうかエンターテインメントに何らかの。
そう。ためになる話はしなきゃいけないですけど。
ランクで、なんかデザインやっぱり大事ですね。想定をされたいので、あの、川名純さん。
川名さん。
川名さんの想定。今回のテスカトも川名さん。
はいはい。これですね。早川さんあの、不思議な理由。僕テスカトって言う方初めてありましたけど。
あ、本当ですか。
大体ね、テスカっていうか、テスカトリポカっていう。
失礼しました。
で、編集者の優乃さんは関西出身なんで、テスカトリポカっていうんですよ。
ケンタっていうか、ケンタとかみたいな。
テスカトリポカって言って、俺一体どっちだろうってね。
失礼しました。
あの、京極さんにジャッジしてもらったことがあって、京極さんの方がテスカトリポカだろうとか言って。
テスカとは親種です。
テスカとは親種です。
これ大丈夫ですか?なんか二人からお叱りがない。
いやいや、大丈夫です。
僕いろんなその、長い付き合いがあればあるほど、メールとかでタイトルが間違ってくる人がね。
ありますよね。意外と言えないみたいな。
そうそう。英語圏に住んでる人とかも間違ってくるんですよね。
あ、そうなんですか。
英語圏に住んでて、英語できるのに、今回テスカポリポカおめでとうございますとか来て。
一応でも訂正はしないですけどね。
アンクもそうですし、アンクの前のQJKJQ。
そういうことあってます。
あってます。
やった、そんなドヤ顔俺もするんですかね。
もう川名さんじゃないですか。
川名さん、はい。
だから、京極さん的にやっぱり川名さんのデザイン大事なんだろうなと思って。
で、アンクの時は、やっぱりその想定を彼に頼んで、やっぱりすごくこだわってるんですよ。
予算とかので、最後逆に文章を10ページ削ったみたいな。
ああ、そう。あれはね、帯。帯を、だから、川名さんもあれ自分で言ったのか会社が言ったのか、特色?鏡面の鏡の帯にしたいって言い出して。
それで、削らなきゃいけないっていう話になったんですよね。
ただ、逆にいい意味でですけど、僕も記事で読んだだけなんで、どこまで京極さんがそれを、半分本当、半分は別なのかわかんないですけど、そういうのあるのかなと思って。
いずれにしても、本文は大事ですけど、やっぱりそういう想定も含めてすごい大事にされてるのかなっていうふうに。
いや、もう半分っていうか、本当ですよ。本当に。
やっぱり、CDとか音楽が好きだから、ジャケ買いあるじゃないですか。ジャケットでやっぱ買うんで。
大事ですよね。
もう外側がかっこよければ、もうあと中身何か書いてあればいいんですよ。
だし、そもそも取ってもらわないとね。
そうなんですよ。で、こう、僕としては読まずともずっと置いてあるかっこいい本とかありますよね。
ああ、ありますよね。
それでいいんで。で、10年ぐらい経って読んでないけど、読んでみるかって言ったら、割とおもろかったっていうのがあればいいんで。
素晴らしい。
やっぱこう、デジタル化していくじゃないですか。
はい。
今こう、アナログの良さっていうのは、アナログで言うとレコードと一緒で、ジャケットの質感とか重さとかですね。
本当に好きそう。
そうそうそうそう。ですよね。だから、靴とかそういうのと一緒ですよね。
じゃあ、そのためにある意味、10ページとか15ページ削るのは、もちろん大変だったと思いますけど、それはご自身の中ではもちろん納得してというか。
それはもう、削りますよね。かっこよさの方を優先しますよね。
ここで、アンクの方の話になっちゃいますけど、大暴動みたいなところをちょっと削ったみたいな話だったと思いますけど、そういう意味では、今回テスカとリポカ、フルネームで言ってみましたけど、予算の絡みとかで削った裏話とか何かないんですか?
削りましたね。最初はもっと倍、もっとたくさんあったんですけど。
倍ぐらい。
そうそう、あったんですよ。アステカ王国とスペインのコンキスタドールがバトルするシーンとかあったんで、そうすると値段も上がるわけですよね。値段って大きいですよね。
ここまでだったらいく。ここから先いくともう動かないとか。あと、下手すると上下セパレートとか。
ああ、そうですね。
これは、この間早稲田に見に行かれた村上春樹さんが。
ああ、そこまで?どうやって僕の。
で、まあ犯罪小説で、リアリティでこの中でやってるんで、まあ読んでもらったら分かるんですけど、割とこうビジネスに直結する。
そうですね。
そういうことがいろいろありましたんで、だから入れたというよりは、まあ、一回ね、だからパンデミック最初に来て、えっと、イギリスのかな、先世、今日のフェリーが止まったときに、一回ストップしたんですよ、編集者の優乃さんと話してですね。
で、そうで、これがもう想像を超える、こうあまりにも斜め上になっていくようだったら、こうエンターテインメント、犯罪小説の割とリアリティが大事なんで、変わってくるじゃないですか。
はいはいはい。
日付も設定がね、この時代になってるから。
パラレルワールドにするのかしないのかみたいので、一回様子をこう待つっていう感じで、まあある程度ここぐらいなんだっていうところで入れたから、まあ意図して入れたっていうよりは、まあ、いやまあこのタイプでやらざるを得なかったですよね。
はいはいはい。
まあただ逆に言うと、今そうかおっしゃったように、つまりやっぱり入れるべくして入れたってことですね、ある意味。
そうですね。
うん。
はい。
じゃああれがなかったらなかったで、成り立ってたとは思うけど、やっぱり。
うん。
成り立ったと思うけど、やっぱり必要だったんでしょうね。
後でね、振り返ったときにその時代とリンクして語られたりもしますし。
でね、あの、クルーズ船っていうものがものすごいこう紐づいたわけじゃないですか。
そうあるんですね。
そうだそうだ。
それをこう、現実で皆さんに印象付けられてるところを、まあそのままこう、なんでしょうね、リライトっていうか、利用できるっていうところも面白さもあったんで、まあ使いましたけどね。
なるほど。
なんか今クルーズも出てきましたけど、まあクルーズといえば海、海といえば水ですし、まあさっきも水を例えされてましたけど、なんか水というか川というか、アンクもテスカトリポカも、まあ最後ちょっと川というか。
はいはいはい。
なんかそれって偶然なのか、意味あるんですかね、佐藤圭雄的に。
少しね、ネタバレ的にはね、あるかもしんないけど、割とその鏡三部作っていうコンセプトで始まったんで、まあ水も一つの鏡なんで。
ああ、そうなんだ。
若干で言うと、こうアンクの方が起きた時代は先なんですけど、それをこうクローズする、クローザーの意味でテスカトリポカも書いてるんで、やってるときはね、そんな意図してないんですけど、まあ途中で気づきますよね、早川さんが言ったように。
だから、ある種のこう同じシーンが、こう違う形で繰り返されるっていうのは、いいかなと思いましたね。別に人物とかはね、関係ないんですけど、そういうのってこう、早川さんの好きなサッカーとか見てもあるじゃないですか。
はいはい。
全く違うところで繰り返されると、なんかこう、グッとくるものがありますよね。
そうか。じゃあ、ご自身でも意図せずにみたいなのは結構やっぱあるんですか?やりながら。
それは割と物書きの方、みんな長編になるとあるんじゃないですかね。
ああ。
そんなに全部コントロールできてないですよね。
ちなみに今回はテスカトのラストというか、あの辺は最初の時点でどのくらい見えてたんでしょうか?