1. INTERVIEW │ インタビュー
  2. #67:戦争を知らなくても戦争..
2022-06-21 39:05

#67:戦争を知らなくても戦争小説を書ける理由 │ 高橋源一郎さん(小説家)

▶︎本パートのインタビュー映像

【戦争を知らなくても戦争小説を書ける理由 】
「100年後、第二次世界大戦を知らない人たちも戦争小説を書けると思いますか?」
早川の質問に対し「書けると思いますよ」と回答された高橋さん。

本を読むと、人間は今も昔も根源では変わっていないことがわかる。
400年前にガリレオ・ガリレイが何を感じ何を思ったか。
本が生み出す時代を超えた出会いについて伺いました。

【プロフィール】たかはし・げんいちろう/1951年生まれ。81年、『さようなら、ギャングたち』で群像新人賞長篇小説賞を受賞しデビュー。三島賞、伊藤整文学賞、谷崎潤一郎賞他各賞を受賞。『『ことば』に殺される前に』他多数。

この30年の小説、ぜんぶ
『ことば』に殺される前に

【高橋源一郎さんへのインタビュー】
Talk.1 他の読み物とは違う小説の価値 〈6月6日(火)公開〉
Talk.2 小説は人生そのもの 〈6月13日(火)公開〉
Talk.3 戦争を知らなくても戦争小説を書ける理由 〈6月20日(火)公開〉
Talk.4 これからの時代、最も必要なこと 〈6月27日(火)公開〉
再生リスト

Spotify(音声/毎週お気に入りの楽曲も流します)
▶︎早川洋平のお気に入り楽曲再生リスト
Apple Podcast(音声)

【目次】
OPトーク
終戦時10代だった作家たちが書く戦争の話
100年後の人たちも戦争小説は書ける?
小説から見えてくる時代性と普遍性
2022年5月時点で社会が見える一冊
EDトーク

ポッドキャストブランディング講座
・映像よりも手軽に。あなたの発信を待っている人たちが世界中にいる。

「会う力」養成講座
・映像コース:早川洋平のコンサルティングを受けたい方へ
・音声コース:リーズナブルに学びたい方へ

ニューズレター(早川洋平のエッセイ・最新情報をお届け)

▼【聞き手・早川洋平プロフィール】
はやかわ・ようへい/新聞記者等を経て2008年キクタス株式会社設立。羽生結弦、髙田賢三ら各界のトップランナーから市井の人々まで広くインタビュー。近年は欧州を中心に海外取材を本格化するいっぽうで、戦争体験者の肉声を発信するプロジェクト『戦争の記憶』にも取り組む。公共機関・企業・作家などのメディアプロデュースも手がけ、キクタス配信全番組のダウンロード数は毎月約200万回。累計は3億回を数える。『石田衣良「大人の放課後ラジオ」』『横浜美術館「ラジオ美術館」』などプロデュース多数。 近年はユニクロやP&GなどのCMのインタビュアーとしても活動している。
https://linktr.ee/yoh.haya

▼【ナビゲーター・堀真菜プロフィール】
ほり・まな/現在、早稲田大学4年生。
コロナウイルスの流行により、人と会いづらくなったことを機に、zoomを通して色々な人の話を聴くことを始める。1年間で200人以上にインタビューを行い、聴くことの魅力に目覚める。
現在、勉強を教えない塾福幸塾と提携し「思考と対話の技術」の提供をする他、学生・若者向け対話サービス『workin’ talkin'』を立ち上げるなど、対話、インタビューを通じて様々な事業を展開している。プロインタビュアーとして実績を積むため現在奮闘中‼︎
https://koushiro123.wixsite.com/manaroom

▼関連キーワード
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#河出書房新社

Videographer/Editor : Kimi

00:01
インタビュー
こんにちは、プリモノです。
インタビュー、この番組はYouTubeとPodcastの各プラットフォームよりお届けしています。
YouTubeのチャンネル登録、Podcastの各番組のフォロー、皆様よろしくお願いします。
そして早川さん、今回もよろしくお願いいたします。
今日は6月の21日放送というところで、もうそろそろ梅雨明けなのかなぐらいのタイミングだと思うんですが、
梅雨、私第1回放送、今月の第1回放送でも言ったんですけど、あんまり好きじゃない中でも梅雨の好きな部分っていうのがありまして、
雨上がりのアスファルトの匂いが私たまらなく好きなんですよ。
また詩人ですね。
え、なんかありません?特別いい香りじゃないけど、めっちゃ好きな匂いみたいな。
例えば私、地下鉄の香りとかも好きなんですけど。
なんかアスファルトとか地に足ついた場所が好きなんですかね。地面とか地下とか。
大地の香りみたいな、よくわからないけど。
大地だけどちょっと人間入ってますよね。地下鉄にしても人工物が入ってます。
早川さんなんかないですか?このいい香りではないんだけど、なんか好きなんだよみたいな香り。
てかあるけど出てこないな。でもなんかそういうのあるよ。
なんかランキングであって、本屋さんの香りとか古本の香り、ガソリンスタンドの匂い、歯医者さんの匂いみたいな。
なんかあるよね。あるけど今すぐ出てこないけど、そうか。なんかすごい、本屋さんの香りってする?
いわゆる書店、本当に昔ながらの書店とかって今減ってるじゃん。
なんか俺が悲しいのかもしれないけど、大型書店しか行かないから本屋さんの香りがしない。
なんか本屋さん行くとトイレ行きたくなるとかいう説あるじゃないですか。
知らない知らない。そんなことある?
なんか私聞いたことあります。本屋行くとトイレに。
私はそれがてっきり香り的なもので体が反応して行きたくなるから、あるんじゃないかな。髪の匂いみたいな。
それかなんかインクが揮発してトイレを行くような何かとかあるのかな?もし本当にあるとしたら。
怪しすぎる。でもあるかもしれない。
その匂いで、私冒頭で雨上がりのアスファルトの匂い好きだって言ったんですけど、その香りの香水が発売されてるらしくて。
そうなんだ。雨上がりのアスファルトの匂いって嗅いだことないから嗅いでみよう。
あれなんかペトリコールっていう名前があるらしくて。
科学的に論文とかも出されてるぐらいちゃんと実証されてる匂いらしいんですけど、
アスファルトの匂いちょっと好きだよみたいな共感してくださる方いたらちょっとペトリコールで検索して、ペトリコール香水なんかで検索していただけたら面白いかもしれません。
マジですか。
03:01
まあでもとりあえず雨上がりのアスファルトかけばするはずなんだよね。
はい。梅雨ですけど皆さんちょっとお出かけしてクンクンしてみてください。
じゃあちょっと僕はいつ配ってみますね。かなり怪しいけど。
やめてください。検査時に捕まります。
捕まっちゃうよね。
そんなことで今回も本編に入って参りたいと思います。
今回は高橋源一郎さんのインタビューの第3回です。
私ふと思ったんですけど、早川さんと高橋さんって結構共通点多くないですか。
本当ですか。共通点。
高橋さんは広島出身で、今鎌倉にいらっしゃるじゃないですか。
早川さんも新聞社時代広島にいらっしゃって、今神奈川県で会社やってらっしゃったりとか、
あとお二人とも戦争っていう面での記憶だったりエピソードを発信したりしてらっしゃるなぁなんて思って、
そういう共通点からもなんかシンパシーを感じる部分じゃないですけど、なんか共感する部分とかあったんじゃないかしらなんて思ったんですけど。
お話の中でもね、戦争の話は出てきてましたよね。伝え方とか。
そうですね。さすがインタビュアーとしていろいろ鋭いですけど、やっぱり本当に、だから惹かれたかどうかわからないんですけど、
逆に言うとね、もなさんアウチからの講座も学んでくれてるんですけど、やっぱりその共通点。
その切り口でガンガン今回は入ってことなかったんですけど、どちらかというと本編には入ってませんけど、やっぱり共通点がそういうところが結構あるので、
もっと言うとね、これは言っていいと思いますけど、高橋源次郎さん結構横浜も長かったんですよ。
大学も横浜国大、中大ですけど、なので横浜もすごい詳しくて、僕としてはその冒頭でやっぱりインタビューに入る前にね、
アイスブレイクのところで横浜の話もしたりとか、もちろん広島の話もしたりとか、あと僕は鎌倉住んでませんけど、
こっちの方の方はわかると思いますけど、横浜とか鎌倉とか横須賀線っていうのが通ってて、横須賀線の沿線なんですよ。
で、そういう話をしてちょっとアイスブレイクしたりとか、だから本当にちょっと本質から外れますけど、
いつもどんな、僕からしたらこんな大先生、高橋源一郎さんで、とても共通点ない。
普通に考えたらもう知識も実績もすべてがね圧倒的な天上人みたいな人ですけど、
でもね、やっぱり出身地とか、ある人時住んでたとか、無理矢理でもね探すとやっぱり一つどころか4つ位ずつ結構あるから、
なのでそこで、あんまりそればっかり言うとね、うざいんであれですけど、高橋さんに冒頭でちょっとそういう話をさせていただいて、
少し和んだかなみたいなものはやっぱりありましたね。
06:03
なんかそんな中で話し進められていく中で、やっぱり私は今回のインタビューで戦争の切り口っていうのが結構印象に残って、
なんでこう戦争っていうのが若い人たちが関心を抱きにくいのかというか、聞きにくい足を土足で踏み入れるというとあれですけど、
そういうのしにくいのかみたいなところも素晴らしい言語化力でめちゃくちゃわかりやすく説明してくださっていて、
私たちもきっと今コロナとか、戦争じゃないですけど、激変の時代を生きていると思うので、
そういう時代をどうやって伝えるかとか残していくかみたいな視点でも非常に勉強になるインタビューなんじゃないかなと思ったので、
ぜひ早川さんと高橋源一郎さんのインタビュー第3回もお楽しみください。
どうしたらいいのかって、僕ちょうどマイネームラジオで戦争の向こう側っていう特集をやったんですよ。
だからその傑作をやるとなんかすごい暗いズズンという気持ちに、戦争の悲惨さを伝えれば伝えるほど虚しい気持ちになってて、
ある年、今伝えたい諸説が何かっていうことでちょっと選んできたらすごく面白いことがあったんです。
これ3年ぐらい前にやったんですけど、その時選んだのは大岡翔平や野間博史じゃなかったんですよ。
向こう田邦子の五反、野坂章之の戦争童話集、関西のSF作家の小松佐郷の戦争はなかった。
ちょうど3冊僕今読んでます。
これ何か書いてあるんですけどね。それを選んだんですね。
で、僕実はこれも不思議で、選んだ後にみんなの成年月日調べたらほぼ一緒だった。
昭和の一桁台。
終戦時14歳、15歳です。
そうですよね。
ちなみに江藤潤もそうなんだよね。
なるほど。
で、なぜ自分好きかって言うと、終戦時14歳、15歳っていうのは、まず戦争に行ってないんです。
出生してない。
出生してないけど、マインドはほぼ大人。
そうですね。
戦場には行ってないけど、戦争には参加して、
それは後輩地というかね、戦場ではないところで自分には一切自由はないっていう。
つまり発言権がないんですよ、14、15歳だと。
発言権は戦場に行った兵士とか厳しい生活を強いられた親。
でも14、15歳って全部覚えて、全部自由も奪われてるのに言うことがないってことになってるんですよね。
彼らは戦後25年ぐらい経って、70年代なんですよね、彼らが書いたのが。
09:08
45年から25年以上経って、彼らが40歳過ぎてから書いてるんですけど。
向小田勲さんだったら、戦争から日常の話を書いてるし、野坂さんは童話の話だし、
小松佐教は戦争がなかったという状況の話を書いてるんですけど、
やっぱりね、大川翔平とか野間博士には戦場の話はないんですよ。
簡単に言うと、野坂博士は極限上学校のファンタジーだから、
どっちかというと日常の話なんですよ。
つまり戦争下で非日常的な生活を送ったんじゃなくて、戦争下でも日常があったって話なんですよ、どっちかというと。
その中でどうやって生きたかっていう話。
あれは読んでも面白い。
それは一番しっくりきますね。
面白いんだよね、まず。
戦争の人たちって傑作だったら苦しいんですけど、向こうだクリフォーなのかなって。
もうね、ワクワクしてくる。
でもあれ、空襲の中で逃げ回った話なんですよね。
周り火の海に囲まれた中で、家に土足で上がってご飯食べるって話なんですけど、
戦争中に開放感がある話なんですよね。
僕もあれ書いたんですけど、土足で畳の上に上がるのを一瞬躊躇うんですよ、向こうだクリフォーは。
だって土足で上がっちゃいけないでしょ。
でも父はこんなことない、どうせ上に行ったってことで。
もう周り火なのに、上がれ上がれって。
その上がった瞬間に開放感がある。
ご飯っていう日常を守ったら、それまでのしがらみね、畳の上に土足で上がると。
あれって僕らは心理的な抵抗があるでしょ。
それから開放されて自由になるんです。
だからあれ変なんですよね。
戦争中で火が迫ってるのに、ものすごい自由な。
しかもみんなご飯、いいおかず全部出して、たらふく食べて、そのままわーっと昼寝しちゃうんだよね。
それまでずっとまず日常生活の漆黒があった。
それから戦時化があった。
両方から開放されて、超自由な。
ユートピアみたいになってるんですよ。
周り燃えてるのに。
これが向田くんが描きたかった、戦時化があったからこその究極の自由。
それって言っちゃいけないでしょ。
戦争は大変だとかね。
そこの部分しか切り取れないですかね。
あれが一番自由だったのはあの瞬間ってことですよ、生涯。
っていう話。
12:00
面白い。
そっちですね。
そう、それ言った時ちょっと感動しとるんだよね。
戦争があって、空襲があって、みんなが死にそうになったから、初めて自由になった。
それまでみんな、日常って少市民的な暮らしで豊かさで、
それは気がつかないけど、実は規制があるんだよね。
ハメは外せない。
戦争のおかげでハメ外して、土足で畳に上がるっていうのはものすごい心理的に。
自由になったんですよ。
それは言っちゃいけないことでしょ。
戦争の怖いところはそういう瞬間もあるはずですよね。
悪い方向に触れると人を殺したり犯したりするっていう。
戦争のその人の闇の部分を自由に。
と、もう同時に人間持ってる自由。
だから戦時化とか災害化で、いわゆる災害ユートピアってあるじゃないですか。
人間ってこんなに豊かで優しい感情を持ってるのかっていうのもやっぱり戦時化で出てきますよね。
それは極みがまさに戦争だと思いますけど、やっぱり震災でありコロナであり。
両方出てきます。人間のダークな部分もブライトな部分も。
やっぱり戦争文学は基本ダークな部分を描いているので、
実際の戦争とは異なったイメージを植え付けて、
その結果、戦争経験者がない人たちに嫌な。
聞く耳になくなる関係ないってなりがちですよね。
それは大変でしたね。
でも向こうだ国を読むと関係ないって言わないと思うんですよ。
楽しそうと。言っちゃいけないけど。
あ、戦争ってこういうこともあるんだ。
でも悲惨さは伝わるので、ちゃんと。
てか両方あるからこそ伝わりますよね。
だって周り全部焼けて死んじゃったりしてるって、
死体ゴロゴロして書いてありますからね。
楽しいこともあったんだってなると、これは受け入れられるんだよね。
悲惨さと豊かさっていうのは同時に来るっていうものだと、
作者が特権階級じゃなくなってる。
俺はこんな悲惨なことに耐えたんだって言われたら、
はい、っていう上下関係が起きる。
向こうだ国の小説だと、この土足で入った漢字が、
僕らも土足で入れるっていう漢字ですよね。
小説の最終的な目的は、読者を自由にすることなので。
なるほど。
戦後文学は傑作は、傑作だけど読者は自由にはしてくれないです。
すると小説としては問題がある。
そういうことか。
向こうだ国の小説は、自由な漢字を読んだ後、
15:02
話としては悲惨なことをもちろん書いてるんですけど、
悲惨さが目的ではなくて、その中でも人間は自由になるっていうことを書いてるんで、
あの小説はいいね。
そういう意味では、当事者でない方がむしろってすごく腑に落ちたんですけど、
逆に言うと若い世代、まさにあいさかさんもそうですけど、
戦争を書いてますけど、
今後、いわゆる僕からすると、高橋さんはご両親が戦争を知ってるので、
当事者じゃないけど近いじゃないですか。
そこは高橋さんとしては究極的には100年後とかで、
第二次大戦全く知らない若い人でもそういう総括ではないけど、
やっぱり書けると思いますか?
書けると思いますよ。
その一つはまず人間が同じことを繰り返し聞いたってことですよ。
そうですね。
人間性そのものが全面的に変わったら難しいね。
でもやっぱりそこが過去を知る面白さで、
読むとぶっちゃけ変わってないんだよね。
さっき書いた原稿があって、これ全然関係ないんですけど、
漫画読んだって言ってたじゃないですか。
地動説の話だよね。
面白いんで、その後ガリレオ関係の書類を読んだんです。
ガリレオ裁判とか。
あんまり面白くなかった。
ガリレオ本人の本を読みました。
はっきりなったのは天文対話って言ってたんですけど、
これは手に入らなかった。
しかも面白くなさそうなんですよね。
星の世界。
世界の担保?探索?
これがガリレオを有名にした本で。
何かって言うと、面白いですよ、話がね。
まず、書いたばっかりなんで覚えてるんですけど、
望遠鏡がいつできたかって言うと、
16世紀末から17世紀の初めなんです、望遠鏡が。
いろいろ説があるらしいんですけど、
1608年にオランダ人のなんとかっていう人が望遠鏡の特許。
ウィキに載ってます。
それは、そもそも1590年に誰かが作ったのを真似たっていう話になってるんですね。
その人の名前書いてある。
でも正式に名前が出てるのは1608年のオランダ人の人で、
もう一人同じ年に誰かが特許を出した。
1608年に望遠鏡の特許ができた。
ガリレオは翌年、その話を聞いて伝聞で作ったんです。
伝聞なんですね。
特許の話が燃えてきてると思うんですか。
その作り方が伝わったんで、望遠鏡っていうのはこの世に生まれた翌年にガリレオが自作した。
すごいでしょ。
すごいのは望遠鏡を作って最初にやったのが宇宙ミサイル。
18:04
その観測記録が世界のなんとかです。
そういうことなんですね。
短いんです。
全部自作の絵が書いてある。
月と光勢と木星の観測記録。
絵が下手。小学生の観測記録みたいな。
超ウケる。
それまで誰も肉眼以外で天体を見たことがなかった。
1609年に初めてガリレオが見た。
誰も見たことがないものを。
ガリレオ感動してるんですよ。
月って凸凹があるんだよ。
星って見えないところにいっぱいあるんだよ。
白いモヤモヤしたものって全部星だったんですけどとか書いてある。
学術論文ではなくて。
小学生の日記みたいですね。
観測記録なんだ。
木星って周りに星があるんだよって。
今日はこういう位置とか。
オリオン沢見てオリオン三星。
ところに見えない星見つけたんで全部描いておきます。
下手な点が浮いた。
マジ気持ちわかる。
めっちゃわかりやすいですよ。
ほぼ小学生の観測記録みたいな感動になって。
それは読んでみよう。
わかりやすいも何も。
だって観測記録なんでね。
今までみんないろんなこと言ったけど全部嘘ですって。
見たらわかる。
っていうのがあった時に何年前だ今2020年。
あと400年くらい前ですね。
の人が全く隣の人だよね。
変わってない。
ってことですね。
だってワクワクしてるのか。
みんな言ってるけどね。
見たらすごいよって。
ガリレオのって大学者だからさ。
難しいこと書いてるのかと思う。
思いますよね。
その本は特に観測記録なのでめっちゃ小学生がわかる。
人間って変わってないっていうのが僕は歴史を読むと思う。
っていうので過去を探るって言っても
絶望的な気持ちにならないのは
そこにいるのが僕らと同じ人間なので
彼らが戦争にぶつかって感じることは
僕らがもしぶつかったら感じることは同じことですよ。
基本。
っていうふうに思うと
小説には時代が封印されている。
本の中に過去は言語の形で記憶が閉じ込められているので
そこに戻ればいい。
なるほど。
21:00
そういうことなんですね。
やっぱり向田邦子を読めば
昭和19年の庶民の気持ちが100%クリアでわかるし
自分がそこにいてもたぶん同じことを書いたはずだと思うように書いてある。
それだけでなんかエッセイ書けそうですね。
そういうことなので
過去は保存されています。
文学の中に少なくとも。
ということなので大丈夫です。
僕は自分で書いてるじゃないですか。
もちろん僕は今の時代に生きてるのでその時代のことも書きますけど
僕は今だから昭和を舞台にした小説を書いてるんですけど
それは広人?
広人です。
いつ出るんですか?
第1部は今年中にはゲラ出てる。
本当ですか?
650ページくらいあるんです。
すごい。楽しみ。
それでたくさんの資料を読んでるんですけど
その中に、資料の中にも人がいるでしょ。
変わんないなっていう。
やっぱりそこなんですね。
もちろんこういうことを当時は感じてたんだっていうのは今は違うかもしれない。
でも人間性が違ってて全く理解できないってことはないですね。
っていうことは一般には知られてない。
僕はいろんな記録とか読んでるとこんな面白い人がいたとかね。
こんな面白い事件があってぜひ伝えておきたいっていうようなことがあって
これを多分読むとまた過去のイメージが。
そういうふうに歴史とか事件を人は記憶してて。
先に戻りますけども森鴎外が歴史小説を書いてて。
昔は何で書いてるんだあの人って意味わからない。
今読むと人は変わってないよと。
同じようなことを淡々とやってるって。
そういう意味では繰り返し?
っていうことは今何かわからなかったら過去のを読むとね。
ヒントを書いてある。
同じような時代があった。
同じような人がいてその人はこうやったんだから。
ヒントになるでしょ。
本を読むとか歴史を読むとか。
小説はさっき言ったように時代性を帯びてるんで。
ものすごくちょっと違った言い方をすると
こういう時代にはこういうことを考えたりこうしたりしますということが
小説は得意なので。
どこかで自分に似た人間が
自分がいる時代と似た時代に
何をしたかっていうのを読むと
こう来るかっていうヒントが
満ちているので
たくさん小説を読みましょうと。
24:00
どこかで自分に似た人
自分に似た環境を見つけて
そこでどういう判断を下してどうなったかっていうのは
小説家がここ数百年
あらゆる場所でコツコツと記録を蓄えているので
無尽蔵に探しに来てくださいという感じですよね。
今の中でそのままリンクしてるんですけど
今日現在、これ5月忘日ですけど
やはりこの本はぜひ皆さん読んでいただきたいんですけど
個人的には、この後
高橋源一郎としては
小説はまさに社会が見えるという話もありましたけど
2022年、まだ今5月ですけど
この本にもし選書して加えられるとしたら
社会が見える一冊ってもしあげるとしたら?
やっぱり同志少女よ、敵を打てていいじゃないですか。
やっぱりですか。用意しておいてください。
これだと思います。
あえて言語化すると。
普通考えると、この本が書かれた時は
現代日本と何の関係もないという感じだった。
そうですね。
なんで外国の話を書くんだ?
これね、まず一つ面白いのは
ちょうどロシアとウクライナの戦争が起こっている時に
ロシアの過去の戦争の話を書いたということで
ものすごく参考になるというか
偶然の一致のようなことがありますね。
僕は個人的に驚いたのは
いい小説って
いろいろ学ぶことが多いんですけど
自分の無知を教えてくれるということなんですよ。
今回、僕ちょっと一連のロシアのウクライナ進行で
一番びっくりしたのは
これ書いたんですけど
ロシアとウクライナとベラルーシの区別はあまりつけてなかった。
これでまさにわかりますよね。
びっくりしたんですけど
ゴーゴリがウクライナの作家だって知らなかった。
知ってたと思うんですけど、特に気にしなかった。
ゴーゴリじゃなくてホウホリって言うんですって。
そもそも。
ゴーゴリ自身はロシア語で書いてたんですけど
ロシア語があの辺のスラブの人たちの共通語っていうことだから
標準語みたいな。
だからウクライナ語ではなく
ロシア語で書いてたんですけど、でもウクライナの人だった。
ネアルブルガーコフっていう
巨匠とマルガリータを書いた人もウクライナの作家で
アレクシエビッチはベラルーシの作家です。
ウクライナとベラルーシとロシアっていうのは一種の兄弟国家で
複雑に絡み合ったものがあったっていうことを
今回の戦争で知りました。
27:03
つまり僕なんか一応専門家ですかね、ロシア文化は。
でも大体だった。
物事って大体のことは大体しか知らないですね。
大体は大体。
つまりほとんどのことはなんとなく知ってるだけなんですよ。
ロシア文学の話なんか恥ずかしくてできないですよ。
この程度の認識で喋っているっていう時に
この小説はある種の正確さ。
限られた空間の中で何かを正確に言うってことはこういうことだっていうのが一つ分かったってこと。
あとこの小説はいわゆるシスターフッド小説。
戦争と女性っていうのは、実はアレクシエ・ビッチもそうなんですけどね。
これも僕らのある種の既成概念。
つまり戦争は男性がやって、女性は後方にいると思ってた。
それは日本の戦争時代もそうなってますよね、基本的に。
でもロシアは特に女性兵士が多いですよね。
これもアレクシエ・ビッチも書いてるんですけど、知らなかった。
そうやって見ると戦争の姿が違って、
僕らはだから戦争自体をステロタイプで見てますよね。
でもそれは女性は戦争から別で、戦争ではただ被害者になるみたいなものがあって。
そうなのかっていうこととか。
ちょうど僕、この時に少し前に、白の闇という小説。
川手文庫だよね。
誰だっけ?
サラマーゴ。
ノーベル賞を受賞したジョゼ・サラマーゴの白の闇なんですけど。
これはパンデミック表示ですね。
目が見えなくなる感染症。
だから神へのペストとか。
ほぼ一緒。
どっちもノーベル賞を取ってるんで。
そうか、感染症を書くとノーベル賞を取れる。
ただ白の闇は、僕ペストって傑作だと思ったんですけど、
白の闇が出た途端にペストの無病性みたいなのが消えちゃったんだよね。
どういうところかというと、ペストって男しか出てこないんですよ。
女性も出てくる。本当に早くみたいな。
男性の物語。ペストは戦争のヒールなので。
男性の英雄的行為を描いた小説なんだけど。
30:00
でも被害者って男性も女性も同じ数いるよね、きっと。
でも戦ってるのは男だけじゃなくてね。
と思ったと思うんですよ、サラマーゴが。
白の闇は女性が主役なんです。
そこから違う。
面白いでしょ。目が見えなくなっちゃう。
一人だけ目が見えてる人。これ女性なんで。
彼女が導いていく。
そういう悲惨な状況の中で女性はレイプされたりするんですけど。
被害に遭うのも女性。
役に立って戦闘でやってくれるのも女性。
男はただウロウロしてるだけって言ってたんですよ。
これ結構皮肉効いててね。
どっちがリアルかっていうとやっぱりサラマーゴの方がリアルかなって。
なんか今聞いてる点もそうですね。
カミュウはそういう意味では抽象的で理想的な小説なんですよね。
ある意味男っぽい。
サラマーゴの方が読むと女性的で。
でもカミュウ的な小説が多かったんだよね。
で、今回のサラマーゴがやったように女性なんですよ。
女性から見た世界は男性から見た世界と違うってことですね。
この小説はタイトルも含めて最後の方にいろんなネタバレがあるんですけども、
全て女性視点で見ると世界は違って見える。
これはもちろんマイノリティ視点っていうことでもあるんですけども、
そういう意味ではカミュウだってあれは戦うマイノリティの話だったんだけど、
もっと大枠を広げちゃうとマジョリティだよな、あの小説が。
そういう意味で絶えず気をつけていないと、気がつかないうちに僕たちはマジョリティの視点で語っていく。
これが上から目線なんですよ。
だから、日本の戦争小説って、傷ついて弱者のはずなのに、
マジョリティ、最初に見ましたよね。
戦争体験者が威張っているというか、それは数多いからですよね。
当時みんな戦争体験者で、どんどん戦争体験者が減ってくると、
マイノリティのはずなのにマジョリティの顔をして、
数としては少ないけどマジョリティだし、ある意味深刻化みたいになってフラットにいけないですね。
マジョリティだったから、その記憶のまま喋ってるから、
33:05
今マジョリティの人が、マイノリティの人がなぜかマジョリティっぽく喋ってるんで、
ムカつくでしょ?
ていうことなんですよね。
そういう立場って、過変的に入れ替わるから。
僕も神のペストは完全無欠な作品だと思ってきたけど、
サラマーゴを入れちゃうと、急に何か色あせてくんだよ。
ここでもペストのこと書いてますけど、
もうちょっと今だったら書き直さなきゃいけない。
この本も入るでしょ?
ペストは本当に素晴らしい小説で、
これもさっきも言ったように、
ノビがひどい小説というわけでもなくて、
ペストがダサくてというわけでは全くなくて、
本当に素晴らしい傑作なんだけれども、
時代とか環境とか考え方っていうのは過変的なものなので、
永遠不滅の作品はないんですよ。
それがまた面白いところで、
これはもう褒めるしかないなと思ったものが、
意外なところに弱点があって、
弱い女性の観点を書いていたとかね。
マイノリティ的に発言してるけど、
いや実はマジョリティですよとかね。
確かに本当そうですね。
小説の語りは、これはね、
必ずマイノリティじゃなきゃいけないんです。
弱いところから発する信号が小説。
支配者が語るのは小説じゃない。
転結は追放された亡命者。
国籍を失ってパスポートもない。
ただ言葉だけ。
それが手がかりでメッセージを繰り出すっていうのが、
小説のイメージなんです。
そうすると、
気が付くと支持が増えて、
マジョリティになってしまう危険があって、
それをやっぱり恐れなきゃいけないですね。
この同志症状適応予定っていうのは、
この小説が出てくると、
多くの小説が、
マジョリティになって書いてたんだなっていうのが、
見えてくる、優れた装置になっていて、
これはアルクシュ・ビッチもそうですし、
単に女性視点っていうことではなくて、
そういう関係は可変的で、
ある時期マイノリティだったものが、
気が付くとマジョリティになっていくっていう構造そのものだよね。
エンディングのお時間です。
インタビューでは皆様からの早川さんへのご質問や、
番組への感想、取り上げてほしいテーマなどを募集しております。
概要欄のURLからどしどしお寄せください。
いただいたご質問等は番組内で取り上げさせていただきます。
そして、人と一対一で会う前、会った時、会った後に何をするか。
36:02
著名人から資生の人に至るまで、
18年間で2000人以上にインタビューを行ってきた早川さんが、
そのすべてを余すことなくお伝えしている、
アウチから養成講座、早川さんからの無制限コンサルティングに基づいた映像コース、
そしてリーズナブルな画角でスタートできる音声コース、
お好みの受講方法をお選びいただけます。
詳細や受講の申し込みは、概要欄に記載してある
アウチから養成講座のホームページをご覧ください。
ということで、エンディングのお時間ですが、
前回、5月のですね、QRカフェに参加した時に、
その参加者の方から私、すごい嬉しい言葉をいただいてですね、
このインタビューの収録って、2人で話していて、
それをYouTubeにアップするから、
見てる人側がどう感じてるのかって、全然わかんないんですよ、私自身。
どんな感想を持ってくれてるのかな、とかもわからないし。
っていうところで、この間嬉しい感想をそのQRカフェでいただいて、
冒頭もエンディングも、私結構楽しくて、いっぱい喋っちゃうじゃないですか。
はい。
モリモリで。
なんかそれがその、世代間のギャップ、私と早川さんで年齢差があるからこそ、
そこから広がる話が面白くて、結構その本編ももちろんそうだし、
その繋がりの部分も楽しく聞けてるんだよ、みたいな話を聞かせていただいて、
非常に嬉しく思っていた。
それは嬉しいですね。
早川さんにご報告させていただきました。
ありがとう。でも本当に感謝ですね。
僕もね、この番組についてマナさんにこういう組んでいただいて、
やっぱりすごいありがたいなと思って、本当に一番そこかなっていうね。
なかなかまず一人だと広がりない上に相手がいるだけでもありがたいですけど、
やっぱり世代が全く違うし、性別も違うし、
そうするとお互い何が飛び出してくるかわからないので、本当にありがたい限り。
実際ね、ただね、その会話自体を僕らが楽しんでるだけだとね、
もちろん相性はあると思うんで、リスナーの方によっては相性合わない方もいるかもしれませんけど、
でもそうやってね、直接目に見える形でそう言っていただける方がいるのは非常にありがたいことです。
嬉しかったです。次回からもこの年齢間のフュージョンっていうんですか?
そうですね。
ジェネレーションギャップを新たな価値にできればと思います。
また引き続きよろしくお願いいたします。
ということで、また次回も皆さまとお目にお耳にかかれますことを楽しみにしております。
ごきげんよう。
さようなら。
♪ It's rising, I'll start a brand new day.
♪ It's shining, I long to be with you.
39:05

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